【一戸建ての賃貸】不動産管理のプロが直伝!一軒家を上手に賃し出すコツについて詳細に解説します【イエカレ】

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このコラムのポイント

今回のコラムでは「一軒家を賃貸物件として貸し出したいが、どう考えればよいか?その方法もよくわからない」と思っている方々へ向けて「一軒家の賃貸化に関するメリットや注意すべき点」「賃貸物件にする場合の管理方法」などを具体的にご紹介します。

本来、土地の有効活用の面だけでいえば、一軒家を賃貸物件として貸し出すことは、アパートなど複数の賃貸戸数がある集合住宅と比べて非効率な活用方法だと考えられてきました。そのため、賃貸物件として一軒家を使うことはあまり見られませんでした。

しかし、近年では少しずつ「一軒家の安定性や価値」が賃貸市場でも見直されています。その背景のひとつとして、賃貸ニーズの多様化が挙げられます。もう一つは急速な少子高齢化の問題で人が住まなくなった空き家が増えていることです。

政府や各地方行政も「空き家問題」を重要視しており、住宅ストックの活用法として空き家の「一軒家の賃貸化」などを推進しています。

一軒家の賃貸物件は、マンションやアパートと違い、入居者が隣家や上下階の足音や物音などの生活音を気にせず快適に暮らすことができることが最大のメリットだとも言われます。

一軒家の賃貸化をお考えの方は、できるだけ高い賃料で貸し出したいと考えていると思います。そのためにも、ぜひこのコラムを参考にして、実際に家を貸し出すタイミングが来た時に思い出していただき、管理を依頼することになる賃貸管理会社と相談をしてみて下さい。


1.増加傾向にある「一軒家の賃貸物件」

まずこの章では、増加傾向にある一軒家の賃貸について「借りる側」「貸す側」双方の視点でメリットをご紹介します。

国土交通省のデータによれば「一軒家の賃貸物件」は、これまで賃貸物件の市場全体の中では、わずか2%程度の占有率に過ぎませんでした。

賃貸物件を借りる入居者から最も人気があるのは、やはりマンションやアパートなどの「共同住宅」です。しかし、冒頭で述べた通り、近年は少しずつ「一軒家の賃貸物件」を選ぶ人が増えています。

「一軒家の賃貸物件」を選んだ人達が挙げた共通メリットしたメリットは「一軒家ならではの快適さ」です。

主な理由は以下の4つです。

  • 騒音トラブルが起こりにくく、小さな子どもがいても安心
  • 収納スペースがたっぷりあり、物を片付けるのに困らない
  • 家族がのびのびとした広い空間で暮らせる
  • 夜に洗濯機を回しても、真夜中にお風呂に入っても平気

一方、貸す側のメリットは、以下の2つです。

  • 家を貸すことで賃料収入を得られる
  • 空き家対策が不要になる

日本は今、少子高齢化が急速に進んでいる際中で、全国的に空き家件数も増加しています。空き家対策に関する問題がニュースでも良く取り上げられるようになったので、そうしたニュースをご覧になった方も多いのではないでしょうか?

そうした背景のなか実家を相続する人も増加傾向にあり、以下のような人が次第に増えています。

  • 自分では住まないし維持費や固定資産税などの税金も掛かる→「売る以外ないかぁ?」
  • 自分は住まないけど思い出の家だから手放したくはない→「良い解決方法はないか?」

空き家になってしまう実家を相続したことがある人なら理解をして頂けると思いますが、空き家の管理や活用方法について悩んでいる方は本当に多いです。

「そうなったら売るしか方法はないでは」と思っている方々も多いかもしれませんが、そうした大切な思い出の詰まった実家を条件次第では手放すことなく「貸すことで賃料収入を得る」ことができるかもしれません。そうした有効活用をする方法が「一軒家の賃貸化」です。

1-1.安定した家賃収入が得られる

一軒家の賃貸物件は独身者よりも「共働き世帯」や「お子様を持つご家庭の夫婦」が好む賃貸物件です。貸主側も、例えば「身元がしっかりしていて、きちんと仕事を持っている夫婦や家族」といった人たちに貸し出すことができれば安心でしょう。

