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【イエカレ】アパート経営の初期費用から老朽化対策まで|空室対策も含めたリスクヘッジ策を紹介
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目次
1.土地活用でアパート経営を始めるために必要なことと具体的な流れ
アパート経営は数ある土地活用法の中でも特に人気が高いですが、適当に始めて成功するほど簡単なものではありません。 経営後のリスクを抑えるためにも、アパート経営を始めるにあたって必要な心構えや下準備を行っておきましょう。
1-1.リスクを知ることが大切!アパート経営に必要な心構え
アパート経営を始めるにあたって何よりも大事なことは、メリットよりもリスクに着目し、然るべき対策を取っておくことです。 確かにアパート経営はメリットも多いのですが、それはあくまで経営が成功した時の話で、もし軌道に乗らなかった場合は損失を被ることになります。
特にメリットにばかり目を向けていると、周辺環境のニーズに合わない物件を建ててしまったり、思った以上に入居率が上がらなくて慌てふためいたりする原因になります。
一方、アパート経営で起こりうる可能性のあるリスクに初めから目を向けていれば、損失やトラブルを未然に防ぐ手立てを打っておくことが可能です。
「空いた土地があるからアパート経営を始めよう」ではなく、「空いた土地を上手に活用するにはどのようなアパート経営を始めれば良いか?」という意識を常に念頭に置いて下準備を行うのがアパート経営を成功させる第一歩となります。
1-2.土地探しから入居者募集まで!アパート経営を始めるまでの流れ
まだ土地を持っていない方はもちろん、すでに土地を所有している場合でも、実際にアパート経営を始めるまでにはいくつかのステップを踏む必要があります。
以下ではアパート経営を始める際の土地探しから入居者募集までの一連の流れを紹介します。
1-2-1.アパート経営に必要な情報を集める
これまで不動産経営をした経験がない方は、まずアパート経営に必要な情報を集めることから始めましょう。
後述するアパート経営のメリットやリスクを始め、費用の計算方法など基本的な知識を学んでおくことは大前提となります。
本やネットなどで独学するほか、企業が実施している無料セミナーなどに参加して学ぶのもひとつの方法です。
1-2-2.不動産仲介会社などとも相談しつつ土地のリサーチを行う
まだ土地を持っていない方は、アパートを建てる場所選びから始める必要があります。 入居率を重視するなら駅からの距離が近い場所を選びたいところですが、立地の良いところは地価も高いので、予算との兼ね合いを考えなければなりません。
初心者が一人で土地を選ぶのは難しいので、ある程度エリアを絞ったら、土地の売買を行っている不動産仲介会社などに相談してアドバイスをもらうと良いでしょう。
1-2-3.建築会社や工務店などに相談・見積もりを依頼する
土地が決まったら、アパートの建築や経営プランの提案などを行ってくれる業者を探しましょう。 まずはアパート経営プラン検索サービスなどを利用し、複数の業者から提示された経営プランに目を通して、魅力的に感じた業者とコンタクトを取ります。
ある程度の予算や希望を伝えれば、プロの観点から適切なアドバイスを提供してくれるので、初心者でも具体的なアパート経営計画を立てられます。
1-2-4.アパート経営プランをもとに金融機関にローンを申し込む
作成したアパート経営プランをもとに、金融機関にローンの申し込みを行います。アパートローンの場合、金融機関側は経営計画の出来を重視しますが、プロと一緒に考案したプランなら審査をパスできる可能性は高いでしょう。
1-2-5.アパート建築と入居者募集を行う
融資を受けられることになったら、アパートの建築に着工すると同時に、入居者募集をスタートします。 入居者の募集は不動産会社に委託するのが一般的ですが、その後の管理も任せたい場合はアパート管理事業も行っている業者を選ぶのがポイントです。
2.アパート経営に必要な初期費用と維持・管理費
アパート経営の資金は物件の建築費のみならず、諸手続の費用や維持・管理費なども考慮する必要があります。 土地の有無や建築するアパートの構造などによっても違いが出てくるので、状況別に必要な費用の目安を紹介しましょう。
