【空き家の売却】空き家が多い時代に家を売るときの重要ポイントを解説します【イエカレ】


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このコラムのポイント今読んでもタメになるアーカイブ記事です。

マスコミなどで「空き家時代」ついて取り上げられたことがありました。
根拠となる「820万戸」の数字とは一体何を意味するのでしょうか?

また、不動産をこれから売却したいと考えている方にとって、この空き家時代は何に気をつけて動くとよいのでしょうか? 徹底解説します。


「空き家時代」に家を売却することについて...

2013年(平成25年)の統計局調査で、全国の空き家率は約820万戸と発表されました。
この数字は専門家の間でも大きな話題になり、今後はこの「820万戸」という数字が中心となって不動産事情が動いていくと言われています

この数字は、我が国の家の合計数のうち13.5%に達します。
調査後も全国的に空き家は増加傾向にあり、次回の調査では、約1,000万戸の大台を突破し、更に拡大していくとの報道もありました。

今回のこの調査は、あくまで家を「外観からの調査」したものだったため、郵便ポストや洗濯物の状況によっては「居住中なのに空き家と判断されてしまった」ケースも多かったかもしれません。

しかし、不動産業界では、この空き家時代である2016年(平成28年)は、実は家を売却する大きなチャンスだとも言われています。

家を売買する際の消費税。2016年(平成28年)9月がキーに?

※ご注意)本コラムは、2016年10月現在の情報を元にしています。各種規定等は変更となっている可能性があるため、予めご了承願います。

根拠のひとつは、来年2017年(平成29年)4月に控える「消費税10%への増税」です。
まだ先の話と見逃したくなりますが、実は「2016年(平成28年)9月までに(新築建物の)請負契約を結んだ場合は現行8%税率適用」というルールが存在します。

家を売却する場合、最大のライバルとなるのは「自宅を新築する流れ」です。
特に広大な土地を有していた地主の方が、相続の問題などにより、戸建て業者に売却する流れが拡大しています。
このため、所有地へ将来的な物件建築を考えていた地主の方が、2016年(平成28年)9月まで駆け込みで建築請負契約を結び、2017年(平成29年)から様々な新築物件が竣工するとも言われています。

新築物件が竣工すると、必然的に入居者の取り合いが始まります。
そのため、売却を検討中の既存の不動産所有者は、今年2016年(平成28年)中に動くことが大切と言えるでしょう。
また、古い住宅を売却する際は、「買い手が建て替えをするニーズ」も読まなければなりません。 建て替えの場合も、9月のこの消費税特例は当然適用されますので、売却のタイミングには非常に注意が必要です。

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家を売却する場合は、「金利」にも留意を!

不動産を売却するのには「どのタイミングで不動産が高く売却できるか」が非常に大事です。
そこで、もうひとつ大切なのは「金利」です。

金利は銀行など各金融機関がお金を貸し出す際の利息で、不動産では住宅ローンを借りる際の利息に関係があります。
住宅ローンは固定金利と変動金利がありますが、どちらの方法にしても金利の低い時に申し込むのが有利です。
この視点からも、不動産を売却するタイミングが掴めそうですね。

金利は、代表的な住宅ローン「フラット35」を扱う住宅金融支援機構のホームページで確認することができます。

空き家の売却には支援法も

現在国では、空き家の売却を活発にして、空き家を減らしていく目的で定められた、「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」が考え出されています。
この特例は、2016年(平成28年)税制改正大綱に含まれました。
一定の条件を満たした家の売却に対し、3,000万円の特別控除を行うというものです。
2016年(平成28年)4月1日から、2019年(平成31年)12月31日の間の売却が対象です。
一定の条件をまとめると、

▶ 相続開始まで自宅で、相続により空き家になった。
▶ 1981年(昭和56年5月31日)以前に建築された。
▶ マンションなど、区分所有建物ではない
▶ 相続から3年を経過する日の属する12月31日までの相続であること
▶ 売却額が1億円を超えないこと
▶ 相続から空き家以外になっていないこと(使用履歴がないこと)
▶ 行政から要件を満たす証明書等が発行されていること

以上の条件を「すべて満たす」必要があります。
敷居が高い印象がありますが、控除額3,000万円はとても高額のため、まずは様々な条件と「実家の相続」に限定した適用となるようです。


家の売却には、将来の人口推計にも注目を

2011年(平成23年)から2014年(平成26年)まで、日本の人口は毎年約20万人減少しています。
この数字は、東京都渋谷区の人口に該当します。
もちろん1カ所で減少しているものではなく、都市部に関しては人口の集中傾向は続くという側面もあります。
ただ、不動産の売却を考えるにあたり、家が絶対的に不必要になる「人口減少」の問題は看過できません。

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売却するときは、リノベーションの流行にも注目を!

「空き家時代」に家を売却するとき、「リノベーション」にも注目です。
リノベーションとは築年数の古い物件を購入して、基礎や型枠はそのままに、間取りや内装を購入者好みに返る大規模改修のことを指します。

リノベーション希望者に人気が高いのは、何も居住者が長く居住していた家とは限らず、倉庫や古い工場なども人気物件になっています。

家を売却する際は、「リノベーション」を視野に入れられるか、そうでないかで買い手がつく時期も、価格も大きく変わってくると思われます
ただし、リフォームやリノベーションは、時代時代の流行りのスタイルや設備があります。また買手が「自分の好みに合わせて行いたい」と言うケースも無いわけではないので、やはり一人で判断せずにリフォーム会社の専門家へ相談した方が良い場合もあります。先走ってしまい無駄な出費につながることがないように注意が必要です。


この記事のまとめ

今回は、空き家820万戸という数字に受ける衝撃と、一方で、これらの潮流をチャンスととらえる考え方に着眼しました。
これから日本の不動産事情には間違いなく「空き家時代」が拡大して行きます。
これは紛れもない事実です。

しかし、恐がるだけではなく、家の売却などを検討する方々は「どのように家を売却していくのか?」についての工夫とアイデアが必要になります。

まず現状をしっかりと分析し、対策に取掛るようにしたいものですね。

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