そうした属性の入居者(借主)なら、気に入って入居をしてもらえれば大事に長く住み続けてくれる可能性もあります。

定住率が高まれば、一戸建てを貸すという選択は非常に安定した収益につながる可能性があるので大きなメリットになります。

1-2.家の劣化が防げる

「住まない家は傷む」という言葉を聞いたことはないでしょうか?一軒家の場合は一般的に、住んでいた人たちが退去をすると「売却されるか」「空き家になるか」二つのうち一つでしょう。

もし、空き家のままにする選択をした場合、誰も住まない家を空き家状態で放置してしまうと、想像以上の速さで家の劣化が進んでしまいます。 人が住んでいた時よりも、空き家で放置される家の方が家の劣化が急速に進むと言われています。

空き家にしたまま劣化が急速に進むと「固定資産税や都市計画税の支払い」といった家を維持する経費以外に「修繕費・清掃費」といった余計な費用が加わる危険性があります。

しかし、ご自身の代わりに誰かに住んでもらえれば、家の換気や掃除などが自然に行われ、家の状態が維持されやすくなります。仮に家の持ち主(貸主)が遠く離れた場所に住んでいても、借主が変わって家を綺麗な状態に保ってくれるのです。これは貸主にとっても安心できる大きなメリットと言えないでしょうか?

1-3.空き家リスクが防げる

誰も住まずに管理もがされない状態で放置される空き家には、様々なリスクを誘発する危険性もあります。

具体的には、長い間、放置されていることが明らかだと分かる空き家は、次第に悪質なイタズラの対象になります。酷い場合は「放火」「不法侵入」「ゴミの不法投棄」の場所にされたり、「犯罪の温床」として利用されてしまう危険性もあります。

また、「草木や雑草が伸びたまま」になってしまい、「害獣」や「害虫」が寄ってきた結果、隣家に迷惑を掛けてしまうなど、周辺環境の悪化を招く一因にされてしまいます。

一軒家の賃貸化で優良な借主が見つかれば、そうしたリスクを無くすことに繋がります。

1-4.思い出のある一軒家を残すことができる

家族とのたくさんの思い出を作ってきた一軒家を、何らかの事情で手放すことになりそうな時、それを考えると大きな喪失感を感じることはないでしょうか?

大きな覚悟で購入した一軒家が自分たちの所有物ではなくなるのは、誰にとってもとても寂しいことだと思います。「思い出が詰まった一軒家を手放して良いのか?」とお悩みになる方もいるでしょう。

しかし、一軒家を賃貸として他の方に貸すことができれば、たとえご自身は居住しなくても不動産資産として継続所有ができ、ご家族との思い出も色褪せることなく残せます。

1-5.将来的に自分が住む選択肢も残せる

上述した通り、一軒家を完全に売却するのではなく、一軒家の賃貸として継続所有できていれば、将来、どこかのタイミングで再び住むことも可能です。 ご自身はもちろん、ご自身の子供、親族などがその家に住むことも可能です。

その家を手放そうとした理由が「一時的な転勤」や「長期の出張」などの場合、売却ではなく賃貸物件として貸すことが最適な場合が多いです。

こうしたケースでは、ご自身が戻るタイミングに合わせて貸し出す期間を設定することもできます。これについては、後程、詳しく解説します。

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2.一軒家の賃貸化における注意点とは?

前項では「一軒家の賃貸化」のメリットを中心に解説をしましたが、この章では一軒家を貸し出す場合の注意点について見ていきます。

前項でも触れた通り、一軒家を「空き家」にしたまま放置すると、所有者にとって非常に大きな痛手を伴う場合があります。

具体的には、家は所有をしていれば、たとえ空き家であっても所有しているだけで、家の維持費用として固定資産税・都市計画税の納税が必要であることは上述しました。

そして、一軒家を賃貸物件として貸し出して入居希望者を募る場合は、賃貸物件の貸主の責任として、耐震診断や水回りの設備を整備するなど、賃貸物件としての体裁を整え入居者が安全に住めるように「メンテナンス」する必要があります。それに伴い、家の資産価値を下げない「建物管理」も必要になってきます。

2-1.入居者管理が必要

一軒家の賃貸化で、入居希望者を募る場合は、その入居者管理も必要です。

入居者を決める時は、家を安心して貸せる人かどうか?「入居審査」を行います。良くあるトラブル例は、入居審査時は「大丈夫」だと判断しても、入居後にトラブルがないとは限らないことです。