2-1.すでに土地を持っている場合にかかる初期費用は2,500万円~が目安
相続などですでに土地を持っている場合、アパート経営にかかる初期費用はアパート建築費+諸費用のみで済みます。 アパート建築費に関しては規模や設備などによって異なりますが、一般的な坪単価の参考価格は以下の通りとなります。
- * 木造:約40~60万円/坪
- * 鉄筋造:約50~80万円/坪
- * 鉄筋コンクリート造:約70~100万円/坪
アパートを建築するのに必要な土地面積は地域によって異なりますが、たとえば200㎡(約60坪)の土地に木造アパートを建築する場合、費用は2,400万円~3,600万円程度と予想されます。
一方、仲介手数料や不動産取得税、登録免許税、火災保険といった諸費用は購入費の7~8%程度かかるとされているため、トータルの初期費用は約2,560万円~約3,880万円となります。
2-2.新しく土地を購入する場合の初期費用は7,000万円~が相場
アパート経営のために新しく土地を購入する場合、上記の金額に加えて土地の購入費が必要となります。 建物とは違い、土地の価格は地域によって大幅に異なるので一概にいくらとは言えませんが、たとえば住みたい街ランキングで上位にランクインしている横浜市の平成31年度の地価は22万8千円/㎡となっています。[注1]
仮に200㎡の土地を購入するとなると、4,560万円の土地購入費が必要となり、建物と合わせると7,000万円~8,000万円ほどの費用を用意しなければなりません。
都市圏ほど地価は高く、地方に行くほど安くなりますので、国土交通省が毎年発表している地価公示を参考に計算するとよいでしょう。
2-3.税金や修繕費などアパート経営にかかる維持・管理費
アパート経営では、初期費用とは別に維持・管理費が必要となります。 維持・管理費の代表的な項目としては、電気代や水道代、エレベーターのメンテナンス費用、共用部分の清掃費などで、これらはアパート経営をしている間、毎月支払わなければなりません。
一方、アパートが経年劣化してきた場合は修理・修繕が必要となるため、別途メンテナンス費用がかかります。 こちらは毎月発生するものではありませんが、外壁や屋根などが傷んできた場合は大規模な修繕が必要となるため、一度に出て行く費用も大きくなります。
こうした実費に加え、アパート経営をしていると固定資産税や都市計画税、所得税、住民税といった税金が課せられることがあります。固定資産税や都市計画税は不動産を所有している人すべてに支払い義務がありますが、所得税と住民税に関してはアパート経営で利益が出た場合のみ支払い義務が生じます。
家賃収入から諸経費を差し引いてマイナスになった場合は所得税・住民税を支払う必要はありません。
特に新しくアパートを建築した場合、固定資産税の取得費用を分割計上する減価償却を利用することができるため、家賃収入より経費が上回るケースは多いでしょう。
3.安定収入や節税効果を見込める!土地活用でアパート経営を始めるメリット
土地活用の方法はいろいろありますが、アパート経営を始めると以下のようなメリットが期待できます。
3-1.安定した家賃収入を得られ老後の私的年金代わりとしての活用も可
アパート経営が順調にいけば、毎月自動的に家賃収入を得ることができます。 定期的にメンテナンスすれば数十年にわたってアパート経営を続けることができるため、老後の私的年金代わりとして活用することも可能となっています。
3-2.減税措置による節税効果が期待できる
土地や不動産を所有していると毎年固定資産税や都市計画税を納税する必要がありますが、住居用の建物を建てた場合、減税措置が適用されます。減税額はアパートの規模にもよりますが、200㎡までは通常の1/6、200㎡を超えた場合は通常の1/3にまでカットされます。
なお、所有物件が市街化区域に指定されている場合は別途都市計画税が課税されますが、こちらも200㎡までは1/3、200㎡超は2/3に減税されるので、節税効果は抜群です。
3-3.団体信用生命保険に加入することで生命保険代わりになる
アパートローンで物件を建築した場合、団体信用生命保険(団信)に加入する義務が生じます。 団信に加入していると被保険者が万一亡くなった場合にローン残債がゼロになるため、遺族に負債が残る心配はありません。 もちろんアパートはそのまま財産として残るため、生命保険代わりとして活用することができます。
