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【イエカレ】アパート経営の年収は?家賃収入だけで生活できるかシミュレーションしました
この記事を読むのにかかる時間:10分
目次
1.アパート経営の収入と支出のリアルを理解する
アパート経営がどれほどの年収を生み出すのかを判断するには、収入と支出の内訳を具体的に把握する必要があります。
以下では、代表的な収入と支出の項目を整理し、実際にどの程度の手取りが見込めるのかを考察します。
1-1.アパート経営における収入の構成
アパート経営の収入は、家賃だけでなく、以下のように複数の項目で構成されます。これらの収入源を多角的に理解することが、安定した経営の第一歩となります。
- ・家賃収入
- ・管理費・共益費
- ・駐車場賃料
- ・礼金・更新料
1-2.家賃収入
入居者から毎月得られるメインの収入源です。
物件の立地、築年数、設備、間取りなどによって単価が大きく変動し、稼働率(入居率)が直接的に収入に影響するため、空室対策が非常に重要になります。安定した家賃収入は、経営の基盤を強固にします。
1-3.管理費・共益費
共用部分の維持管理に充てる費用を、入居者から回収する収入です。
具体的には、廊下やエントランス、階段、エレベーター、ゴミ置き場、共用部の照明や清掃、植栽管理などに要する費用が含まれます。これらの費用を適切に徴収することで、物件の美観と機能を維持し、入居者の満足度を高めることに繋がります。
1-4.駐車場賃料
敷地内に駐車場がある場合、その使用料も家賃収入とは別の付帯収入として加わります。
都市部では特に需要が高く、アパートの魅力を高める要素にもなります。場合によっては、駐輪場の使用料なども小さな収入源となることがあります。
1-5.礼金・更新料
契約時および更新時に発生する一時的な収入です。礼金は入居時に一度だけ徴収される慣習的な費用であり、更新料は賃貸借契約を更新する際に発生する費用です。
これらは毎月発生する収入ではありませんが、まとまった一時金として経営に貢献します。地域や物件の特性によって徴収の有無や金額が異なります。
2.アパート経営における支出の構成
一方で、収入を得るためには様々な支出も発生します。これらの支出を正確に把握し、適切に管理することが、利益を最大化し、安定したアパート経営を継続するために不可欠です。
- ・ローン返済
- ・管理会社手数料
- ・仲介手数料・募集費
- ・修繕費・リフォーム費
2-1.ローン返済
金融機関からの借入金の元利金返済です。物件購入の際に融資を受けた場合、毎月または決められたサイクルで返済が発生します。
金利の変動や返済期間によって月々の返済額が大きく変わるため、事前に返済計画を綿密に立てることが重要です。総支出の中でも大きな割合を占めることが一般的です。
2-2.管理会社手数料
物件管理を専門の管理会社に外注する場合に支払う手数料です。これには、入居者募集業務、賃料の徴収、入居者からのクレーム対応、設備の修繕手配、退去時の立ち会い、敷金精算など、多岐にわたる業務が含まれます。
管理を専門家に任せることで、オーナーの手間を省き、効率的な経営が可能になりますが、その費用は経費として計上されます。
2-3.仲介手数料・募集費
新しい入居者を募集する際にかかる広告費や不動産会社への手数料です。
空室が発生した際に、迅速に次の入居者を確保するためには、これらの費用を投じて募集活動を行うことが必要です。ウェブサイトへの掲載料や、仲介業者への成功報酬などが含まれます。
2-4.修繕費・リフォーム費
経年劣化や入居者の退去に伴う原状回復、空室対策のための改修にかかる費用です。
壁紙の張り替えや設備の交換といった小規模なものから、外壁塗装、屋根の修繕、共用部の大規模改修といった多額の費用が必要となるケースもあります。
計画的な修繕を行うことで、物件の資産価値を維持し、長期的な入居率向上に繋がります。将来の大規模修繕に備えて、修繕積立金を確保しておくことも重要です。
これらの支出は、経営の安定性に直結するため、収支のバランスを継続的に確認する必要があります。予期せぬ出費に備えるため、余裕を持った資金計画が求められます。
3.税金の考慮が必要なポイント
アパート経営では、複数の税金が発生する点に留意が必要です。
- ・所得税・住民税
- ・固定資産税・都市計画税
- ・事業税
- ・消費税
3-1.所得税・住民税
個人の場合: アパート経営によって得られた不動産所得(収入から必要経費を差し引いたもの)に対して課税されます。
