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古い一軒家を賃貸に出す際の建物の問題・リスク
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持ち家によっては不動産業者が扱ってくれないことも
持ち家を賃貸に出そうと思っても、古すぎると不動産業者が扱ってくれないというケースもあります。
単に新しい家に比べて市場価値が低いというだけではなく、法律上の制限があって改修が困難であったり、地震が起こった際に倒壊して死傷事故に発展した場合に損害賠償になったりと、
不動産業者がリスクを負うことになるからです。
それらのリスク回避ノウハウを持っていて賃貸に出す際に問題点や対応方法をアドバイスしてくれる不動産業者もありますが、
オーナー自身が理解していないと「難癖をつけられて事前費用を要求された」と感じてしまうこともあるかも知れません。
現在の建築基準法に適合していない持ち家
持ち家の大半は建築時には当時の建築基準法等の法令に沿って適法に建てられています。しかしその後、法令の改正や都市計画変更等によって現行法に適合していない部分が生じることがあります。
これを「既存不適格」といいます。
昭和56年に建築基準法の大改正が行われており、それ以前に建てられてその後大改修がなされていない場合が既存不適格となる最も多いパターンです。
既存不適格建物であっても、そのままであれば一応問題なく賃貸に出すことができますが、改築や増築、改修を行う場合に先に現行法令に適合する状態にすることが必要になる場合があります。
一定の幅のある道路に面していない持ち家
古い持ち家は路地のような狭い道にしか面していないこともあります。
火災時などの避難や救急車・消防車が通れる基準である幅4メートル以上の道路に、家が2メートル以上接していることが必要とされています(建築基準法43条、接道義務)。
接道義務を満たしていない場合、再建築つまり建て直すことができなくなります。
これはあくまで建て直しができないだけであって、既に建っている持ち家を取り壊す必要は全くありませんし、リフォームや修繕も問題なく行うことができます。
接道義務を満たしていないと、売却時の価値がかなり下がってしまうため、賃貸に出す(または民泊にする)しかないのが実情です。
大規模な地震に耐えられず倒壊する危険な持ち家
「大震災クラスでない大地震」により、他は耐えたのに古い自分の持ち家だけが倒壊する・・・なんてことも有り得ない話ではありません。
持ち家を賃貸に出していた場合には借主が死傷する可能性ももちろんあります。
他が耐えたということは、転じて倒壊した建物の維持管理にのみ問題があったということになり、オーナーが賠償責任を負うことになります。
不動産業者も耐震に不安のある物件を仲介した責任を問われるリスクを避けるため、賃貸に出す際にオーナーの責任を再度確認したり、先に耐震改修工事を実施なければ扱わないということもあるようです。
自治体の補助事業を活用して持ち家の問題を解消する

これらの制限や危険の多くは防災の観点からのものですので、持ち家の問題解消のための補助事業が自治体で用意されている場合もあります。
例えば、京都市では一級建築士による建物の耐震診断が無料で受けられ、問題点を解消するための耐震補強工事に60万円の補助金が受けられるという補助事業があります。
自治体で用意されていなくても、公的団体や業界団体等でより安価で簡易に対応できるプランが提供されていることもあります。
不動産業者が必ずしもこれらの補助事業に熟知し適切に利用しているとは限りませんので、賃貸に出す前に自治体や行政書士等に相談してみるのも有効でしょう。
借り手負担で持ち家の改修を行う契約をする
借り手が自費で改修等を行うことを想定した「DIY賃貸」というものが認知されてきており、「思う通りに内装が決められる」「工事業者に依頼するより安い」と人気になっています。
さらに、賃貸に出す際の契約にこれらDIYのみならず本格改修や耐震改修も含めるケースも増えてきました。
借り手が負担する工事金額を想定して家賃を安く設定することにより、地震で倒壊しないための補強工事の実施義務がオーナーから借り手に移る効果もあるため古い持ち家のオーナーからも注目されています。
こういった契約上の工夫によっても賃貸に出す際の不安やリスクを軽減することができます。
この記事のまとめ
建物に問題があると、不動産業者が扱ってくれなかったり賃貸に出す前に一定の工事資金等が必要になる場合があります。
既存不適格や接道義務、耐震改修の必要性などが代表例ですが、これらの対して自治体等が補助事業を行っていることも多く見受けられます。
また、DIY賃貸など契約上の工夫によりオーナーの不安やリスクを解消する方法もあります。
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