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【イエカレ】駐車場経営の始め方と知識を解説|比較的始めやすい一方で注意する点も確認しておこう
この記事を読むのにかかる時間:10分
目次
1.初心者でも始めやすい駐車場経営の基礎知識
駐車場経営は土地活用方法の中でも特に手軽に始められる手段として注目を集めています。
ここでは駐車場経営の基礎知識として、概要や特徴をチェックしてみましょう。
1-1.駐車場経営とはローリスク&ローリターンの不動産経営
駐車場経営は立体駐車場のような大がかりなケースを除き、必要最小限の設備を導入するだけで始められる不動産経営のひとつです。
毎月の収益こそアパート・マンション経営に及ばないものの、その分初期費用を安く抑えられるため、ローリスク&ローリターンの経営を行っていくことができます。
1-2.資格なし・狭小地でもOK!駐車場経営の主な特徴
駐車場経営にはアパート・マンション経営にはない特徴やメリットがたくさんあります。
ここでは主な特徴やメリットを3つのポイントにまとめてみました。
1-2-1.狭い土地やいびつな土地でも経営できる
アパートやマンションの場合、ある程度の面積がなければ建物を建設することができないため、相続した土地が狭小地だったり、いびつな変形地だったりする場合は経営が難しくなります。
それに対して、駐車場経営は自動車をとめておけるだけのスペースがあればOK。10~15坪程度の土地があれば、車を2~3台分くらい駐車できるので、十分駐車場として活用することができます。
また、土地の形状にも左右されにくいので、いびつな土地でも効率的に運用できるのが魅力です。
1-2-2.初期費用を安く抑えられる
アパート・マンション経営の場合、新築物件を建設するのに多額の費用がかかります。
具体的な費用は物件の規模や構造などによって異なりますが、200㎡の土地に2階建てのアパート・マンションを建設した場合、3,500~5,000万円程度の費用がかかるといわれています。
一方、すでに土地を持っている方が駐車場経営を始める場合、必要となる費用は舗装や車止めのブロック費、ライン引き費といった整地費用のみなので、小規模なものなら数十万円~の費用で事足ります。
アパートやマンション経営の場合、初期費用が多額になるのでローンを組む方も多いのですが、駐車場経営であればローンを組まずにスタートすることも可能でしょう。
1-2-3.資格なしでも経営できる
駐車場経営を始めるにあたって、特別な資格は必要ありません。
小規模な月極駐車場であれば届出や申請も不要なので、駐車場の整備が終わればいつでも開業することができます。
ただし、500㎡(151.25 坪)を超えるようなコインパーキングを経営する場合や、管理規定社になる場合は別途事前申請が必要です。
2.安定した収入を期待できる!月極駐車場経営の始め方
駐車場経営には月極駐車場とコインパーキングの2種類がありますが、安定した収入を重視するのなら月極駐車場の経営がおすすめです。
ただ、コインパーキングの経営に比べてデメリットもありますので、利点・欠点の両方を理解してからどちらを選ぶか慎重に見極めましょう。
ここでは月極駐車場経営の始め方やメリット・デメリットを紹介します。
2-1.特定の利用者と契約を結ぶ月極駐車場経営
月極駐車場とは、月ごとの定額制で賃貸契約を結ぶ駐車場のことです。オーナーは特定の利用者に1区画分の駐車スペースを貸す代わりに、毎月一定の賃料を得ることができます。
経営方法は大きくわけて3つあり、1つ目は利用者の募集から賃料の回収まですべて自分で行う「個人経営」が挙げられます。
賃料がそのまま収入として手元に残るのがメリットですが、業務のすべてをオーナーが行わなければならないため、経営初心者やサラリーマンとして働いている方には不向きです。
2つ目の「管理委託」は委託費用を支払う代わりに、業者に集金や督促、巡回、利用者からのクレーム対応まで請け負ってもらえる方法です。
委託できる業務内容は会社やプランによって異なり、清掃や保守メンテナンスに関しては別途費用がかかる場合が多いです。これらを含めたフルプラン提案もあり税率が変わるほか、都度契約手数料を払うことで利用者の募集も委託できます。
