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【イエカレ】外国人入居者を迎えるのは空室対策として有効か|アパート・マンション経営のトラブル・シューティング
この記事を読むのにかかる時間:8分
目次
1.外国人入居者を受け入れるメリットとデメリット
冒頭でご紹介した通り、現在、外国人入居希望者を受け入れる体制が整っている賃貸住宅は、まだまだ少ない状況です。
そして、一般的には外国人入居者を受け入れるとトラブルのリスクが高くなると思われがちです。結論を言えば、その通りです。
こうした現状をみますと「確かに外国人入居者を受け入れれば空室をなくして満室にしやすいメリットはあるものの、日本人入居者では起きなかった、言葉や文化の違いによるトラブルが起きてしまうと、それがデメリットに感じられる」というのも当然の話しです。
ただ実際には、こうした文化の違いなどからくるトラブルは事前に対策を行えば回避できるものが多いのですが、やはり何も対策を取らなかった場合は「ほぼ100%の確率で起こるトラブル」と言えるでしょう。
この章ではなるべくトラブルの具体例を入れながら、外国人入居者受け入れるメリットデメリットをお伝えします。まずは内容を把握するところから始めてみましょう。
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1-1.外国人の受け入れはまだ少ないため空室リスク回避に期待大
まず、話しの背景として、外国人労働者は、新型コロナ以前は年々増え続けていました[注1]。
その際、外国人が日本で住居を探す際に「外国人だからと断られた」「日本人の保証人がいないから入居は難しい」などといった理由で外国人入居者を受け入れてくれる賃貸住宅が少なく、外国人労働者の増加率と比べると、明らかに外国人が入居可能な賃貸住宅の供給が足りていませんでした。
そのため「空室対策で困っている」という賃貸住宅が、外国人入居者を受け入れれば、外国人の入居希望者が助かるだけでなく、空室対策でお困りの賃貸オーナー様にとっても空室リスクを回避しやすくなる状況でした。
そして今、新型コロナの問題が一応の落ち着きを見せ始め、外国人労働者や観光客が再び日本に戻って来始めている状況だと言えます。
ところで今の時代の難しいところは、仮に空室が出てしまった場合、たくさんの宣伝媒体を使って入居者募集をすれば、すぐ簡単に空室が埋まる!という保証がないことでしょう。
また季節などのタイミングによっては長期間空室が続いてしまうこともあるでしょう。今まで「これといった効果的な空室対策」がなくて困っていた賃貸オーナー様も多いのではないでしょうか?
しかし、外国人の入居がOKとなれば、外国人の受入れ可能な賃貸住宅の供給が不足しているわけですから、すぐに空室を埋めることが可能です。
空室の長期化が続いてしまうとアパート経営においては利益減の一番の原因となりますから、賃貸オーナー様にとっても効果的な空室対策の一つとして効果が明確になるのは大きなメリットと言えないでしょうか。
ただ「なら実際に外国人入居者を受け入れてみようか?」と考えても不安になってくる賃貸オーナー様も多いでしょう。
その不安を取り除くためには、どのようなトラブルが多いのか?を事前に把握したうえで「トラブル対策(トラブルシューティング)」を用意しておくことが重要です。
1-2.文化や言語の違いによるトラブル対策は必至
まず、トラブルで最も多いと言われるのが「文化や言語の違いによるトラブル」です。
文化や言語というのは国ごとに違います。仮に世界共通語と言われる英語を喋ったとしても、賃貸オーナーと入居者双方が英語に堪能でない限り、スムーズにコミュニケーションを取ることは難しいでしょう。
具体的には「迷惑行為があった場合に注意をしても通じない」「トイレやお風呂などの設備の使い方が詳しく説明ができず、結局、故障が起きてしまった」などのトラブルが生じる場合があります。
その他にも「外国人入居者の友達が集まって夜中まで騒ぎ、近隣の住民から苦情が出る」などのトラブルもよく聞く話しです。
日本人は外国の文化に自分たちを合わせるというモラルを持っている人が多い傾向にあります。しかし、外国人は国籍によってもそうしたモラルに対する考え方が日本人とは違うため、コミュニケーション不足やスレ違いが起きると、そこから思わぬトラブルが発生するわけです。
