土地活用の手段にソーラーパネル設置はあり?特徴を解説

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空き地の所有者の中には、何かおすすめの土地活用の手段がないか調べている人も多いと思います。ソーラーパネルを設置する太陽光発電は、リスクの少ない土地活用の1つとして注目されていますが、本当にリスクは少ないのでしょうか?

太陽光発電を開始してから後悔しても手遅れなので、事前に太陽光発電の特徴をしっかり理解しておくことが重要です。この記事では、土地活用の選択肢として、ソーラーパネルの設置がありなのか、メリットとデメリットを分かりやすく解説します。

1.土地活用は必須

空き地を所有している人の中には、売却すべきか土地活用すべきか悩んでいる人も多いと思います。

売却は一括でまとまったお金を手に入れることが可能です。そのため、お金に余裕がない、何らかの理由でまとまったお金が必要な人は、土地活用よりも売却を選択した方が良いと言えます。

一方、土地活用はうまく活用できれば安定した収入を継続的に手に入れることが可能です。そのため、土地活用に向いている空き地を有していて、今すぐに売却する必要がない人は、売却よりも土地活用を選択した方が良いと言えます。

通常は売却または土地活用のいずれかを選択しますが、空き地の所有者の中には、空き地を将来使用する可能性があるという理由で、何もせずにそのまま空き地を所有している人もいます。

しかし、空き地の所有者には、毎年固定資産税と都市計画税が課されるため、無駄な支出が生じるという点に注意が必要です。

そのため、空き地を所有していて売却の予定がない人は、空き地のまま放置するのではなく収入で固定資産税や都市計画税を補えるため、土地活用を行った方が良いでしょう。

2.【土地活用】ソーラーパネル設置のメリット

土地活用と一口に言っても、賃貸経営や駐車場経営、ソーラーパネルの設置(太陽光発電)、トランクルーム経営など、様々な土地活用の手段が挙げられます。

所有している空き地の立地条件や形状、面積などによって選択できる土地活用が限られる、土地活用によってリスクの大きさが異なるため、各土地活用の違いを理解しておくことが重要です。

ソーラーパネルの設置(太陽光発電)は、土地活用の中では比較的リスクの低い手段として注目されています。ソーラーパネル設置のメリットとして、以下の4つが挙げられます。

  • ● FIT制度で買取価格が20年間保証される
  • ● ランニングコストが少ない
  • ● 安定した収入が期待できる
  • ● 人口減少の影響を受けない

それぞれのメリットを代表的な土地活用の手段である賃貸経営と比較しながら見ていきましょう。

2-1.FIT制度で買取価格が20年間保証される

太陽光発電を始めたにもかかわらず、発電した電力をすぐに買い取ってもらえない、電力の買取価格が変動する場合、太陽光発電を始めても安定した利益を確保できません。しかし、太陽光発電にはFIT制度が適用されるため、安定した利益を確保することが可能です。

FIT制度とは、ソーラーパネルが生み出した電力の買取価格が20年間保証する制度です。日本の電力供給は、火力発電が7~8割を占めています。火力発電を行う際は、排出ガスや二酸化炭素などが生じて地球温暖化が進行するため、火力発電を減らそうとしています。

そこで導入されたのがFIT制度です。太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスのいずれかの発電方法で生み出された電力を固定価格で買い取ることによって、電力供給における再生可能エネルギーの割合を増やそうとしています。

土地活用として賃貸経営を行う場合には、満室状態が続けば安定した家賃収入を継続的に得られます。しかし、空室が生じると安定した家賃収入を継続的に得られません。

太陽光発電は天候の影響は受けますが、電力の買取価格は20年間変わらないので安定した収入を継続的に得られます収支計画を立てやすいのが大きなメリットと言えるでしょう。

2-2.ランニングコストが少ない

土地活用として賃貸経営を行う際は、建物や設備に経年劣化が生じるため、定期的な修繕が必要になります。定期的な修繕を行わなかった場合、建物の資産価値が低下する、入居者の不満が募って退去者が増える、空室が埋まりにくくなるので注意が必要です。

