マンション買取売却に手数料はかかる?買取売却のコツも解説

この記事では、マンション買取売却にかかる手数料、買取売却のコツについて解説します。仲介と売却にかかる手数料が異なる場合は、売却代金から引かれる手数料が増えて買取を選んだことで損をする可能性があります。どのような手数料がかかるか、買取売却のコツを知りたい人は、こちらを参考にしてみてください。

マンションの売却では、不動産会社に仲介するという方法を想像する人が多いと思います。仲介以外に不動産会社に買取を依頼するという方法がありますが、仲介と買取ではかかる手数料が異なるのでしょうか?

手数料が多くかかった場合には損をする一方、手数料が少なかった場合には得をするため、なるべく手数料が少ない方法を選ぶことがマンション売却を成功させる上での秘訣です。この記事では、不動産会社に買取を依頼した際にかかる手数料と買取売却のコツについて解説します。

1.マンションを買取売却の5つの手数料

マンションを売却する際には、自分で売却するという方法もありますが、買い手がなかなか見つからない、何らかのトラブルに発展する可能性があるため、あまりおすすめしません。スムーズにマンションを売却する、トラブルを未然に防ぐためには、不動産の専門家である不動産会社に相談した方が良いと言えます。

不動産会社に相談する際には、仲介を依頼するという方法と買取を依頼するという方法に分類されますが、手数料は異なるのでしょうか?手数料の多い売却方法を選ぶとせっかく不動産が高く売れても意味がないため、手数料が少ない売却方法を選ぶことがマンション売却を成功させる上で必要不可欠です。

買取と仲介にかかる手数料を比較すると以下の通りです。

買取にかかる手数料 仲介にかかる手数料
抵当権抹消費用
印紙税
一括返済に必要な費用
譲渡所得税等
その他費
仲介手数料
抵当権抹消費用
印紙税
一括返済に必要な費用
譲渡所得税等
その他費用

仲介の場合は仲介手数料がかかりますが、買取の場合はかかりません。ほぼかかる手数料は変わりませんが、実際にはどうなのでしょうか?買取にかかる手数料について詳しく見ていきましょう。

1-1.マンションの買取売却の手数料①:抵当権抹消費用

マンションの買取売却を行う際は、売り手から買い手にマンションの所有権が移行します。また、マンションに抵当権が設定されている場合には、抵当権を抹消しなければなりません。

抵当権とは、住宅ローンの契約者が万が一滞納して融資を回収できなくなった時に備えて、不動産を売却して融資を回収できるようにする権利です。この抵当権が設定されたままの不動産を購入すると、買い手はいきなり不動産を金融機関に売却される可能性があるため、そのようなトラブルが生じないように売却の際は抵当権を抹消します。

所有権移転と抵当権抹消は、どちらも登記手続きが必要ですが、登記手続きには登記費用がかかります。買い手と売り手のどちらがどの費用を負担するという決まりはありませんが、慣習上は所有権移転登記を買い手、抵当権抹消登記を売り手が負担するのが一般的です。

抵当権抹消登記にかかる費用は、1不動産あたり1,000円です。マンションの場合は土地と建物の2つの不動産に分かれるため、抵当権抹消登記の費用として2,000円かかります。しかし、登記を行う法務局の受付時間は平日の8:30~17:15と限られているほか、手続きも複雑なので不動産の売り手が行うのは容易ではありません。

スムーズに手続きを進めるためには、登記手続きの専門家である司法書士に依頼するのが一般的ですが、司法書士に依頼すると報酬を支払う必要があります。抵当権抹消登記費用と司法書士報酬を合わせると1万円を超えてくるため、事前にいくらかかるのかを確認しましょう

1-2.マンションの買取売却の手数料②:印紙税

不動産会社に仲介を依頼した場合は不動産会社が見つけた買い手、買取を依頼した場合は不動産会社と売買契約を締結します。

売買契約を締結する際に交わす売買契約書には、印紙税という税金が課されます。印紙税の税額は売買契約の金額によって以下のように異なります。

売却代金 本則税率 軽減税率
100万円超500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超1,000万円以下 1万円 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 2万円 1万円
5,000万円超1億円以下 6万円 3万円
1億円超5億円以下 10万円 6万円