外国人入居者の受け入れを検討する場合は、日本人入居者ばかりの時には経験したことがないトラブルが予想されることや、それに対する対策を新たに考えなくてはいけないというのは、最初に思い浮かぶデメリットでしょう。
2.外国人入居者を受け入れることで想定される8つのトラブル
空室解消の対策として高い効果が期待できる外国人入居者ですが、ケースによっては空室以外の問題点が出てくる可能性があるのも事実です。
上述しましたが、外国と日本では言葉だけではなく、生活習慣や文化、マナーなどがまったく違うため、最初に入居ルールを説明しても理解が浅く、それが守られないことがあります。
しかし、それによって近隣住民とのトラブルが頻発して、賃貸オーナー様にとってのアパート経営自体が難しくなってしまうことなどがあっては本末転倒です。
外国人入居者を受け入れていくら空室対策ができたとしても、それがスムーズなアパート経営へ繋がらなければ全く意味がありません。
そこで以下では、外国人入居者を受け入れた場合に、どのようなトラブルが想定されるかを具体的に8つご紹介致します。
2-1.騒音による近隣住民からのクレーム
海外の国のなかには、パーティーは特別なイベントではなく、単なる友達とのコミュニケーション手段の一つという国もあります。そのため、普段から友達が集まっては酒宴が開かれて大騒ぎが始まることも少なくありません。
ハロウィンやクリスマスなどのイベント時だけなら、近隣住民も多少騒がれたところで大目に見てくれるかもしれませんが、何のイベントもない普段から頻繁に大声で騒ぐ人たちがいては、さすがに近隣住民からクレーム出てしまうのは無理もないでしょう。
そもそも多くの日本人は普通の日に大騒ぎすることなどありませんから、静寂を好む文化を持つ日本人にとって外国人が騒ぐ騒音などは迷惑行為に映ってしまいます。
その他では、外国人の文化には1つの部屋を複数の友達でシェアするというものがあります。
シェアがされてしまう原因は様々ですが「単に住むところに困っていた友達を助けているだけ」という理由をサラっと言う入居者もいます。
ただ、賃貸オーナーにとってみれば、それをされてしまうと普段からの生活で出る騒音トラブルが多くなってしまう原因になってしまう可能性があるため、その説明と対策が必要になってくるでしょう。
2-2.ゴミ捨てのルールを守らない
「たかがゴミ捨て、されどゴミ捨て」などといった格言など存在しませんが、日本のゴミ捨てルールで戸惑う外国人入居者は多く存在します。
サッカーワールドカップで日本人サポーターが、試合後の観客席を綺麗に掃除して帰る映像がSNSで世界中へ拡散された結果、称賛を浴びたといったニュースをご覧になった方もいらっしゃるでしょう。
また、外国人からは「日本では街にゴミ箱がなくてビックリした」「日本人は外出中に自分が出したゴミを家に持ち帰る人が多いらしい」などの意見も良く聞かれます。
もちろん国によって違いはあるとは思いますが、上記のような話を聞くと、日本人と外国人ではゴミに対するマナーの尺度がかなり違うことが分かります。
ですから、外国のゴミ捨てルールと日本のゴミ捨てルールにもかなりの違いがあると思った方が良いでしょう。
例えば、オーストラリアではゴミ捨ての日は決まっておらず、いつでも好きな時にゴミ収集所に捨てられます。
この例以外にも、燃えるゴミと燃えないゴミ、資源ゴミといった分別回収をしていない国だってたくさんあります。しかしそれがオーストラリアやそれ以外の国では当たり前の話しであるだけです。
日本では生ゴミの袋を二重にして捨てる人も多いでしょう。その日本人にとってはそうすることが当たり前だったとしても、外国人にとってそれが同じとは限らないわけです。
日本と比べてそれが良い悪いということでもなく、重要なのは「されどゴミ捨て」ということで、ゴミ捨てのマナー一つとっても、外国と日本には厳然たる違いがあることを賃貸オーナー様は知っておく必要があるでしょう。ということなのです。
ただ、日本ではゴミの分別をして決められた日や時間以外にゴミを捨てたりすると収集してくれない自治体ばかりです。
