「アパート経営はするな」と言われる3つの理由と対策案

これから不動産投資としてアパート経営を始めたいと考えている方の中には、「アパート経営はするな」といった趣旨の記事を見かけたことがあるという方も少なくないでしょう。

アパート経営のみならず、マンションや戸建て等の賃貸経営は成功するとリターンが多く、老後も安定した生活が約束されます。しかし失敗に終わってしまったというケースも、決して珍しい話ではありません。

ではなぜ「アパート経営はするな」と言われたり、アパート経営に失敗してしまったりするのでしょうか。それには、さまざまな問題点や理由が存在します。

そこで今回は、アパート経営はするなと言われる理由についてご紹介します。あわせて、それぞれの対策案も解説しているため、アパート経営を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

1.【理由①】収入減・対策費用増の空室リスクがある

アパート経営をするなという主張の理由として最も多いのが、「空室リスク」に関するものです。

アパート経営は入居者を確保して家賃収入が入ってきて初めて成立するものであるため、入居者が見つからず空室率の高さが目立つようでは、アパート経営が立ち行かなくなってしまいます。

空室が増えると、当然空室となっている部屋の家賃収入を得ることができず、利回りにも大きく影響します。空室期間が長引くと赤字経営となってしまうため、修繕工事やメンテナンスに関する資金が用意できない、という事態も考えられます。
そうなれば、せっかく入居してくれている方の対応もままならなくなってしまい、退去者が増えてしまうかもしれません。

1-1.【対策案】事前の情報収集で空室リスクを回避しよう

上記のようなリスクは、事前の入念な情報収集によって回避することができます。
たとえば大学の近くに物件がある場合、学生や職員の需要が高く容易に満室にできそうにも思えます。
しかし、その大学が辺鄙な場所にある場合、アルバイトをしたり遊びに行ったりするのに不便であるという理由から、大学の近くで部屋を借りない学生も少なくありません。

そのため、アパート経営をする際は、「学校が近いから」「近くに大企業があるから」といった事実だけでなく、そこに通う人たちがその地域に部屋を借りようとしているのかということについてまで、しっかり情報収集しておくことが大切です。
入居者の特徴や物件の立地についてあらゆる可能性を想定し、最適な空室対策を行えば、予想外の理由による空室率の増加を防ぐことができます。

2.【理由②】借入額が多く資金繰りが悪化する可能性がある

「アパート経営はするな」と言われるもう一つの原因には、資金繰りに関する問題点も挙げられます。

不動産市場は流動的なものであり、かつては交通の便が良く好立地であるとされていた物件も、大型商業施設の進出などによる街の中心地の変遷により、人気が落ちて入居者が見つかりにくくなることがあります。

物件オーナーは賃料を下げることで入居者を確保しようとしますが、建物の管理費や修繕費などの支出は変わらないため、資金繰りが苦しくなってくる可能性があります。

2-1.【対策案】環境の変化を想定したシミュレーションでリスクを回避しよう

上記のようなリスクを回避するためには、アパート経営を始める前に行う運用シミュレーションにおいて、物件周辺の環境が変化することについても想定しておく必要があります。

物件が満室の場合だけでなく、ある程度空室が出た状態での運用について、あらかじめシミュレーションしたうえで資金計画を立てることで、資金繰りの甘さによる失敗を防ぐことができるからです。

また「自己資金がなくてもアパート経営を始められる」という謳い文句もよくあります。しかし安定した黒字経営を目指すためには、経営する賃貸物件、すなわち収益物件を購入する際の銀行での不動産投資ローンは、フルローンを避けておきましょう。
最低でも3割の資金があると良いとされていますが、成功する大家さんの中には5割以上の頭金で余裕を持って初期費用を用意したという方もいます。

アパート経営をする際は、良いことも悪いことも含めて、あらゆる可能性を想定しておくことが大切です。

3.【理由③】収益物件購入後時に目先の利益を追っていまいがち

アパート経営をするための物件を探しているときに満室状態の物件を見せられると、「この物件は収益性が高い」と判断し、すぐに飛びついてしまいがちです。

しかし、不動産業者の中には物件を売却してしまいたいという理由から家賃を下げて入居者を確保し、「満室物件」を無理やりつくって営業しているというケースもあります。

そしてこの場合、物件を購入してみたら修繕費用などの必要経費が家賃収入に比べて多く、利回りがかなり悪くなってしまったり、赤字になってしまったりする可能性があるのです。

3-1.【対策案】なぜ満室なのかよく考えてみよう

ここでの問題点は、「満室」の魅力に飛びついてしまったことにあります。
満室の物件を購入すること自体に問題があるわけではありませんが、どうして満室になっているのか、そして、現在満室状態の物件を売却したいのはどのような理由からなのか、といった点については、十分考えておく必要があります。

自分だけで判断することが困難な場合は、アパート経営に詳しい専門家の意見を仰ぐのもいいでしょう。目先の利益にとらわれず慎重に判断することで、このような失敗を回避することは十分可能だと言えます。

4.アパート経営の失敗リスクがある契約とは?

