【イエカレ】老朽化マンションの建て替え方法と費用・メリット・デメリットを徹底解説

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このコラムのポイント

外観から見て老朽化が目立つマンションを、そのまま放置するのはあまりおすすめできません。

まだ使用には耐えそうでも、最近空室が増えてきた場合は要注意です。賃貸需要を改めて調査し、メリットがあるなら、思い切って建て替えを検討する価値があります。

この記事では、マンション建て替えの適切な時期や、建て替えによるメリット・デメリット、さらに注意しておくべきポイントをわかりやすく解説します。これを読めば、建て替え判断の参考になるはずです。


修繕か?建て替えか?オーナーには冷静な選択が必要になってきます!

マンションの平均寿命ってどのくらい?

建物には「法定耐用年数」というものがあります。具体的には「軽量鉄骨造19年」「木造22年」「鉄骨造34年」「鉄筋コンクリート造47年」と定められています。つまり、自分の所有物件の構造を考えた上でこの年数を目安とすればよいでしょう。

しかし、実際にはこの年数を超えたら必ず取り壊さなければならないわけではなく、逆にこれより早く取り壊される物件も数多くあります。なぜなら、昔のマンションの構造上、配管をすべて交換するなどの大規模修繕が難しい場合があるからです。

また、旧耐震基準(1981年以前)で建設されたため耐震性に不安のある物件や、エレベーターがなく利便性の悪い物件などもあります。こういった場合は、大家自身の判断で建て替えたり、入居者の減少で建て替えを余儀なくされるといったこともあるようです。

結局のところ、大家自身の予算の事情、現在の空室状況、もともとの構造上修繕で対応できるかなど、複数の要素が関係してくるのです。オーナーは専門家の意見を聞きながら、それらを熟考して修繕か建て替えかを選択しなければなりません。


マンション建て替えの注意点について

マンションを建て替えるメリットや注意点は?

マンション建て替えの最大のメリットは、物件としての価値が増加する=入居者が入りやすくなることでしょう。もちろん、物件の付加価値増加に伴って家賃もアップさせることができるでしょう。

そして、今までの不動産経営によってある程度現金が貯まっており、相続税が心配という人も、現金をマンションに替えることにより大幅な相続税評価額の減少を狙うことができます。

ただ、やはり予算的に厳しい人にとって、一戸建てより大幅に予算がかかるマンション建設は手元の余裕資金を減らすことになります。つまり、手元に現金がないことで今後の空室、災害などのリスクに対応できなくなるおそれがあるということです。

また、一棟丸ごと保有している人は自分だけの判断で建て替えができますが、部屋単位で保有するオーナーは建て替え自体が難しいこともあります。区分所有物件(部屋ごとに登記簿が別々になっているマンション)の場合、管理組合の決議を経なければ建て替えができないからです。

また、これはアパートでも同じことですが、現在の入居者を無理に退去させることはできないため、いかに上手に説得するかという問題も出てきます。


そうは言っても高収益を確保したいですよね?

建て替え後、高収益を確保するためには

高額の資金を投じて建て替えをしたメリットを最大に享受するためには、何に気をつければよいのでしょうか。

まず、せっかく建て替えるのですから、現代のニーズにマッチする、入居者にとって魅力的と思える物件を選択することです。もちろん、建物の規模にもよりますが、居住だけではなく店舗も混合した建物にする、間取りを工夫するといった経営者としての視点で工夫が必要です。

また、今後は絶対に必要と言えるのが「耐震性の確保」「省エネ」そして「災害対策」です。ここに力を入れると費用はかさみますが、例えば、日本では相次ぐ震災により、入居者は地震被害に対して非常に敏感になっています。

また、気候変動による猛暑にもかかわらず電気代は高騰していますし、省エネ基準適合住宅の義務化が待っています。2025年4月以降に建てる住宅はアパート・マンション経営も例外なく当てはまります。

そして、台風による線状降水帯、河川の氾濫、断水、停電などが頻発している今、どこまで災害対策をとるかによって、入居者の安心度も変わります。

つまり、耐震性・災害対策や省エネ強化を「強み」として前面に押し出すことにより、その結果、高い入居率を確保でき、経営を再び安定化することができるわけです。

そして、今後数十年の経営を考えると、「大規模修繕がしやすい構造」にすることも重要です。マンションのように建て替えのコストがかかる建物は、なるべく部分的な大修繕を加えながら長持ちさせることが、利回りを上げるためには欠かせないからです。

構造上の問題はしっかり専門家と相談して、建て替えてから後悔しないようなプランを立てなければなりません。


マンション建て替えで失敗しないために

マンションの建て替えは、寿命だけでなく、立地や入居状況、法規制などさまざまな要素を総合的に判断して時期を決めることが重要です。

建て替えによって物件価値を高め、相続税対策につなげることも可能ですが、手元資金の減少や入居者の退去対応など注意すべき点もあります。

高収益を目指すには、時代のトレンドを取り入れた設計、耐震性・省エネ設備・災害対策の強化、将来の大規模修繕を見越した建物づくりなど、オーナーの知識と工夫が欠かせません。

マンション投資は単に建物を建てるだけでなく、事前の戦略と比較検討で長期的な収益性を高めることができます。

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この記事のまとめ

【建て替えの成功は、事前の知識と計画がカギ】

マンションの建て替えは、寿命だけでなく、さまざまな要素を総合的に判断して時期を決めることが重要です。

建て替えを行うことで、物件の価値が高まり、場合によっては相続税対策にもつながります。一方で、手元資金の減少や、現在居住している入居者の退去対応など、注意すべきデメリットも存在します。

高収益を目指すためには、時代のトレンドを取り入れた設計、耐震性・省エネ設備・災害対策の強化、将来の大規模修繕を見越した建物作りなど、オーナーの知識と工夫が欠かせません。

マンション投資は、単に建物を建てるだけでなく、オーナー自身が学び、戦略を立てることで、長期的な収益性を高めることができるのです。

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