賃貸マンション建設のポイントと最新事情

土地を所有している方による賃貸マンション建設は、節税効果がありメリットが高いと言われている一方で、その高いリスクも知られています。
土地所有者がマンション建設を考えることの注意点は何か。
昨今、注目されている「DIY賃貸」や「空き家特措法」などの最新事情とともに「建設のポイント」を様々な角度からお伝えします。

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この記事のライター
この記事のライター 安藤 篤司(土地活用プランナー) 大手不動産会社の営業を経て、土地活用プランナーに転身。
あらゆる賃貸物件を目にし、さまざまなオーナー・住人の声を聴いてきた経験を最大限に活かし、これから賃貸経営をスタートする大家さんに誠意あるアドバイスをすることがモットー。
【本記事へのライターコメント】

アパート経営は入居率がカギです!

入居率が賃貸マンション経営の大きなポイント!

土地活用の代表的な方法に「賃貸マンション建設」があります。
賃貸マンションを建設し、完成後は不動産管理会社に管理を委託する方法です(オーナー自身が管理する物件も多くあります)。

マンション経営においては、計画通りの収益を得る際に、稼働している(入居者が現在住んでいる)部屋がどれくらいあるかの割合、つまり「入居率」が大きなポイントになります。
「どうすれば入居率が高く維持されるか」。賃貸マンションを建築したオーナーも、不動会社も、高い入居率のために知恵を絞って様々な仕掛けを考えます。
そんななか、長く「高い入居率が期待できる」と言われていたのが「学生マンション」です。
一方で最近の潮流として、学生マンションの需要が低くなり、新たなニーズが生まれていると言われます。
賃貸マンションの仕組みと、最新事情について考えてみましょう。

■賃貸マンションを建設する理由

「10年前は近くの地主も皆、田畑や駐車場を所有していたのに、ふと気がつくと賃貸マンションが乱立している」という声をよく聞きます。

地主の方が賃貸マンションを建てる理由、それは、税金です。
土地を所有していると、固定資産税と都市計画税の課税対象になります。
基準となる土地の評価額は3年に一度見直されるため、所有地の周辺が都市化し便利になってくると、段階的に課税される税金もあがる、という特徴があります。
この課税額を抑えるには、賃貸マンションなど「上物(うわもの)の建設」が有効です。

■固定資産税・都市計画税の特例

固定資産税:住宅用地の特例
① 200㎡以下の小規模住宅用地・200㎡を超える住宅用地のうち200㎡までの部分→台帳価格の1/6
② 200㎡を超える住宅用地のうち200㎡を超える部分→台帳価格の1/3

都市計画税:住宅用地の特例
① 200㎡以下の小規模住宅用地・200㎡を超える住宅用地のうち200㎡までの部分→台帳価格の1/3
② 200㎡を超える住宅用地のうち200㎡を超える部分→台帳価格の2/3

みなさんは「DIY」ってご存知ですか?

「DIY」って知ってますか? 

入居率のカギを握る、「DIY賃貸」

ただ、マンション経営は「入居率を維持」しなければ意味がありません。
それも建築後の数年間の入居率ではなく、「10年、20年という長期での入居率」を指します。

ただ、日本の人口が今後減少の一途を辿るは周知の事実。
内閣府の将来推計人口の調査では、2048年には1億人を割り込むと言われています。
都市部や地方での差はあれど、連なって賃貸マンションの入居者も減っていくと予想されています。

マンション建設を進める不動産会社や建設会社の営業マンは、よく「入居率100%で進んだ場合」として資金計画を提案してきますが、ここも注意が必要。
たとえば10年後、隣の駐車場が最新の設備を有した賃貸マンション建設が開始したとすると、必然的に入居率は下がります。
現在、その対策に注目を集めているのが「差別化」。

■今後の鍵を握る「DIY賃貸」

差別化を図る動きとして、「DIY賃貸」が注目されています。
DIYとは「Do It Yourself」の略で、日曜大工という意味です。
「DIY賃貸」は、日曜大工のように壁紙など内装を工夫し、女性などが住みやすいデザインにした賃貸マンションのこと。

最近は賃貸マンション相場でも、このDIY賃貸が人気を集めている、と言われます。
空き倉庫や築年数の高い住宅を借りて、DIY賃貸を楽しまれる方も多いとか。

これからお持ちの土地に、賃貸マンションを建設したいと考えている地主の方々にとって、このDIY賃貸は様々な工夫をしている物件です。
入居者がより集まるように、不動産会社と様々な工夫をしていきたいですね。

空き家問題の影響が税金にも!?

空き家問題の影響が税金にも!?

近年増加している空き家問題の影響で税金の軽減がなくなる動きが?

現在の日本では、空き家が増えています。
統計局の調査によると、平成25年の空き家率は820万戸と、総住宅数の13.5%にも達しています。
数年後の次回調査では、1,000万戸を超えるのでは、とも言われています。

既に説明した「固定資産税・都市計画税軽減措置」が空き家解体の阻害要因になっている、という指摘があります。
空き家となっても上物を建設している状態だと、税金の軽減対象となるからです。

ただ、この指摘を受けて、空き家として認定の「勧告」を受けた物件を固定資産税・都市計画税の軽減対象から外す、という法律が施行されています。
現在のところは、「特定空き家」はどの機関が決めるのか。
指導と勧告はどのようなものなのか、が決定及び浸透はしておりません。
まだ実際の空き家指定は慎重さが求められる、と言われている段階です。

具体的な調査方法が「外観からの確認」としか明らかになっていないのですが、統計局の調査には賃貸マンションも含まれているようです。
特定空き家の対象は当面、倒壊の危険性が高く、衛生上問題のある家屋と言われ、賃貸マンションの指定は先と言われています。
ただ、賃貸マンションは建設すると築20年、30年継続する所有資産。
今以上に空室率を注意しなければならないのは間違いないでしょう。



この記事のまとめ

建築時のポイントと、長期修繕の大切さをお伝えしました。大切なのは「信頼」です。
信頼のある会社は、何年でどのようなメンテナンスが必要なのか、自社に蓄積したデータから「長期修繕計画」を合わせて提出してきます。

収支計画だけではなく、この修繕計画も併せて、各社の計画を比較して吟味することが大切です。子世代にも続く、30年以上の大切な信頼関係を築くことのできることを願っています。

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