【サブリース】サブリースを味方につける豆知識を知ってトラブルを未然に防ぎましょう!【イエカレ】


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このコラムのポイント

今回はサブリースのメリット・デメリットを解説します。

ご存知の方もいるかもしれませんが、一般的に「サブリース」というと、「又貸し」という意味になります。

広く不動産業界で使われている「サブリース」とは、管理会社がオーナーから賃貸物件を一括して借り上げ、第三者に賃貸するというシステムのことをいいます。

アパートやマンションの賃貸経営にあたって家賃収入はとても重要ですが、残念ながら、いつでも常に満室とは簡単にいかないことも出てしまうでしょう。

その際に味方になるのがサブリースのはずですが、その内容について全く知識を持たずに不動産会社と商談をするのは危険です。大失敗しないためにも仕組みを理解してデメリットを踏まえて、業者選びをする際にここで得た知識を活かして頂ければ幸いです。さっそく、見てみましょう。


サブリースとは?

一般的に「サブリース」というと、「又貸し」という意味になります。広く不動産業界で使われている「サブリース」とは、管理会社がオーナーから賃貸物件を、空室保証付きで一括して借り上げ、入居を希望する第三者に賃貸するというシステムのことをいいます。

では「サブリースってもっと具体的にどんなシステムなのか?」と思う方々も多いと思います。以下で、具体的にみていきます!

まず、このシステムを利用すると、通常管理会社が入居者の募集から入居の際の手続き、物件の管理、退去の手続きまでを行ってくれます。サブリースの場合「空室保証サービス」が付属していることも多くなりました。

「空室保証サービス」とは、実際入居者が入らなくても代わりに管理会社が賃料を負担し、管理費などを差し引いた金額をオーナーに支払ってくれるシステムです。その保証があればたとえ空室が出たとしても、安定的な収入を見込めます。

さらにサブリースにすることで、入居者と賃貸借契約はもちろんトラブルや家賃滞納の督促なども、直接入居者と対応してもらえますので、オーナーの負担が軽くてすみます。

サブリースの手数料は?

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サブリースの場合、管理会社に支払う手数料は家賃の10パーセントから15パーセント前後といわれています。この手数料は賃貸経営での必要経費として申告することができます。

ちなみに通常の委託管理であれば、手数料は家賃の4パーセントから8パーセント前後ですからそれと比べると高いことが特徴です。

サブリースのメリットその1・空室リスクからの解放

それでは、サブリースのメリットについて、具体的な話に移りましょう。

最大のメリットは、空室リスクから解放されることかもしれません。つまり、たとえ物件に空室が出たとしても、オーナーには家賃が入ってくるのです。

サブリースの形態をとらなかった場合、空室が出るとその分の家賃は入ってきません。 早急に空室を解消する手立てを打たないと、いつまでたっても空室は埋まらず、固定費ばかりがかさんでいく、という結果になってしまう可能性もあります。

サブリースの場合、この点が解消されています。つまり、基本的には毎月一定の賃料がオーナーに入ってくるという契約なのです。 オーナーが空室の心配をしなくて済む、というのはやはり大きなメリットでしょう。

サブリースのメリットその2・家賃が回収できる

空室の心配をしなくて済む、というメリットは、別のメリットにも結び付きます。

仮に物件に入居者がいたとしても、家賃が入ってこないリスクはつきまといます。つまり、入居者が家賃を払ってくれない、という事態です。

こんなことが起こってしまった場合、オーナーが不動産経営や法律のプロでもない限りは、自力解決はまず不可能です。

しかし、サブリース会社を介在させていた場合、事情は少し異なります。サブリース会社が家賃の取り立ての手続きを代行してくれたり、家賃保証特約を付けていたり、と様々な対策を講じているのです。

そのため、オーナーは基本的に、入居者から家賃が回収できないことを心配する必要はありません。

サブリースのメリットその3・面倒さがない

一般的に、サブリースは次の流れを経て行われます。図表で見たほうがわかりやすいと思うので、ご覧ください。

この図を見てもわかるように、物件のオーナーがやらなくてはいけないのは、管理会社(いわゆるサブリース会社)とのやり取りだけです。 実際の入居者とのやりとりは、全部サブリース会社がやってくれます。これが何を意味するかおわかりでしょうか?

繰り返しになりますが、「面倒くさいことは何もしなくていい」ということです。
入居者とのトラブルに頭を悩ませる必要もないし、入居者を探して右往左往する必要もありません。

やはり、入居者とのやり取りはある程度のノウハウがないと難しいものです。プロの手を借りられるのは、やはり心強いでしょう。

サブリースのメリットその4・確定申告がラク

自分で入居者を探し、アフターフォローを行う形で不動産所得を得ている場合、経費計算だけでもものすごい手間になります。

不動産経営を専業でやっているならまだしも、本業が他にある場合、経費計算もかなりの負担になるかもしれません。 ましてや確定申告は毎年2月16日から3月15日までと期限が厳密に決まっています。それに間に合わないと何かと大変です。

延滞税もかかりますし、金融機関から新たに資金を借り入れる際にも不利になります。何が何でも間に合わせる必要があるようです。

サブリースの形態をとった場合、経費は基本的にサブリース会社に支払う手数料のみとなります。 集計も楽です。

また、確定申告でわからないことがあれば、サブリース会社が提携している税理士のアドバイスも受けられます。確定申告も経験がなければなかなか難しいもの。サポート体制があるのは心強いです!

