【土地の所有権の移し方/イエカレ】不動産会社へ土地名義変更を依頼する場合の条件

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このコラムのポイント土地の売買や相続、贈与などが発生した場合、土地の所有権が移ります。しかし、所有権が移ると言っても、家を建てるなどの見た目上の変化が伴っていない限り、第三者は所有権が移ったことが分かりません。
そこで第三者の誤解を未然に防ぐための方法として土地の名義変更手続きがありますが、手続きの方法が分からないという人も多いのではないでしょうか?
この記事では、土地の名義変更手続きの方法と司法書士に依頼するメリット・デメリットを解説します。土地の名義変更手続きについて詳しく知りたい人は参考にしてください。

1.土地の名義変更とは

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土地や建物といった不動産の所有権が誰にあるのかという情報は、法務局にある登記簿に記載・管理されています。

物件の所在地や地番といった情報さえ分かれば、特に書類を用意する必要もなく、不動産と全く関係ない第三者であっても法務局で不動産登記を確認することが可能です。

売買や相続、贈与などによって不動産の所有者が変わった場合には、当事者間では所有者が変わったことが分かっていても第三者からは分からないということも多いです。

登記簿の名義を変更していれば、第三者も所有者が変わったことが分かるため、トラブルを未然に回避できますが、名義変更手続きは2021年9月時点では義務化されていません

法改正によって義務化される方向で調整されていますが、現時点では義務化されておらず、第三者に所有権を主張できないことによってトラブルに発展する可能性も。

トラブルを未然に回避するためにも、所有者が変わった場合は速やかに名義変更手続き(所有権移転登記)を進めることをおすすめします。

1-1.土地の名義変更は自分で行うことも可能

土地の名義変更手続きは、専門家である司法書士に依頼しなければならないと思っている人もいるかもしれませんが、司法書士でなくてはならないというものではありません。名義変更手続きは自分で行うことも可能です。

自分で名義変更手続きを行う場合は、司法書士に支払う報酬を省ける一方、法務局に複数回足を運ばなくてはならず、時間と手間がかかるという点に注意してください。

必要書類を用意しなくてはならない、不備があった場合はクリアするまで何度も法務局に足を運ばなくてはならないことを考慮すると、 司法書士に依頼した方が名義変更手続きを速やかに進められるでしょう。


2.土地の名義変更で押さえておくべきポイント

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土地の名義変更手続きでの失敗を未然に防ぐには、以下の4つのポイントを押さえた上で名義変更手続きに臨むことが大切です。

  • ・土地の名義変更の流れ
  • ・土地の名義変更を行う場所
  • ・土地の名義変更にかかる時間
  • ・土地の名義変更が必要な状況

それぞれのポイントを詳しく説明していきます。

2-1.土地の名義変更の流れ

自分で名義変更手続きを進める場合だけでなく、司法書士に依頼する場合も含めて、土地の名義変更の流れを事前に押さえておくと速やかに手続きを進められます

土地の名義変更手続きの流れは以下の手順です。

STEP① 名義変更を行う土地を管轄する法務局に行って登記申請書をもらう
STEP② 住民票や印鑑証明書などの必要書類を収集する
STEP③ 集めた書類とともに法的書類を作成してから署名・捺印する
STEP④ 管轄の法務局に申請する
STEP⑤ 土地の登記完了証が発行される

STEP①からSTEP⑤までの手続きを自分で行わなくてはならない場合には、全ての手続きが完了するのに1ヶ月程度かかるということを想定しておきましょう。

2-2.土地の名義変更を行う場所

土地の名義変更手続きを扱っているのは市役所ではなく、土地を管轄している法務局です。法務局で必要書類を入手してから名義変更手続きに着手します。

法務局が遠方にあり必要書類を入手しにくいという人の場合、法務局に請求すれば郵送で取得することも可能です。

登記申請書を作成する際は、以下のような書類や費用が必要です。

  • ・登記識別情報または登記済証
  • ・登記原因証明情報
  • ・代理権限証書
  • ・印鑑証明書
  • ・住所証明書
  • ・課税価格
  • ・登録免許税

スムーズに名義変更手続きを進めるには、上記書類を事前に準備しておくことが重要です。何を用意すればいいのか分からないという人は、法務局に事前に確認しておきましょう。

2-3.土地の名義変更にかかる時間

土地の名義変更にかかる時間は、どのような理由(売買、相続、贈与、離婚など)で土地の名義変更手続きを行うのかによって多少異なります。

名義変更手続きに必要な書類の多い相続で1ヶ月~1ヶ月半程度で、他の理由による場合も1ヶ月程度を想定しておけば問題ありません

ただし、必ず手続きが速やかに進むとは限らないという点に注意が必要です。その理由は、法務局の受付時間が「平日午前8時30分~午後5時15分まで」となっており平日の日中働いている人が手続きを進めることが容易ではないためです。