このあたりは考えだせばキリがなくなるので判断が難しいのですが、例えば、以下の様な例が「入居者リスク」として考えられます。

  • 素行が悪いなどで近隣の住民とトラブルになるケースが出始めた
  • 騒音トラブルや嫌がらせなどを引き起こすトラブルメーカーとなる
  • 入居後に借主の経済事情が悪化して家賃の滞納をされてしまう
  • (将来の退去の際に)家の現状回復のクリーニング費用などで揉めてしまう

「考えだせばキリがなくなる」と述べましたが、こうしたトラブルが起きた場合は、原則的には貸主として、すべてご自身で問題解決に対処する必要が出てきます。

しかし、こうしたトラブルをご自身で適切に処理することは、精神的にも時間的にも想像以上に大変だと思います。

このような入居者リスクに備えて、一軒家の賃貸化の場合は、信頼できる不動産管理会社へ、家の建物管理と入居者管理を業務委託することを考えた方が無難です。その方が、貸主の日常生活も守られます。

また、一軒家の賃貸化の場合は、入居者が家賃滞納をすると貸主の収入が全くゼロになることを意味します。

不動産管理会社へ入居者管理を含めた管理業務を委託する際は「借主との賃貸借契約書を作成する段階でトラブルに関する内容を詳しく記載しておく」「賃貸保証会社を利用する」などの入居者管理に関する相談をすると良いです。

2-2.家の修繕コストが掛かる場合がある

これは、上述した家の「建物管理」と関連しますが、一軒家の賃貸化の場合は「居住年数」「築年数」「内装の状態」などによっては、貸し出す前に「リフォーム」が必要になるケースがあります。

例えば、よくリフォームの対象にされる水回り設備だけに限らず、外壁や屋根、フローリング、なども対象です。

もちろん、そのままで貸せるならそれに越したことはありませんが、事前のリフォームだけでなく、貸し出した後もそれなりの修繕費用は掛かりますので、こうした内容はあらかじめ理解しておきましょう。

入居者がとても丁寧に家を扱って生活してくれたとしても、どんな家でも年数が経てば、クロスや床が汚れたり、軽微なものも含めて経年劣化は起こります。また予測がつかない地震や大雨洪水などの自然災害で建物が損傷する可能性もあります。

その際の修繕に掛かる費用は貸主が負担するのが一般的ですので、損害保険への加入や、家賃収入の一部を修繕用に積み立てるなどの資金計画を立てておきましょう。

ただ、明らかに入居者のせいで家の一部や設備が壊れた場合は、入居者に弁済をしてもらわないと困るケースがありますので、入居契約時に「どのようなケースの場合、弁済をしてもらうことになるか?」を必ず細かく取り決めておく必要があります。

また、そうしたことを細かく取り決めておくと、借主に「家を大事に取り扱わなければいけない」という意識が芽生える効果に繫がります。

2-3.収支管理や税務管理が発生する

一軒家の賃貸化は、家を貸して家賃収入を得ることになりますから、厳密には「賃貸事業」をすることになります。

それによって得た収入はすべて「不動産所得」の扱いとなり、確定申告の対象になりますので、基本はご自身で家賃収入や税金を計算して税務署に確定申告をする必要があります。

また、確定申告をすると、併せて所得税も納める必要が出ますので「不動産所得に所得税が上乗せされる」ことを必ず覚えておきましょう。

補足になりますが、賃貸化した家から遠く離れて居住している場は、ご自身で確定申告ができないことも考えられます。

その場合は、税理士やご親族に納税管理人として代わりに納税を依頼することができますし、管理会社でも相談ができる会社がありますので、管理業務の委託を検討する際にそうしたことも確認すると良いでしょう。

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3.一軒家を貸すべき?それとも売却すべき?

このコラムは「一軒家の賃貸化」について解説をしていますが、それでも「貸すべきなのか?それとも売るべきなのか?の境界線が今一つピンと来ない」という方もいらっしゃると思います。

この章ではそうした方々へ向けて、ケース別にどちらが良いのかを解説したいと思います。

3-1.貸す方が良いケース

まず、貸す方が良いケースからです。

結論から申し上げますと「将来、ご自身を含めたご家族やご親族などが再びその家に居住する可能性がある場合」は、売却ではなく「一軒家の賃貸化」を行って貸し出す検討をすべきでしょう。