サブリースのデメリットその1・家賃減額請求

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しかし、サブリース会社も慈善団体ではありません。商売ですから、当たり前ですがオーナーが100%メリットばかりを享受できるわけはなく、オーナーにとってデメリットになり得ることもある。これが事実です。

必ず気を付けて頂きたいことは、オーナーがメリットばかりを見てしまい、まったくデメリットを理解せずに話しを進めてしまうと、後々トラブルになってしまうことがあると言うことです。それらをみていきましょう。

サブリース契約では、基本的に借上家賃を設定しています。これは「この家賃までは保証します」という金額のことです。

基本的には、保証した金額の家賃が入ってきますが、サブリース契約によっては、契約書に次の文言が入っている場合もあるので注意しましょう。

「経済状況の変動等があった場合、家賃の増減を請求できる」という旨の文言です。

こういう記載があった場合、サブリース会社が状況次第では家賃の減額請求をしてくる場合もあります。請求があったときは、設定家賃が適正であるかどうかも含め、しっかり話し合いを持ちましょう。

常に一定の家賃が入ってくるとは限らない、という点は肝に銘じておいたほうがよさそうです。

サブリースのデメリットその2・中途解約のリスク

サブリース会社の中には、長期保証を売りにしている会社も多いです。

例えば、このようにホームページで謳っている場合もあります。

つまり、サブリースは20年、25年という長期の契約を前提とした契約であるといえるでしょう。契約する側も、長年関係が続いていくものと思って契約し、資金計画を立てます。

しかし、それがいつまでも続く、という保証もないのです。先ほどの家賃減額請求に応えられない場合や、経済情勢が変化して契約を続けることが困難になる可能性だってあるのです。

そうなった場合、中途解約もやむを得ない、という結論になる場合もあります。契約したら安心というものでもない、ということは心に置いておきましょう。

安定しているようで、実は安定していないというのが、サブリースのデメリット・問題点として指摘できるのです。

サブリースのデメリットその3・会社の破たん

サブリース会社が破たんした場合、何が起こるかというのを一つの図にまとめたのでご覧ください。

つまり、サブリース会社が破たんすると、オーナーと入居者が大きなリスクを背負うことになります。極論を言えば「その後の人生設計が狂ってしまう」といっても過言ではないでしょう。サブリース会社の経営状態次第で、受けるリスクは甚大になるのです。

このデメリットを回避するには、サブリース会社の与信状況について、あなた自身でしっかり情報を集めておく以外ありません。経営状態の悪いサブリース会社にはかかわらないほうが賢明です。

また、サブリース会社の中には、建設会社、不動産デベロッパーなどの子会社であるケースも多いです。

逆にサブリース会社自体の経営成績は悪くなくても、親会社の経営成績が悪い場合、連鎖的に破たん、という可能性もあるので気を付けましょう。

サブリースのデメリットその4・契約終了後の扱い

以上に挙げた理由でサブリース契約が終わってしまった場合の扱いにも不安が残るところです。

まず、サブリースの場合、オーナーが入居者とかかわることはありません。そのため、入居者情報の伝達、賃貸契約の引継ぎで問題を抱える可能性があります。新たな引継ぎ先となるサブリース会社の手腕に任せるしかありません。

また、サブリース会社がいい加減な仕事をしていた場合にも、問題は残ります。建物の維持管理の履歴が残ってない、そもそもメンテナンスがいい加減などの理由で、莫大な修繕費用がかかる、という話にまで発展することもあります。

そうなった場合、誰がそのコストを負担するか、というのも重大な問題となるでしょう。

管理システムのあれこれ

管理会社の管理システムによって受けられるサービスが違ってきます。最近では「サブリース」には「空室保証サービス」がつくというイメージが強いですが、もともとは別のサービスです。

管理システムには「滞納保証サービス」や「集金代行サービス」などがあります。滞納保証については保証会社を間にいれることも多いようです。

<管理内容の違い>

項目 内容 家賃保証サービス 滞納保証サービス 集金代行サービス
空室保証 空室時の家賃まで保証してくれる。 × ×
滞納保証 滞納した際に賃料を保証してくれる。 ×
集金代行 家賃の集金のみ代行してくれる

オーナーにとっては「家賃保証サービス」を受けるのが、一番メリットがあるようです。サービス内容によって手数料などにも差がでてきますので、自身の物件に合う管理サービスを選ぶようにしましょう。

海外でいうサブリースは日本とは意味合いが違う??

