売却時のリスクを知る

不動産売却は扱う金額も大きく、関係者も多い、様々なリスクがある取引です。
だからこそ、予めリスクを知って対応することが大事。
価格面や物件に不備があった時の対策など、準備の必要な売却リスクについてお伝えします。

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不動産の売却は「相場」

不動産の売却リスクとは何でしょうか。
代表的なものは、「不動産の売却は『相場』で決まる」ということです。
不動産の売買は、売主と買主がいます。
それぞれの希望が異なります。

売主→所有している物件を、できるだけ高く売りたい
買主→良い物件を、できるだけ安く売りたい。


この条件のもと、売主と買主は綱引きをして、契約における物件額が決まります。
不動産売買のもうひとつの特徴は、売主側も買主側もそれぞれ不動産会社がついている、ということです。
売主側の不動産会社は「できるだけ高く売りたい」と考え、買主側の会社は「良い物件を紹介したい」と考えます。
つまり、四者の調整で契約金額が決まるということです。

この相場を考えず、「高く売れるのではないか」「早く買い手がつくのではないか」と気がはやることが、売却時のひとつめのリスクと言えるでしょう。

譲渡した物件の責任は売主にある?

「瑕疵担保責任」という言葉をご存知でしょうか。
売主は契約後引き渡しをしてからも、物件に瑕疵(かし。明らかな欠陥)が発見された場合、買主がその事実を知ってから2年以上のあいだで賠償責任を負います(宅建業法による)。
また、瑕疵のため買主の目的が達成できなかった時は、契約を解除することもできます。
売主が過失の有無(瑕疵があることを知っていたかどうか)は問いません。

このため、多くの売主は買主と調整のうえ、契約時などに瑕疵担保責任の免除条件をつけます。
特に中古物件は、新築時から年数が経っているため瑕疵が発生しやすいもの。
売主は必ず瑕疵について対応するようにしましょう。

■瑕疵対応を疎かにすると訴訟に発展することも

本来、不動産会社をあいだに入れた売買契約であれば、瑕疵への対策は常識です。
万が一不動産会社の担当者が不慣れな場合や、直接売主と買主で売買契約を行う場合、瑕疵に対する対応が不足していたが為に訴訟沙汰になってしまったという話も聞きます。
瑕疵を免除するか、瑕疵担保期間を短くする対応が必要です。

なお、インターネット上では瑕疵担保期間について、「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」により「10年保障」という誤った知識が掲載されいる場合があります。
品確法は新築住宅のみであり、今回のように売主が所有していた中古物件には適用されません。
注意しましょう。



不動産売却は税金がかかる?

売却による利益が所得税の対象になることは、あまり知られていません。
税額の算出は、以下の公式を使用します。

(不動産売却による)収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除

■ 取得費とは?

売却不動産をいくらで取得したかの金額です。その不動産が相続などで取得後3年以内
の場合は、相続資産全体に対する割合分を算定し、取得費に加算します。中古物件を購入した際は減価償却後の額が取得費となります。

取得費加算額 = 譲渡した土地のみの課税価額/相続税の課税価額(債務控除前)

■ 譲渡費用とは?

不動産売却の譲渡にかかった諸費用のこと。
仲介手数料・印紙代・測量費用・建物の解体費用など。

■ 特別控除

居住用財産を譲渡した場合は、以下の要件を満たす場合に、譲渡益から最高3,000万円を控除することができます。

・かつて居住しており、居住しなくなってから3年を経過する日の属する12月31日までの譲渡
・譲渡した相手が、配偶者や生計同一親族などの関係者ではないこと
・この特例をはじめて使用すること
・「居住用財産の買換え特例」を3年以内に受けていないこと

■ 税額

不動産売却については、所得税と住民税が課税されます。
取得日と譲渡日によって課税額は2種類、「所有期間5年超(長期譲渡所得)」か「5年以下(短期譲渡所得)」かによって税額が変わります。

所得税 住民税 合計
長期譲渡所得(5年超) 15% 5% 20.315%
短期譲渡所得(5年以下) 30% 9% 39.63%


この記事のまとめ

不動産売却時に大切なのは、売却のリスクは何かをしっかり把握することです。
とりわけ不動産は扱う金額が大きく、法律や慣習で様々なリスクヘッジが整備されています。
不動産売却をする場合は、しっかりとした準備をすることが大切です。

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