【家を貸す】多拠点居住ニーズとは?新たな不動産活用ビジネスの取り組みをご紹介!【イエカレ】


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このコラムのポイント

新型コロナウイルスをきっかけに、急速に広がりを見せているライフスタイルに「多拠点居住」があります。

リモートワークが普及したことで、場所に捉われずに働ける人たちが増えてきました。 一方で、人口減少によって分譲や賃貸のニーズは全体的に縮小傾向にあります。空き家の増加に伴い、不動産業界の中でも多拠点居住ニーズに対応した新たなビジネスモデルが生まれつつあります。

多拠点居住ニーズに対する不動産業界の新たな取り組みとは、一体どのようなものなのでしょうか。この記事では「多拠点居住ニーズに対応する新たなビジネスモデル」について解説します。


多拠点居住とは?二地域居住との違い

多拠点居住とは、複数の拠点を持って生活するライフスタイルのことです。
必ずしも都会と田舎に拠点を持つとは限らず、東京や名古屋といった複数の都市に拠点を置いて往来しながら多拠点で生活することも指します。 特に拠点が2つの場合「二拠点生活」と呼ぶこともあるようです。

二地域居住とは、国土交通省では「都市部と地方部に2つの拠点をもち、定期的に地方部でのんびり過ごしたり、仕事をしたりする新しいライフスタイル」と定義しています。
国の違いでは多拠点居住や多拠点生活といった用語を使用していません。国土交通省が用いている用語は「二地域居住」となります。

多拠点居住も二地域居住も厳密な違いはないようですが、国は過疎化が進む地方振興の観点から都会と田舎を定期的に往来する生活を二地域住居と想定しているようです。 もし仮に、二地域居住が主に都会と田舎の2つの拠点を指しているとすると、多拠点居住は特に都会と田舎とは限らないことから、多拠点居住の方が広い概念を持つ言葉だと捉えることができます。

そして今、国は二地域居住を促進する観点から全国二地域居住等促進協議会という組織を設けています。 全国二地域居住等促進協議会によると「二地域居住とは、主な生活拠点とは別の特定の地域に生活拠点(ホテル等も含む)をもうける暮らし方」と定義されています。 全国二地域居住等促進協議会の二地域居住は、国土交通省よりももっと広い概念で捉えており、ホテル等も別の生活拠点に含むとしています。

多拠点居住のメリットとデメリット

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ここでは、多拠点居住をする人のメリットとデメリットについて紹介します。
多拠点居住をする人のメリットは、以下の通りです。

【多拠点居住のメリット】

・2つ以上の生活拠点を通じて多様な体験ができる
・1つの場所では出会えない新たなコミュニティに参加できる
・将来の移住に向けての準備をすることができる

多拠点居住をすれば、例えば、都会でミュージカルを楽しみながら、田舎で陶芸を行うといった生活も可能です。 それぞれの地域で紹介されているコミュニティへ参加をすれば、新たな人間関係を広げることもできるでしょう。

都会から地方への移住に興味がある方は、まず、多拠点居住でお試しすると移住の失敗を防ぎやすいともいえます。

一方で、多拠点居住をする人のデメリットは、以下の通りです。

【多拠点居住のデメリット】

・拠点間の往復の交通費がかかる
・複数の拠点を構えるための費用がかかる
・移動に時間がかかる

多拠点居住は、何と言っても費用面でデメリットがあるでしょう。
当然、拠点間の往復の交通費も発生しますし、物件を2つ持てばそれに伴う維持費も増えます。
また、拠点間が遠ければ移動にも時間がかかるため、急な予定変更に対応がしにくいです。
ある程度資金的な余裕と、それを楽しむ時間的な余裕がない方は、実現が難しいかもしれません。

不動産業界における新しいビジネスモデル

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しかし、現実は、新型コロナウイルスをきっかけにリモートワークが普及したなどの理由から、多拠点居住を行う人が徐々に増えつつあります。 今では「ワーケーション」と呼ばれる言葉も登場しており、働きながら観光地を転々と渡り歩く人たちもいるようです。試しにパソコンかスマートフォンでググって見て下さい。