3つ目の「一括借り上げ」は、所有する駐車場を一括で借り上げてもらい、毎月一定のリース料を得る方法です。
管理委託に比べて報酬が割高な点や、もらえるリース料が満車時に比べて低いところが難点ですが、空きスペースがあっても収入が減る心配はないので、安定した収入を見込めます。
2-2.月極駐車場経営にかかる初期費用と管理費・収益費
先にも説明した通り、月極駐車場にかかる初期費用は駐車場の整備費のみで済みます。整備費用の大半を占める舗装費に関しては、砂利敷、アスファルト舗装、コンクリート舗装などの種類によって異なります。
砂利敷なら1㎡あたり2,000円程度で済みますが、アスファルトなら5,000円/㎡、コンクリートなら8,000円/㎡程度が相場なので、費用に大きな差が生まれます。
さらに区画ごとの費用として、ライン引きに5,000円/台、車止めブロックの設置に5,000~6,000円/台、駐車場番号の表記に1,000円/台程度がかかります。
一方、委託管理や一括借り上げを利用した場合は別途管理費の支払いが必要となります。費用は駐車場の規模などによって異なりますが、委託管理の場合は賃料の5~10%、一括借り上げの場合は賃料の15~20%程度が相場となっています。
もし、200㎡の土地に10台の車をとめられるアスファルト舗装の駐車場を作った場合、初期費用はおよそ111万円程度。この駐車場を月額賃料1万円で貸し出したとすると、契約率100%の場合の賃料は10万円となります。
委託管理や一括借り上げ利用時はここから手数料を差し引くため、手元に残るのは80,000~90,000円程度。順調にいけば2年経たずに初期費用を回収することができます。
2-3.月極駐車場経営のメリットは初期費用を抑えて安定収入をゲットできる点
月極駐車場経営のメリットは、コストを抑えて安定した収入を獲得できるところです。精算機などの機器を導入する必要はなく、整地のみで経営を始められるので、初期費用を安く済ませることができます。
また、利用者から毎月一定の賃料を徴収できるため、日ごとの利用者数に左右されることなく、安定した収入が得られます。賃料は前払いするシステムなので、未払いリスクが起こる心配もありません。
2-4.月極駐車場経営のデメリットは空きやトラブルに悩まされること
月極駐車場のデメリットは、コインパーキングのように手軽に利用できないぶん、立地が悪いとなかなか契約に結びつかないところです。
もともと賃料が定額である月極駐車場は収益に上限があるため、空きスペースが一つ出るだけでも収入面で大きなダメージを受けやすい傾向にあります。
また、機器を導入していない月極駐車場では違法駐車などのトラブルが発生しやすく、利用者からクレームが入ったらすぐに対処しなければならないところもデメリットの一つに数えられます。
3.利用者が増えるほど収益が上がる!コインパーキング経営の始め方
特定の利用者と契約を結ぶ月極駐車場に対し、コインパーキングは不特定多数の人が利用する駐車場です。
コインパーキングにしかないメリットや注意点がありますので、特徴をよく理解しておきましょう。
3-1.24時間好きな時に利用できる!コインパーキングの概要と特徴
コインパーキングとは、誰でも好きな時に利用できる時間貸し駐車場のことです。
利用者は入庫時にゲートを通るか、あるいはロック式の駐車場に停車し、出庫する時に料金を精算する仕組みになっています。そのため、入口には料金を支払う精算機が設置されています。
3-2.機器や設備の導入が必要!コインパーキング経営の費用と収益
空き地を駐車場に整地するための費用は月極駐車場とほぼ同じですが、コインパーキング経営の場合、さらに精算機やゲート、ロック板などの機器や設備を導入する必要があります。
費用は設備の種類によって異なりますが、精算機は1台につき40~50万円。ゲート式は35~40万/本、ロック板は10万円前後/台、さらに看板や照明などを取り付ける費用として15~20万円程度かかります。