当然ですが、家を売却してしまうと、将来再びその家に住むことは不可能になります。 このケースの場合は、その家を使用しない期間のみ家を貸す契約ができる「定期借家契約」を使って貸し出すことをおすすめします。

定期借家契約とは、貸主が家を貸し出す契約期間を決められる賃貸借契約です。 契約で取り決めた契約期間が終われば、借主は契約更新や再契約をすることはできず必ず退去しなければなりません。 ですから、契約満了後、貸主は安心して自分の家へ戻って来ることができます。

また、数年後という短い期間ではなく「老後をマイホームで過ごしたい」と考えている場合も、賃貸物件として貸し出した方が良いでしょう。

3-2.売却する方が良いケース

こちらも結論から申し上げますと「将来、再び戻って住む可能性がない場合」は、売却を検討した方が良いでしょう。

その理由として、どんな不動産物件でも築年数が経過すれば物件の価値は下がります。将来、その家に再び住む予定がないのであれば、物件の価値があるうちに売却をする選択肢も考えておきましょう。

こうした話を聞くと「売却をするか?」をためらった時に「ひとまず、賃貸に出してみよう!」と考える人も多いかもしれません。

また、何らかの事情が重なり「今はそこには住めないけど、どうしても今すぐにその家を売ることを決断できない」という方もいるでしょう。

これも本当に難しい判断になるのですが、一般論として、不動産物件は所有しているだけで固定資産税や維持管理費が掛かりますから、今一度、収支を良く検討した上で判断しましょう。

検討の結果、収入よりも支出が多くなる可能性があるかもしれません。 しかし、そうだとしても、ご自身のライフプランの中で、どうしてもその家を残したい明確な理由や目的があり、その家を賃貸化することで問題解決が図れるならもちろん問題はないでしょう。

4.一軒家の賃貸におけるお金の管理

一軒家を賃貸化する場合「家賃の収支管理など、お金の管理をどのようにしたら良いのかわからない」と思う方も多いでしょう。

以下で複数の観点から、一軒家を貸した場合の「お金の管理」についてご説明します。

4-1.収入、利回りについて

まず、賃貸物件は、仮に「利回りが高い(収益性が良い)物件」だったとしても、最終的には「利回りが低くなってしまう」ということも珍しくありません。

その理由は賃貸物件を経営する場合は、物件の「管理費用」「修繕費用」「メンテナンス費用」などの経費も必要になるからです。

賃貸物件における収入源は、主に入居者から支払ってもらう「家賃収入」になりますが、家賃として入ってきた金額の全てが実際の収入になるわけではありません。

上述したように、様々な経費が必要になるため、実際に手元に残る金額はそれほど多くない場合もありえますので、なるべく無駄な経費が発生しないように工夫をする必要があります。

4-2.支出のまとめ

上述した賃貸物件の経営に掛かる経費は、大なり小なり、一軒家の賃貸化でも同様に掛かる経費です。

貸し出しを始めて、入居者(借主)が決まるまでの間も家の維持費は掛かかりますし、借主が決まった後も「管理費用」「修繕費用」「固定資産税」などの費用が掛かります。

特に修繕費については、いつ何時どのような修繕が必要になるか?予測がつかない場合が多いため、多少余裕を持った費用を準備できるように、家賃収入のなかから定期的に修繕費を積み立てておくと安心でしょう。

そうしたこともあり、家賃を安く設定し過ぎてしまうと、最低限必要な支出に回すお金が足りなくなる危険性があります。

きちんと運営費を回せるように、なるべく正しい情報をもとにしっかりとした収支計画シミュレーションを行っておきたいところです。

また、スマートフォンが定着した現在では、家を貸す場合の収支計画シミュレーションがスマホ上で確認できるアプリがあるのをご存じでしょうか?

