家を貸す種類について(普通借家と定期借家)

家を貸すことを法律用語でいうと、賃貸借契約といいます。
この賃貸借契約には、普通借家契約と定期借家契約があります。
耳慣れない言葉かもしれませんが、覚えておきたい言葉です。
両者の違いについて、様々な側面から解説します。

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法律では、建物の貸し借りはどう規定されているか?

次に、賃貸借期間と更新の制度についても押さえましょう。

まず、建物の貸し借りは、法的にはどう規定されているのでしょうか?

民法601条にその規定があります。
これは賃貸借契約といって、建物の使用・収益をさせ、代わりに賃料を受け取るという契約のことです。

一般にアパートやマンション、一戸建てを借りたり、何かビジネスを行う際に事務所を借りるなどして、不動産会社(大家)に賃料を支払う、というイメージを持っているとわかりやすいかもしれません。

さらにこの賃貸借契約は、普通借家契約と定期借家契約に分けられます。
これまで不動産投資をやったことがない方にとっては、あまり耳慣れない言葉かもしれません。
具体的に、何がどう違うのかしっかり押さえましょう。

違いその1・契約方法

まず、契約方法の違いから押さえましょう。

普通借家契約の場合、契約方法に特に定めはありません。
書面でも、口頭でも大丈夫です。

一方で、定期借家契約の場合、厳密に定められています。
次の2つの条件を満たさないといけません。

1)公正証書等の書面による契約である。
2)「更新がなく、期間の満了により終了する」旨を契約書とは別に、あらかじめ書面を交付して説明する。

これらの条件を満たさない契約は、無効となりますのでくれぐれも注意してください。必要な書類が何かを把握し、もれなくそろえるようにしましょう。

違いその2・賃貸借期間と更新

次に、賃貸借期間と更新の制度についても押さえましょう。

まず、どちらの方法でも、建物の賃貸借期間について制限はありません。
ただし、期間を1年未満とする建物賃貸借契約の扱いが違います。

定期借家契約だったら、1年未満の契約も可能ですが、普通借家契約の場合、期間の定めのない賃貸借契約とみなされることを押さえてください。
また、更新についてですが、定期借家契約の場合、期間満了により終了し、更新はありません。

一方、普通借家契約の場合、正当事由がない限り更新されます。
このため、定期借家契約を用いれば、万が一退去してもらいたい入居者がいた場合、更新・再契約をしないという形で退去してもらうのも可能です。

図表

普通借家契約だと、退去に至らしめる正当事由を探すのも難しいのが現実でしょう。

違いその3・賃貸料の増減の扱い

建物賃貸料の増減に関しても、定期借家契約と普通借家契約では違いがあります。
定期借家契約の場合、賃貸料の増減は特約の定めに従います。
一方で、普通借家契約の場合、賃貸料の増減は、特約に関わらず、当事者同士で賃貸料の増減を請求できるとされています。
そういう意味では、定期借家契約の賃料の扱いは、特約に保護されているといっても過言ではありません。
賃料をめぐるトラブルを可能な限り避けたいなら、定期借家契約を選択するのも一つの方法でしょう。

違いその4・借主からの中途解約の可否

定期借家契約と普通借家契約では、借主からの中途解約の扱いにも大きな差があります。

まず、普通借家契約の場合、中途解約に関する特約があれば、その定めに従うのが基本です。
もちろん、定期借家契約もこの原則はありますが、それに加え、特約がなかった場合の扱いについても定められています。

つまり、床面積が200平方メートル未満の居住用建物で、やむを得ない事情により生活の本拠として使用することが困難になった借主からは、特約がなくても法律により中途解約ができるのです。
この規定により、借主に転勤、親族の介護など、やむを得ない事情があった場合でも、不利になることがありません。
解約の申し入れの日から1か月が経過すれば、契約は終了します。

普通借家契約を定期借家契約に切り替えられる?

定期借家契約は、平成12年から始まった制度です。

言い換えれば、それより以前に締結されていた住宅の賃貸借契約は、すべて普通借家契約です。
これらの普通借家契約を、定期借家契約に切り替えることはできるのでしょうか?

結論から言えば、現在ではできません。
主に、借主を保護するという観点からこのような措置が取られています。
逆に、現在新たに賃貸借契約を結ぶ場合、普通借家契約でも定期借家契約でも、どちらの方法を採用することが可能です。借主・貸主双方にとって納得のいく方法を選びましょう。

この記事のまとめ

以上において、定期借家契約と普通借家契約を比較して説明しました。
両者の違いを表にまとめると、次のようになります。
どちらの方法がいいか、というのは個別具体的な事例によって異なるので、一概には言えません。
しかし、繰り返しになりますが、双方にとって納得がいく方法を採用する努力は怠らないようにしましょう。

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