【イエカレ】サブリースが必要な理由とは|オーナーにとって何がメリットなのかを解説


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このコラムのポイント

こう聞くと以外と思われる方が多いかもしれませんが、賃貸経営をする方の70パーセントは、ほかの仕事と兼業している方だといわれています。

所有する物件の規模にもよりますが、仕事をしながら賃貸経営となると、常時物件を巡回して管理をするということは大変な作業になるでしょう。


サブリース=転貸借(又貸し)

まず、サブリースの意味をお伝えします。

サブリースは、実は不動産業界における業界用語のようなもので、「転貸借(民法612条、613条)を目的とした一括借り上げ」のことをいいます。転貸借と又貸しは同じ意味だと考えて結構です。

オーナーがサブリースを取り扱う管理会社へサブリースを依頼した場合、サブリース会社が建物全部の借主となりオーナーに賃料を支払います。 サブリース会社は借り上げた建物の各部屋を個別に入居者に転貸(又貸し)して賃料収入を得、オーナーへの賃料との差分をサブリース会社自身の利益とします。

入居者の数はオーナーが得る賃料には関係ないため、満室であろうが入居者がゼロであろうが同じ額の賃料が発生することになります

サブリースの唯一のメリットは楽ができること

では、アパート、マンションオーナーにとって、このサブリースが必要な理由ってなんでしょうか?

答えは、オーナーにとって、サブリースのメリットは楽ができること。これに尽きます。

入居者の数に関わらず固定額の賃料が発生します(一般に家賃保証と呼ばれるものです)ので、賃料収入額の計算が楽になります。 契約相手がサブリース会社のみですので、経理処理等も楽です。また、入居者との交渉やトラブル対応等の管理業務の手間もありません。

したがって、経営のノウハウや経営にあてる時間がないサラリーマンオーナーや、 健康上の問題などで経営する気力体力がないオーナーでも一定の家賃収入が確保できる点が特徴となります。


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家賃保証だから安心できる?

一方で、一般管理契約のデメリットは何でしょうか。

かつては、「30年一括借り上げで安心の家賃保証!」などがサブリース会社の謳い文句でしたが、当初設定の家賃を30年もらい続けることはまずないといえます。

サブリース契約には必ず家賃の見直し条項が入っており、2年ごとに家賃が下がっていくのが実情です。 中には最初の半年は保証免責(入居者数に応じた家賃額)などとなっているものもあります。

当初設定の家賃が30年続くかのように考えてサブリース契約を行うと、 2年後には予定と違ってしまい「こんなはずではなかった」と後悔することになってしまいます。

サブリースの家賃は不当に安い?

いまから10年前の2013年(平成25年)の住宅・土地統計調査では、総住宅戸数における空き家率は13.5%となっていました。平均的なオーナーであれば13.5%の空室を抱える経営状況(入居率は86.5%)になっていたと考えてください。

サブリースの相場は満室時の家賃額の80%程度ですので、空室リスクは家賃に転嫁されてしまっていると言えます。

言い換えれば、平均的な利益額を大きく下回る賃料のみを支払うことで、 サブリース会社は平均以上に空室があっても十分利益がでるような構造になっています。

これもサブリースの落とし穴!?

サブリース契約は、多くの場合に建物の建築とセットであることが条件になっています。 建築工事についてもサブリーズ会社に依頼することが契約の条件になります。サブリース会社はこの建築工事でもかなりの利益を見込んでいます。

建築費としてオーナーから受け取った費用の一部を中抜きして、安い価格で建物を建築するようなケースもあります。「隣の住人がティッシュペーパーを箱から抜き取る音が聞こえる」という残念な噂(?)もサブリース物件ならではのものです。

しかも、その建物はオーナーの所有物になりますので、修繕費はオーナー負担となります。

事業者という立場を改めて考えるべき

サブリース契約は、詐欺まがいと言う人がいてもおかしくないほどオーナーに不利な契約が一般的でした。

しかしながら、オーナーは法人でなくとも事業者と扱われるため、仮に「詐欺まがい」であったとしても消費者契約法等では保護されることがなく、無関心・無知であっても事業者であり経営者なのだから自己責任という言葉で片付けられてしまっていたのが現状でした。

このようなサブリース契約を批判するような謳い文句で、ほぼ同じ仕組みの契約を売り込むといった、オーナーを騙す悪徳業者もいました。

そうした状況を受け、2020年6月、賃貸経営者の保護を目的とした「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(「賃貸住宅管理業務適正化法」と略)」が公布されました。

だいぶ状況が以前とは変わってきていると思います。それでも、オーナーは知恵をつけて自らを守らなければなりません。

では、なぜサブリースをするのか?

では、なぜ多くのオーナーがサブリースを利用しているのでしょうか?