アプリをダウンロードし、必要項目を入力することで簡単にシミュレーションの結果がわかります。

初めて一軒家の賃貸化を検討されているの方はこうした便利なツールを活用してみるのも収支計画を練る上で一つの手段になり得ると思います。

ただ、やはり、より正確な家賃設定をもとに収支のシミュレーションをしたい場合は、専門の賃貸管理会社へ訪問査定を依頼して、実際に物件や周辺環境をみてもらい、希望したい家賃を伝えた上で家賃査定をしてもらうことを、おすすめします。

入居者を付けられやすいと判断された場合は、ツールで調べた簡易査定よりも高い家賃が付く場合があるからです。

4-3.税金のまとめ

一軒家を賃貸化する場合、一軒家をご自身で所有している限り税金の納付は貸主自身が行う必要があります。

また、家を貸すことは賃貸事業になるため、それによって得た家賃収入は「所得税」と「住民税」の対象になります。

また、家を貸すことで所得が上がると、所得税と住民税の金額も併せて上がることになります。

その他「固定資産税」も家を貸している・貸していないに関わらず貸主に掛かってくる税金になります。

また、市街化区域内に家を所有していた場合は、併せて「都市計画税」の課税対象にもなるため、ご自身が所有している家が市街化区域内にあるのかどうかを改めて確認しておくことが必要です。

税金の種類によって確定申告が必要なので注意しましょう。

4-4.未返済の住宅ローン

住宅ローンが残っている状態で、一軒家の賃貸化をしたい場合は、一般的には住宅ローンを「事業用ローン」へ切り替えることが必要があるケースがあります。

理由としては、基本的に住宅ローンは、契約者が住宅ローンを組んだ対象の家に住み続けることがローン契約の条件となっているからです。

その家に契約者以外が住む場合は、住宅ローンの対象外になってしまうので事業用ローンに切り替えなければならないわけです。 事業用ローンに切り替えた場合は、住宅ローンよりも金利が上がってしまうだけでなく、住宅ローン控除の対象外にもなってしまいますので、そこは予め考慮しておく必要があります。

ただ、状況によってはこうしたローンの切り替えが必要のないケースもあります。例えば、「期間が決まっている転勤」や「長期出張で不在の間のみ家を貸し出したい場合」などです。

この場合でも、上記のことがあるため、必ずローンを返済している金融機関へ相談してから一軒家の賃貸化を行う様にしましょう。

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5.一軒家を賃貸する種類

これは上述した内容のおさらいになりますが、一軒家を賃貸化する場合、入居者(借主)と結ぶ契約形態には「普通借家契約」「定期借家契約」の2種類があり、それぞれ内容が異なるので本当に注意が必要です。

ここは重要なポイントになりますから、内容をよく理解した上で2つの形態を比較をして、ご自身の状況に合った契約形態を選べるように、再度、詳しくまとめてみます。

5-1.普通借家契約

1つ目の「普通借家契約」とは、数年間の契約で賃貸する方法であり、一般的な賃貸借契約です。

最低でも1年以上の契約が必要となり、2年契約が一般的です。借主が退去を申し出ない限り、契約満了毎に自動更新されるようになります。 そのため、入居者が退去しない限りは長期的な安定収入が見込める契約形態です。

貸主にとっての難点をあげれば「正当事由」がない限り、貸主側の都合で解約をして借主を途中退去させることができません。 ですから、貸し出そうとする家に、将来再び居住する可能性がある場合は、この契約方法は選ばない様にしましょう。

5-2. 定期借家契約

2つ目の「定期借家契約」は、契約の更新がなく、契約期間を自由に決めることができます。

契約の更新がないということは、契約期間が満了になれば契約終了を意味しますので、借主は必ず退去しなければなりません。

契約満了と同時に確実に自宅の明け渡しがされるため「転勤でその期間一時的に家を貸し出したい」など、再び住む予定がある場合には最適の契約形態です。

貸主にとっての難点をあげれば、契約期間が定まっていて更新がされないことを嫌がる借主もいることから、普通借家契約と比べると入居希望者が見つかり難い面も否めません。

借主との賃貸借契約の期間に縛りを掛ける分、家賃を相場より若干安く設定せざるを得ないケースもあります。

その場合、貸主は収益面で多少不利になりますが、将来的に再び住む可能性がある場合は、定期借家契約を選択することを強くおすすめします。

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6.一軒家賃貸の管理方法3つ

ここまでご覧をいただいて、一軒家の賃貸化をする際に「管理業務をどうするか?」について皆さまお悩みになると思います。

そうした疑問をお持ちの方々へ、主な3つの方法があるのでそれを解説します。

その3つとは

  • 自分で管理業務を行う
  • 不動産管理会社に管理業務を委託する
  • サブリースを活用する

以上3種類です。

以下でそれぞれ詳しく見ていきますので、それぞれ比較をしてご自身に合う管理方法を選びましょう。

6-1.自分で管理する

1つ目は、いわゆる「自主管理」と言われる方法です。 家賃を回収したり、入居者トラブルの対応をしたりといった、入居者と発生する様々なやり取りをご自身で行う管理方法です。

