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【土地活用】再建築不可物件の土地活用方法について対策を解説します【イエカレ】
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再建築不可物件とは?詳しく説明します
まずはじめに「再建築不可物件」について分かりやすく解説します。
再建築不可物件とは「現存している物件を取り壊すと再び建物を建てることができない物件」のことを言います。一番多いのが「接道義務を満たしていない土地(無道路地ともいいます)」です。そして「接道義務を満たしていない土地の上に建っている建物」が【再建築不可物件】と呼ばれています。
では「接道義務」とはなんでしょうか?
接道義務は建築基準法で定められている規定です。都市計画区域または準都市計画区域内の土地において適用がされている決まりになっています。
具体的には「建物を建築する際、その土地が原則として、幅員4m以上の道路に、間口が2m以上接していなければならない」というものです。
日本の国土を考えた場合、3割が平地、7割が山林なので、人が有効利用できる3割部分の平地は、ほぼ都市計画区域または準都市計画区域に指定されています。人が多く住み土地活用ができるようなエリアはほぼ都市計画区域に指定されています。
ですから、土地活用を行う上で「その土地が接道義務を満たしていることは必須条件」なので非常に重要な要素です。
では、ここで「再建築不可物件の中身は分かったけど、そもそも、どうして無道路地に家が建っていて、それが今頃になって問題にされてしまうのですか?」と素朴な疑問が浮かんだ方も多くいらっしゃるでしょう。再建築不可物件が今存在している理由とはなんでしょうか?
答えですが「今現在、再建築不可物件が存在している理由は様々です」というのが答えになりますす。ただ、それでは分かりにくいのでいくつか例を挙げてみましょう。
一つ目は、接道義務の建築基準法が施工された以前(1950年よりも前)に建てられた建物が考えられます。次は、今では考えにくい話しですが、1980年代くらいまでは、行政指導が甘かったせいもあり、無道路地にも関わらず建築確認手続きを経ずに建てられた建物も多くありました。
その他としては、当初は合法的に建てられた建物だったものでも、その後、その建物が建っている土地が「分筆(分筆とは、土地を切ることで、分割という言葉の方が分かりやすいでしょうか?)」されて接道部分がある土地だけが売却されて、無道路地の部分の土地だけが取り残されてしまったというケースもあります。
つまり、建物が建築された後に、土地の分筆が行われ、その中に無道路地の土地ができてしまった例です。その部分の土地だけが再建築不可になってしまったわけです。
このように再建築不可物件は、様々な事情によって生じてしまった場合が多いのです。
ただ残念ながら、発生した原因の如何を問わず、現在の建築基準法の定義では、接道義務が満たされていなければ再建築不可物件になってしまうのが現状です。
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再建築不可物件を不動産活用する方法
では、そんな再建築不可物件を不動産活用する方法などあるのでしょうか?
再建築不可物件に関しては、残念ながら「明確な救済措置」というものは存在しないのが現状なのですが、条件付きで可能な方法があります。以下で、代表的な3つの方法を紹介します。
リフォームする
まず1つ目です。一番多いケースが「再建築不可物件の建物を取り壊さずにリフォームをして活用する方法」です。
接道義務を満たしていない土地が問題にされてしまうのは「建築確認申請」と呼ばれる手続きにおいてです。
建築確認申請とは、着工前に行う図面審査のことで、そこでは新たに建築される建物が合法的な建物かどうかが審査されるわけです。
ではリフォームの場合どうでしょうか?