賃貸経営をする方の70パーセントは、ほかの仕事と兼業している方といわれています。所有する物件の規模にもよりますが、常時物件を巡回して管理をするということは大変な作業でしょう。入居者のトラブルも日夜を問わず突発的に起こります。

また家賃の管理や督促対応なども行うとなると、大変な労力が必要になってきます。入居者募集ひとつにしても、市場の競合の動向を見ながら対策案を立てるため個人の力では限界があります。これらをすべて管理会社に任せてしまえば、だいぶ楽になるはずです。

サブリース契約をし、さらに空室保証サービスなどがあれば、家賃収入の面においてもある程度安心ができます。うまくサブリースを利用することで、負担がかからず賃貸経営ができるからなのです。

未来を予測した賃貸経営

賃貸経営とは長期事業計画を立てて事業展開していくものです。景気や社会情勢なども変化し続けます。

それらをすべて把握し、事業計画を修整しながら進めていかなくてはなりません。また個人オーナーであれば、途中で世代交代などもあり得るでしょう。突然子の世代に経営を任せることになった場合、引継ぎをきちんとしなければなりません。

管理会社に任せておけば、たとえ担当者が変わっても一定したサービスを受けられるともに、プロの視点からみた市場の動向も把握でき、アドバイスを受けることもできるのです。安心して未来を予測した賃貸経営が可能になるのです。


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入居者との間に入ってもらえる

サブリースのメリットのひとつに、入居者とオーナーの間に管理会社が入るということがあります。

管理会社が「貸主」という「当事者」になることにより、不良借家人や家賃滞納者への対処を迅速にできます。内容証明を出したり、訴訟を起こしたりするときに管理会社の判断で迅速に行えるのです。

オーナーが直接の貸主だと、裁判所へオーナー自身が行かなくてはいけない場合もあります。最近では退去時のクリーニングを返済してほしいという訴えも多々あるようです。

その場合、オーナーが被告という立場になってしまうかもしれません。代理人として弁護士を立てるのも費用がかかります。そういった時に管理会社が中に入っていれば、すべて対応を任せることができるのです。

確定申告が楽になる?

オーナー自身が貸主となり入居者と賃貸借契約を結んでいた場合、確定申告をする際には入居者それぞれからの家賃収入を書類に明記していかなくてはなりません。部屋数が多ければそれだけ手間がかかります。

もしもサブリースで管理会社と賃貸借契約を結んでいれば、家賃収入の記載においては、管理会社からの収入のみですむのです。

またサブリースにより収入の安定が見込めるため、金融機関からの融資も受けやすくなるといいます。この場合、各金融機関により規定が異なりますので確認しましょう。

確定申告とは?

会社員であれば会社で年末調整をしてもらえますが、複数の会社から収入を得ていたり、個人事業主であったりした場合は、自身で確定申告をし、1年間の収入を税務署に申告しなくてはなりません。

賃貸経営をしている場合も必要になります。通常1月1日から12月31日までの収入を、翌年の2月15日から3月15日の間に申告します。

管理会社とは信頼関係を

ただ、サブリース契約をしたからといって、そのまま管理会社に任せっきりにしてしまうのはよくありません。

管理会社によっては十分な管理をせず、サブリースが終わった時点で物件が痛んで返される、ということも耳にします。結果、オーナーが物件の修繕をしなくてはなりません。

少しずつメンテナンスをしていればさほど大きな修繕ではなかったものも、時間が経ってしまったために修繕費が莫大になってしまったということになりかねません。

また運営状況が悪い管理会社の場合、敷金を会社の運用に回してしまい、オーナーで回収ができなくなることもあるといいます。

物件の管理状況、入居者の様子などを定期的に連絡してもらうなどして、管理会社の業績も確認しつつできるだけコミュニケーションをとるようにしていきましょう。

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よいサブリース会社を選ぶために

よいサブリース会社を選ぶには何をみればいいのでしょうか。

まずは管理会社の資料を取り寄せたり、ホームページを見たりして実績を確認しましょう。

1、 リサーチ力、分析力はあるか
周辺地域の家賃の相場、どういった間取りの物件があるかなど、競合物件の調査、分析にどの程度力を入れているのか、長けているのかを見るようにしましょう。敵を知らずして事業はうまくいきません。

2、 事業計画立案のノウハウはあるか
賃貸経営は事業です。長期的な計画が必要です。将来のことは誰にも分りませんが、ある程度の予測を立て、先見の明を持って事業計画を立てることができる管理会社を選ぶようにしましょう。

3、 メンテナンスの実績はどれくらいか
事務的なものと一緒に、建物のメンテナンス力も重要です。入居者様に満足してもらえる管理状況でなければ空室が増える原因となります。

空室が増えれば管理会社も運営が苦しくなります。適切な管理ができるのかどうかを見ておくことも大切です。

4、 コミュニケーション能力はあるか
オーナーの意見に耳を傾けてもらえるか、ということも重要です。家賃の見直しの際など、オーナーでも意見を言える体制を整えておくといいでしょう。

すべて管理会社主導では、あとで困りごとがでるかもしれません。所有する物件は、あくまでもオーナー自身のものであるということを常に認識しておきましょう。

この記事のまとめ

サブリースをすることでオーナーの負担はぐっと減ります。円滑な賃貸経営が実現できることでしょう。

ただし、最初からメリットだけを見過ぎてしまい、すべてを管理会社に任せっきりにしてしまおう!と思うのは本当にトラブルの元です。オーナー、サブリース会社お互いにとってよくありません。

コミュニケーションをとりながら、あくまでも物件はオーナーのものであることを忘れずに賃貸経営を行っていきましょう。

▼イエカレでは土地活用や不動産管理に関する記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。

土地活用に関する記事:https://plus-search.com/chintai/archives.php
賃貸管理に関する記事:https://plus-search.com/property_management/archives.php
家の貸し出しに関する記事:https://plus-search.com/relocation/archives.php
不動産売却に関する記事:https://plus-search.com/fudousanbaikyaku/archives.php

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(記事企画/監修)イエカレ編集部
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