なお、遺産を相続する時は相続税が発生しますが、賃貸物件が建っている土地(貸家建付地)は更地に比べて評価額が下がるため、土地をそのまま相続するより遺族の負担を軽減できるところも魅力です。
3-4.「物」を所有・運営する投資方法なのでインフレ対策になる
日本では物の値段が下がり、経済全体が収縮していくデフレが長期にわたって続いてきました。 そのため、現代日本ではデフレ脱却を目指してさまざまな施策が行われており、今後、物の価値は上昇傾向に向かうことが予測されています。 物の価値が上がると、お金の価値は相対的に低くなるので、資産を現金のまま保有していると価値がどんどん目減りする可能性があります。
その点、アパート経営は不動産という「物」を所有・運営する投資方法なので、インフレに強く、資産としての価値も十分見込むことができます。
3-5.物件を売却できる可能性もあり
賃貸アパートはたとえ中古であっても、リフォームやリノベーションでよみがえらせることができるため、物件を売却しても買い手がつきやすい傾向にあります。
何らかの理由で運営が難しくなった、もしくは現金が必要になった場合、アパートを売却するという選択肢があるのはひとつの強みでしょう。
ただ、不動産の売却額は一般的に購入資金より低くなるため、物件を手放しても負債が残る可能性が高くなります。 安易な売却をすると資金を作るどころか、逆に負債を抱え込んでしまうおそれがあるので注意しましょう。
4.空室対策や老朽化対策は必須!土地活用でアパート経営を始める際のリスク
アパート経営に限らず、不動産経営にはそれなりのリスクがあるため、何らかの対策を講じる必要があります。 ここではアパート経営における主なリスクを5つ紹介します。
4-1.空室リスクが常につきまとう
アパート経営を続けていく間、常につきまとうのが空室リスクです。
空室率は地域や周辺環境などによって異なりますが、最も空室率の低い東京でも14.5%、最も空室率が高い福井県では30.1%に及んでいます。[注2]
特に最近はアパート経営の人気向上にともない、競争が激化してきているので、入居率アップにつながる空室対策は必須となります。
4-2.新築物件を建てる場合は最低2,500万円程度と初期費用が高い
アパート経営を始める際の初期費用は不動産を所有する地域や物件の規模、土地の有無などによって異なりますが、新築物件を建てる場合、最低でも2,500万円程度の初期費用がかかります。
たいていの人はアパートローンを組んで建築することになりますが、融資を受けるにはしっかりした経営計画の提示もさることながら、それなりの年収や手持ちの資金が必要となります。 特に土地なしで始める場合は2倍以上の購入費用が必要となるため、頭金の用意をしておいた方が良いでしょう。
4-3.経年劣化による老朽化リスクがある
新しく建てたばかりのアパートはきれいで頑丈ですが、年数の経過とともにあちこちが傷み始め、老朽化が進んできます。
ちょっとした修繕ならそれほどコストはかかりませんが、大規模な修繕を行う場合は多額のリフォーム費用がかかるため、毎月の維持・管理費用とは別に修繕費を積み立てていく必要があります。
4-4.台風や火災・地震などの災害リスクがある
日本は台風や地震といった自然災害の発生率が高く、いつどこで大規模災害が発生してもおかしくありません。 近年は建築技術の発達にともない、建物の耐久性は飛躍的に向上していますが、万一の場合に備えてより耐震性・耐火性に優れたアパートを建築するのが望ましいでしょう。
あわせて、火災保険や地震保険に加入し、もしもの場合に備える必要があります。
4-5.住民トラブルが発生することがある
アパートのように他人同士が密集して生活する場所では、往々にして住民トラブルが発生しがちです。
例えば、深夜まで騒音がする、ゴミ捨てルールを守らない住民がいる、ペット禁止なのに犬猫を飼っている世帯があるといったことが挙げられます。
こうしたトラブルを放置していると退去者が増え、空室問題が深刻化するおそれがあります。
管理会社と契約している場合はこうしたトラブルにも対応してもらえますが、オーナーにも定期的に現地を訪問してトラブルがないか確認したり、住民と適度なコミュニケーションを取ったりする努力が求められます。
