空き家を賃貸で貸し出そう!リロケーションで家の管理を

リロケーションとは、転勤や相続などで住んでいない家を一時的に人に貸し出すことです。売却とは違い所有権は移りません。リロケーションについてのメリット・デメリットや空き家を賃貸として貸し出す方法をご紹介いたします!

この記事を読むのにかかる時間:5分

「リロケーションなんて遠い話」と思ってない?

「リロケーション」という言葉は、あまり聞き慣れないものかもしれません。
しかし、リロケーションは、実は人生の節目節目で考える必要が出てくるものでもあります。

一番イメージしやすいのは、やはり「転勤」でしょう。一戸建てを買ったのにその半年後に辞令があって、ほかのところに引っ越さなければならなくなった、という場合です。
新しく引っ越すところでまた家を借りなければいけないけれど、買ったばかりの家のローンも残っている……。そんなとき、ローンの足しになるリロケーションは非常に役立ちます。

しかし、それ以外にも、さまざまなシチュエーションが考えられます。そのうちの1つが、「実家が空き家になった」というものでしょう。
あなたが結婚を機に家を出たとしましょう。もう地元に戻る気はないし、結婚したところで新居も構えた、という状況だと思ってください。
そんな状況で、実家のご両親が老人ホームに移ったりした場合はどうなるでしょうか。相続した場合も同様かもしれません。近場に兄弟姉妹などがいれば別ですが。そうでなければ、誰も住まない家ができてしまいます。

「使っていない家をどうするべきか」というのは大きな課題です。

売ってもいいし残しても良い。残す場合は賃貸が有効か!

売ってもいいし残しても良い。残す場合は賃貸が有効か!

「思い出に残しておきたい」という場合も賃貸は有効

「それならば売ってしまえばいい」と考える人もいるかもしれません。
しかし、ご両親が「私たちは老人ホームに移るが、思い出の残った家を壊してほしくない」「人生で一番大きな買い物。人のものになってしまうのはしのびない」と言い出したらどうでしょうか。この状況で、「売ること」を強行できる人はそれほど多くないでしょう。

ただ、家は「そこにあるだけ」でお金がかかります。築年数が経過した住宅は、新築の家に比べれば安くはなりますが、固定資産税がかかります。
また、万が一のために保険に入っているという場合は、その料金もかかります。
そんなときに考えたいのが、「賃貸物件にしてしまう」という方法です。「自分たちは住まない、しかし売ることもできない空き家」を、賃貸物件として貸し出すことで、管理費用の足しにするのです。

「空き家を貸し出すこと」には、当然デメリットもあります。賃貸広告を出したところで借り手がつくとは限りませんし、借り手によって家が汚されてしまう可能性もあります。
書類手続きなど、しなければならないことが増えるのもマイナス点でしょう。これを避けるために、「リロケーション」という手段があるのです。

賃貸に出すメリットは!

賃貸に出すメリットは!

空き家を賃貸に出すことにはそれ以上のメリットが

しかし、空き家を賃貸に出すことには、デメリット以上にメリットがあるのも確かです。上でも述べたお金に関することだけでなく、「人が住んでいることで、経年劣化が進みにくくなる」というメリットがあるのです。

人の住んでいない家は、荒れやすくなります。人間が生活していくうえで当たり前の手入れがされていないからです。また、もっとひどい場合は、空き家であることに目をつけた人間が、よからぬことを企むことも。たとえば、その家をたまり場にしたり、放火の対象にしたりする恐れもあります。
これらを防ぐことができるという意味でも、空き家を賃貸に出すメリットはあります。「家を手放すことなく、ある程度の収入を確保できて、家の手入れもしてもらえる」ということで、空き家を賃貸に出すことには意味があるのです。

リロケーションは、「家を手放さず、所有権を持ったまま、家賃収入を得たり、家が荒れたりするのを防げる」という、大きな意味があるものだと言えるでしょう。

一般的な契約では、貸主からの解約はできない

家を賃貸に出すことを考えている人に、一番初めに知っておいていただきたいことがあります。
それは、「原則として、貸主側から賃貸契約を打ち切ることは許されていない」ということです。

これは借主の権利を守るために定められたものです。
貸主は正当事由がない場合は解約ができないのです。これを「普通借家契約」と言います。
このようなかたちの契約しか存在しないことになると、「期間限定で貸し出したい」「長期出張中だけリロケーションをすることを考えている。半年くらいで戻ってくるつもりだ」と考えている人にとっては、とても困ったことになってしまいます。期間限定のつもりだったのに、借主側が「出ていきたくない」と言ってしまえば、それを破棄することができなくなるからです。