外国人入居者を受け入れる際は、そうしたルールが守られないと近隣住民から「ゴミ捨て場が汚くなっている」「異臭がする」などといったクレームが出てしまい近隣住民に迷惑が掛かることを十分説明をした上で理解してもらうことが重要でしょう。
2-3.賃貸物件不足による又貸し
外国人を受け入れる賃貸物件は、前述した通り、外国人入居希望者の増加に対応しきれておらず不足した状態が続いています。
そのため一人の外国人入居者を受け入れると、その友達や職場の同僚で勝手にシェアを始めたり、ひどい場合は無断で部屋を又貸しされることも起こる場合があります。
同じ日本人であっても、不特定多数の人が出入りするアパートというのは、近隣住民にとっては不安を感じさせるものですから、それが言葉の通じない外国人となればさらに近隣住民に不安が広がります。
契約時に「又貸しは禁止」であることを説明していても、上述した通り、外国人の中には「住むところがなかなか見つからなくて困っている友人を助けているだけだ」という話で「悪いことをしているわけではない」と説明をする人もいます。
ただ、トラブルが起こった後に注意をしても感情的になって改善がされなかったり、最悪、退居してもらうにしてもいろいろな証拠が必要になってしまうと賃貸オーナー様も面倒になります。
そのため、入居時の契約をする時は、例えば「部屋をシャアされてしまうと近隣住民が不安がり自分が損をすることになる。また同じことは日本人入居者にも固く禁じている」などといった理由を添えた上で事前に理解をしてもらうことが重要になってくるでしょう。
2-4.理解不足によるペット不可物件での飼育
外国では日本よりも生き物に対して寛容な国が多く、同じ賃貸物件でも「床や家具が傷つくから」「鳴き声がうるさいから」などの理由でペットを不可にしている賃貸物件は少ない傾向にあります。
そうした国から日本にやって来た外国人のなかには「そもそもペット不可だなんて全く理解ができません」という外国人が多いことを賃貸オーナー様は知っておく方が良いでしょう。
確かにペットは日本人に限らず殆どの人とっても可愛い存在でしょう。賃貸オーナー様のなかで「ペット不可をルール」としている物件の場合でも、ただ単純に「ルールなのだからペットを飼ってはいけない」とだけを入居時に説明をしてもそれが理解できないまま、勝手に飼い始めてしまう外国人も少なくありません。
またペットのしつけに甘い人だった場合、ペットの鳴き声や糞尿の異臭によって、同じアパート住人だけではなく近隣トラブルにも発展してしまう場合もあります。
仮に「入居時にペットを飼ってはいけない」というルールは理解してくれたとしても「じゃあ、うるさくなければ良いだろう!」と勝手に拡大解釈をして、うさぎや鳥、爬虫類などを飼う外国人もいます。
ペットの飼育に関する規約は「なぜ不可なのか?」という理由を含めて、キチンと理解をしてくれるまで説明をしておかなくてはならないでしょう。
2-5.自分の好みに合わせて部屋の改造をしてしまう
日本でもここ数年で人気が出ているDIY「ディーアイワイ」をご存知でしょうか?
DIYとはDo It Yourselfの略語で、自分自身で家具を修理したり、棚を作ったり、壁や障子の張り替えをしたりする一連の作業を言います。
実は、外国では部屋の壁の色を自分で塗り替えたり、備え付け家具を改造したりするのはとても当たり前なことだったりします。
さてここから本題ですが、賃貸物件に入居している日本人であれば「自分が借りて住んでいる賃貸物件を改造するなんて非常識だ」と認識している人がほぼ100%だと思います。
しかし、信じてもらえないかもしれないのですが、外国人には、例え自分の住まいが賃貸物件であっても改造をしてはいけないという常識が通じない場合があるのです。
この日本と外国の常識の違いを知らないせいで、賃貸オーナー様のなかには、入居契約時に「部屋をDIYなどで改造などを絶対にしないでほしい(してはいけない)」という説明を省いてしまう方がいらっしゃるのです。
つまり、部屋の改造に対しての認識は外国人と日本人では違うので、日本では当たり前のことであっても、外国人に対しては改造をしてはいけないことをキチンと説明する必要があるのです。
説明を省いて改造がされてしまった場合に「原状回復の費用請求をします!」と後の祭り状態で説明を始めても、理解をしてもらうのは本当に大変ですから事前説明は怠らないように気を付けましょう。
