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【空室対策】IoT賃貸住宅とは?スマート賃貸に移行して賃貸経営に勝つ方法
この記事を読むのにかかる時間:5分
賃貸住宅においてもIoTを導入した物件が徐々に出始めてきました。IoTを導入した住宅はスマート住宅とも呼ばれており、物件数がまだ少ないこともあって空室対策効果があります。
これからの賃貸経営では、できるだけ空室を抑える意味で、ぜひIoTは導入を検討しておきたいところです。 この記事では「IoT賃貸住宅」について解説します。
目次
1.IoT賃貸物件とは
【IoT賃貸物件】とは、物件のスマート化が図られたもの。主には、スマートフォンやタブレット端末などを使って、住宅設備を遠隔操作できる賃貸住宅のことを指します。
IoTとは「Internet of Things」の略であり、直訳すると「モノのインターネット」ですが、インターネット回線を通じてモノを繋ぐという意味になります。
インターネット回線は、従来はメールの送受信やホームページの閲覧等のパソコン同士を繋ぐ役割が主流でした。大型の家電量販店へ行ってもらえれば分かると思いますが、それが今ではインターネット回線を通じてスマートフォンと家電を繋ぎ、家の外から遠隔操作ができるようになっています。
具体的には、給湯器やインターフォン、エアコン、玄関の鍵、照明、セキュリティーシステム等の住宅設備がIoT技術の対象になっています。
使用例ですが、例えば、給湯器であれば帰宅前から「お湯張り」をすることで、帰宅後にすぐに温かい湯船につかることができます。
エアコンであれば、最寄り駅に付いたタイミングでスイッチを入れ、快適な温度の家に帰ることもできます。
また、インターフォンに関しては、インターフォンの画面がスマートフォンで見ることができるものもあります。外出先からIoTのインターフォンを通じて来客と会話することもでき、例えば宅配業者に「荷物は宅配ボックスに入れておいてほしい」といった指示をすることもできます。
玄関の鍵に関しても、いくつかのパターンで解錠ができる防犯性を高めたスマートロックが登場しており、遠隔で施開錠をすることができます。鍵を忘れたり、持っていない子供から連絡を受けても、遠隔操作で解錠して家に入れてあげるようなことも可能です。
ほかにも、外出先からでも部屋の様子、子供やペットの状況が確認できる監視カメラや、窓の開閉・揺れを感知してスマートフォンに通知をする防犯システムも登場しています。
このように住宅設備にIoTを導入することで、今までできなかった、外にいても留守宅の安全が確認できたり、利便性を高めた快適な暮らしができるようになってきました。
特に、家の不在時間が多い共働き世帯や、インターネット通販の利用者等にとっては、スマート住宅は便利で住みやすい家となっています。
最近の新築分譲マンションでは、最初からIoT設備を導入した物件が増えています。
分譲住宅のトレンドは、少し遅れて賃貸住宅にも広がるのが通例です。
今後、携帯の5G通信網の整備が一段と進めば、賃貸物件でもスマート住宅が増えていくのは必然だと予想できます。
2.IoTを導入するメリット
IoTを導入するメリットについて解説します。
2-1.空室対策になる
IoTを導入すると、空室対策になる点がメリットです。IoT賃貸住宅は、現段階では希少性があり、導入すると大きな差別化となって空室対策となります。
入居者は、居住の安全性や快適性・利便性が向上すると入居期間が長くなる傾向があります。賃貸アパート向けでも、IoT機器による便利で安心・安全、快適な暮らしを提供することにより、入居を促し、空室を避けるとともに定着率を上げることが狙えます。
また、入居期間が長くなれば、オーナーにとっては、入居者の退去に伴うクロスの張り替え費用や、新たな入居者を獲得するための仲介手数料等の固定支出の頻度も減らすことができます。
2-2.管理料が安くなる場合がある
IoTを導入すると、管理料が安くなる場合がある点もメリットです。IoTの管理を提供している会社の中には、社内のバックオフィス部門をオートメ―ション化している会社もあり、管理料が安くなることを標榜している会社もあります。
例えば、入居希望者の内見から家賃集金・業者への発注管理などのバックオフィス業務を自動化して、賃貸管理にかかる固定費の削減を提案している会社です。オーナーは自宅のパソコンやスマートフォン端末から家賃集金データや賃貸管理の収支を確認・管理ができるといった内容です。
IoT機器が苦手なオーナーや、導入しにくい賃貸物件向けにも、手軽かつ本格的なスマート住宅化を提案する企業は今後も増加するでしょう。
3.IoT導入の注意点
IoTを導入する上での注意点について解説します。
3-1.対応している管理会社が少ない
IoTを導入するデメリットとしては、まだ対応している管理会社が少ないという点でしょう。
管理会社がIoTの管理メニューを提供するには、設備の技術的な知識が必要であり、通常の不動産会社にはハードルが高いというのが対応できる管理会社が少ない理由です。
IoTの管理メニューを提供できる管理会社は、今のところIoT管理を専門的に行っている会社や、一部の大手企業に限られます。
