賃貸併用住宅6つのメリットを最大限に活かす方法

最近、自宅と賃貸物件が一つになった賃貸併用住宅という賃貸ビジネスが話題になっています。
賃貸併用住宅は、簡単に言うと同じ建物の中に賃貸アパートのオーナーの自宅とアパートがある住宅のことです。

ローン返済が不安と言う方や節税対策をしたいという方から注目されている賃貸併用住宅にはメリットがある反面デメリットもあります。

両方を把握しておけば、デメリットを回避しながらメリットを最大限に活かした賃貸ビジネスも可能になるのでしっかりチェックしておきましょう。

1.賃貸併用住宅の6つのメリット

賃貸併用住宅にはさまざまなメリットがありますが、ここでは6つのメリットを厳選してご紹介するので、検討材料の一つとして参考にしてみてください。

1-1.家賃収入によってローンの負担を軽減できる

住居費は世帯支出の中でもウエイトが大きいため、マイホームを建てるとなった場合、ローンの負担額が気になると言う方も多いでしょう。
また家を購入すれば、土地や建物の固定資産税などの税金も支払わなくてはならないので、その分も含めて支出予定を立てなくてはいけません。
賃貸併用住宅であれば、住宅の半分は賃貸アパートになっていますから、家賃収入を得ることができます。
この家賃収入はローンの返済に当てられるので、自宅分のローンの負担額を減らせるというメリットがあるのです。
戸数によって家賃収入の額は異なりますが、賃貸併用住宅は普通のアパートを建てるよりも割安ですから、ほとんどの住宅ローンを家賃収入でまかなえれば、ローン返済の負担を大幅に軽減できるでしょう。

1-2.いざという時の相続税対策ができる

一般の住宅を相続した場合、固定資産税の評価額×1.0倍が評価額となります。
しかし、賃貸併用住宅の場合は自宅部分と賃貸部分を分けて計算するため、相続税の額が変わります。

まず敷地の相続税評価額に関しては、自宅部分は自用地評価額で計算されますが、賃貸部分の敷地は自用地評価額から約20%減額されます。
賃貸部分の借地権割合に関しては、各自治体によって割合が変わってきます。
次に住宅の相続税ですが、自宅部分は固定資産税評価額×1.0倍が評価額になり、賃貸部分においてはその評価額から30%減額されます。
これだけでもかなりの額の相続税対策ができるのですが、自宅部分に関しては小規模宅地の特例を受けられる可能性があります。

小規模宅地特例では、最大で240㎡までの相続税評価額が80%減額されるのです。
賃貸部分も、相続人が賃貸事業を引き継ぐという前提であれば、最大200㎡までの相続税課税価格が50%評価減となっています。
特例に関しては適用条件というものがあるので、その条件を満たしていないと評価減にはならないものの、特例を受けなくても相続税の対象となる財産が減れば大幅な節税ができますから、相続税対策を考えている方にとって賃貸併用住宅を建てるのは大きなメリットがあります。

1-3.広すぎる土地の悩みとなる固定資産税を減らせる

所有している土地が住宅用としては広すぎるが、売却すると自宅を建てる土地がなくなってしまうという場合は、土地の固定資産税の負担に悩んでしまうでしょう。
土地の固定資産税は、土地の広さに比例して増えるものですから、土地の有効活用は必須です。

こういった土地の固定資産税対策に適しているのが賃貸併用住宅です。
土地に住宅を建設すれば、土地の固定資産税額と都市計画税を減額してくれる小規模住宅用地の特例が適用されます。
宅地用の敷地に住宅を建てると、一戸につき200㎡までは1/6にした固定資産税評価額が課税標準額となります。

ただし、200㎡を超えている部分に関しては、一般住宅用地となってしまうため固定資産税額も2倍になるので、普通の住宅を建てても固定資産税対策にはなりません。
しかし、賃貸併用住宅であれば、賃貸部分の部屋は一戸に計算されるので、部屋数×200㎡の小規模住宅用地の特例を適用させることができます。
ですので、賃貸併用住宅を建てれば、広い敷地であっても固定資産税や都市計画税も減税されるのです。