これは豆知識になります。海外でいう「サブリース」とは日本とは少し違う意味合いがあります。

例えば、アメリカでは、別の誰かが契約したアパートをその契約者に代わって住むことを「サブリース」といいます。

日本であれば賃貸契約が残っていても違約金を支払えば退去できますが、契約社会のアメリカではそう簡単に退去などができないため、サブリースを行うことがよくあるようです。

また学生が休暇で長期に家を空ける場合にもサブリースをするそうです。「又貸し」という意味では同じです。

サブリースの契約時に注意すること

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サブリースの契約時にいくつか注意することがあります。契約したあとではなかなか条件を変更することはできません。自身の考えも反映できる契約ができるよう心がけましょう。

1、 免責期間について
管理会社と契約したからといってすぐに入居者が決まるわけではありません。入居募集を始めてから一定期間は家賃の保証をしません、という「免責期間」を設ける管理会社が多いようです。

あまり免責期間が長いとオーナーにとって不利になりますので、期間の長さや変更は可能なのかどうかを確認しましょう。

2、 解約について
途中で解約する場合、どういった条件が課せられているか、オーナー側に不利な条件はないのかなどを確認しましょう。

3、 家賃の見直し
家賃については収入に直接かかわりますので、特に注意が必要です。家賃の見直しの期間、減額請求の取り扱いなど、どういう規定になっているか確認しましょう。

4、 修繕、原状回復
通常管理はしてもらえても、設備の不具合の修繕、退去時の原状回復についての取り決めの確認も大切です。オーナーですべて負担しなくてはならないこともありますので細かく確認しましょう。

5、 敷金について
敷金は管理会社で預かることが多いようです。敷金こそ原状回復などに必要なお金です。できればオーナーで預かり、管理できると一番いいでしょう。

経営者としての意識を持つ

サブリース会社とサブリース契約を結ぶわけですが、はじめに認識しておかなくてはならないことは、「物件の所有者が経営者」であるということです。

相続税対策や税金対策などで賃貸経営を始める方も少なくないでしょう。ただ物件を所有しているだけでは財産とはなりません。賃貸経営を成功させてこそ、投資した資金を回収でき、収入を得ることができますが、経営方法によってその収入は大きく左右されます。

本当に大切なことは「サブリース契約はあくまでも所有物件の経営代行」をしてもらっていると捉えることです。「すべての管理をサブリース会社がやってくれるから!!」と任せっきりにしてはいけません。

サブリースにまつわるトラブルは数多く存在しますが、やはりオーナー自らが知識を持った上で、勘違いをしたまま契約はしないなど、防衛策を講じることも少なからず必要と言えます。

サブリースの利用を考えている際は、積極的にオーナー自らが管理状況に目を向けるように意識しましょう。

サブリース会社とはパートナー関係に

多額なローンを組んで賃貸経営を始める場合はキャッシュフローが重要になってきます。だいたいが家賃収入を念頭に入れてのローン返済になることでしょう。

賃貸経営は会社経営と同じといえます。競合と差別化を図り、より多くの入居者を獲得しなくてはなりません。そのためには周辺環境の状況、競合物件の家賃設定、空室状況をリサーチし、分析する必要がでてきます。

オーナー自身もそれらに敏感になっていたほうがいいですが、専門的な部分はサブリース会社に任せることになるでしょう。そういったリサーチ、分析力に長けているか、またどういった方法をとるのかを確認し、活発な意見を交わせるように、はじめに自身の想いを伝え、よきパートナー関係を築いていきましょう。

お得なフレーズに注意!

サブリースはあくまでも転貸借契約ということです。空室が続いたりすれば、当然サブリース会社の負担が大きくなります。

サブリース会社の経営状況が悪化すれば、オーナーへの家賃収入が減額されたりストップしたりする場合もあります。

契約の際に、あまりにオーナー側に得があるようなサービス、フレーズが出てきたら、特に注意して確認するようにしましょう。

賃料自動増額とは?

最近ではあまり見なくなりましたが、以前「○年毎に○パーセントずつ家賃を上げていきますよ」というようなサービスがありました。これでいけば時が経つほど家賃収入が増えるということになります。

しかし物件の経年劣化は避けられません。物件の築年数が増えれば、逆に家賃の上乗せが難しい状況になることでしょう。

こういったサービスを提唱しておきながら、のちに家賃の減額請求を求め、裁判でもそれが認められているという事例がありました。

この記事のまとめ

冒頭の繰り返しですが、賃貸経営において家賃収入はとても大切なものです。常に満室の状態を保つことが理想ですが、そう簡単にはいかないこともあります。そのときにオーナーの強い味方になるのが、サブリースというシステムです。

しかしながら、そのサブリースについて何の予備知識を持たずに不動産会社と商談を開始するのは危険です。そうした意味で今回はサブリースにてついてのメリット・デメリットを簡潔にまとめさせていただきました。

契約条件をきちんと確認し、信頼できる管理会社と契約を結びたいものですね。そのためには積極的に資料などを取り寄せ、いくつかの会社を比較検討しましょう。契約はすべてに合意したという意味で行われます。

不明な点をあいまいなままにしておくと、あとでトラブルになり大きな後悔をする可能性があります。

あなたの大切な不動産物件で、理想的な賃貸経営を進めるためにも、システムの内容、契約書類は「分かるまで!!」説明を受けて、何度も熟読した上で、納得してからサインをするようにしましょう。

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