しかし、そんな人にも使える契約があります。それが「定期借家契約」です。これは平成12年3月1日から施行されたもので、「期間限定(1年以内)での賃貸が可能」となりました。この契約を利用すれば、「出張中だけ貸す」などの方法をとることができます。(書面にしたり、期間を通知したりすることは必要です)

リロケーション、業者に頼む場合のメリット

リロケーション、業者に頼む場合のメリット

リロケーション、業者に頼む場合のメリット

では、このように「期間はここまで」と決めているリロケーションの場合、どのような方法が考えられるのでしょうか。

もっとも簡単な方法は、業者を入れることでしょう。現在はリロケーション会社も増えており、それぞれの業者でつけてくる価格も異なってきます。相見積もりなどをとって金額や対応を比較し、どの会社に任せるかをじっくり考えるとよいでしょう。また、会社によっては、「会社でリロケーション会社と契約している」というところもあるので、転勤が決まったら一度問い合わせてみるのも一つの手です。
この場合、業者が面倒な手続きを代行してくれますし、トラブルやクレームがあった場合もすぐに対応してくれます。「海外に行っているので、集金業務がやりづらい」ということであれば、それをフォローしてくれる会社もあります。
当然ながらこれには費用がかかりますが、何かあったときにもビジネスライクに対応できるというメリットがあります。業者は当然ノウハウや経験値も豊富ですから、わからないことは何でも聞くことができます。

賃貸は自分でできる?自分でやる際のメリット

賃貸は自分でできる?自分でやる際のメリット

賃貸は自分でできる?自分でやる際のメリット

実は、リロケーション自体は、自分で行うことも可能です。この場合、当然ながら、業者を入れるときのような費用はかかりません。また、「自分にとって近しい人に貸す」という場合は、話し合いもしやすく、お互いにとって納得しやすい環境をつくることができるでしょう。借りている側も、「知人の家だから」と丁寧に使ってくれる可能性が高くなると考えられます。「相手の顔が見える付き合い」の場合、貸主側も借主側もお互いに気を使いあって気持ちよく過ごせるでしょう。
また、リロケーションを企業に依頼する場合は、「途中解約は認めない」とされていることが多いのですが、個人でリロケーションをやっている場合はまた異なります。当事者間の合意があれば、契約は解除できるので、「思ったより早く帰ることになりそうだから、新しいところを探してくれないか」というような交渉もやりやすくなるでしょう。
ただ、うまくいっているときはいいのですが、トラブルなどが起きてしまうと、人間関係までこじれることもあります。

メリット1:何らの手間なく家賃収入が発生

リロケーションのメリットとして最初に挙げるべきはやはり家賃収入の存在です。
リロケーションでは一切の管理等を委託することになりますので、何らの手間なく家賃収入だけが発生する状況となります。
もちろん、家賃収入は月々決まった額になるため、収支計算のしやすい安定した副収入となります。
また、定期借家契約で自宅に戻る際にはきちんと借り手の退去も済んでおり、スムーズに自宅での生活を再開することが可能になります。

メリット2:建物の経年劣化が緩やかになる

人が住んでいないことの大きなデメリットとして建物が傷みやすくなる点があります。
無人の建物が早く傷む原因は空気のよどみにあり、湿気がこもることでカビやダニが繁殖生息しやすい環境になってしまうから、と言われています。
最近の家には24時間換気システムがあるのでデメリットは解消されているのではないかと考えがちですが、そうもいきません。
1週間程度の旅行中ならまだしも、数年にわたる不在の間、電気が必要な換気システムを常に作動させ続けておくことは、電気代の面からも漏電等の危険からもデメリット解消策とは言えないでしょう。
リロケーションで借り手が住むというのは、端的なデメリット解消方法になるのです。

メリット3:空き巣や放火などから留守宅を守る

空き家状態の大きなデメリットとされているのが空き巣や放火など防犯・防災面の問題です。
長期間にわたって居住者がいない場合、空き巣に狙われやすくなるのはもちろん、空き巣に入られても被害に気づくのは数年後、という事になりかねません。
同様にネズミが電気ケーブルをかじることなどで漏電火災などが発生したり、ポストにチラシがたまることで放火の誘引することになった場合も、初期消火を担当する居住者が不在では被害を食い止めることもできません。
リロケーションにより借り手が住んでいれば、このデメリットも当然防ぐことができます。