所得税は累進課税制度が適用されるため、所得額が増えるほど税率も高くなります。
住民税は一律10%程度の税率で課税されます。確定申告を通じて所得を計算し、納税を行います。
法人の場合: アパート経営を法人として行う場合、不動産所得は法人の所得となり、法人税、法人住民税、法人事業税が課税されます。これらの税率は、個人の所得税とは異なる体系で計算されます。
法人化することで、税務上のメリットや事業承継のメリットを享受できる場合がありますが、設立・維持コストも発生します。
3-2.固定資産税・都市計画税
毎年1月1日時点の不動産所有者に対して課税される地方税です。土地と建物それぞれの固定資産評価額に基づいて計算されます。
都市計画税は、市街化区域内にある不動産に課される税金で、都市計画事業や土地区画整理事業の費用に充てられます。これらの税金は毎年必ず発生するため、年間の支出計画に組み込んでおく必要があります。
3-3.事業税
不動産賃貸業が一定の規模(例えば、アパートの室数や家賃収入の基準)を超えると、「事業的規模」とみなされ、個人事業税が課税される場合があります。これは、事業から生じる所得に対して課税される地方税です。
3-4.消費税
原則として、居住用のアパート賃貸は非課税とされています。
しかし、駐車場収入、共益費、管理会社への手数料、修繕費用など、一部の取引や非居住用部分(事務所や店舗など)の賃貸には消費税が課税される可能性があります。
課税事業者に該当する場合は、消費税の申告・納税が必要になります。
3-5.減価償却の考え方
建物の減価償却や経費計上による節税効果も経営判断の鍵を握る要素です。
減価償却費は、建物の取得費用を法定耐用年数に応じて毎年経費として計上できるものです。これは、建物が年月の経過と共に価値が減少していくという考え方に基づいています。
この費用は実際の現金の支出を伴わない「非現金支出」であるにもかかわらず、会計上は経費として計上できるため、不動産所得を圧縮する効果があります。
結果として、課税対象となる所得が減少し、所得税や住民税の負担を軽減する「節税効果」が期待できます。
減価償却の計算方法(定額法や定率法)や、対象となる資産の耐用年数によって、毎年の計上額が異なります。
4.シミュレーションで見る年収の実態
では、具体的な物件を想定したシミュレーションを通じて、アパート経営で手元にどの程度の収入が残るのか、その年収の実態を見てみましょう。
ここでは、都心から少し離れた郊外に位置する、築20年の木造アパート(全10部屋)と、駅から徒歩圏内の好立地に建つ新築アパート(全8部屋)の2つのケースを仮定します。
4-1.ケース1:築20年の木造アパート(全10部屋)の場合
築年数が経過しているため、物件価格は比較的抑えられ、利回りが高く見えることがあります。一方で、修繕費の発生リスクは高まります。
物件情報 | |
---|---|
物件価格 | 7,200万円 |
部屋数・家賃 | 全10部屋、各部屋:6万円/月 |
収入 | |
家賃収入(月額・満室時) | 60万円(6万円 × 10部屋) |
年間収入合計 | 720万円(礼金・更新料・駐車場賃料等を含む) |
支出 | |
年間支出合計 | 420万円(ローン返済、管理費、修繕費、税金等) |
収支結果 | |
減価償却後の不動産所得 | 300万円 |
税引後キャッシュフロー | 約220万円 |
利回り | |
表面利回り | 10%(720万円 ÷ 7,200万円) |
実質利回り(NOI利回り) | 約7.3%(営業純利益 ÷ 7,200万円) |
4-2.ケース2:新築アパート(全8部屋)の場合
新築物件は、築古物件に比べて購入価格が高くなる傾向がありますが、最新の設備やデザイン、耐震性などが魅力となり、高い家賃設定が可能で、入居率も安定しやすいメリットがあります。また、初期の修繕費は低く抑えられることが多いです。
物件情報 | |
---|---|
物件価格(想定) | 8,600万円 |
部屋数・家賃 | 全8部屋、各部屋:8.5万円/月 |
収入 | |
家賃収入(月額・満室時) | 68万円(8.5万円 × 8部屋) |
年間収入合計 | 816万円(礼金・更新料・駐車場賃料等を含む) |
支出 | |
年間支出合計 | 480万円(ローン返済、管理費、税金、仲介費、築浅のため修繕費少) |
収支結果 | |
減価償却後の不動産所得 | 336万円 |
税引後キャッシュフロー | 約260万円 |
利回り | |
