少子高齢化はもう目の前。時代を乗り切るアパート経営


以前から社会問題となっている少子高齢化ですが、今後はその傾向がさらに顕著に現れてくることが予測されています。
そのため、これからのアパート経営は、そういった時代背景を見越したうえで成功のための計画を立てていかなければなりません。
ここでは、少子高齢化が進むこの時代を乗り切るためのアパート経営術についてご紹介します。

この記事を読むのにかかる時間:8分


まずは、少子高齢化の現状について見てみましょう

2050年までに予想される人口の変化

少子高齢化が社会問題として取り上げられるようになってもう何年も立ちますが、ご存知の通り、この問題は今後ますます深刻になっていくことが予想されています。
国土交通省が2016年3月に発表したデータによると、日本の総人口は2050年までに、1億人を割ると考えられています。
そして、その人口の変化を年齢別に見てみると、東京圏、名古屋圏、大阪圏、地方圏の全ての地域において、若年人口と生産年齢人口が減少し、反対に高齢者は増加し続けています。
特に、地方圏における生産年齢人口の減少は深刻で、2050年までにはその数が現在の約6割程度に、そして2060年には約半分になってしまうと予測されています。

▶ 2050年までに人口が半減する地点が6割以上!?

国土交通省が発表したデータによると、全国を1平方kmごとの地点でみた場合、2050年までに人口が半減してしまう地点が全体の6割以上になることがわかります。
人口が増加する地点もないわけではありませんが、その地点は大都市圏に集中しているうえ、全体のわずか2%程度にすぎません。
全体の人口が減少するうえ、地域によっては人口が半分以下になる可能性が高いとなると、アパート経営のやり方や戦略についても考え直してみる必要がありそうです。

あわせて読みたい
不動産投資をする上で押さえておきたい2023年問題や2025年問題について解説"

不動産投資をする上で押さえておきたい2023年問題や2025年問題について解説

今回は不動産投資をする上で押さえておきたい2023年問題や2025年問題について。また現在の不動産情勢について不動産の種類ごとにその現状を紹介します。複雑化する不動産市況で投資方法を決断する上で必要なことをお伝えします。

少子高齢化についてはわかりましたが、アパート経営に与える影響はどうでしょう

少子高齢化がアパート経営に与える影響

では、少子高齢化が深刻になってきた場合、不動産業界にはどのような影響があるのでしょうか。

▶ 空室問題が深刻化

現在アパート経営をしている方の多くは、学生や社会人など、いわゆる生産年齢に該当する人をターゲットとしています。
しかし少子高齢化が進んで生産年齢人口が減少すると、入居希望者の絶対数が減少して深刻な空室問題が起こることが予想されます。
上述のように地方圏では、生産年齢人口が半分以下になってしまう地域が沢山あります。
そのため何も対策を考えないでいると、2050年には入居者が全く入らずアパート経営が立ち行かなくなる、という可能性も十分考えられます。

▶ 住むところがない高齢者が増える

少子高齢化が深刻化すると、住む家がない高齢者が増加することが予想されます。

というのも現在行われている入居審査では家賃滞納や孤独死などのリスクを回避するため、高齢者は審査に通りにくい傾向にあります。
するとその結果、病院を退院した高齢者や施設への入居待ち状態にある高齢者が、住む家を見つけられなくなってしまう可能性があるのです。

ただこれら現象は、別の側面から見ると大きなチャンスとなる可能性もあります。
高齢者向けのサービスを意識した戦略を立てることで、この少子高齢化時代をアパート経営者として生き抜く希望が見えてくることがあるのです。

あわせて読みたい
不動産投資で地方都市の物件を買う魅力は?おすすめポイントやメリットを解説"

不動産投資で地方都市の物件を買う魅力は?おすすめポイントやメリットを解説

地方都市への不動産投資が手をつけやすいとして人気を集めています。不動産価格が都市部より安いためです。地方都市で不動産投資に成功するためには利点と危険性を知る必要があります。2023年以降におすすめの地方都市とポイントを紹介します。

それではどう乗り切れば良いのでしょうか

少子高齢化の時代を乗り切るアパート経営術

少子高齢化時代を乗り切るには、生産年齢の人を対象とした従来のアパート経営から、高齢者を対象としたアパート経営にシフトしていく必要があります。
そして、高齢者向けのアパート経営手法としておすすめしたいのが、「高齢者向けサービス付き住宅」、いわゆる「サ高住」という不動産運用形態です。

▶ 空室対策に効果的

高齢者向けサービス付き住宅とは、バリアフリー完備であったり、生活相談員や介護士による生活支援サービスを受けられたりと、高齢者が住みやすい環境にある住居のことをいいます。
通常の賃貸物件では入居者が見つかりにくい場合、「介護サービス」や「バリアフリー」といったオプションをプラスすることで、その価値が高まり、入居者が見つかりやすくなる可能性があります。

つまり、高齢者向けサービス付き住宅の運営は、空室対策になるのです。

▶ 郊外などの二等地でも経営できる

通常のアパート経営では、物件の立地や周辺の環境が非常に重要になってきます。
これに対して、高齢者向けサービス付き住宅の場合、入居者の多くは要介護者もしくはそれに準ずる状態にあり、外出願望などは少ない傾向にあります。
そのため、通常であればアパート経営が難しい郊外やアクセスの悪い土地でも、高齢者向けサービス付き住宅であれば経営しやすいといえます。

あわせて読みたい
不動産における2015年問題とは?団塊の世代が不動産に及ぼす影響

不動産における2015年問題とは?団塊の世代が不動産に及ぼす影響

2015年は不動産業界において重要な年と言われています。それは団塊世代が65歳となる節目の年だからです。2015年を境に世帯数も減少していくと言われています。これが不動産、とりわけ賃貸の世界でどのような影響を及ぼすのでしょうか?

