【賃貸管理】事故物件の定義は? 告知義務はいつまで必要?対策を解説

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このコラムのポイント不動産活用のご相談を多数受ける中で、「所有している物件が事故物件になった場合の対処法を聞きたい」というお声を頂きました。

また、「万が一に備えて、起こり得る事故物件の事例と対応策を知りたい」「実際に事故が起こり、その後の取るべき対応策を知りたい」というお声もありました。

今回は、そのようにお悩みの物件オーナー様に向けて「賃貸の事故物件」の定義や把握すべき法律、対策方法を徹底的に解説します。

※ご注意)一部、事実に基づいた内容を記載している部分がございますが、予めご了承ください。

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1.事故物件の定義って実は曖昧?

何が事故物件に該当するのかという明確な基準は法律では定められていません。事故物件かどうかを判断する際は、過去の事例から心理的瑕疵物件とされているかで判断します。以下で心理的瑕疵物件について説明します。

2.そもそも瑕疵(かし)物件とは?

心理的瑕疵物件について説明する前に、瑕疵物件について説明します。瑕疵物件とは訳あり物件とも称され、瑕疵、つまり欠陥や欠点が本来あるべき品質や機能、状態に存在する物件を言い、以下に分類されます。

2-1.物理的瑕疵物件ってなに

物理的瑕疵物件とは、建物や土地自体に深刻な欠陥があることを指します。
例えば、シロアリ、壁にひび、水道関連の故障、アスベストの使用といった建物の欠陥、土壌汚染や地盤沈下等といった土地の欠陥です。物理的瑕疵物件は専門家の調査によって把握が可能です。

2-2.法的瑕疵(法律的瑕疵)物件

法的瑕疵(法律的瑕疵)物件とは、建築基準法、都市計画法、消防法のような法律に違反しているものです。

例えば、建築基準法においては建物の構造が安全基準に満たしていない等が挙げられます。
都市計画法では開発行為が認められていない「市街化調整区域」のような土地に物件が建っている等です。消防法に違反する例は、火災報知機が作動しない、防火扉や避難ハシゴが設置されていない事です。

法的瑕疵物件は中古の物件に多く、物件がある地方自治体の担当窓口に問い合わせる事で調べられます。

2-3.心理的瑕疵物件ってなに?どんな定義なの?

ここは今回のテーマと大きく関係する部分になります。
心理的瑕疵物件とは物理的な瑕疵はなくても、過去に殺人事件や自殺、事故死などなどがあり「ここには住めない」と心理的に負担となるものを言います。

実は、心理的瑕疵物件について法律の定義はないのですが、心理的瑕疵かの判断はあくまで買い手、借り手がどのように感じるかが重視されます。

よって、心理的瑕疵の範囲は広く、自然死であっても長時間が経ち腐敗が進んでしまったなど孤独死の場合も該当します。

2-4.環境的瑕疵物件で困ることって?

このように物件の取り巻く環境によって、いざ住んでみると不安感や嫌悪感で心理的瑕疵物件に該当することがあります。

環境的瑕疵物件とは、「隣がゴミ屋敷で臭い」「飛行機の騒音がうるさい」のように実際に異臭や騒音、振動のような不快になるもののほか、墓地や風俗街、反社会的勢力の施設等、実害はなくても人によってあまりよく思わない環境が近くにあることをいいます。

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3.事故物件の告知義務って?法律や実例を絡めて詳しく説明

宅地建物取引業法47条1号では、重要な事項を故意に事実を告げないことは告知義務違反になると定められています。加えて、契約の内容に適合しない内容に対し売主が買主にその責任を負う「契約不適合責任」が新たに民法に規定されています。

原則、瑕疵の請求は不適合が見つかった日から1年以内となります。

物件オーナーは物件を契約する前に、契約書の記載事項を漏れなく伝えて、契約相手にしっかり理解してもらうことを心がけましょう。

3-1.結局、事故物件はいつまで告知義務が必要?

目安として、約10年間告知義務が必要と考えられており、いつまでという明確な基準が設けられていないことが現状です。また、入居者変更や転売にて別の人に事故物件が渡った後に賃貸や売買になった場合、告知義務はなくなると考えられていますが、2つ、3つ前の入居者だと事前に申告していることもあります。

3-2.告知義務の期間は事例によって検討が必要

告知義務は個別の事例によっても期間の判断基準が異なります。例えば、ニュースに出るような凶悪殺人が起こった場合、建物を取り壊さない限りは告知義務をし続けた方がよいでしょう。

4.事故物件の損害賠償請求は可能?相場はいくら?