また、上記のような修繕費用だけでなく、水道代や電気代などの水道光熱費、クリーニング費用といった多くのランニングコストがかかります。

太陽光発電で設置しているソーラーパネルの寿命は20~30年と言われているため、買取が保証されている期間はソーラーパネルの寿命が持ちます。しかし、ソーラーパネルも汚れや落ち葉、敷地に生える雑草などで発電量が低下する可能性があるので注意が必要です。

そのため、太陽光発電を行う際も、ソーラーパネルの定期的なメンテナンスが必要ですが、賃貸経営よりもランニングコストを少なく抑えることが可能です。

ランニングコストを少しでも抑えながら安定した収入を確保したい人には、太陽光発電がおすすめと言えるでしょう。

2-3.安定した収入が期待できる

近隣の賃貸物件の稼働状況が良く、継続的に安定した収入を確保できているため、所有中の空き地で賃貸経営を始めようとしている人も多いと思います。

しかし、近隣の賃貸物件の稼働状況が良くても、自分も同じように継続的に安定した収入を確保できるとは限りません。その理由は、需要に限界があるためです。

日本は少子化によって年々人口が減少しています。人口が減少しているということは年々賃貸需要が低下していることを意味します。そのため、賃貸物件の多いエリアで賃貸経営を始めた場合、入居者を奪い合って安定した収入が得られなくなるので注意が必要です。

太陽光発電は太陽光によって収入が生み出されます。太陽光は均等に降り注ぐため、近隣の太陽光発電を行っている人の稼働状況や過去の日照データなどを確認した場合、ほぼ同じ稼働状況になるのが大きな特徴です。

ソーラーパネルを設置して太陽光発電を始めようとする同業他社が増えてもあまり影響を受けないのが大きなメリットと言えるでしょう。

2-4.人口減少の影響を受けない

日本の人口は少子化によって年々減少しています。賃貸経営は入居者を確保できて初めて家賃収入が得られるため、少子化の進行という現状は、賃貸経営を行う人にとっては厳しい状況が続いていると言えます。

また、所有している空き地が必ずしも人口の多い地域であるとは限らず、所有しているのが需要の低い空き地だった場合は賃貸経営に不向きなので注意が必要です。

そのため、安定した賃貸経営を行うためには、人口が減少しても安定した需要が期待できる立地条件の優れた土地であることが必要不可欠と言えます。

しかし、太陽光発電の場合は立地条件が優れている必要はありません。人口の減少によって過疎化が進行している場所や山奥などの需要が期待できない場所でも、日光さえ当たれば太陽光発電を行えます。

太陽光発電は人口減少の影響を気にせずに済むため、今後少子化が進行してさらに日本の人口が少なくなった場合でも、安定した収入が期待できるでしょう。

3.【土地活用】ソーラーパネル設置のデメリット

ソーラーパネルの設置には、FIT制度で買取価格が20年間保証される、人口減少の影響を受けないなどのメリットがあったため、興味を持った人も多いと思います。

しかし、ソーラーパネルの設置には以下の4つのデメリットを伴うため、設置前にそれらのデメリットをしっかり把握した上で取り組むかどうかを決めることが重要です。

  • ● 初期投資が大きい
  • ● 立地や天候の影響を受ける
  • ● 20年後は買取が保証されない
  • ● 農地だと転用に時間がかかる

それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

3-1.初期投資が大きい

駐車場経営の場合、土地の状態によっては整地が必要になる可能性もありますが、ほとんど初期投資はかかりません。また、資材置き場として活用する場合も、管理や運営は借り手が行うため、初期投資を抑えながら土地活用を行うことが可能です。

太陽光発電を行うには、太陽光パネルの設置や土地の状態によって整地が必要になります。ソーラーパネル設置枚数が住宅用よりも多く、初期投資が数百万円で済むケースもあれば数千万円になるケースもあるなど、規模によって大きく異なるので注意が必要です。