2-6.トラブル頻度ナンバー1の家賃滞納
外国人入居者に限ったことではないものの、外国人入居者との家賃滞納トラブルは比較的起こりやすいトラブルです。
家賃を支払わない入居者に対しては、日本人・外国人関係なく「退居勧告ができる」という法律はあるものの、実際のところ、家賃を滞納されても、相手に支払う意志がある場合や、数回の滞納では退居させることはできません。
しかし、賃貸オーナー様からすれば「そうは言っても本当に払ってもらえるのか?」という不安は残りますし、数ヶ月分の家賃が溜まったまま退居させるというのも難しいですから、退居勧告のタイミングも判断しづらくなってしまいます。
空室対策として外国人入居者を受け入れても、家賃の滞納や退居による原状回復費用などの負担でマイナスになってしまうリスクがあるのは注意しなければならないでしょう。
2-7.気づいたときには手遅れになる突然の退去
外国人入居者を受け入れる場合、最も怖いのが突然の退去です。
これは日本人入居者であっても、いわゆる「夜逃げ」といったことが起こらないと言えば嘘でしょうが、外国人の場合は、日本を離れて自分の国に帰国されてしまえば、賃貸オーナー様がそれを追い掛けて捕まえにいくということは、ほぼ不可能な話しでしょう。
家賃の滞納であれば、遅くなりながらも支払ってもらえる可能性はあるかもしれませんが、突然音信不通になり「おかしいな!」と思って部屋を見に行ったら「既にもぬけの殻状態だった!」では寝入りになってしまうでしょう。
一般的に、1ヶ月分の家賃を滞納したとしても、それだけで部屋に確認をしに行くことはしないでしょう。突然居なくなっていたことに気が付くのは3ヶ月や4ヶ月ほど長期で連絡が取れなくなってからです。
そうなると、その間の数ヶ月分の家賃は払ってもらえませんし、退去に基づく書類のやり取りもできないので、荷物の片付けやクリーニング、原状回復などすべての費用負担が賃貸オーナーに掛かってしまいます。
突然の退去は、肉体的にも金銭的にも大きなマイナスになります。これは事前にペナルティや対策方法を練っておくのがベストです。
「じゃあ、どういう対策があるの?」ということですが、厳しい言い方になるかもしれませんが、入居契約時には必ず「家賃滞納や、無断で退去をした場合は、入国管理局もしくは母国の大使館に連絡することになってしまう」ということを説明しておくことが、安易な無断退去を防ぐ効果につながりやすくなります。
2-8.連帯保証人は外国人にあまり馴染みがない
これも日本と外国の間にある文化の違いと言える話しですが、賃貸物件を借りるときに、日本人入居者であれば、連帯保証人が必要になることは当たり前という認識があります。しかし、
外国人は、ほぼ連帯保証人の存在理由を理解できません。国によって違いはあるものの、多くの場合、外国では部屋を借りるときに連帯保証人を付ける習慣などないのです。
連帯保証人を付ける意味は「家賃滞納が発生した場合にその肩代わり」をしたり「勝手に退去したときはその後の手続きを入居者の代わりに行ったりする人」ですから、連帯保証人になる人は身元がしっかりした人でなくてはいけません。
通常、日本人の場合は入居希望者の親や親戚が連帯保証人になるケースが殆どでしょうが、単身で日本に来ている外国人にとって連帯保証人の必要性というのは、就職時や賃貸物件を借りる時の最難関で高いハードルと思われています。
賃貸オーナー側からしても、連帯保証人の意味や必要性を外国人の入居希望者へ細かく説明をするのは面倒で難しさも伴うでしょう。外国人入居者にそれを理解してもらうことに時間も掛けたくないかもしれません。
しかし、連帯保証人の問題がクリアにできないと入居させることはできませんから、しっかり意味を説明して見つけてもらいましょう。
3.外国人入居者のトラブルを回避する4つのアイデア
前項では8つのトラブル事例をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
「こんなにトラブルがあるのでは、外国人入居者を受け入れるなんて無理な話し!」とご判断されたでしょうか?
しかし、冒頭で述べたようにトラブルになるのは「文化や言語の違いによるトラブル」から来るものが殆どだとご理解頂けたのではないでしょうか?