1-4.金利の安い住宅ローンでアパートの建設ができる

普通のアパート経営をする場合、アパートの建築費用はアパートローンから借りるのが一般的です。
アパートローンは住宅ローンよりも金利が高く、3倍から4倍もの金利を払うことになるため、ローン返済の負担額もかなり大きくなります。
しかし、賃貸併用住宅であれば住宅ローンを利用出来るというメリットがあるので、金利分のローン返済額を大幅に減らすことが可能です。
ただしどこの銀行でも住宅ローンが適用されるわけではなく、また賃貸併用住宅であっても住宅ローンを適用するには条件がある銀行も多いので注意しましょう。
特に気をつけたいのは自宅部分の割合です。
自宅部分が建物全体の5割以上でなければ賃貸併用住宅と判断されなかったり、自宅部分の割合が決まっていたりしている場合もあるため、住宅ローンで借りられる条件を確認してから建築設計を始めましょう。

1-5.自分で管理できる

一般的なアパート経営は、不動産会社に管理を一括して任せます。
もちろん、家賃の振込確認や入居者のクレーム、入退去時の対応や入居者募集などの管理をするのは大変なので、管理を委託するのはそれなりのメリットがあります。
しかし、その代わり高額な管理委託料が発生するので、アパート経営は利益が出るまでに時間がかかったり、何年経っても大幅な利益を得ることができないのです。

この管理を自分でできるというのが、賃貸併用住宅のメリットになります。
管理をする上でもっとも重要なのは、入居者にできるだけ長く住んでもらうことです。
長く住んでもらえれば、退居による原状回復やクリーニングなどの費用を削減できますし、部屋の空き室期間が長引いて家賃利益が少なくなるということもありません。
自分で大家さんとして管理できれば、入居者とのコミュニケーションも取りやすくなるので、退居のリスクを減らせます

また不動産会社に払う管理委託料の分も利益になるので、一石二鳥のメリットが得られます。

1-6.ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる

家族の形というのは変わっていきます。
例えば、子ども3人と夫婦の計5人で暮らしていたとしても、やがて子ども達は独立していくかもしれませんから、そうなった場合は不要な部屋が出てきます。
逆に、結婚したら同居をして子どもの家族も一緒に暮らすようになれば、もっと部屋数が必要になるかもしれませんし、ゆくゆくは二世帯住宅が必要になることもあるでしょう。
ライフスタイルは自分や子どもの年齢によって変わっていくので、自宅もそれに合わせて柔軟に変えていくのが快適に暮らす方法です。

普通の住宅を大きくしたり小さくしたりすると、その都度高額な費用がかかってしまいますが、賃貸併用住宅であれば柔軟に対応できるメリットがあります。
一見、賃貸併用住宅とライフスタイルの変化はまったく共通点がないように思えるかもしれません。

しかし、賃貸用の部屋があれば大掛かりな増築工事をする必要はありませんし、部屋数を減らしたいという場合は自宅を小さくして賃貸部分を増やすことができます。 ライフスタイルは、いつどんなときにどのように変わるか分からないので、事前準備ができないのがネックですが、賃貸併用住宅にしておけばどんな変化にも対応できるのです。


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2.3つのデメリットと心がけたいこと

節税対策や住宅ローンの負担減など魅力いっぱいのメリットがある賃貸併用住宅ですが、普通の住宅とは違う点がたくさんあるのも事実です。
ここでは、賃貸併用住宅だからこそ発生してしまうデメリットを3つご紹介します。

2-1.自分たち以外の人が同じ建物に住むということ

賃貸併用住宅の一番のデメリットは、同じ建物の中に他人が住むということです。
もちろん自宅は独立していますが、それでも敷地内への入口や駐車場が同じだったりすると、どうしても気になってしまいます。
また、間取りによってはテレビの音や人の声が気になることもありますし、逆にオーナー側の音が入居者に伝わってしまうこともあります。
近年は、特に音の問題でご近所トラブルが起こることも多いため、より気を使わなくてはいけません。
自宅にいながら、他の人に気を使ったり騒音を気にしたりしなくてはいけないのは、やはりデメリットとなってしまいます。
ただし、こういったデメリットは住居スペースを完全に分離させたり、音が伝わらないようにクローゼットを挟んだりすることで防げるので、神経質になる必要はありません。