100万円以下、5億円超にもそれぞれ印紙税が定められています。しかし、それらの金額に該当するケースはほぼないので省略しています。令和2年3月31日までの売買契約には、軽減税率が適用されていましたが、2020年5月時点では国税庁の公式HPを確認しても軽減税率が継続されていません。

そのため、軽減税率が適用されるかどうかが気になる人は、不動産会社や住所地を管轄する税務署に確認してから売買契約を締結しましょう

1-3.マンションの売却の手数料③:一括返済に必要な費用

マンションに設定されている抵当権を抹消するには、住宅ローンの完済が必要不可欠です。既に住宅ローンを完済している場合には、抵当権抹消費用だけで済みますが、住宅ローンの残債があるマンションを売却する際は、残債を預貯金で補うまたは売却代金で補って住宅ローンを完済する必要があります。

通常通りの返済ではなく、上記のように預貯金や売却代金で一括返済する場合、一括返済を行うための手数料がかかるので注意が必要です。例えば、三井住友銀行で契約していた住宅ローンの一括返済を行う場合、以下のような手数料がかかります。

手続方法 一括返済手数料
インターネットバンキング 5,500円
専用パソコン(窓口) 1万1,000円
書面 2万2,000円

三菱UFJ銀行で契約していた住宅ローンの一括返済を行う場合は以下の通りです。

手続方法 一括返済手数料
インターネット 1万6,500円
テレビ窓口 2万2,000円
窓口 3万3,000円

このように契約した金融機関ごとに住宅ローンの一括返済にかかる手数料は異なります。事前にどのくらいの手数料がかかるか確認しておくだけでなく、なるべく手数料の少ない手続方法を選ぶなどの対策を練りましょう

1-4.マンションの売却の手数料④:譲渡所得税等

売却代金-取得費-手数料」という計算を行ってプラスだった場合、譲渡所得があるので譲渡所得税が課されます。もし、マイナスだった場合には譲渡所得がないので譲渡所得税は課されません。

計算式にある取得費とは、土地や建物などの不動産の購入代金や建築代金、購入時にかかる各種税金、仲介手数料などです。また、減価償却費と呼ばれる建物の築年数の経過によって生じる資産価値の減少は、取得費から引くことになります。

手数料とは、不動産を売却した際にかかる仲介手数料や印紙税、建物の解体費用などです。これらを計算してプラスだと譲渡所得税が課されますが、税率は建物の所有期間によって以下のように異なります。

所有期間 所得税 住民税 合計(復興特別所得税を含む)
5年以下(短期譲渡所得) 30% 9% 39.63%
5年超(長期譲渡所得) 15% 5% 20.315%

譲渡所得税は、所得税と住民税だけでなく、復興特別所得税が加算されています。復興特別所得税とは、2011年に生じた東日本大震災の復興に必要な財源の確保のために設けられた税金です。令和19年までは基準所得税額に2.1%の上乗せが行われます

短期譲渡所得と長期譲渡所得を比べると譲渡所得税の税率が約2倍異なります。短期譲渡所得が適用された場合には、約40%もの税金を課されることになるため、少しでも税金を抑えたい人は5年を経過してから売却することが重要です。

5年を経過したかどうか判断する基準は、売却した日ではありません。売却した日の属する1月1日時点であるという点に注意が必要です。つまり、令和2年5月1日にマンションを取得して、令和7年5月1日に売却した場合、暦上では5年を経過したことになります。しかし、1月1日時点ではまだ4年です。

5年という基準を満たすには、令和8年1月1日移行に売却しなければなりません。4年と5年では適用される税率が大幅に異なるため、満たしているか不安な場合は、不動産会社に相談してから売却しましょう

1-5.マンションの売却の手数料⑤:その他費用

不動産会社に仲介を依頼して売却する際は、少しでも早く・高く売れるようにするために、室内のクリーニングやリフォームを行う費用がかかりました。また、戸建て住宅の場合は、土地の測量を専門家に依頼する際にかかる費用や建物を解体して更地として売却する際は解体費用がかかりました。