入居者が今までのように日本人だったとしてもトラブルがゼロだったというわけではないかと思います。こうした外国人入居者のトラブルは事例がたくさんあるだけに対策方法も立てられています。
この章では、トラブルを回避するための4つのアイデアをご紹介します。空室対策として外国人入居者の受け入れを検討して頂けそうでしたら是非参考にしてみてください。
3-1.重要事項は念入りに確認して理解するまで説明する
外国人入居者を受け入れる賃貸物件が少ないことは、運良く入居先を見つけることができた外国人入居者の元に不特定多数の友達などが集まりやすくなることにもつながります。
「最初は1人2人の出入りから始まったのが、いつの間にか複数の外国人が出入りするようになってしまった」や「知らない間に部屋を民泊として使われていた」という事例は少なくありません。
また、文化の違いから室内を土足で利用したり、退去時に家電や粗大ゴミなどを放置したままにするなどのマナー違反も見受けられます。
重要なことは、国土交通省が公表している「入居申込書等見本」を利用して、重要事項を確認し、入居者が理解するまで徹底的に説明をしましょう。
またこの書類には、近年頻発しているトラブル回避をするための項目が記載されていますので、外国人入居者を迎える際に、入居者へ厳守して欲しいことが確実に伝えられます。
3-2.トラブル回避には管理会社や保証会社のサポートを活用するのがベスト
これまで見てきたトラブルを一旦整理してみましょう。主に以下のような目立つことがお分かり頂けたと思います。
- 騒音などのマナー違反
- ゴミ出しの仕方
- 部屋の又貸しやシェア
- ペットの飼育
- DIYによる部屋の無断改修や改造
- 家賃滞納
- 突然の退去
- 連帯保証人の意味が理解できない
このように見てくると、もちろん日本人入居者でも起こり得るトラブルもあります。
しかし、外国人入居者の場合は「文化の違いや言葉の壁などの問題が原因」で、トラブルに遭遇する頻度が高まる可能性があるということなのです。
こうしたトラブルの根源を事前に断ち切るには、やはり「聞いてない」「きちんと説明していなかった」などのすれ違いで起こることが多いです。
確実に防止するするには、やはり契約書に記載した内容をしっかりと外国人入居希望者へ説明すると同時に、確認と同意のサインをもらうことが日本人入居者以上に気を使うことが重要になってきます。
そして、大変有効なのが、外国人入居者の対応に慣れている不動産管理会社や保証会社のサポートを利用することです。
そうした管理会社のなかには、外国語対応が可能な会社や外国人専門に物件管理とその対応をオーナーと一緒にしてくれる会社があります。賃貸オーナー様が個人で入居審査や入居の許可を判断をするのは限界があるでしょう。
不正が起こることや人柄を事前に見抜くことだって難しいですし、毎日のように賃貸物件に張り付いて入居者の行動をチェックするわけにもいくはずがありません。
しかし、こうした問題に対して、対応ノウハウを持ちあわせた管理実績に長けた管理会社や保証会社のサポートが受けられれば、賃貸オーナー様にとっても心強いでしょうし、入居者管理もしやすくなるというものです。
トラブルを未然に防ぐことさえできれば、言うまでもなく、有効な空室対策が可能になる場合が高いのです。
管理会社を利用するとなると、当然、管理手数料などの料金が発生するので抵抗があるかもしれません。
しかし、トラブルを回避するには一番有効な手段ですし、トラブルがない物件にできれば、物件に対する世間の評価も高くなります。そうなると、今度は優良な入居者を集めることができるようになりますから、結果的にはプラスとなりえます。
こうした外国人入居者の管理に精通している管理会社へ一度相談してみることも検討するもおススメします。
3-3.トラブルが起こった時のために連帯保証人は必ずつける
上述したように、連帯保証人をつけずに外国人入居希望者へ入居を認めるオーナーはまずいないでしょう。
しかし、あまりにも入居者が決まらないと、信頼できそうな外国人であれば連帯保証人の部分は曖昧にして入居を受け入れてしまいそうになるかもしれません。
しかし、連帯保証人の確認が取れない人を入居させるのは非常に危険ですし、万が一、家賃滞納や退去手続きも放棄して退去されてしまった場合は、何も対策が取れなくなりますから、必ず連帯保証人はつけてもらいましょう。
これもお伝えした通り、外国では連帯保証人を付けるという文化がない国がほとんどであるため、その必要性を理解してもらえないこともありますから、分かってもらえるまでしっかり説明しましょう。
どうしても連帯保証人がつけられないという場合は保証会社を使えるので、そのこともきちんと説明して日本でのやり方を理解してもらうことが大切です。
3-4.国籍を理由にした差別をしない
これは入居者のトラブル対策として直接影響があることではないかもしれませんが、人権的な見地から、国籍を理由に入居を断るということはしないようにしましょう。
これは国籍による差別にあたり、賃貸オーナー様へ向けられるトラブルに発展する可能性があるのです。
一つの事例をご紹介しておきます。ある法人が、雇用している外国人従業員のために賃貸マンションと契約を行い、入居予定日まで決まっていました。
そして入居前日、突然そのマンションオーナーから「入居希望者が外国籍だったから」という理由で入居を拒否する連絡をしてきたという事例です。結局、そのオーナーはこの問題で提訴をされてしまいました。