ここは判断に迷う所かもしれませんが、IoT管理ができる会社が少ないことは、逆に今導入できれば、物件の希少性が高められ、空室対策になるという要因にはなっています。
しかし、今後の見通しとして、利便性の点で入居者が求める内容で、且つ、需要の拡大が見込めれば、管理会社が設備メーカーと本格的に提携をしたり、自社開発に乗り出したりして、機器の設置工事やその設定、アフターサービスの提供を行う環境も整っていくものと思われます。
3-2.セキュリティ対策や機器の故障対応にしっかり備える必要がある
住宅設備をIoT化することによって、オーナーにとっては複雑なネット回線のセキュリティ対策や、機器の故障対応に一段と備える必要性がある点は面倒な点かもしれません。
機器の話しで言えば、昔から賃貸住宅の世界では「設備は壊れやすいため、オーナーの資産として設備は極力導入しない方がいい」という考え方が存在します。今でこそエアコンや温水洗浄便座が備え付けの賃貸物件が当り前ですが、昔はこのような設備は借主が持ち込むことが普通でした。
オーナーの資産として様々な設備を導入するほど、オーナーには設備の故障リスクが増えていきます。借主が意図的に破壊したものでない限り、寿命や通常使用によって壊れたものはオーナーに修繕義務があります。
また、これらのIoT機器は、365日24時間インターネットに繋がっていなければ機能しません。
特に監視カメラの類は、サイバー犯罪の標的になる可能性が指摘されています。こうしたことを念頭においてセキュリティー対策をしっかりとする必要があります。
そうしたこともあり、IoT管理ができる管理会社の中には、セキュリティー対策や故障時のサポート体制を意識して整えている会社もあります。
IoT設備を導入する場合には、セキュリティー対策面や故障発生時でも、保証内容がシッカリとしており、且つオーナーの費用負担を軽減してくれるプランを用意したり、手を煩わすことなく迅速な対応を約束してくれるサポート体制が整った管理会社に依頼することがポイントです。この点だけは十分確認をしましょう。
4.IoT賃貸に移行するための手順
IoT賃貸に移行するための手順について解説します。
4-1.IoTメニューを提供している管理会社を探す
IoT賃貸住宅にするには、まずIoTメニューを提供している管理会社を探すことが第一歩です。
IoTのデメリットとして「対応している管理会社が少ない」という点を挙げましたが、ネット検索でIoTの管理メニューを提供できる管理会社を見つけることも可能です。
この段階でIoTを使った賃貸管理ができる会社は、機械故障時の費用負担軽減、対応力などのサポート体制も充実させようと頑張っている会社もあるので、見極めさえシッカリとできれば入居者からの問合せにも瞬時に対応してくれる可能性があります。
4-2.必要な設備投資をする
もちろん初期投資は必要になります。IoT化の内容にもよりますが、IoTに対応したエアコンや玄関の鍵、室内照明、インターフォン等、必要な設備を入れ替える必要性が出てきます。
オーナーは入居者のニーズを考えて導入したい内容を考えておく必要はあります。
管理会社を選ぶ際は、自分の希望や考えをもとに、提案されたプランを比較検討して、入居者へ提供できるメリットはもとより、必要な設備とその投資金額、設備の償却期間、家賃プランの再構築、サポートやアフターサービスの体制をしっかりと比較した上で選定することがポイントです。
IoT化による対策で入居者へこれまでよりもワンランク上の安全性、快適性を提供できれば、空室率を抑え入居者の定着率の向上が期待できます。
検討をする中で、家賃を上げる必要が出た場合でも、比較的短期で回収ができる見込みが立てられるプランならば、オーナーにとっては経営の安定化につながるでしょう。
入居者にとっても、それに見合う利便性と安心できるセキュリティが確保できれば、たとえ家賃がプラスされたとしても、もちろん額にはよるでしょうが、価値が十分伝われば、納得してもらえる可能性はあります。
まとめ
以上、IoT賃貸住宅について解説してきました。
IoT賃貸物件とは、インターフォンやエアコン等の住宅設備を遠隔操作できる賃貸住宅のことです。
IoTを導入するメリットには、「空室対策になる」や「管理料が安くなる場合がある」という点があります。
それに対して「今のところまだ対応している管理会社が少ない」や「セキュリティ対策や機器の故障対応にしっかり備える必要がある」という点が注意点です。
ただ現時点では希少性の高い物件になるため、入居者へワンランク上の安全性、快適性が提供できれば、空室率を抑え入居者の定着率の向上が期待できます。
本コラムの内容が少しでも参考になったなら幸いです。もし興味があれば、情報を集めて、物件のIoT化に備えてみてはいかがでしょう?
この記事について
(記事企画)イエカレ編集部 (記事監修)竹内 英二
不動産鑑定事務所及び宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。
大手ディベロッパーで不動産開発に長く従事してきたことから土地活用に関する知見が豊富。
保有資格は不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。大阪大学出身。
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