表面利回り | 約9.5%(816万円 ÷ 8,600万円) |
実質利回り(NOI利回り) | 約6.5%(営業純利益 ÷ 8,600万円) |
4-3.シミュレーションの対比からわかること
上記の2つのシミュレーションから、アパート経営は表面利回りだけでなく、実質的な手取り収入である税引後キャッシュフローを見極めることが重要であることがわかります。
新築物件は初期投資が高く利回りが低く見えることがありますが、入居の安定性や修繕費の少なさから、長期的に安定したキャッシュフローを生み出す可能性があります。
一方で築古物件は高利回りを期待できる反面、将来の修繕費用や空室リスクをより慎重に考慮する必要があります。
アパート経営が表面上は大きな収入を生み出しているように見えても、様々な支出や税金を差し引いた結果、実際に手元に残る金額には限りがあるということです。
経営の成功には、これらの具体的な数字を理解し、いかに支出を抑え、安定した稼働率を維持するかが鍵となります。
アパート経営は、理論だけでなく「どんな土地で・どんな業者と始めるか」で結果が大きく変わります。
ご自身の資金状況や希望条件に合った計画を知るには、複数の専門業者の提案を比較することが近道です。
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5.FAQ:よくある質問
5-1.Q1:アパート経営を始めるにあたって、最初に考慮すべきことは何ですか?
アパート経営を始める際には、まずご自身の「目的」と「資金計画」を明確にすることが重要です。
どのくらいの規模の物件を、どのような目的(長期的な資産形成、節税、年金対策など)で所有したいのかを具体化し、それに見合った自己資金や借入可能額を把握しましょう。
次に、物件の「立地」と「種類(新築か中古か、木造か鉄骨かなど)」を選定します。立地は家賃収入や空室率に直結し、物件の種類は初期費用、維持管理費、減価償却期間、そして将来の売却価格に大きく影響します。
これらの要素を総合的に検討し、ご自身の目標に合った最適な物件を見つけることが成功への第一歩となります。
5-2.Q2:空室対策として効果的な方法にはどのようなものがありますか?
空室対策は、アパート経営の収入を安定させるために非常に重要です。効果的な方法としては、まず「適切な家賃設定」があります。周辺相場と比較し、競合物件よりも魅力的で、かつ収益性を確保できるバランスの取れた価格設定が必要です。
次に、「入居者ニーズに合わせたリフォームや設備投資」です。例えば、インターネット無料、宅配ボックス設置、独立洗面台、ウォークインクローゼットなど、現代の入居者が求める設備を導入することで、競争力を高めることができます。
また、「ターゲット層に合わせた物件の魅力付け」も重要です。単身者向け、ファミリー向けなど、ターゲット層を明確にし、その層に響くような内装やサービスを提供することで、効率的な入居促進が可能です。
さらに、「管理会社の選定と連携」も欠かせません。迅速な入居者対応、的確な募集活動、物件の定期的なメンテナンスを通じて、入居者の満足度を高め、長期入居を促すことが大切です。
5-3.Q3:アパートの修繕費はどのくらいの頻度で、どの程度必要になりますか?
アパートの修繕費は、物件の構造、築年数、使用状況によって大きく異なりますが、計画的な積立が非常に重要です。
日常的なメンテナンス費用(共用部の清掃、電球交換など)は毎月発生します。大規模な修繕としては、外壁の塗り替えや屋根の防水工事は10年~15年程度、給排水管の交換は20年~30年程度の間隔で必要になることが一般的です。これらの大規模修繕には数百万円から、場合によっては数千万円といった多額の費用がかかることがあります。
また、入居者の退去時には、壁紙の張り替えや設備の交換といった原状回復費用が発生します。これらの費用に備えるため、年間収入の5%~10%程度を修繕費として積み立てておくことが推奨されます。
築年数が古い物件ほど、予期せぬ修繕が必要になる可能性が高まるため、より手厚い積立計画を立てることが賢明です。
「家賃収入だけで生活できるか?」という問いに対する答えは、事前準備とパートナー選び次第で大きく変わります。
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この記事について
(記事企画/監修)イエカレ編集部
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