そのため、自分で名義変更手続きを行う場合は、仕事を休むことを想定しておきましょう

2-4.土地の名義変更が必要な状況

土地の名義変更が必要であるにもかかわらず、手続きをしていなかった場合は、第三者とのトラブルに発展する可能性があります。

そのため、トラブルを未然に防ぐためには、どのような状況で土地の名義変更が必要なのか事前に把握しておくことが大切です。

土地の名義変更が必要な状況として、以下の4つが挙げられます。

相続 所有者が死亡したケース
土地を引き継ぐ人が名義変更を行う
贈与 所有者から土地を譲り受けるケース
贈与する側とされる側が共同で名義変更を行う
財産分与 離婚などの理由によって財産を分け合うケース
原則共同で名義変更を行う
売買 所有者が土地を売却するケース
手続きは共同で行うものの、どちらか一方が主導する場合も多い

名義変更の理由によって準備する必要書類が異なるため、確実に手続きを終えるためにも、事前に法務局に必要書類について問い合わせておくことをおすすめ します。


3.名義変更を司法書士に依頼するメリット・デメリット

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土地の名義変更手続きを行わなくてはならない人の中には、自分で行うべきか司法書士に依頼すべきか悩んでいる人も多いと思います。

確実かつスムーズに名義変更手続きを終えるには、登記手続きの専門家である司法書士に依頼することをおすすめします。しかし、司法書士に依頼することにはメリットだけでなくデメリットも伴うため、両方を把握した上で選ぶことが重要です。

名義変更を司法書士に依頼するメリット・デメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • ・手続きにかかる手間と時間を省ける
  • ・相談に乗ってもらえる
  • ・司法書士に報酬を支払う必要がある

それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

3-1.手続きにかかる手間と時間を省ける

名義変更手続きにかかる時間は1ヶ月程度とのことでしたが、そのほとんどは書類準備や法務局に行くための時間確保の影響と言っても過言ではありません

司法書士に土地の名義変更を依頼した場合、書類の準備を含む全ての手続きを司法書士が代わりに行ってくれるので手間と時間を大幅に省くことが可能です。

仕事を早めに切り上げて時間内に手続きを進めることも可能ですが、時間が限られた中で手続きを進めると焦って不備が発生しやすくなるため、司法書士に任せた方が安心です。

3-2.相談に乗ってもらえる

司法書士がサポートするのは、登記申請だけではありません。得意分野は司法書士によって異なりますが、離婚、相続、遺言、遺産相続に関連することなど、幅広いジャンルの相談に乗ってもらうことが可能です。

しかし、紛争に発展した場合は司法書士の業務範囲ではなく、弁護士の業務範囲となります。紛争に発展したことを理由に司法書士から弁護士に切り替わった場合には、報酬を二重で支払わなくてはなりません

司法書士と弁護士のどちらに相談すべき内容なのかよく見極めてから相談しましょう。

3-3.司法書士に報酬を支払う必要がある

司法書士に名義変更手続きを依頼した場合は、司法書士報酬を支払わなくてはなりません。司法書士報酬は一定ではなく司法書士によって異なるため、無駄な支出を減らすためにも相場を把握してから司法書士に依頼することが大切です。

司法書士に名義変更手続きを依頼した場合のおおよその相場は5~7万円程度です。しかし、司法書士の中には10万円程度を請求するところもあります。

報酬が安い司法書士だと、手続きの一部を自分で行わなくてはならない可能性もあるため、報酬だけでなく業務範囲も確認しておきましょう


4.不動産会社で土地名義変更を依頼する場合の条件

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不動産会社に土地名義変更を依頼することも可能ですが、必ず依頼できるとは限りません。その理由は、登記手続きを代理できるのは司法書士や弁護士などの専門的な資格を有する人に限られているためです。

そのため、不動産会社に司法書士や弁護士などが所属している、提携先がある場合を除いて不動産会社に依頼してもサポートを受けられない可能性があります。

直接司法書士や弁護士に依頼するのではなく、不動産会社に依頼することによるメリット・デメリットを詳しく説明していきます。

4-1.不動産会社に依頼するメリット・デメリット

不動産会社に司法書士や弁護士などが雇用されているケースや外部に委託するケースでは、自分で依頼する手間と時間を省ける、不動産取引と手続きをスムーズに進められるというメリットがあります。

また、不動産会社に雇用されているケースでは、従業員の1人なので依頼時にかかる費用が安く抑えられる可能性もあります。

一方、不動産会社が外部委託するケースでは、報酬が高く設定されていて他と比べて多くの報酬を支払わなくてはならない可能性もあるので注意が必要です。

どちらにすべきかよく分からない人は、仲介を依頼する不動産会社に司法書士や弁護士が所属しているのかまたは外部委託なのか、依頼した場合にどのくらいの費用がかかるのか確認しておきましょう。

まとめ

土地の所有者が変わったにもかかわらず名義をそのままにしていると、登記簿を確認した第三者が勘違いしてトラブルに発展する可能性があります。

現時点では、名義変更手続きは必須ではありません。しかし、第三者とのトラブルを未然に防ぐためにも名義変更手続きを必ず行いましょう

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(記事企画/監修)イエカレ編集部
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