【不動産売却の基礎】譲渡益が出た場合の確定申告について!損失が出た場合についても説明します【イエカレ】


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このコラムのポイント不動産売却が完了した翌年、譲渡により利益が出た場合は、確定申告により税金を納付しなければなりません。損失を計上した人も関係します。
不動産売却の方法と税額の計算、確定申告の手続き方法をお伝えしていきます。もちろん損失が出た場合についても説明します。ぜひ、参考にして下さい。


まず確定申告とはなにか?について説明します!

確定申告とはなにか?

ご存知の方も多いかとは思いますが、まず確定申告とはなにか?について説明します。
年が明けて2月になると、「確定申告の受付開始」という告知が流れます。
その時期に税務署に行くと、目を疑うほどの大混雑を見たことがあるでしょう。

確定申告とは、個人事業主、自営業を中心とした方が「1年間の収入(所得)を申告し、納めるべき所得税と住民税を納付する」手続きです。
会社員の方は、前年末に勤務先でこの納税手続きが進められるため(年末調整)、確定申告をする必要はありません。

この確定申告は、前年1年間に不動産売却の機会があり、利益もしくは損失を計上した人に関係があります。 今回は不動産売却と確定申告の関係をお伝えします。

不動産売却で利益が出た場合と確定申告①

不動産売却により利益が出た場合は、「譲渡所得税」を支払う必要があります。金額は、以下の公式で算出します。

(不動産売却による)収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除

取得費とは、売却する不動産をいくらで取得したのか?その価格です。

相続等による、譲渡資産が取得後3年以内の短期間での譲渡の場合は、その相続資産の土地の値段に対し、「相続資産全体に対する割合分」を算定し、取得費に加算します。

取得費加算額 = 譲渡した土地のみの課税価額/相続税の課税価額(債務控除前)

例えば、親から土地などを相続で譲り受け、短期間で不動産売却をする場合は、取得費を増額させ、譲渡所得税を軽減しようとする考え方です。

減価償却にも注意が必要です。
建物は「使用した期間が長いほど価値が下がっていく」という考え方(減価償却)を適用するため、中古物件を購入した際は減価償却後の額が取得費となります。

不動産売却で利益が出た場合と確定申告②

譲渡費用についても見てみましょう。
譲渡費用は、不動産売却の譲渡にかかった費用を控除します。
ここには「仲介手数料・印紙代・測量費用・建物の解体費用」などが含まれます。
取得費と同じく、この合計額が高いほど税負担が軽減されます。

最後は特別控除についてです。居住用財産を譲渡した場合は、以下の要件を満たす場合に、譲渡益から最高3,000万円を控除することが可能です。

・かつて居住しており、居住しなくなってから3年を経過する日の属する12月31日までの不動産売却
・不動産売却する相手が、配偶者や生計同一親族などの関係者ではないこと
・この特例をはじめて使用すること
・「居住用財産の買換え特例」を3年以内に受けていないこと

以上、4つの要点については、抑えて頂くと良いと思います。

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不動産売却の税額と軽減税率について

不動産売却によって譲渡所得税が発生しますが、この税金の納付は、確定申告で行います。
分離課税ともいい、給与所得など他の税金納付とは区別して行います。

覚えておいて頂きたいのは、これは、会社員で確定申告の必要がない方も確定申告で手続きをしなければならないということです。 自宅など居住用の売却や、投資マンションの売却など目的に関係なく、この譲渡所得税の申告は必要です。

税金は、「所得税(国税)」と「住民税(地方税)」が課税されます。
課税額は取得日と譲渡日によって二種類あり、「所有期間5年超(長期譲渡所得)」か「5年以下(短期譲渡所得)」かによって税額が変わります。

所得税 住民税 合計
長期譲渡所得(5年超)15% 5% 20.315%
短期譲渡所得(5年以下)30% 9% 39.63%

なお、東日本大震災の復興原資を目的として、2037年(令和19年)までは復興特別所得税として、基準所得税額の2.1%が更に課税されます。
また、上記「特別控除」の条件を満たし、家屋と敷地の所有期間がともに10年超である場合、更に軽減税率が適用されます。

長期譲渡所得の金額 軽減税率
6,000万円以下の部分 所得税10.21%、住民税4%
6,000万円超の部分 所得税15.315%、住民税5%

確定申告の必要書類は、主に以下の3種類です。

○確定申告のため、税務署から入手する資料
(確定申告B書式、分離課税用の確定申告書、譲渡所得の内訳書)
○不動産売買契約書(売却時・購入時)
○仲介手数料や印紙税などの領収書

覚えておくといいでしょう。

不動産売却により「損失」が出た場合は?

不動産売却により利益が出た場合は不動産譲渡所得税を納付します。
では、不動産の売却額が「取得費+譲渡費用」より低く、「損失」が出てしまった場合は確定申告の必要はないのでしょうか?

答えですが、不動産売却により損失が出た場合、基本は、確定申告をする必要はありません。
「なんだぁ...」と思われた方もいるかもしれません。
ただ、不動産譲渡損失の場合は「損益通算」と「繰越控除」という制度が利用できます。

不動産売却の損失は、他の所得で利益のある部分と相殺(損益通算)することができます。
更に損益通算でも控除し切れない損失は、以後3年損失を繰越しすることができます。
この繰越控除を利用するためには、損失年度に確定申告をしていること、そして青色申告書にて提出することが条件になっています。 知っているのと知らないとでは大きく違いますので、こえは覚えておいて損はないはずです。


この記事のまとめ

まとめです。今回は、不動産売却と確定申告の関係をまとめました。
不動産売却はとても煩雑な手続きが多く、大きな手間になると思います。頭が痛くなりますね。 また、これは、数年ごとに税制改正などで内容が変更されることも特徴です。

確定申告は、税理士などの専門家に依頼することをお勧めします。
専門家に依頼するのはお金がかかる、とお悩みの方は、不動産売却の税金に詳しい不動産会社に相談すると良いでしょう。

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