自分の持つ物件に自殺者が出た場合、相続人もしくは保証人に損害賠償請求が可能です。
入居者が決まらない間の「1年分の家賃」模様替えに必要な「原状回復費」、事故物件になってしまったことによる賃貸売却利益が減少する「逸失利益の損害賠償」等で構成されます。

「第5回孤独死現状レポート」によれば、孤独死発生時の残置物処理費用は平均で20万円程度、最大で180万円程度となっています。同様に、原状回復費用は平均で30万円程度、最大で410万円程度となっています。よって、原状回復の費用相場は最大でも600万円程度となり、物件によって空室期間や家賃の減少分に応じて被害総額が算出されるので、1000万円に至ることも考えられます。

その他、家賃値下げによる差額のおよそ2年間分の損害について連帯保証責任が発生するとした事例や、事故後1年については賃料全額分、その後2年間については賃料半額分が損害であると判断された事例などがあります。

5.事故物件を売却すると金額は下がるの?

もしご自分の大切な物件で事故事件が起こった際は、多くの場合、事故物件ではない場合の相場より1~5割安くなってしまいます。孤独死や自然死の場合は1~2割、自殺の場合は3割程度、重大な殺人事件の場合は5割に至るケースもあります。

ただ、物件を売却したいとお考えの方も決断を急ぐ前に、もう少し考えてみても良いでしょう。なぜなら、最近では、そうした事故物件をしっかりと再生するための専門サービスやプランを打ち出した管理会社も出始めて来たからです。こうした専門サービスを備えた管理会社へ相談をしてみるのは一つの手です。

ただ、それでも売却をされたい場合は、査定額は不動産会社の都合に左右されがちで必ずバラつきが出ます。それを防ぐためにも手間を惜しまず、複数の不動産仲介会社へ問合せをした上で検討したほうが後悔がなく無難です。

6.実は事故物件になることを予防できる

自殺や殺人を未然に防ぐことは困難でも、自然死については発見が早いと心理的瑕疵を回避できるかもしれません。

高齢者の入居者がいらっしゃいましたら、定期的なコミュニケーションで健康状態をチェックし、緊急連絡先の家族と連携をとれるように関係を密にすることも一つの手段です。

7.ある日突然、入居者が亡くなってしまったら…?

実際に入居者が亡くなった時の対処法を事前に知ることで、万が一の事が起こっても素早く対処できるように、以下で解説します。

7-1.異臭やハエなど他の入居者から報告

時間が経って遺体が発見される場合に起こることです。
部屋に入る時は警察に立ち会いをしてもらいましょう。管理会社やオーナーが1人で部屋を見に行ってしまうと、警察に第一発見者として取り調べを受けることも考えられるからです。

7-2.遺体の発見

発見後は、警察の鑑識が入り、身元確認され、部屋を片付けます。
時間が経ち腐敗している場合は、特殊清掃を委託しなければなりません。

7-3.遺族と費用の請求について話し合い

場合によっては「遺族と連絡が取れない」「相続人を放棄する」もしくは「遺産の分割協議まで待ってほしい」という事態も考えられるため、遺族との連絡ややり取りは慎重に行いましょう。

入居者が亡くなってしまうと契約書は法定相続人に相続され家賃が生し続けるので契約解除をすることが多くあります。その場合は「解約通知書面」を相続人からもらうことで契約解除となります。

相続を放棄されれば相続人に請求はできませんが、連帯保証人であればこれ以上家賃を発生することを防ぎたいと考え、早期に明け渡しを望むので始めから連帯保証人とやり取りすることがおすすめです。