一番のメリットは、不動産管理会社に管理業務を委託しないため管理費用が掛からない点です。その分の費用を抑えることができます。

ただ、入居希望者を募集するところから、入居者と賃貸借契約を結ぶまでの業務は、宅地建物取引業を行う免許を持っている者だけができる仲介業務になるため、この部分は不動産管理会社を頼らざるを得ません。この点は覚えておいてください。

貸主にとっての難点は、入居者からの要望やトラブル対応依頼などにもすぐに対応しなければならないことです。 手間や時間がかかる上、精神的にもきついトラブル対応があることも考えられます。

また、ご自身の居住地が遠すぎるとすぐにトラブルに対処できないことも考えられるのは難点です。

6-2.管理会社に委託する

2つ目は、入居希望者の募集から賃貸借契約を結ぶまでの業務だけではなく「入居者管理」「建物管理」「収支管理」といった管理業務全般、または貸主が必要な管理業務を選択して不動産管理会社(管理会社)へ委託する方法です。

管理会社によって管理業務の基本メニューが違う場合が殆どなので、ご自身の希望に合った管理会社を選ぶことが重要です。

例えば、普段仕事をしている貸主でしたら、働きながら管理業務をこなすのは精神的な負担も大きいですし、日常生活に支障が出てしまう危険性も考えられます。 管理会社に管理業務を委託して助けを得ることでそうした労力を手放すことができます。

しかし、貸主にとっての難点は、管理会社に管理業務を委託すると「管理委託費」として家賃収入の中から管理費用を差し引かれることでしょう。 そのため、手元に入る家賃収入は自主管理の場合より少なくなります。

その管理委託費は、一般的には「家賃の5%~15%」で設定されていることが多いです。しかし、そのパーセンテージについては「単純に、高い!安い!」で比較をするのも早計です。

管理会社によって、貸主から管理業務を受託する基本プランの中に含まれている業務内容が違うため、必ず「希望に沿った管理業務が含まれているのか?」比較検討しましょう。

管理委託費は安かったが、自分がやって欲しいと思った管理業務が含まれていなかった場合、後から追加業務を委託すると、逆にコストアップの要因になってしまい経費の無駄になりかねません。

6-3.サブリースを活用する

3つ目は、管理会社が物件の所有者から家を借り上げて、借主との賃貸契約を結ぶ方法です。これをサブリースといいます。「また貸し」といえばわかりやすいでしょうか。

サブリースの場合は「空室保証サービス」が大きな特徴になります。空室保証サービスとは、入居希望者が現れず空室になってしまった場合でも、管理会社が管理委託費などを差し引いた家賃相当額の金額を貸主に支払ってくれるシステムです。

ただ、貸主にとっての難点は、物件(家)の所有者と入居者(借主)の間に管理会社が介在することで、管理会社への利益が賃料から差し引かれる点でしょう。 そのため「賃料の側面」からみると、一般的な賃料の相場よりも安くなってしまうことがほとんどです。

ただ、3つの中で貸主にとって最も労力や手間がかからない管理方法とも言えますので、このサービスを検討する場合は、どちらを取るのがよいか?を良く見極める必要が出てきます。

7.一軒家を貸す手順

一軒家を賃貸化する場合「家を貸すまでの流れが、今一つ分からない」という方も多いでしょう。

この章では、事前の準備段階の話しから契約に至るまでの流れを以下の①~④でご説明しますので参考にしてみてください。

7-1.①管理会社の選定(管理会社に管理を委託する場合)

一軒家を賃貸化する場合、やはり、その大多数の方が「入居者管理」「建物管理」「経営収支」といった管理業務を専門の不動産管理会社へ業務委託しています。

ですから「管理会社を選ぶ」ことから始めた方が本当に無難です。 この場合、賃貸住宅を取り扱っている不動産管理会社をいくつか探し、その中から「一軒家に関する賃貸管理に定評のある会社」を探しましょう。

