売買契約書のチェックポイント

何らかの事情で不動産の売買契約を解除する場合は、相応の理由がある場合を除いて、多額の金銭の負担が求められます。
売買契約を締結してから内容を変更することは難しいため、締結する前に内容をよく確認しておく必要があります。

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売買契約書のチェックポイントは大きく分けて4つ

不動産の売買契約書は表現が専門的で、慣れていないと読み解きにくいものです。
しかし、不動産売買は契約金額が高額であるため、契約内容についてはよく確認しておかなければなりません。
チェックすべきポイントは大きく分けて

「物件についての記載が合っているか」
「売買代金の決済について」
「トラブルがあったときの契約解除や損害賠償について」
「物件の引き渡しについて」

の4つです。
これからそれぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

物件についての記載が合っているか

不動産の売買契約で物件についての記載が誤っていれば、契約が無効になる可能性があります。
物件内容は登記記録(登記簿)に記載されているとおりに売買契約書に記載しますが、登記記録の内容が必ずしも事実に即しているとはいえません。
契約後に土地の面積を実測するのであれば、登記記録の面積と実測面積に差が生じたときの売買代金の精算方法について定めておく必要があります。
そのほか、売買当事者の住所と氏名が正しく記載されているかについても確認しましょう。



売買代金の決済について

代金の決済について売買契約で定めておくことは大変重要です。
売買契約書に記載の売買代金が合っているか、支払期日と支払方法は事前に合意したとおりになっているかについて確認します。
一般に、売買契約が成立した時点で、買主は売主に手付金を支払います。
その後、物件引き渡しのときまたは移転登記のときに残りの代金を支払います。
念のため、売買契約書には「手付金は売買代金の一部に充当する」と記載しておきます。
売買代金とは別に、固定資産税や都市計画税など公租公課の負担についても契約で定めておく必要があります。
固定資産税や都市計画税は毎年1月1日時点の所有者に課税されるため、年の途中で売買する場合は売主と買主の負担割合を定める必要があります。
一般的には引き渡しの日を基準に日割り計算します。

トラブルがあったときの契約解除や損害賠償について

売買契約に特に定めがない場合、手付金は自己都合による解約を円滑にする「解約手付」となります。
買主は、手付金を支払ってから不動産の引き渡しを受けるまで、または移転登記されるまでの間であれば、支払った手付金を放棄することで契約を解除することができます。
また、売主は、手付金を受け取ってから残りの売買代金を受け取るまでの間であれば、受け取った手付金を買主に返し、さらに同額を買主に支払うことで契約を解除することができます。
売主または買主の契約違反があった場合は、契約を解除するか損害賠償を請求することができます。
実際の損害額を立証することは難しいため、契約であらかじめ予定額を定めておきます。
この場合、仮に予定額より実際の損害額が少なくても、賠償金は予定額で支払います。
なお、解約手付による解約をした場合は、損害賠償を請求することはできません。
売買契約にローン特約がある場合、金融機関の審査によって買主が住宅ローンを利用できない場合には、無条件で契約が解除されます。
買主が住宅ローンを利用する場合は、借入プランに無理がないか確認しておきたいものです。
売却する建物に隠れた欠陥(瑕疵)がある場合、民法ではいかなる場合も売主の責任になります。
隠れた欠陥には、住宅そのものの欠陥だけでなく、違法建築など法的な不備も含まれます。 買主は瑕疵があることを知ってから1年以内に、損害賠償を請求することができます。
ただし、古い家を売却する場合には売主に過大な責任を負わせることになるため、売主が瑕疵に対する責任を負わないことを契約で定めることもできます。
ただし、売主が瑕疵の存在を知っていた場合、この定めは無効になります。

物件の引き渡しについて

売買契約書では物件の所有権移転と引き渡しの時期を明らかにしておきます。
その時期までに確実に引き渡しができるように無理のないスケジュールを組みましょう。
また、抵当権など売買を妨げる権利があれば、引き渡しまでに抹消しなければなりません。
売買契約を締結してから代金の決済または不動産の引き渡しまでの間に、災害などで家が壊れることもあり得ます。
このような場合に生じた損害の負担を「危険負担」といいます。
民法では買主が危険負担することとされていますが、通常の取引では契約で売主が危険負担することと定めます。
つまり、災害などで家が壊れた場合は買主は契約を解除できるか、売主が修復して買主に引き渡すと定めます。
なお、災害などの不可抗力ではなく責任の所在がはっきりしている場合は、過失のある方が危険を負担します。
また、エアコンなど建物に付帯する設備について、売主が撤去するのか、そのまま買主に引き渡すのかを契約で明らかにしておくことをおすすめします。



この記事のまとめ

以上、不動産の売買契約書のチェックポイントを大きく4つに分けてご紹介しました。
不動産売買の契約は一度締結すると内容の変更が難しいだけでなく、解約すると多大なペナルティーが科されます。
また、ローン特約のように場合によっては一方的に契約が解除されることもあります。
契約変更や契約解除のリスクを未然に防ぐためにも、契約書をよく読んで契約の内容を慎重に確認しましょう。

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