アパート経営を成功させ、安定した収益を得るためには、契約時に確認すべきことを知り、入念に調査した上で行う必要があります。

ここからは、アパート経営で建築会社や賃貸管理会社など業者と契約を交わす際に、気を付けるべき内容を詳しく解説します。
少しでもアパート経営の失敗リスクを低下できるように、しっかり確認していきましょう。

4-1.収益物件周辺の市場調査を行っていない

アパート経営を始める前に、収益物件周辺の家賃相場などの市場調査を充分に行っていないと、失敗するリスクが高まります。
投資物件が存在する地域の人口や世帯数、1世帯あたりの人口などを調べて全国平均と比較し、どの間取りの物件に需要があるのかの調査が必要です。

また、周辺物件の家賃相場を調査していないために、家賃の設定が適切でないと、入居者が集まりません。
さらに、周辺のアパートの老朽化が進んでいると、建て替えによって新築アパートやマンションが増え、自己物件の退去者が増える可能性もあります。

アパート経営を始める前には、周辺の環境の事前調査を入念に行い、適切な戦略を立てて行うことが重要です。

4-2.賃貸需要のない・少ない地域で経営を始める

アパートはマンションと違い比較的どこでも建築できるため、物件が存在するエリアの賃貸需要を事前に確認することは非常に重要です。
アパート経営は投資物件を選定して終わりではなく、その物件に入居がついて家賃収入を支払って初めて収益を得られます。

入居者が付かないような、賃貸需要の少ない地域で不動産投資を始めても、収益が得られないどころか、金融機関からの融資の返済もできません。
周辺の賃貸アパートの状況などを確認し、賃貸事業が営めるエリアに投資物件が建っているかどうか判断してから、アパート経営を始めましょう。

4-3.事業の始め方としてサブリース契約しか提案されない

アパート経営を始める際に、サブリース契約しか検討していない場合は、注意が必要です。

サブリースは、投資物件をサブリース会社が一括で借り上げ、家賃保証してくれるためリスクが低いように感じます。しかし、サブリース契約を結んだからといって、安定した収益を得られることが保証されているわけではありません。

サブリースは、以下のような状況で入居率が低下すると、保証家賃が下げらるだけでなく、サブリース契約自体を更新されない可能性もあります。

  • ●物件の老朽化が進む
  • ●大学が移転するなど周囲の環境が変化する

サブリース以外にも、管理の一部のみを業者に委託するなどの他の方法があるため、自分に合った方法を探すことが大切です。

4-4.資金繰り・融資のリスクと対策に関する具体的説明がない

金融機関から融資を受けてアパート経営を始める場合、借入金の返済に対するリスクを認識することが大切です。

投資物件の築年数が古くなると、家賃が下がり修繕費も増えると収益が低下し、返済が滞る可能性があります。

また、変動金利でローンを組んで借り入れを行った場合、金利の見直しで返済額が上昇し借入金の返済が難しくなるため注意しましょう。
融資の知識が不足している企業から借り入れを行うと、資金繰りが悪化して、新たな融資を受けられなくなり、事業が拡大できなくなります。

融資やローンを受けてアパート経営を開始する場合は、リスクとその対策を立て、備えておきましょう。

4-5.リスクヘッジとして保険の提案・情報共有がない

アパート経営には、リスクヘッジの手段として保険への加入が有効な場合があります。
火災や地震などの災害で物件が破損するリスクに備えて、火災保険や地震保険への加入が有効です。

保険は種類によって補償される範囲や保険料も異なるため、投資物件に適したものを選ぶ必要があります。

しかし、保険の提案や情報共有がない不動産会社を利用してアパート経営を始めると、リスクに備えられないだけでなく、無駄な保険料の支払いが増えることになりかねません。

アパート経営を行う際は、投資物件の状況や特性に合った保険を提案してくれる不動産会社を選ぶと失敗するリスクを減らすことが可能です。

4-6.事業計画が正確ではなく必要な資金が組み込まれていない

アパート経営を始める際に作成する事業計画の中に、発生する費用や税金などが記載されていないと、経営に失敗するリスクが高まります。

不動産業者の中には、本来含めるべき費用などを含めずに事業計画を見せ、利回りを大きく見せてオーナーを騙そうとする業者も、全くいないとは言い切れません。
事業計画がきちんと作成されていなければ、アパート経営後に想定外の負担が生じて収益性の低下に繋がりかねません。
アパート経営を行う際は、オーナー自身で事業計画を入念に確認しましょう。

まとめ

アパート経営には、さまざまなリスクが潜んでいます。しかしそのリスクは、事前の情報収集やあらゆる事象を想定したシミュレーションをすることで、ある程度回避することができます。

あなたは、リスクを回避するための対策を万全に行える準備ができていますか?アパート経営を検討しているという賃貸経営初心者の方は、目先の利益にとらわれることなく、まずは物件がある地域の情報収集をしてみてください。

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