なお、機器や設備は業者に施工を頼まなければならないため、別途工事費として50~60万円程度必要です。
仮に200㎡の土地に10台停車できる駐車場を作った場合、整地費用を加えるとトータル費用はゲートの場合は300~350万円程度、ロック板の場合は280~330万円程度が相場となります。
気になる収益ですが、月極駐車場と同じく、個人経営の場合と一括借り上げの場合では手数料の分だけ収入に差が出ます。
また、コインパーキングは稼働率によって収益が大きく変動するので一概にいくらと言うことはできませんが、一例として1時間あたり200円で12時間稼働していた場合、1ヵ月あたりの売上は72万円ほどになります。
3-3.コインパーキング経営のメリットは収益率の高さ
コインパーキング経営のメリットは、稼働率と収益率が比例しているところです。
定額制の月極駐車場の場合、毎月の契約人数によって収益が決まってしまいますが、コインパーキングは利用者が多ければ多いほど収益率が高くなり、安定した収入を期待できます。
また、入出庫にゲートやロック板を使用するので、月極駐車場に比べて違法駐車されにくいのもメリットのひとつです。
3-4.コインパーキング経営のデメリットは初期費用の高さ
コインパーキング経営のデメリットは、運用を開始するまでにそれなりの費用がかかってしまうところです。
ほぼ整地のみでOKの月極駐車場に比べると、機器や設備の導入が必要になるため、100万円単位の差が生まれます。
また、違法駐車のリスクは少ないものの、不特定多数の人が利用するぶん、当て逃げや未払いのリスクは高い傾向にあります。
こうしたトラブル対策には防犯カメラの設置などが有用ですが、導入費用やランニングコストがかかってしまのがネックです。
4.固定資産税や所得税など駐車場経営にかかる税金
駐車場経営を始めると、経営状況に応じてさまざまな税金が課せられます。
これらの費用は駐車場経営で得た収入でまかなうことになるので、どんな税金がどのくらいかかるのか大まかにでも把握しておきましょう。
4-1.土地を所有しているだけで発生する固定資産税
固定資産税とは、土地や建物といった固定資産を所有している人すべてに課せられる税金のことです。駐車場経営の場合は土地のみが課税対象となり、固定資産税評価額×1.4%(標準税率)で計算されます。
なお、土地が住宅用地として使われている場合は最大で固定資産税が1/6になる軽減措置が適用されますが、駐車場は更地扱いとなり、こうした軽減措置の対象とはならないので注意が必要です。
4-2.市街化区域内の土地に課せられる都市計画税
都市計画税とは、市街化区域内に土地や建物を所有している人に課せられる税金のことです。
市街化区域とは、都市計画法によって「すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」と定義されている区域で、各市町村が発行している都市計画図によって確認することができます。
都市計画税の計算式は固定資産税評価額×0.3%(制限税率)となります。
名前こそ異なりますが、固定資産税とほぼ同じ扱いですので、軽減措置の対象にはなりません。
4-3.土地・建物以外の資産に課せられる償却資産税
償却資産税とは、土地・建物以外の事業用資産に課せられる税金のことです。
駐車場経営の場合、精算機やロック板、看板などが償却資産に該当します。
なお、償却資産税は固定資産税の一種ですので計算式も同じです。
4-4.課税事業者は消費税がかかる
事業所得が1,000万円を超える事業者は「課税事業者」とみなされ、売上に対して消費税が課税されます。
ただ、課税事業者かどうかは2年前の売上をもとに判断されるため、資本金が1,000万円未満の状態で駐車場経営を始めた場合は事業開始から2年間は消費税がかかりません。
2年後においても売上が1,000万円を超えなければ免税事業者となり、消費税は課税されない仕組みになっています。
4-5.事業売上がある場合は所得税・住民税・個人事業税がかかる
売上から諸経費や控除を差し引いた「課税事業所得」に一定の税率を掛けて計算されるのが所得税・住民税・個人事業税の3つです。