そしてこのような状況を受け、最近では「サブスク住宅」と呼ばれる新たな不動産の活用方法が注目され始めました。 サブスク住宅とは、全国に登録された住宅に定額制で住み放題ができるサービスのことです。

ご存知の方も多いかと思いますが、サブスクとは英語のサブスクリクション(subscription)の略で予約購読や年間購読といった意味があります。 例えば、毎月定額を払って視聴できるアニメやドラマが見放題の動画配信サービスは、サブスクリクションサービスの一つです。

サブスク住宅は正確には「サブスクリプション住宅」と言えるのでしょうが、略して「サブスク住宅」と呼ばれているようです。

サブスク住宅は、それを運営するサービス会社に登録された空き家や賃貸住宅に住み放題のサービスと言った方が分かりやすいかもしれません。 用意された住宅内には家具や家電が設置されており、利用者が訪れればホテルのように宿泊ができる仕様になっています。

サービスの利用希望者は、運営会社が展開しているサブスク住宅サービスの会員となり、年会費などの会費を支払うと利用ができます。 一般的に水道光熱費や通信料等は会費の中に含まれる形式が主流で、利用するにあたっては敷金や礼金も不要です。

似たようなものに、マンスリーマンションがありますが、マンスリーマンションは必要なときだけ料金を払って利用するのに対し、サブスク住宅は利用をしなくても年会費などの会費を払っている(会費は戻ってこない)点に違いがあります。

サブスク住宅は、会費を払っていればどんなに利用しても追加料金は発生しない「使い放題」であるところが利用者に受けて、このサービスが拡がりを見せている要因かもしれません。

近年、サブスク住宅の需要拡大を受け、新たな不動産事業として、サブスク住宅サービスを新規で立ち上げたり、参入を始めた不動産会社も現れ始めています。 人口減少により住宅の分譲や賃貸のニーズは減る傾向にあることから、サブスク住宅事業に参入する不動産会社は、さらに増えていくかもしれません。

物件所有者や賃貸オーナーとしてできること

サブスク住宅は、個人の物件所有者もサブスク住宅の運営会社に物件登録をすればすぐにでも始めることができます。 サブスク住宅は、今のところ観光地や地方の方が需要は高いため、そうした地方の「空き家物件の有効活用」や「空室対策」にもなると期待もされています。

また、賃貸オーナーの方は、サブスク住宅ではなくても、賃貸住宅をそのまま二地域住居を行う人に直接貸すという活用方法も考えられます。

昨今は、二地域住居の支援を行っている自治体や、助成金を出す自治体も増えてきました。 都会からの移住を促進している自治体では、空き家バンクに物件を登録すると支援金や助成金の制度も加わる形で移住者を探してくれる市町村も出始めました。

サブスク住宅に抵抗感がある人は、自治体の制度を確認して、その自治体が空き家バンクの運営をしていたら、そこにに登録してみるのも良い方法だと思います。

まとめ

以上、多拠点居住ニーズに対応する新たな不動産ビジネスモデルについてご紹介してきました。

多拠点居住や二地域居住は、地方振興の一環として国も積極的に普及を促進し始めた新しいライフスタイルです。 そうしたなかで、不動産業界の中では、定額で住み放題のサブスク住宅のサービスが普及し始めました。

サブスク住宅は新たな不動産の有効活用や貸し方として急成長をするビジネスになる可能性を秘めているとも言えます。今後の動向に注目しましょう!そして、空き家の有効活用や賃貸住宅の空室対策の、新たな候補の一つとしてご検討いただければと思います。

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この記事について

(記事企画)イエカレ編集部 (記事監修)竹内 英二
(竹内 英二プロフィール)
不動産鑑定事務所及び宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。
大手ディベロッパーで不動産開発に長く従事してきたことから土地活用に関する知見が豊富。
保有資格は不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。大阪大学出身。

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