しかし、マンションでは測量費用や解体費用が不要、買取ではクリーニングやリフォームは不動産会社が決めることなので、基本的にはかかりません

そのため、マンションの売り手が負担するその他の費用は、引っ越し費用程度と言えます。しかし、引っ越し費用と言っても、依頼の時期によって費用が大きく異なるので注意が必要です。

仲介を依頼した場合には売買契約から引き渡しまでの間に1ヶ月程度の期間が空くため、その間に自分で運び出せる荷物を運び出すことで少しでも引っ越し費用を抑えられます。しかし、買取の場合は売買契約が成立すると、多少の猶予はあってもそこまで長くないため、速やかに引っ越し手続きを進めなくてはなりません。

マンションの買取を不動産会社に依頼する場合には、引っ越しのことも視野に入れながら進めていきましょう

2.マンションの買取売却を選ぶ3つのメリット

マンションの買取売却は、仲介より手数料が少ないという特徴がありましたが、買取売却を選ぶことにどんなメリットがあるのでしょうか?買取売却を選ぶことには、以下の3つのメリットが挙げられます。

  • ● 仲介手数料不要
  • ● 売却がスムーズ
  • ● 瑕疵を負わない

それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう

2-1.マンションの買取売却のメリット①:仲介手数料不要

マンションを売却するにあたり、不動産会社に仲介を依頼した場合、不動産会社が買い手を見つけて売買契約を成立させると、不動産会社に仲介手数料を支払わなくてはなりません。仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法に以下のように定められています。

売却価格 仲介手数料
200万円以下の部分 売却価格×5%+消費税
200万円超400万円以下の部分 売却価格×4%+消費税
400万円超の部分 売却価格×3%+消費税

マンションの構造は、鉄筋コンクリート造が一般的です。耐用年数が木造よりも長いため、資産価値の下落スピードが比較的緩やかなので、売却価格が400万円以下になるケースはほとんどありません。

売却価格が400万円を超えている場合には、「(売却価格×3%+6万円)+消費税」という速算式で仲介手数料を求めることも可能です。

例えば、マンションの売却価格が3,000万円だった場合は、「(3,000万円×3%+6万円)+消費税」となるため、105万6,000円の仲介手数料がかかります。しかし、買取の場合には仲介手数料がかかりません。

マンションの買取を選んだ場合は、数十万円~数百万円の支出を抑えられるため、少しでも支出を抑えたいという人には、おすすめの売却方法と言えるでしょう

2-2.マンションの買取売却のメリット②:売却がスムーズ

不動産会社にマンション売却の仲介を依頼した場合、不動産会社が既に顧客を抱えていて、その顧客と売買契約を締結することになれば、スムーズに売却が進みます。しかし、顧客と売買契約を締結できるケースはほとんどなく、仲介を依頼してから売買契約の締結までに半年以上かかるケースも珍しくありません

不動産会社にマンション買取を依頼した場合、不動産会社が買取に応じてくれればすぐに売買契約が成立します。仲介のように買い手を探す必要はないため、売買契約をスムーズに成立させることができるのが大きなメリットと言えます。

マンションの売却動機が転勤や子供の進学などのように、売却期限が決まっていて売却を焦っているケースでは、買取を選択することも方法の1つと言えるでしょう。

2-3.マンションの買取売却のメリット③:瑕疵を負わない

不動産会社の仲介で買い手と売買契約を締結し、マンションを買い手に引き渡した場合は、マンションに何らかの瑕疵が潜んでいると売り手は瑕疵の責任を負わなくてはなりません

2020年4月1日より民法が改正されて、瑕疵担保責任が契約不適合責任に変わりました。瑕疵担保責任では隠れた瑕疵に限定されていましたが、契約不適合責任では隠れた瑕疵に限定されず、契約書に記載されていない瑕疵は全て売り手が負担しなければなりません。

そのため、民法改正で売却した不動産に対する売り手の責任が以前よりも大きくなったと言えますが、マンションの買取売却の場合は瑕疵を負わずに済みます。そのため、売却後に買い手と何かしらのトラブルに発展するリスクを軽減できるでしょう

