【不動産投資】中古リノベーションマンションに不動産投資するメリットと注意点をお伝えします【イエカレ】


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このコラムのポイント不動産投資の候補として、おしゃれな部屋のデザインやインテリアでリノベーション工事がされた「区分の中古マンション(区分とは「分譲マンション1室」のことを言います)」も、十分、投資候補になり得ます。 こうした、いわゆる「中古リノベーションマンション」は、投資額が抑えられる割りに高い家賃収入が期待できることから、利回りが高い物件が多いことも魅力です。そこで今回の記事では、中古リノベーションマンションの不動産投資には、どのようなメリットとデメリットがあり、また注意点はどんな点になるのか「中古リノベーションマンションの不動産投資」について解説してみたいと思います。

中古リノベーションマンションとは?

まずリノベーションとは何かということから説明致します。リノベーションとはデザイン性といった新たな付加価値を追加した改修工事のことを指します。これに近い言葉にリフォームという言葉があります。こちらの言葉の方がお馴染みかと思うのですが、リフォームが「新築に近い状態に戻す目的の工事」であるのに対して、リノベーションは「新たな付加価値を加えて新築を上回る建物に生まれ変わらすために行う工事」と言え、そこに大きな違いがあると言えます。ですから、リノベーションマンションとは、中古マンションに現在のデザイン性を付加価値として盛り込み、部屋などを魅力ある物件に作り直したマンションと言えます。

中古リノベーションマンションに投資するメリット

では早速、中古リノベーションマンションに投資するメリット・デメリットについて解説しましょう。まずは、メリットからです!

①新築マンションよりも安い!

中古リノベーションマンションは、一般的には新築マンションよりも安い物件が多い点がメリットになります。リノベーションマンションは築年数が相当に古い物件が多く、価格がかなり下がった物件を改修して販売されるため、投資額は新築マンションよりも割安となっています。

例えば、新築マンションが6,000万円程度の販売価格のエリアにおいて、3,000万円くらいまでに値下がりした中古マンションを使って600万円程の予算を使って改修工事が行われ、4,000万円程で売られる価格イメージです。費用の比較をすると、区分物件(分譲マンション1室)であれば、新築マンションよりも2,000~3,000万円程度安くなっている物件が多いのではないかと思われます。

②おしゃれなので入居者を獲得しやすい

リノベーションマンションは、デザインを重視した設計をもとにリノベーション工事が施されていることから、おしゃれな物件が多く入居者を獲得しやすい点がメリットでしょう。 デザイン性は、簡単には廃れにくい空室対策効果があるので、保有した後にその貸主が空室対策をする必要性が低いとも言えます。いわゆるハイセンスなリノベーションマンションは、入居者が決まりやすいことだけでなく、新築と同水準の家賃で貸せる物件も多いと言えます。

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中古リノベーションマンションに投資するデメリット

一方の中古リノベーションマンションに投資するデメリットについても見ておきましょう!

①注意点としては破損しやすい設備や内装があるかもしれない

もちろん、全てのリノベーションマンションがそうだとは言いませんが、一部の物件の中には「見た目だけ良い廉価品の建材や建具」を用いて工事を行っている物件もあるので注意が必要になります。そうした廉価品を用いたリノベーションマンションは、当然耐久性が低く壊れやすい設備や建具があり、貸主への修繕依頼が頻繁に発生してしまう物件も少なくありません。例えば、水回りの設備で水栓金物は一見おしゃれに見えても、中国製の廉価品が使われているようなことがあります。

特に水回りで大トラブルが発生すると、階下へ迷惑を掛けてしまうことも少なからず考えられるので、見た目に目を奪われることなく慎重にチェックをしましょう。リノベーション物件を購入する際の見極めポイントとしては、使われた建材や建具が、最低限、日本の「JIS規格」を満たした製品かどうか?を十分に確認することが必要です。

②根本的な問題が解決されていない物件もある

特に築古のマンションだった場合が多いのですが、リノベーションされていても根本的な問題が解決されていない物件もあります。

どういうことかと言いますと、例えば、築年数が古いマンションの中には「エアコンの設置ができない部屋」がある物件が存在するのです。要するに、オリジナルの物件自体に、元から室外機置場のスペースが作られていなかったことから、リノベーションがされたとしてもエアコンの設置ができないままとなっている物件が存在します。昨今は世界的な異常気象などと言われ、日本も例外ではなく、夏場が38℃前後の猛暑日が続く場合もあります。それを鑑みると、気密性が高いマンションにおいて、エアコンが設置できない部屋がある物件は致命的と言わざるを得ません。

その他「独立洗面台がない」「3点ユニット(バス・洗面・トイレが1つにまとまっているもの)のまま」となっている物件も聞かれます。今どきバスとトイレが一緒の物件などワンルームでもない限りデザイン性や快適性を求めている入居希望者には見向きもされないでしょう。こうした根本的な問題が解決されていない物件は、たとえリノベーションがされていても投資用物件としては、人に貸しにくい物件になってしまいます。

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後悔しないための物件選び。物件を選ぶ際の注意点!