5.入居者ニーズの把握や管理会社選びが成功の鍵!土地活用で成功するためのポイント
土地活用で成功するためには、さまざまなリスクに対応できる体制を整えたり、リスクを回避するための工夫をこらしたりすることが大切です。
ここではアパート経営で失敗しないためのポイントを3つ紹介します。
5-1.入居者ニーズに合わせた経営を行う
入居率100%を目指すためには、入居者のニーズを的確につかみ、それに合わせたアパート経営を行う必要があります。
たとえば近隣に大学がある場合は、一人暮らしの学生が入居する確率が高いので、手頃な価格で借りられるワンルームアパートの需要が高いと予測されます。
あわせてインターネット無料サービスや宅配ボックス、モニター付きインターホンなどをつけると付加価値が高くなり、競合物件より魅力的なアパートに仕上がります。
一方、幼稚園や小学校、公園、スーパーなどが手近にある環境ならファミリー世帯の入居が見込まれるため、やや間取りの広いアパートが好まれるでしょう。 世帯人数の多いファミリー層ではお風呂の追い炊き機能や浴室乾燥機といった便利設備の人気が高いので、予算と相談しながらリフォームしてみるのもひとつの方法です。
こうしたターゲットの読み取りを行うには、その地域の人口構成を調べる方法も有用です。
たとえば内閣設置の「まち・ひと・しごと創生本部」が提供している地域経済分析システム(RESAS)を利用すれば、市区町村単位で人口の推移や人口ピラミッド(性別・世代別の人口グラフ)を検索することが可能です。
表示年は1980年から5年毎ですが、直近だけでなく、2045年の推測値もチェックできます。
アパート経営は一般的に長期間にわたって行うものなので、将来の人口推移を見据えて経営戦略を練ってみるのもよいでしょう。
5-2.多額の負債を抱えないよう綿密な事業計画を立てておく
アパート経営を始めるには多額の初期費用が必要となるため、綿密な事業計画を立てないと多額の負債を抱えてしまうおそれがあります。
そもそもアパートローンの審査でも、金融機関に提出する事業計画書の内容が重視されますので、安定した経営と無理のないローン返済の計画を打ち立てることが大切です。
事業計画を立てるにあたって重要な収支の割合は利回りの計算によって求められますが、年間家賃収入を物件購入費で割っただけの「表面利回り」では諸経費が計算に入っていないため、実際の運用とは大きくかけ離れてしまいます。
そのため、事業計画を立てる時は、以下の計算式で求められる「実質利回り」を採用しましょう。
なお、アパート経営では修繕費や空室が出た場合の損失なども考慮しなければならないため、突発的な支出があっても対応できるよう、余裕のある事業計画を立てることが大切です。
5-3.管理会社選びは複数の候補先から話を聞き慎重に行う
アパート経営では入居者の募集に始まり、設備の保守点検や共有部分の清掃、トラブルやクレームへの対応などさまざまな管理業務を行わなければなりません。 これらすべてをオーナー1人でまかなうのは困難ですので、管理会社に管理業務を委託するのが一般的です。
管理会社は多数存在しますが、複数の候補先から話を聞き、じっくり比較検討して選ぶのがポイント。 選択基準は人によって異なりますが、何かあった時に迅速に対応してもらうには、レスポンスの早さが必要不可欠となります。
また、その地域に精通している管理会社は入居者を獲得するためのノウハウにも長けているため、空室対策をする時に頼りになります。
複数の管理会社を訪問するのは手間ひまかかりますが、質の悪い管理会社と契約してしまうとアパート経営に支障が出る可能性大なので、妥協せずに選ぶことが大切です。
まとめ
アパート経営は安定した収入の確保や節税効果などが見込めるため、土地活用の方法としては非常に有用です。
ただ、空室や災害、住民トラブルなどさまざまなリスクもはらんでいますので、アパート経営を始めるのならこれらのリスクを回避するための対策をしっかり練っておくことが大事です。
リスクの少ないアパートはオーナーだけでなく、入居者から見ても魅力的な物件となりますので、一石二鳥の効果が期待できるでしょう。
【初回公開日2017年7月10日】
この記事について
(記事企画/監修)イエカレ編集部
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