メリット4:近隣トラブルを防ぐ

現在では、空き家問題は隣近所に迷惑をかける近隣トラブルの問題が中心となっています。
建物の老朽化とまでは至らなくともカビやネズミ等により悪臭が発生したり、植栽の剪定やゴミ、チラシ等の片付けが放置されたりすることにより、 建物に決定的な被害が出る前に隣近所に迷惑をかけてしまう状況が発生してしまうのです。
数年後に自宅に戻ったら隣近所で迷惑な人として嫌われているということになってしまうのは、オーナーとしてはこれ以上ないデメリットです。
リロケーションで借り手が住むことは、留守宅が隣近所のトラブルの元になることを防ぐメリットもあるのです。(図1)

図

デメリット1:相場感ほどの家賃収入はない

デメリットとしては、期待するほど家賃収入は高額にはならないという点が最も大きいでしょう。
リロケーションは期間限定の賃貸ですので、一般の家賃相場よりも安い値段でしか借り手がつかないのが通常です。
さらに管理の一切を委託することになるため、それなりに高額の管理費を支払う必要もあります。
火災保険や各種税金、修繕費などを考えると、場合によってはマイナス収支になってしまう可能性もあります(とはいえ、マイナスであってもリロケーションで賃貸しない場合に比べればマイナス額は少なくなります)。

デメリット2:各種手続や手間が増える

もうひとつのデメリットは各種手続や手間が増えることです。
特に近隣トラブルや家賃滞納のない借り手の審査がオーナー自身の転居の前後で発生し、多忙な時期がより大変になります。
また、会社員であれば会社で年末調整をしてもらえば確定申告は不要でしたが、リロケーションで家賃収入が発生するため、会社員であっても確定申告の必要が出てきます。
自宅に戻る際にも借り手の明け渡し状態からハウスクリーニングや修繕等が必要になる場合もあります。
このような手続や手間が必要になることはリロケーションに伴うデメリットです。

デメリット3:借り主が退去してくれないトラブル

ただ、リロケーションで借り主が見つかるのは大きなメリットがあると共に、借り主が退去してくれないというトラブルが発生することもあります。
いい家であればある程その傾向が強いのでしょうが、いざ転勤が終わって自宅に帰っても借り主が退去してくれないというのは困りものです。
そういった問題を避ける為に、「定期借家権」というものがあり、契約期間が満了した時点で契約を終了することが出来る契約、というものです。
この賃貸の契約期間も貸す側が自由に決められますから、転勤などの期間が予め決まっている場合はその期間だけ貸し出すといった契約を結ぶことで、退去してくれないというトラブルを回避することが出来ます。
ですが念の為貸し出す前にリロケーション会社に事前に連絡をとり、いざトラブルが起こりそうな時には対応してくれるのかを明確にしておきましょう。

デメリット4:経年劣化と汚れの線引

そうして貸し出した場合、最も気になるのは貸し出している間に汚れがつかないかどうか、目立つ傷がつけられないかどうか、といった部分でしょう。
あまりにも大きな傷や汚れ、特に隠せない程大きな傷というのは資産価値を落としかねません。
貸し出し期間が1年、2年程ならそれ程の経年劣化はないでしょうから、新たな汚れや傷が付いている場合は借り主が付けた物である可能性が高いでしょう。
また経年劣化の場合は外壁や雨漏りによる汚れ、シミなどが殆どでしょうし、外壁に大きな傷がある場合は庭木の倒壊や隣接する家から物が飛んできた時でしょう。
その場合はリロケーションで貸している事とは無関係と言えますから、借り主に過失はありません。
それ以外の汚れや傷、自分が普通に生活していて付いていなかった汚れなどは借り主が原因となりますから、原状回復して貰う必要が出てきます。
これは普通の賃貸と同じですから、不明な点などがあればリロケーションを行っている会社に連絡をしてみましょう。

この記事のまとめ

【空き家を賃貸に出して賢く利用】
リロケーションには
・家が汚れる可能性がある
・手間がかかる
・手数料がかかる
というデメリットもありますが、
・思い出をそのまま残せる
・管理費用の足しにできる
・経年劣化を防げる
・防犯に役立つ
というメリットがあります。

親が住まなくなったことで、「住むことはできないが、売るにはしのびない空き家」ができてしまうことがあります。
そんなときに役に立つ選択肢が、「リロケーション」です。

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