実際にトラブルが起こると、心理的に負担となり焦る事も多々ありますが、冷静な心構えが求められます。

以下で、本当にあった実話を2つご紹介しておきます。

●ケース1:部屋内での孤独死
その発見までに半年以上が経過していました。入居者様は、廊下付近で倒れられたご様子でした。発見までにかなりの時間が経過したこともあり、フローリングは下地までひどく汚れ、 部屋全体にも臭いが充満していました。
もちろん、お亡くなりになった入居者様には、大変お気の毒だとおもいましたが、自分の物件の今後に不安が出たのは確かです。大急ぎで現在の管理会社に相談をしました。
そこで出た話は「賃料が相場から6割ほどになる事」「大規模なリフォーム工事が必要になる場合があり、その場合の費用もかなり掛かる」といった話しでした。
「ただ、それを行ったとしても今後入居者が決まる保証はない」といった説明もあり、いっそのこと売却すべきなのか?を迷い始めました。幸い、その他の世帯入居率は高かったからです。 本心としては物件は所有し続けたいが、現実を考えたときに、このタイミングで売ってしまう方が良いのではないか?と冷静な考えが頭のなかに浮かびませんでした。
何より恐くなったのは、事故があった部屋がずっと空室になってしまうと、現在定住して頂いている住人の方々が、そのことを気にし始めて退去してしまうのではないか?ということでした。

●ケース2:部屋内での自殺
部屋内で自殺が発生し、事故物件部屋となりました。
部屋内の様々なところで血痕等の付着がある状態でした。
それでも愛着あるこの物件を売却することなど絶対に考えられなかったので、管理を頼んでいた管理会社に継続して借り上げをしてくれないか?
と交渉をしたものの、結局、事故物件部屋は保証の対象外との事で断られてしまいました。

確かに、管理会社によって、こうした事故物件に対する対応は様々で、かなり難しいところがあるのは事実です。

お亡くなりになってしまった方やその御家族様にとっては大変いたたまれない不幸な出来事なわけですが、物件オーナーの立場で考えた場合、ご自分の物件内で「こうした不幸が起きてしまうことは絶対に無い」とは言い切れないと言えます。それゆえ、まったく何も備えをしないわけにはいかないというにはお分かり頂けると思います。

幸い、両ケース共、対応に応じてくれた別の管理会社が見つかり、特殊清掃+下地材・給排水設備等も含めたリフォーム工事を実施しています。
リフォームに関するデザインプランも、改めて該当物件周辺の賃貸ニーズを調査をすることを提案したもらった上で、室内カラーや間取りも最適なものへ同時に改善ができたそうです。

賃料についても、周辺の類似物件より相場家賃を算出してもらった上で、その相場賃料から算出してもらった8割で3年借上げの提案を受けられたそうです。オーナーにとっては、すぐに入居者が決まらなかったとしても、3年間確定した家賃収入が見込めれば、その間の空室リスク・機会損失がなくなる上、リフォーム工事を行った出費分も確定した家賃収入があることを考えれば投資回収も明確になった。
という、以上2つのケースでした。その後日談ですが、
▶ケース1は、リフォーム工事終了後、約50日間の募集にて入居者が決定。
▶ケース2は、リフォーム工事終了後、約20日間の募集にて入居者が決定。
したそうです。

いざ、このような事態になった場合に、現在の管理会社がどんな対応をしてくれるか?
は、最低限確認しておく必要はあると思いますし、こうした管理会社に出会えるか?は、もちろん物件オーナーの皆さまの情報収集力がものを言うのかもしれません。

8.数百円で安心!孤独死対応保険でリスクヘッジ

最後に、物件オーナーの皆さまは「孤独死に対応した不動産保険」をご存知でしょうか。
月に数百円程度なので「低コスト補償が可能」と保険をつける物件オーナーが増えています。

例えば、修理費用保険金は1度の事故につき300万円まで補償され、さらに臨時費用保険金として、死亡要因が犯罪の場合は50万円、それ以外は20万円という保険もあります。

8-1.孤独死対応保険の選び方におけるポイント

まず、孤独死以外の補償範囲がどれだけカバーされているかです。火災や台風、地震のような災害での旧費用を補填できる保険も存在します。

次に、家賃の補償期間です。入居者が亡くなってしまい空室になった分の補償や、事故物件によって家賃が減額になった場合の補償の期間がどれくらい長いかで判断します。
そして、補償額の限度額が異なってきたり、加入条件が保有物件全てになったりします。
補償範囲は各保険、各物件によっても変わってきます。

まとめ

上記内容をもとに、万が一の事が起きた場合等のリスクに備え、現在の管理会社の内容に不安を感じているなら、その備えとして契約内容の確認や見直しを強くおすすめします!!

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(記事企画/監修)イエカレ編集部
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