ご自身の大切な物件の管理を頼むことになるわけですから、契約する際は、可能な限りご自身に合った良い条件で管理を受けてもらえる信頼できる管理会社と契約しましょう。

具体的には、複数の不動産管理会社へ賃料査定を依頼して、一緒に管理業務プランも取り寄せて、複数社を比較検討をすることが重要です。比較内容としては、

  • 各社の担当者やスタッフの雰囲気
  • 管理実績
  • 管理サービスの内容
  • 入居者の募集方法
  • サポートしてもらえる管理業務の範囲

このような項目を中心にしっかりと確認しましょう。

ご自身に合った条件の良い会社が見つかれば、次は「管理業務委託契約」を結ぶ流れとなります。

7-2. ②賃料や条件の検討

管理業務を委託する管理会社が見つかったら、次は「家を貸し出す際の条件」を決めましょう。 家を貸し出す際は、周辺にある物件の家賃相場を調べた上で、家賃や入居する場合の条件などを具体的に設定していきます。

「家賃」の他にも「敷金」「礼金」「損害保険」「退去時の原状回復」など、費用に関することは特にしっかり考えて「契約期間」「契約更新」なども不動産管理会社と相談しながら決めましょう。

ご自身の大切な家を貸し出すと思うと、条件をたくさん付けたくなるでしょう。ただ、あまりにも条件が多いと、物件を探している入居希望者が入居を躊躇してしまうケースが出るので、条件を取捨選択すると入居希望者が見つかりやすくなります。

7-3. ③物件の修繕

家を貸し出す際、事前にリフォームをするかしないかは大事なポイントです。リフォームが済んでいる物件の方が人気で入居希望者は多くなりますが、問題は費用です。

もちろん、家のなかに、明らかに入居者(借主)の生活に支障が出てしまうような不具合や、設備が故障していた場合は、それを修理しておかなくてはなりません。

ただ、全てをリフォームすると、当然出費がかさみますので、入居者にとって必要な部分を重視して修繕しましょう。

この辺りのことは、管理業務を委託する不動産管理会社へ相談をして、大がかりではなくても、目立つ汚れや傷については可能な限り事前に綺麗にしたり、直しておくことをおすすめします。

リフォームをすることで、相場以上の家賃で借主が見つかることも多いので、無理のない出費の範囲で、リフォームすることは検討の価値があると言えます。

7-4.④入居者を募集し、契約

家を貸し出すための必要な準備が整ったら、次はいよいよ不動産管理会社を通した入居希望者の募集です。

入居希望者が見つかったら、実際に家を見ていただきます。これは「内見」と呼ばれますが、入居希望者への案内は管理会社がセッティングをしてくれます。

すでに空き家の場合なら、スムーズに内見ができるよう管理会社に鍵を預けておきます。

まだご自身が住んでいるタイミングだった場合は、いつ内見が可能かを管理会社と事前に打ち合わせた上で決めておくようにしましょう。

内見後、入居希望者から実際に入居の申し込みがあったら、入居者の審査をして契約という流れです。

入居審査の最終判断は、通常貸主が行いますが、管理会社と「代理契約」を交わしていた場合は、管理会社が貸主の代理として入居者の審査を行いますので任せても問題ありません。 ただ「できればこんな人たちに貸したい」という希望だけは伝える様にしましょう。

以降の章では、入居者が集まりやすい一軒家づくりのコツを2つご紹介しましょう。

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8. お子さん向けの部屋を作るためのリフォーム

広くて綺麗な一軒家は、やはり人気の物件ですが、特に小さいお子さんをお持ちのご家庭の場合は、内装の良し悪しを気にすることでしょう。

ただ、そうしたファミリーに気に入ってもらえれば長く定住してもらえる可能性もありますし、さらに勤めもしっかりとした夫婦なら、貸主にとっても歓迎できる入居者になってもらえるでしょう。

そのため、家の中を、美しく住みやすい環境にしておくことは非常に重要です。 上述もしましたが、もちろん無理のない範囲で、リフォームが可能なら検討する価値はあります。

例えば、初期投資は掛かりますが、子育てで忙しい夫婦には「食器洗い乾燥機」や「追い炊き機能のあるお風呂」といったものが標準装備でついていたり、段差が少ない部屋の間取りだと、子育て世代の夫婦からの評価が上がります。

「お子さん向けの部屋」を作ることを前提とするのであれば、ふすまや障子を多用した部屋ではなく、張り替えのしやすいクロスを壁紙として使用すると良いでしょう。

小さなお子さんは、クロスを破いてしまったり汚してしまったりすることも考えられるため、その手入れやリカバリーが安くできるように考えておくことも非常に重要な要素です。