3.マンションの買取売却の2つの注意点

仲介手数料不要、売却がスムーズ、瑕疵を負わないというメリットを踏まえると、仲介より買取を選ぶ方が良いと考えた人も多いのではないでしょうか?しかし、マンションの買取売却には以下の2つの注意点があるため、それを踏まえた上で選んだ方が良いと言えます。

  • ● 買取価格が低い
  • ● 買取不可もある

それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。

3-1.マンションの買取売却の注意点①:買取価格が低い

不動産会社にマンションの売却の仲介を依頼した場合は、不動産会社は買い手を見つけて売買契約を締結させれば仲介手数料という報酬を受け取ることが可能です。しかし、買取は仲介手数料を得られません

不動産会社は、所有者から買い取ったマンションを転売して利益を得ます。相場よりも安く買い取って、ある程度の修繕を行ってから相場通りまたは相場よりも高く売却して利益を得るため、買取価格は相場よりも低くなる点に注意が必要です。

不動産会社のマンションの買取価格は相場よりも2~3割低いと言われているため、買取を選ぶ際はそのデメリットを理解した上で選ぶ必要があります。いくら仲介手数料が不要と言っても、買取価格が2~3割低くなる分を補うことはできません。

買取のメリットを優先するのか、少しでもマンションを高く売却することを優先するのかよく考えてから選びましょう

3-2.マンションの買取売却の注意点②:買取不可もある

買取は不動産会社が直接買い取ってくれるため、仲介よりもスムーズに売却できることが大きな魅力でした。しかし、不動産会社は買い取った不動産を転売することによって利益を得なくてはならないため、利益を得られる可能性の低いマンションは買い取ってくれない可能性があります

例えば、築年数がかなり経過しているマンションは、専有部分・共有部分ともに経年劣化が進行しているという理由で需要が低いため、買い取ってもらえる可能性が低いと言えます。また、大規模修繕で補える間は問題ありませんが、建物の建て直しが検討されている場合は購入しても無駄な支出が生じる可能性が高く、買い取ってもらうことが期待できません。

他にも、マンションの建っている土地が借地で、契約期間が満了した場合にはマンションを解体しなくてはならないようなケースでも同様です。

余程の理由がない限りは、買取を不動産会社に依頼すれば応じてもらえる可能性が高いと言えますが、必ずしも応じてもらえるとは限らない点に注意しましょう

4.マンションの買取売却を選ぶ際は総合的に判断しよう

マンションの買取を不動産会社に依頼した場合、仲介手数料不要、売却がスムーズ、瑕疵を負わないというメリットがありました。しかし、いくら仲介手数料を抑えることができても買取価格は周辺相場よりも2~3割低くなります仲介手数料を抑えられた分を売却価格に上乗せしても、買取の方が売却価格は低くなるという点に注意が必要です。

しかし、売却に時間がかかった場合には、その間の固定資産税や都市計画税、管理費や修繕積立金、駐車場代といった無駄な支出が増えるため、仲介と買取との差が小さくなります。市況が悪い、立地条件が悪いなどの理由で需要が低い場合、不動産会社に仲介を依頼しても買い手が見つかるまでに時間がかかる可能性が高いと言えます。

仲介を選ぶべきか、買取を選ぶべきかはその時の状況によって大きく異なるため、総合的に判断してその時に合う売却方法を選ぶことが重要と言えるでしょう

まとめ

マンションの売却を考えている人の中には、仲介か買取か悩んでいる人も多いと思います。手数料という点で両者を比較した場合、仲介よりも買取の方がかかる手数料が少ないため、マンションを高く売却したのと同様の結果を得ることが可能です。

また、マンションの買取売却は、不動産会社が直接買い取ってくれるため、売却がスムーズ、瑕疵を負わないというメリットもあるため、仲介よりも買取を選んだ方が良いと言えます。しかし、買取にはメリットだけでなく買取価格が低い、買取不可もあるというデメリットがあります。

売却方法の選択を誤って後悔しないためにも、スムーズに売却したい場合は買取、少しでも高く売却することを優先したい場合は仲介など、優先事項を決めてから売却方法を選びましょう


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