2-2.一般的な住宅よりも金額は大きくなる

賃貸併用住宅は、賃貸アパートを併設した住居になるため、当然ですが建物は大きくなりますし、アパート部分には電気ガス水道などの設備工事も必要になりますから、一般的な住宅を建てるよりも購入金額は大きくなります
金利の低い住宅ローンで借り入れができるとしても、借入金額が大きければ、その分返済期間も長くなりますし、利子も高くなってしまうのはデメリットと言えるでしょう。

普通の住居であれば、ローンの返済負担はすべて自分の収入でまかなうことになりますが、家賃収入があるので負担額も少なくなります。
特に新築の賃貸物件は入居者を集めやすいので、しっかり管理をしていけば、高額の借入をしてもローンの返済に困ることはないでしょう。

2-3.自分の好みだけで賃貸スペースを設計しないほうがいい

家の建てる楽しみの一つが、間取りや部屋のテイスト、デザインなどを決めることです。
もちろん、自分が住む住居であれば好きなように設計できますが、賃貸スペースに関しては、自分の好みを優先するのはNGです。
設計にまったく興味がないオーナーであれば、賃貸スペースの設計ができないのはデメリットではありませんが、設計が好きだったりこだわったりしたいというオーナーにとっては自分の意見が取り入れられないのはデメリットになってしまうでしょう。

もし、賃貸スペースをビジネスとしてではなく趣味として貸し出すという感覚であれば、自分の好きなように設計しても構いません。
しかし、ビジネスとして成立させるためには、時代のトレンドやニーズ、入居者目線での住みやすさや間取りなどを考えて設計する必要があります。
そのためには、実際に賃貸ビジネスに関わっている不動産会社や建築の経験を持っている建築会社や設計士の専門的な意見を取り入れながら、採算が取れる賃貸スペースを作り上げるのがベストです。
賃貸併用住宅は、自分のものでありながら入居者のことも考慮しなくてはいけないのがデメリットですが、その代わり家賃収入を得られるメリットがあるので割り切って設計していきましょう。

3.間取りによるメリットデメリットとは

賃貸併用住宅の設計において重要になるのが間取りです。
普通の住宅であれば間取りのせいでトラブルになるということはありませんが、賃貸併用住宅の場合は、賃貸部分の部屋割りや居住スペースをどこにするかで住み心地が大きく変わってきます。
賃貸併用住宅の間取りは、横割りと縦割りの2種類があるので、それぞれのメリットとデメリットをチェックしながら、どちらの間取りが良いのか検討していきましょう。

3-1.横割りの場合のメリットとデメリット

横割りは、例えば2階建て物件の場合、2階部分をすべてオーナーの居住空間にして、1階を賃貸スペースにするなどワンフロアで仕切る間取りです。
横割りのメリットは、入居者の足音や騒音を気にせずに暮らせるということです。
また、屋上があれば自由に使えますし、窓からの景色が良いというのもメリットと言えるでしょう。

デメリットとしては、1階の賃貸物件は人気がないので、築年数が経つと入居者の確保が難しくなること、家賃相場を低く設定しなくてはいけなくなることが挙げられます。
屋上がない場合は、オーナーの住居部分に庭がないのもデメリットになります。
逆に1階を居住空間にすれば庭も使えますし、階段の上り下りもなく、入居者も確保しやすくなるメリットがあります。
ただし入居者の騒音で住み心地が悪くなるデメリットがあることを理解しておきましょう。

3-2.縦割りの場合のメリットとデメリット

縦割りは、普通の住宅のように1階と2階がある居住空間を作り、賃貸スペースも1階と2階に分ける間取りです。
縦割りの間取りのメリットは、上下の騒音を気にする必要がないこと、出入りがしやすく庭も使えますし、上階からの眺望も楽しめるという点が挙げられます。
人気の低い1階だけではなく2階があることで、入居者を確保しやすくなるというのもメリットとなります。

デメリットとしては、防音をしっかりしておかないと、騒音などで入居者同士のトラブルが発生しやすいことが挙げられます。
また、階段を設置する必要があるため、スペースのロスが発生し、一戸一戸の部屋の間取りが狭くなってしまうのもデメリットです。