賃貸経営はアパートの建設に数千万円~数億円かかります。太陽光発電は賃貸経営よりも初期投資を抑えられますが、他の土地活用と比べて初期投資が大きいというデメリットが挙げられます。

太陽光発電はシミュレーションとほぼ同様の収入が期待できるため、金融機関から融資を受けて土地活用を始めることが可能です。しかし、融資を受けられても利息が上乗せされて返済総額が大きくなるという点に注意しましょう。

3-2.立地や天候の影響を受ける

賃貸経営は需要の高い地域では安定した家賃収入が期待できますが、需要の低い地域では空室リスクが高まって安定した家賃収入を得られない可能性が高いと言えます。そのため、駅に近いといったように立地条件の影響を受けやすいという点に注意が必要です。

太陽光発電は日当たり状況によって発電量が大きく異なるため、日当たり状況の良い立地条件が整っていることが必要不可欠です。そのため、ソーラーパネルに陰を作り出すような高い木や高い建物が近くにないような立地を選択する必要があります。

これから土地を取得する場合は立地条件を合わせることが可能ですが、既に所有している土地の場合は、立地条件に合っていなければソーラーパネルを設置しても安定した収入を得られません。

立地条件がソーラーパネルの設置に適していても、雨や曇りの日が多い場合には発電量が少なく、想定通りの収入が得られない可能性もあります。このように、太陽光発電は立地や天候の影響を受けやすいということを覚えておきましょう

3-3.20年後は買取が保証されない

賃貸経営では、業者との間でサブリース契約を締結すれば、空室のリスクを軽減できます。サブリース契約とは、業者が賃貸物件の全室を借りて転貸する契約方式です。

賃貸物件の所有者は、空室が生じても業者から満室分の家賃収入を支払ってもらえるため、空室リスクを抑えることが可能です。

しかし、サブリース契約では、家賃収入の10%程度の手数料を徴収される、数年に1回は賃料の見直しが行われるため、想定通りの家賃収入が得られない可能性があります。

太陽光発電のFIT制度は、頻繁に買取価格の見直しが行われることはありません。契約後は20年間買取価格が固定されるため、サブリース契約よりも収入を予想しやすいと言えます。

しかし、20年間の買取期間が終了した場合は、電力の買取先を探さなくてはなりません。それまで売電していた電力会社もしくは他の電力会社に買取を依頼しますが、買取価格が下がる、必ず買い取ってくれるわけではないので注意が必要です。

20年の買取期間が終了したタイミングに合わせて太陽光発電を止める場合には、ソーラーパネルの廃棄費用がかかるため、買取期間終了後にどうするかを事前に考えておくことが重要と言えるでしょう。

3-4.農地だと転用に時間がかかる

所有しているのが農地の場合は、勝手に農地を整地してソーラーパネルを設置することはできません。農地にソーラーパネルを設置する場合は、農地転用をしなければならないので注意が必要です。

農地転用とは、農地を農地以外のものにすることです。全てを転用するのではなく、一部を農地転用する営農型太陽光発電設備(ソーラーシェアリング)という方法であれば、農業と太陽光発電を併用することが可能です。

農地は周辺に高い建物や木がないため、太陽光発電に適した立地条件の整っている土地と言えます。そのため、取得した農地にソーラーパネルを設置しようと考えている人も多いと思いますが、農地転用には時間と費用がかかるという点に注意しましょう。

4.ソーラーパネル設置に適した土地の条件

ソーラーパネル設置は全ての土地に適しているというわけではありません。適していない土地にソーラーパネルを設置した場合、初期投資が大きくなってしまう、想定通りの収入が得られなくなってしまうので注意が必要です。

太陽光発電で安定した収入を得るには、ソーラーパネル設置に適した土地の条件を事前に確認しておくことが重要です。ソーラーパネル設置に適した土地の条件は以下の4つです。