裁判では「国籍は入居拒否の正当な理由にならずオーナー側の不法行為にあたる」判決が下され、慰謝料100万円と弁護士費用の一部を負担する支払い命令が出ました。
この判例から分かるように、外国人入居者の方ではなく、賃貸オーナー側の国籍差別がトラブルとなり裁判沙汰を引き起こすことがあることも知っておいて欲しいと思います。
4.外国人の入居審査は入念に
外国人入居希望者の入居審査は、日本人入居希望者の入居審査よりも入念に行う必要があります。
これは、上述したような国籍差別ではなく、万が一、その外国人入居者が日本に不法滞在をしている者や不法労働者だった場合は、例え、賃貸オーナー様が全くそのことを知らなかったとしても、賃貸オーナー様が刑罰対象になることがあるからです。
もし仮に、こういった事態が複数回明るみに出てしまうと、いくら空室対策だったとはいえ「知らなかった」では済まされなくなります。
ですから、このあたりのことは、事務的な態度で、在留資格と在留期限が確認出来る【在留カード】【パスポート】はもとより、万が一の時のために連絡が取れるように【就労証明書】や【在学証明書】を必ず確認させてもらい、コピーも取っておくことが重要です。
また、注意点としては、入居契約時は有効の在留カードだったとしても、日本での在留期限が賃貸契約期間中に切れてしまいそうな場合は、更新日についてもしっかりと確認をしておきましょう。
4-1.不法滞在の外国人が勝手に住んでしまっているケース
賃貸契約を結んだ外国人の入居審査に問題がなかったとしても、中には勝手に不法滞在中の外国人がいっしょに住んでいたということがあるので気をつけなくてはいけません。
実際にあった事例ですが、不動産管理会社から家賃滞納の連絡を受けて、賃貸オーナー自らも物件を見に行ったところ、物件の駐輪場に住人の数の倍以上の自転車が止められていたことから、調べた結果、入居審査を受けていない外国人が複数人住んでいたことが分かったそうです。
さらに夜中に騒いだり、外国人同士の喧嘩などで警察沙汰になったり、ゴミの分別をしない、土足で部屋に上がっているなどのトラブルが続々と判明し、優良な入居者が集まらなくなってしまったそうです。
アパートローン返済のために属性の良くない外国人入居者の受け入れをしていたようですが、それでも空室が出るようになり、最終的にキャッシュフローが確保できなくなったそのオーナーは、渋々、物件を売却することにしたという顛末でした。
もちろん全ての外国人入居者がこうだと言うつもりは毛頭ありませんが、たとえ入居審査に問題がなかった外国人入居者でも、そのまわりに不法滞在や不法労働をしている友人がいる可能性はあります。
こうしたトラブルを回避するには、やはり外国人入居者の管理実績がある不動産管理会社で管理をしてもらうのがベストだということです。
外国人入居者に対するしっかりとした管理ノウハウを持ち、空室対策ができる管理会社であったら、上記の賃貸オーナーも普段から適切なアドバイスが受けられた可能性もあったかもしれませんし、このような問題は起きなかったことも考えられます。
まとめ
アパート経営を行う中で一番のネックとなる空室問題を解消するための一つの方法として、外国人入居希望者を受け入れることは、それを解決できる有効な手段です。
とは言え、外国人入居者は、日本の教育を受けていたわけでは当然ありませんし、文化の違いや言葉の壁といった問題から生まれる理解不足やスレ違いがもとで、トラブルが多いと言われているのも事実です。
空室解消のために、外国人入居者を受け入れたいのだけれど、結局断っているというご選択をされている賃貸オーナー様も少なくないでしょう。
しかし、2021年東京オリンピック開催によるグローバル化推進や外国人労働者の雇用拡大という政府の後押しもあったこと、新型コロナが一応の収束をみたことから、外国人入居希望者を受け入れる賃貸住宅の需要は再度に高まっていくことが考えられます。
トラブルの未然防止が出来さえすれば、安定した経営や利益の黒字化ができるばかりでなく、国際交流の観点からも、入居先に困っている外国人が助かる側面もあり、さまざまなメリットがあります。
しっかりとした対策を取りながら賃貸経営戦略の一つとして外国人入居希望者の受け入れを検討してみるのも賢い選択肢と言えないでしょうか。
▼イエカレでは土地活用や不動産管理に関する記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
土地活用に関する記事:https://plus-search.com/chintai/archives.php
賃貸管理に関する記事:https://plus-search.com/property_management/archives.php
家の貸し出しに関する記事:https://plus-search.com/relocation/archives.php
不動産売却に関する記事:https://plus-search.com/fudousanbaikyaku/archives.php
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この記事について
(記事企画/監修)イエカレ編集部
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