4.賃貸併用住宅のメリットを活かすための注意点

賃貸併用住宅には、家賃収入でローン返済の負担を軽減できるというメリットがあります。
しかし、空室が出てしまうと家賃収入が減ってしまい、自分の収入で負担しなくてはいけません。
また、入居者との距離感を計算して設計をしないとプライバシーが守られなかったり、入居者トラブルに巻き込まれてしまったりすることもあります。
これでは賃貸併用住宅のメリットが活かせなくなるので、メリットが活かせるように注意点をしっかりチェックして対策を練っておきましょう。

4-1.空室対策

空室のリスクはどの賃貸物件にもあるものですが、賃貸併用住宅はアパートやマンションほど普及していないため、立地や家賃、間取りの利便性によっては入居者がうまく集まらない可能性があります。
空室対策としては、交通の便が良く周りに便利なお店があるなど好立地に建てるのが一番に挙げられますが、建築予定の土地がある場合はこういった立地に当てはまっていないところもあるでしょう。
単純に言うと、家賃設定を低くすればその分空室のリスクは軽減できます。
しかし、そうなると家賃収入が不足してしまい、ローン返済に当てるというメリットが得られなくなってしまいます。

空室対策に関しては、賃貸物件を扱うプロフェッショナルとも言える不動産会社に相談するのが一番です。
不動産会社は空室対策のノウハウをたくさん持っているので、立地やその土地の住民性にあったアドバイスをしてもらえます。
ですので、空室対策では信頼できる不動産会社を見つけておくというのが一番の方法になります。

4-2.自分たちや入居者とのプライバシーの確保

同じ建物の中に入居者という他人がいる賃貸併用住宅では、プライバシーの確保が最優先事項になります。
入居者との距離が近く、管理がしやすいというメリットはあるものの、あまりにも近くなりすぎると自分たちも入居者もプライバシーを侵害されるデメリットが生まれてしまいます。
住んでいる家でプライバシーが守れないという環境は大きなストレスになるので、事前にプライバシーを守れる対策をとっておきましょう。
そのためには、入居者との距離がおけるように玄関や入口を別々にする、庭に植栽をして居住空間を目隠しする、生活動線を賃貸スペースから離すなど設計時の工夫が重要になります。
設計はプライバシー確保の要になるので、設計士としっかり話し合いをしながらお互いのプライバシーを守れる空間を作りましょう。 自由に設計できないのは不便に感じるかもしれませんが、自分たちも入居者も心地よく住める賃貸併用住宅になれば、無駄なストレスを溜めることなく快適な毎日を過ごせます。

4-3.入居者トラブル

賃貸併用住宅に限らず、赤の他人同士が同じ建物内で暮らすとなると、どうしてもトラブルは避けられません。
入居者トラブルの中でも、最近特に増えているのが騒音によるトラブルです。
戸建て住宅でも、子どもの道路遊びによる騒音トラブルがあるぐらいですから、生活騒音が聞こえやすい賃貸併用住宅の場合はさらに騒音のトラブルリスクが高くなります。
ただし、このトラブルに関しては防音対策をしておくことで未然に防げます。
騒音トラブルはほぼ100%起こる可能性があるので、例え費用が割高になるとしても、設計の段階でしっかり防音対策をしておきましょう

ただし、入居者トラブルは騒音だけではないので、クレーム対応をしたくない場合は賃貸管理会社に管理委託をしておくのも一つのトラブル回避の方法です。
管理委託をしてしまうと料金が発生してしまいますが、すべての管理ではなく、入居者対応に絞って委託できる会社もあるので、一度相談してみましょう。

ちなみに、入居者の質は物件の質と比例していると言われています。
賃料が安くグレードが低い物件はトラブルが多く、高級物件はトラブルが少ないことが統計的に分かっているので、その点から家賃を設定するのもいいかもしれません。


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まとめ

賃貸併用住宅は、新しい形の土地活用法や投資案件として注目されています。 これだけ注目度が高いのは、アパート経営やトラブルの多いパーキング経営などよりもメリットが多くデメリットの回避法がきちんと分かっているからです。 と言っても、特殊な住宅プランになりますから、賃貸併用住宅の特有の性質をしっかり理解していないと後々トラブルが起こる可能性があるので注意が必要です。

また、自己判断でプランニングを進めてしまうと、賃貸需要や賃貸市場の分析や、デメリット回避への対応ができない可能性もあります。
メリットを最大限に活かすには専門家のアドバイスが必要不可欠ですから、二人三脚で理想の賃貸併用住宅を作っていきましょう。

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