  • ● 日当たりが良好
  • ● 落ち葉や積雪がほとんどない
  • ● 近くに送電線がある
  • ● 造成費用があまりかからない

それぞれの条件について詳しく見ていきましょう。

4-1.日当たりが良好

ソーラーパネルを設置して効率良く太陽光発電を行うには、日当たりが良好であることが必要不可欠です。

例えば、周囲に高い木や建物がある土地でソーラーパネルを設置した場合には、日陰になる時間帯があるため、発電量が少なくなります。

そのため、ソーラーパネルを設置する土地は周囲に高い木や建物がないという立地条件を満たしているか事前に確認しておくことが重要です。平地や南向きの斜面は特に日当たり良好と言えます。

ソーラーパネルの設置を検討している場合は、所有している土地や取得しようとしている土地が条件を満たしているのかチェックしましょう

4-2.落ち葉や積雪がほとんどない

日陰が生じるとソーラーパネルの発電量が低下するため、日陰対策をしっかり行う必要があります。「周囲に高い木や建物がなければソーラーパネルに陰が生じない」と思っている人も多いかもしれませんが、落ち葉や雪が積もると陰が生じるので注意が必要です。

そのため、ソーラーパネルを設置する場合は、落ち葉の影響を受けないか、降雪量の少ない土地かどうかを事前に確認しておくことが重要です。

もし、落ち葉や降雪量の多い土地にソーラーパネルを設置した場合は、太陽光が遮断されて収入が減少するだけでなく、落ち葉や雪を取り除くためのコストがかかります。

また、積もった落ち葉や雪が原因で、ソーラーパネルに何らかの故障が生じて、修繕費用が大きな負担になる可能性もあるので注意しましょう。

4-3.近くに送電線がある

所有しているまたは取得を検討しているのが市街化調整区域の空き地の場合は、インフラ整備が不十分な可能性があります。

インフラ整備が不十分な空き地は、空き地の近くに送電線がない可能性が高いと言えます。近くに送電線がなければ、ソーラーパネルを設置しても発電所に送電できないので注意が必要です。

近くに送電線がない場合は、電柱を必要な数だけ設置しなければなりません。「電力会社に依頼すれば電力会社負担で行ってくれる」と思っている人もいるかもしれませんが、電柱の設置費用は自己負担です。

電柱だけでなく、送電に必要な変圧器などの設備を一式揃えることになった場合は、全部で数百万円程度の費用がかかります。

近くに送電線がなければ無駄な支出が増えてしまうため、ソーラーパネルを設置する前に近くに送電線があるかしっかり確認しておきましょう

4-4.造成費用があまりかからない

立地条件の良い土地でも、ソーラーパネルの設置に適しているとは限りません。立地条件が優れていても、雑草や低木が生えている土地の場合は、樹木の伐採や雑草が生えないように砂利を敷き詰めるなどの造成が必要になります。

また、地盤が弱い土地の場合、ソーラーパネルを設置する架台が倒れるといったトラブルが生じる可能性があるため、固化剤や石灰などを使って地盤を改良しなくてはなりません。

このように立地条件が優れていても、土地に何らかの問題があって造成費用が多くかかる土地は初期投資が膨らむので注意が必要です。そのため、ソーラーパネルを設置する前に、造成費用があまりかからない土地なのかをチェックしておきましょう

まとめ

賃貸経営は需要が低下して空室が生じると、安定した家賃収入を確保できなくなりますが、太陽光発電はソーラーパネルに日光さえ当たっていれば安定した収入を確保できます。

そのため、土地活用の手段として、リスクが比較的低いと言われるソーラーパネルの設置を検討している人も多いと思います。

しかし、ソーラーパネルの設置には、メリットだけでなくデメリットも伴うので注意が必要です。また、全ての土地がソーラーパネルの設置に適しているというわけではありません。

土地活用としてソーラーパネルを設置する際は、メリットとデメリット、どのような土地がソーラーパネルの設置に適しているのかをしっかりと情報を集めた上で、それらを確認してから取り組みましょう

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