サブリースの問題点~サブリース業者と契約する前に確認する3つのこと~


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このコラムのポイント不動産管理の全てをサブリース業者が行ってくれるうえ、家賃保証もついているサブリース。
さまざまなメリットがあるサブリースにも、いくつかの問題点が潜んでいる場合があります。
ここでは、後のトラブルを避けるために知っておきたい、サブリース業者と契約する前の確認ポイントについてご紹介します。

「家賃保証」という言葉だけに飛びつかず、契約内容を冷静な目で確認しましょう!!

家賃保証に関する契約内容を確認

サブリースでは、物件所有者・サブリース業者間でサブリース契約が結ばれ、建物を一括して借り上げてもらいます。そして物件所有者には、一定の賃料がサブリース業者から支払われます。

これだけを見ると「不動産管理を任せられるうえ、家賃保証がある」と思って飛びついてしまいそうになりますが、ここは冷静に、家賃保証の内容についてしっかり確認しておく必要があります。

多くの場合、数年ごとに家賃保証の見直しがある

「○○年一括借上げ」「家賃保証」といった宣伝文句を見ると、契約期間中その賃料がずっと支払われるようにも思えますが、残念ながらそうではありません。

サブリース契約による家賃保証額は実勢家賃価格をベースとして決められるのですが、その金額は契約更新時に見直されるのが一般的です。

そのため、最初に提示された金額に惹かれて安易に契約すると、契約更新時の賃料引き下げにより当初考えていた収支計画が大きく狂い、建物を建築する際に組んだローンの支払いが難しくなったり、そのために物件を手放さざるを得なくなったりする可能性もあります。

サブリース契約をする際には、数年ごとに賃料の見直しがあるということを十分理解しておくとともに、将来的にサブリース業者から支払われる賃料が減っていくことを考慮したうえで収支計画を立てる必要があります。


契約内容をしっかり確認しましょう!!

契約更新・解約に関する契約内容を確認

サブリース契約の内容に納得できなければ、解約したり、契約の更新をしなかったりすればいい、と考える人は少なくありません。
しかし、契約更新や解約に関するトラブルが多発しています。


※本記事は2017年3月現在の情報をもとに編集したものになります。そのため、その後法令等が変更になっている項目もありますので、気になる方は下記の記事もご参考になさってください。

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中途解約条項がない場合、基本的に解約できない

「当初考えていた賃料が得られなかった」
「担当者との関係が険悪になってしまった」
「サブリース業者に対する不信感がある」

上記のような事由が発生した場合、物件所有者がまず考えるのはサブリース契約の解約です。

しかし、契約の中に「中途解約条項」が盛り込まれていない場合、物件所有者側の解約申し入れによって契約を終了させることはできません。

また、中途解約条項が盛り込まれている場合でも、解約予告期間が不相当に長く設けられていたり、違約金がかなり高かったりと、物件所有者側にかなり不利な条件が付けられることがあります。

サブリース契約をする前には、中途解約条項の有無や、中途解約をする場合の条件についてきちんと確認しておくようにしましょう。

正当な事由がない限り契約更新の拒絶は難しい

解約できなくても契約更新の拒絶はできるのではないか、と思われる方も多いでしょう。
しかし、サブリース契約の更新拒絶は、正当な理由がなければ認められないというのが一般的な見解です。

借地借家法28条によると、賃貸借契約期間が満了したとしても、貸主は正当な事由がない限り契約の更新を拒絶することができません。 また貸主・借主間の賃貸借契約は、期間の定めがないものとして扱われます(借地借家法26条)。
この借地借家法は、サブリース契約にも適用されます(最高裁平成15年10月21日判決)。

そのため、サブリース契約をする際は、「簡単に契約更新を拒絶することはできない」ということを念頭に置き、長期間にわたって信頼できる業者を選ぶことが大切です。


契約内容について確認できたら、費用の負担についても確認しましょう!

原状回復費用の負担についても確認

サブリースの場合、不動産管理は全てサブリース業者にしてもらうことができます。

しかし、不動産管理にかかる費用についてはまた別で、入居者が退去した後の原状回復費用や建物の劣化に伴って必要になってくる修繕費用については、物件所有者の負担になる場合があります。

また、サブリース業者の中には、原状回復や修繕にかかる工事の発注先に自社を指定しているところも多く、相場に比べて高い料金を請求されるケースも頻発しています。

そこで、サブリース契約をする前には、原状回復費用や修繕費用の負担割合がどうなっているのか、きちんと確認しておきましょう。 また、これらの費用が物件所有者の負担になっている場合、工事の発注先に関する指定があるかどうかについても確認しておく必要があります。
工事の発注先については、指定業者に発注しなければサブリース契約の更新を拒絶する業者もいるようですので、特に入念に確認するようにしましょう。

業者側は、サブリース契約を持ちかける際、これらの費用を含まない収支計画を提示してくることがありますので、営業マンが提示した収支計画を鵜呑みにせず、契約するかどうかについては慎重に判断することが大切です。


ここで参考コラムを2つご紹介します。

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この記事のまとめ


【サブリース契約前には詳細をしっかり確認】
サブリース契約をする前には、
・家賃保証の内容について、長期スパンで確認する
・契約の更新や解約の条件について確認する
・原状回復費用や修繕費用の負担について確認する

といったことが大切です。

現在サブリース契約という不動産運用形態について検討している方は、サブリースとはどういうもので、自分にとってどのようなメリット・デメリットがあるのか、正確に把握しておくようにしましょう。

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