【イエカレ】空室対策のひとつ"フリーレント"とは|そのメリット・デメリットを解説


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このコラムのポイント

賃貸経営において空室対策は重要な課題です。その中でも、空室がなかなか埋まらず悩んでいる大家さんにとって、「フリーレント」は、新規入居者を獲得するための効果的な方法として注目されています。

しかし、入居希望者にとって魅力的な条件になるため、早期に入居が決まる可能性が高まります。とはいえ、家主側の収益や契約内容には注意が必要です。

本記事では、フリーレントの基本的な仕組みから、オーナー・入居者双方にとってのメリット・デメリット、注意点まで詳しく解説します。フリーレントを上手に活用して、空室リスクを最小化しましょう。


まずは「フリーレント」の概略からご案内します!

月額家賃を下げずに空室を埋める!それがフリーレントです。

フリーレントとは何か。 わかりやすく言えば、オーナー様が設定した期間家賃が無料になるシステムです。

例えば、「フリーレント1か月」と表示されている物件なら、契約後1か月は家賃が発生しません。 物件によってフリーレントの期間は異なりますが一般消費者向けの物件の場合は1~2か月が相場のようです。 いわゆる事業用物件なら半年などの長いスパンで設定されている場合もあります。

空室を埋めるために「家賃を下げる」「敷金・礼金を安くする」といった方法をとることが良くあります。 しかし、この方法では既に入居されている方からの不満が出るリスクがあります。

また家賃を下げるという事は建物の不動産価値を下げるという事になります。 アパート・マンションを売却する時など家賃の相場が基準になることもありますのでこういったリスクは避けておきたいところです。

そこで空室対策として「家賃は下げませんが数か月分の家賃を無料にします!」というフリーレントが注目されるようになりました。

では、フリーレントのメリットから詳しくご説明します。

フリーレントのメリット!「借り手側」と「オーナー側」

それではフリーレントのメリットについて詳しくご説明しましょう。

まず「借り手側」のメリットは次の2点です。

▶初期費用が安く抑えられる。
アパート・マンションなど賃貸住宅を借りる場合には「(例)敷金2ヶ月・礼金2ヶ月・仲介手数料・前家賃1ヶ月・火災保険など」とかなりまとまったお金が必要になります。
フリーレント1ヶ月という物件であればこの「前家賃1ヶ月」が無料になります。

▶早めにいい物件を押さえられる。
いい物件を見つけたが今すぐ入居は出来ないからといった時でもフリーレント期間があれば先に押さえておくこともできます。

このため、学生など初期費用を安く抑えたい層をターゲットにしている物件で、このフリーレントのシステムが取り入れられていることが多いです。

では「貸し手=オーナー側」のメリットはどうでしょう。
オーナー側のメリットは次の2点があります。

▶入居者を集めやすいので、空室率が下がる。
入居者にとって分かりやすくメリットがあるので決めてもらえる可能性が上がります。

▶入居者がいないからといって、家賃を下げる必要がない。
家賃を下げなくても入居者のメリットは十分にありますので、「家賃を下げる」というリスクの高い方法をとる必要が無くなります。

複数の入居者がいる場合、一人の入居者の家賃を下げると他の入居者から不満が出ることがあります。 その場でご納得いただいても、契約更新の際に家賃交渉をされることになるでしょう。 そのため、家賃を下げずにフリーレントで対応するという方法は有効であるということは間違いないといえるのです。

そんなフリーレントにもデメリットはあります。次はデメリットについてご説明します。

フリーレントにもデメリットがあります。

フリーレントのメリットについてはご説明しましたが、デメリットとはないのか?とお思いではないでしょうか。 そこで、ここではフリーレントのデメリットについてもきちんとご説明します。

まず「借り手側」のデメリットです。

短期間で退去すると違約金が発生する可能性があります。 ほとんどのフリーレント契約書には「半年、1年、2年」と期間は違いますが途中退去の入居者に対して違約金の支払いを義務付ける条項が入っています。

また、フリーレントのシステムを採用する場合、フリーレントを採用しない場合と比較して著しく家賃収入が異ならないような水準に家賃を設定し直します。 このため、一見借り手側にとって得に見えても、実はそうでもなかったというケースがあるのです。

その他注意点としては、 一見、フリーレントは1か月分の家賃を支払わなくていいことから、魅力のある物件に映るかもしれません。 たしかに、家賃10万円の物件を24か月間借りた場合の家賃で比較してみると、10万円の差があります。 しかし、安いのは家賃だけであって、管理費や共益費はしっかり掛かってくることを覚えておきましょう。


そして「オーナー側」のデメリットは、 本コラムがここまでに述べてきた内容を包み隠さずに入居希望者に話素必要がある、ということです。

貸し手側には、家賃のシステムに関する説明をしっかりする義務があります。 その際、フリーレントの長所と短所について、納得のいく説明を入居希望者にできる力量がないといけません。 その力量がない場合、かえって入居者から「フリーレントって、正直どうなの?」と不信感を抱かせる原因になります。

フリーレントにはさまざまな利点もありますが、通常の契約以上に、貸し手側の良心と説明責任が問われる手法である、と認識してください。

この記事のまとめ

フリーレントは、家賃の一定期間を無料にすることで入居者の初期負担を軽減し、空室を埋める効果的な手段です。

借り手を集める魅力としては十分であるといえる一方で、オーナー側には収入減や短期解約リスクといったデメリットもあります。

実施の際は、空室対策の有効性はあるので既存の入居者とのバランスを見た上で、物件や周辺環境に合わせた期間設定や条件を慎重に検討し、管理会社と相談して計画的に運用することが重要です。

適切に活用すれば、フリーレントは空室改善と入居者獲得に大きく貢献する施策となります。

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