前項のデメリットも見て頂いたところで、中古リノベーションマンションの投資で後悔しないための物件選びの注意点を解説しましょう。

①エントランスもリノベーションされている物件を選ぶ

賃貸マンションは「専有部」つまり、購入をした物件の部屋だけがリノベーションされていれば入居者が決まりやすくなるとは限らないことには注意が要ります。もちろん、何もしないまま投資用物件として売られている物件よりは、専有部だけでもリノベーションされている物件の方が入居者は決まりやすいと反論が聞こえそうですが、専有部だけでは不十分なこともあります。

というのも、マンションというものは、共用部と専有部で構成されているわけですが、共用部も入居希望者に強い印象を与えるからです。例えば、東京の豊洲近郊に建っている大型タワーマンションをGoogle検索でチェックしてみてください。「豊洲のタワーマンション エントランス」などと入力して検索をすると写真がたくさん出てくることでしょう。そうした画像を見て頂ければ良く分かると思いますが、エントランスは必ずインパクトがある構造やデザインになっていることに気が付くと思います。

マンションの共用部の中で、特にエントランスは入居希望者に強いインパクトを与えることが多いです。最新の豊洲のマンションの例が極端だったとしても、エントランスが暗くて古臭さを感じさせる物件は入居者が決まりにくいことはよく聞かれる話です。「だけど、そういう古臭さが好きだ!と言う人だっているでしょ?」と言われれば、それもまたそうなのかもしれませんが、マンションのデザイン性に惹かれて、そこに付加価値を求めて住みたがる入居希望者が果たしてそう言う人達かと言えば極々少数派ではないでしょうか?やはり、せっかくリノベーションマンションを選んで不動産投資をして賃貸経営を始めるのでしたら、できれば共用部のエントランスや外壁などもリノベーションされている物件を選ぶことが賃貸経営としてのリスクマネジメントもなりますし、その方が望ましいと断言できます。

さらに、付け加えますと、エントランスのリノベーションに伴い、古い物件がオートロック化されて監視カメラも付いていればセキュリティー対策上もさらに良いといえます。 専有部だけのリノベーションではやはり片手落ちです。共用部(特にエントランス)も生まれ変わっている物件を選ぶことを強くおすすめします。

②水回りの位置が変更されていない物件を選ぶ

注意点の2つ目ですが、リノベーションマンションを選ぶ際は、元々の物件の間取りと比べて「水回りの位置が変更されていない物件を選ぶこと」が適切な選び方になります。これには重要な理由があります。マンションの構造を見ると、室内の水回り設備の下には必ず「勾配(傾斜角度)を付けた排水管」が設置されていますが、新築当初、水回りが最適な位置に配置されることを考えて排水管もレイアウトされていることが一般的です。

しかし、リノベーション工事で、新築時とは違う場所に水回り設備を移動してしまうと、それに伴い、床下の排水管のルートも変更されてしまい、それが原因で排水管の詰まりが生じてしまうリスクがあるのです。賃貸物件と貸し出す前提で、このような物件に投資をして購入してしまったらどうなるでしょうか?排水管で詰まりが生じて入居者からクレームが出た場合、貸し出しをしているオーナー(貸主)側が費用を負担して修繕する確率が高くなるのです。根本的な修繕をするためには、再び水回りの位置を変更する必要があり、余計とも言える大きな修繕費が発生してしまいます。

こうなるともちろん、その物件を売った不動産投資会社とも物件の瑕疵をめぐって揉めることにはなるのでしょうが、こうした注意点を知っていて、そのような物件を選びさえしなければ、このような余計なトラブルに巻き込まれずに済みます。ですから、中古リノベーションマンションを購入を検討する際は、こうしたことも事前に知っておいて頂き、売主に元の間取り図面を見せてもらい、水回りの位置が変更されていないかどうか?を確認することが大変重要になります。もし移動されていた場合は、売主側から何を言われようが選ばない様にすることも重要です。

この記事のまとめ

以上、今回は中古リノベーションマンションの不動産投資について解説しました。 リノベーションマンションとは、デザイン性等の新たな付加価値が加わった中古マンションのことになります。

リノベーションマンションには、「新築マンションよりも安い」「おしゃれなので入居者を獲得しやすい」といったメリットがあります。しかし、その一方で「破損しやすい設備や内装がつかわれていることもある」や「根本的な問題が解決されていないまま売られる物件もある」といった点がデメリットなので、今回お伝えした見極めポイントを覚えておいて頂き、十分注意して頂きたいと思います。そして最後は、物件を選ぶ際の注意点としては「エントランスもリノベーションされている物件を選ぶ」や「水回りの位置が変更されていない物件を選ぶ」を挙げました。

リノベーションマンションの中には、今回デメリットとして指摘をした問題がありそうな物件も一部には存在するものの、しっかり見極めをして頂き、立地の良い物件を選んで頂ければ投資検討の価値は十分にあるといえます。皆さんの成功をお祈りしております。

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この記事について

(記事企画)イエカレ編集部 (記事監修)竹内 英二
(竹内 英二プロフィール)
不動産鑑定事務所及び宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。
大手ディベロッパーで不動産開発に長く従事してきたことから土地活用に関する知見が豊富。
保有資格は不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。大阪大学出身。

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