防火地域または準防火地域以外の用途地域なら「10平米以内の増改築」であれば建築確認申請は必要なくなります。ですから建築確認申請が不要なリフォームを行うことでその建物を綺麗にできれば、延命をさせてそのまま活用することができるわけです。
隣地を購入する
2つ目です。このアイディアは「言われてみれば、そうかぁ」と思える内容なのですが再建築不可物件になんとか接道義務を復活させて活用したい場合、もし「接道義務を満たしている隣地があればそれを購入すること」が解決策になります。
例えば「再建築不可物件のあなたの土地」と「道路」の間に「他人の土地(接道義務あり)」があったとします。その場合、その他人の「接道義務付きの土地」を購入することで接道義務を復活させることができそうなら、購入検討と隣地所有者と交渉する価値が大いに出てくるというわけです。
ここでよくある間違いですが、建物を建築するための敷地(建築敷地)は、必ずしも1つの筆である必要はありません(筆とは「土地の単位」のことです)。
建築敷地は1建物1敷地というのが原則ですが、1敷地とは1筆という意味ではなく、2筆以上あっても1つの建物のために用いる敷地であれば1敷地ということになります。ですから、隣地を購入して、全体が接道義務を満たした土地に生まれ変われば、その土地で新たに建物を建てることが可能になるのです。
この方法が成功すると、ほぼ無価値だった土地が一夜にして大きな価値ある土地に甦るチャンスが出てきます。もちろん土地活用が可能になるだけでなく、それまで接道義務が無いが故に乏しかった土地の資産価値を逆に上げられることに繋がり、将来売却がしたくなっても大変売りやすくなります。そうした隣地がある場合は、隣地所有者へ思い切って交渉してみる価値があります。
なお、隣地所有者との直接交渉で隣地購入ができた場合は、不動産売買による仲介手数料は発生しませんが、土地の名義変更などの手続きは必要になります。その場合は報酬を支払う必要はありますが、隣地所有者と協議をした上で、司法書士さんへ相談をしてみると良いでしょう。
「43条ただし書きの空地」で再建築可能にできる?
最後の3つ目ですが、実は、下記のような一定の条件を満たしている場合「建物の再建築が許可される」ケースが存在します!
接道義務を満たしていない土地(無道路地)でも建築できる可能性がある土地は、以下のいずれかの条件が満たされている土地になります。
- 敷地の周囲に公園、緑地、広場等の広い空地を有すること
- 敷地が農道その他これに類する公共のように供する道(幅員4m以上)に2m以上接していること
- 敷地がその建築物の用途、規模、位置、構造に応じて、避難・通行の安全等の目的を達するために十分な幅員を有する道路で、道路に通じるものに有効に接していること
これらの条件は、不動産業界では「43条ただし書きの空地」と呼ばれます。 接道義務は建築基準法第43条に定められていますが、「ただし書き」として例外措置が設けられていることが名前の由来となっています。
接道義務は、建築基準法で幅員4m以上の道路に間口が2m以上接していることが規定されているとお伝えしましたが、これには生活上の大きな意味があります。
それは「火災時に消防車が消火活動できる道幅」を想定しています。幅員4m以上あれば消防車が敷地の前面までたどり着くことができ、間口が2m以上あれば消防ホースを引き込んで消火活動ができることから規定がされたものだったのです。
これをみれば、接道義務の目的は火災時の消火活動にあることが分かります。例えば、周囲に広い土地を有していれば、敷地の外から消防車が近づいて消火活動ができます。
そのため、「敷地の周囲に公園、緑地、広場等の広い空地を有する」等の土地であれば、無道路地であっても建築が認められる場合があるのです。
ですから、現在、無道路地で再建築不可物件となっている場合でも、この「43条ただし書きの空地による例外措置を適用してもらえないか?それで建物を再建築することができないか?」を念のため行政の都市計画課などに確認・相談することも適切な対応と言えます。この「ただし書き」のことは知っておいて頂いて損はないと思います。
まとめ
以上、再建築不可物件の土地活用について解説してきました。
再建築不可物件とは、主に接道義務を満たしていない物件のことを指すことを解説致しました。長い年月の間で結果として再建築不可物件になってしまった場合は、土地活用を検討しようにも、そのままでは新たな建物を建てることができず活用方法でお悩みの方も多いでしょう。
現実的な解決策としては「リフォームをすること」。そして「接道義務がある隣地を購入できそうならダメ元でも隣地の所有者へ交渉をすること」が現実的な選択肢になることをお伝えしました。
そして「43条ただし書きの空地」の要件を満たせる見込みがあれば、行政に確認をして再建築が可能か否かの可能性を確認してみることも適切な対応となります。
この記事がお役に立ち、ご所有の不動産をご活用できるようにお祈りします。
▼イエカレでは土地活用や不動産管理に関する記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
土地活用に関する記事:https://plus-search.com/chintai/archives.php
賃貸管理に関する記事:https://plus-search.com/property_management/archives.php
家の貸し出しに関する記事:https://plus-search.com/relocation/archives.php
この記事について
(記事企画)イエカレ編集部 (記事監修)竹内 英二
不動産鑑定事務所及び宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。
大手ディベロッパーで不動産開発に長く従事してきたことから土地活用に関する知見が豊富。
保有資格は不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。大阪大学出身。
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