所得税は課税事業所得に応じて97,500円~4,796,000円の控除額を差し引いた上で、5~40%の税率を掛けて計算します。
一方の住民税は、課税所得金額から所得控除額を差し引き、一定の税率を掛けた後、さらに税額控除額を引いて求める「所得割」に、自治体によって異なる「均等割」を足して計算します。
3つ目の個人事業税は課税事業所得から青色申告特別控除や事業主控除などを差し引いた額に一定の税率をかけて求めます。
なお、青色申告特別控除は最大65万円、事業主控除は290万円となり、合計で355万円が課税事業所得から控除されます。
税率は法定業種ごとに3~5%と別れていますが、駐車場経営は第1種事業に該当するため、5%の税率が掛けられます。
ただし、駐車場業として認定を受けるには、以下3つのうちいずれかの基準を満たす必要があります。
- ①寄託を受けて保管行為を行う駐車場(1台以上)
- ②構築物や機械式である駐車場(1台以上)
- ③上記以外の建築物でない駐車場(10台以上)
つまり立体駐車場以外の駐車場経営なら10台以上の規模でなければ個人事業税は非課税となります。
5.立地や料金設定に注目!駐車場経営で成功するためのポイント3つ
駐車場経営では、立地や管理会社、料金設定などに注意することが成功への近道となります。
ここでは駐車場経営を成功させるポイントやコツを3つ紹介します。
5-1.駐車場の立地は最重要項目のひとつ
駐車場経営が成功するか否かは立地にかかっていると言っても過言ではありません。
需要が高いのは車の乗り降りが多い場所で、駅の近くや商業地区、オフィス街、病院などが該当します。特に駅の近くやオフィス街についてはマイカー通勤している方が多いので、月極駐車場の需要も高い傾向にあります。
一方、道幅が狭かったり、交通量が多かったりする場所は短時間でも路上駐車できないので、コインパーキングのニーズが高まります。
相続などですでに土地を持っている場合は立地を選ぶことができませんが、周辺環境をチェックして、月極とコインパーキングのどちらが適しているか慎重に見極めるようにしましょう。
5-2.口コミや実際に管理されている駐車場などを確認し誠実な管理会社を選ぶ
サラリーマンが副業として駐車場経営する場合、業者に管理業務を委託するのが一般的です。管理業務は利用者の募集から賃料の回収、クレーム対応まで多岐に亘るため、信頼できる業者を選ぶことが成功の鍵となります。
良質な業者を見分けるポイントとしては、こちらの質問に迅速かつ丁寧に対応してくれることや、ネットでの口コミ評価が高いことなどが挙げられますが、最もおすすめの方法は、実際にその業者が管理している駐車場を確認しに行くことです。
きちんと清掃が行き届き、舗装も良い状態をキープできていれば、信用性の高い業者と判断できるでしょう。
5-3.適切な料金設定を維持する
設備やサービスで付加価値をつけられるアパートやマンションに対し、車を停車しておくだけの駐車場は立地以外に優劣をつけにくい傾向にあります。そのため、利用者も価格のみで判断することが多く、安い駐車場に人が集中しがちです。
ただ、あまり料金を下げると収入が減ってしまうので、周辺の駐車場をしっかりリサーチし、他よりやや低めの料金を設定すると集客しやすくなります。
アパートやマンションの家賃と違って駐車料金は割とひんぱんに変更されるので、管理会社に周辺のリサーチを依頼し、常に適切な料金設定を維持できるよう努めましょう。
まとめ
マンション・アパート経営となると大がかりですが、駐車場経営であれば、比較的始めやすいといえます。
基本的な始め方や経営の種類、費用相場などをおさえておけば、初心者であっても堅実な運営を行っていくことが可能です。
もともと土地を所有している方なら、初期費用も最小限に抑えられるため、ローリスクで安定した収入を目指せるでしょう。
ただ、アパートやマンションと違って競合と差をつけるのが難しい面もあります。そのため、駐車場の立地や管理会社選び、料金設定などには十分配慮することが大切です。
この記事について
(記事企画/監修)イエカレ編集部
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