お子さんがいるご家庭はその成長とともに、必要となる間取りも変わってくるものです。また、お子さんが増えることによって部屋数が足りなくなることもあるでしょう。 そのため、ある程度臨機応変に対応できるような間取りにしておくのもおすすめです。

例えば、引き戸の開け閉めによって部屋の大きさを調整できたりすると、お子さんの成長に合わせて間取りを変更できるので借主にとっても住みやすい家になるでしょう。

9. 防犯性を高める工夫もしておきたい

「治安の良さ」も入居希望者の物件選びを左右する重要な要素です。

もちろん、住む家を探している入居希望者にとって「何を重要視するか?」は人によって違いますが「何でも調査団」が3,290名を対象として行ったアンケートによれば「周辺環境や立地が良いこと」が、引っ越しの時に重要視するポイントの1位として挙げられていました。

特に、お子さんがいるご家庭を持つ夫婦の場合は、お子さんが安心して暮らせるような「治安の良さ」を重要視するでしょう。

マンションの場合は今から「周辺の治安や住環境」を変えることは現実的には難しいでしょうが、一軒家をリフォームしたり、DIY(ディーアイワイ)することで防犯性を高める工夫をすることは可能ですし、そうすることで貸しやすい家にできるでしょう。

マンションはエントランスにオートロックの自動ドアがあるのは今や当たり前で安心ですが「一軒家の防犯対策は何をすればいいのかわからない」と思う方も多いでしょう。

例えば、防犯カメラの設置です。カメラは犯行を記録するだけでなく、防犯の抑止力にもなります。 空き巣や泥棒などは姿を見られるのを警戒します。そのため、防犯カメラがある家は狙われにくくする効果があります。

また、1階の居室は、貸す前に窓に鉄格子を入れたり、カギを防犯性の高いものに付け替えたり、窓を3重ロックのものに変えておけば、空き巣が「ドアや窓を開ける時間が掛かる」と思い、侵入することをやめる効果があるので、防犯性を高めた家を作ることができます。

さらに庭がある場合は庭も工夫をすると良いでしょう。例えば、家の裏手側に音の出る砂利を敷き詰めるなどすれば、より防犯性を高めることができます。

砂利はホームセンターや通販で雑草を生えにくくする効果があるものも売っているのでそうしたものを使えば一石二鳥です。

貸主が「貸す前に自分の家を見直すこと」は、賃貸物件を運用する上で非常に大切です。

特に「共働き世帯」や「小さなお子さんがいる夫婦」が賃貸物件として選ぶことが多い一軒家では、住みやすさや治安を十分に意識しましょう。

ただし、貸主にとってもメンテナンス費用があまり多く掛からない工夫を施しておくのも忘れない様にしましょう。

この記事のまとめ

【一戸建てを貸すときに取り組みたいこと】

ここまで「一軒家の賃貸化に関するメリットや注意すべき点」「賃貸物件にする場合の管理方法」などを具体的にご紹介してきましたがお役に立ちそうでしょうか?

この記事の締めくくりとして、今回のコラムの重要ポイントを下記に残しておきます。

近年、一軒家の賃貸化は少しずつ浸透して、それを借りる人も増えています。まとめとしては以下の様な項目がありました。

・空き家の所有者にとって、一軒家の賃貸化は、「空き家リスク」「建物の劣化」のみならず思い出がある家自体を残すことができるなどの様々なメリットがあります。

・一軒家を「売却するか?」「貸し出すか?」はライフプランによって変わってきます。

・入居者(借主)と結ぶ賃貸借契約書には、「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があるため、貸主の希望に沿った契約形態を選ぶことが重要です。

・貸し出した家の管理方法として手間のかかる順(利益率の高い順)に「自主管理」「管理会社に委託」「サブリース」があります。どれがご自身にとって良いか?を情報を集めて検討しましょう!

・「クロス」や「間取り」を工夫して、ご家庭を持つ人が住みやすい家にしよう!そして貸主にとっても原状回復費用が余りかからないように工夫を施しましょう!

・「防犯性」を高めるための対策もお忘れなく!

一軒家の賃貸化は「共働き世帯」や「小さなお子様がいる家庭を持つ人」を対象として、リフォームをするなどの工夫で、住みやすさをアピールする方法を考えるようにしましょう!!

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