この記事のまとめ


【時代に適応したアパート経営をしよう】
・2050年までに、日本の少子高齢化はますます加速していきます。
・これからのアパート経営は、高齢者を対象としたものにシフトしていく必要があります。
・高齢者向けのアパート経営術としては、高齢者向けサービス付き住宅を運営する、という方法をおすすめします。

アパート経営を成功へと導くには、時代の変化にしっかりついていかなければなりません。
現在満室でも数年後にはどうなるかわからないという危機意識を常に持ち、今後の戦略について考えておくことが大切です。

イエカレについて
イエカレとは-イエカレの取り組みについて

イエカレとは-イエカレの取り組みについて

イエカレとは、日本最大級の不動産の総合比較サイトです。皆さまの不動産に関する不安やお悩みを解決できるように、不動産コラムを通じて、日々最新の不動産情報の発信や、一括無料査定サービスの提供などに取り組んでいます。

Copyright (C) EQS ,Inc. All Rights Reserved.

賃貸経営の基礎知識の関連記事

【賃貸経営の基礎知識】アパートやマンション経営に必要な費用について徹底解説
【賃貸経営の基礎知識】アパートやマンション経営に必要な費用について徹底解説 公開
アパート経営で防災に備えておきたいこと!|不動産管理会社の一括比較情報サイト【イエカレ】
アパート経営で防災に備えておきたいこと!|不動産管理会社の一括比較情報サイト【イエカレ】 公開
【アパート経営】アパートやマンションの建築費について
【アパート経営】アパートやマンションの建築費について 公開
アパート・マンション経営で建築費高騰・原材料高騰で建築会社が工夫している7つのこと!
アパート・マンション経営で建築費高騰・原材料高騰で建築会社が工夫している7つのこと! 公開
傾斜地や路地状敷地(旗竿地)でアパート建築はできる?土地活用法を解説
傾斜地や路地状敷地(旗竿地)でアパート建築はできる?土地活用法を解説 公開
再建築不可といわれた土地の活用方法はどうやる?対策を解説!
再建築不可といわれた土地の活用方法はどうやる?対策を解説! 公開
乗り切ろう!アパート・マンション経営の建築費高騰を乗り切る秘訣とは
乗り切ろう!アパート・マンション経営の建築費高騰を乗り切る秘訣とは 公開
【賃貸経営の基礎知識】地価公示の概要と公示価格が与える賃貸需要への影響について
【賃貸経営の基礎知識】地価公示の概要と公示価格が与える賃貸需要への影響について 公開
【アパート経営の基礎知識】土地診断の重要性について
【アパート経営の基礎知識】土地診断の重要性について 公開
不動産投資で地方都市の物件を買う魅力は?おすすめポイントやメリットを解説
不動産投資で地方都市の物件を買う魅力は?おすすめポイントやメリットを解説 公開
不動産投資をする上で押さえておきたい2023年問題や2025年問題について解説
不動産投資をする上で押さえておきたい2023年問題や2025年問題について解説 公開
ZEH(ゼッチ)基準と在宅勤務仕様でアパート・マンション経営を差別化する
ZEH(ゼッチ)基準と在宅勤務仕様でアパート・マンション経営を差別化する 公開
【経営が厳しいアパートやマンション】建て替え・売却・管理会社変更。どれが経営再建策になり得るか?
【経営が厳しいアパートやマンション】建て替え・売却・管理会社変更。どれが経営再建策になり得るか? 公開
田舎で可能な土地活用法とポイントを徹底比較!
田舎で可能な土地活用法とポイントを徹底比較! 公開
アパート・マンション経営の減価償却費を知って経費をコントロールしよう!
アパート・マンション経営の減価償却費を知って経費をコントロールしよう! 公開
土地活用ランキング20選!バランスの良い総合力の高い活用方法とは?
土地活用ランキング20選!バランスの良い総合力の高い活用方法とは? 公開
土地活用は立地で決まる!10パターンの立地と適した活用方法とは
土地活用は立地で決まる!10パターンの立地と適した活用方法とは 公開
土地活用業界ランキングと業界の新たな動きと今後の展望とは
土地活用業界ランキングと業界の新たな動きと今後の展望とは 公開
短期でできる土地活用には何がある?20個のアイデアを紹介
短期でできる土地活用には何がある?20個のアイデアを紹介 公開
土地活用として商業施設を建てるために重要な4つのポイント
土地活用として商業施設を建てるために重要な4つのポイント 公開