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【イエカレ】空き家対策のための民泊運営のメリット|本当に空き家対策になるかデメリットもあわせて解説
この記事を読むのにかかる時間:10分
最新の民泊業法等に関する情報は「厚生労働省」のホームページで「民泊サービスと旅館業法に関するQ&A」が公開されています。気になる方はそちらも参考にしてみて下さい。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000111008.html
目次
まず、空き家活用を考える上で「空き家を放置してはいけない」理由をおさえましょう!
1.空き家のまま放置するデメリット
不動産を相続した、または転勤で持ち家に住んでいないなどと言った方の中には「買い手がなかなか見つからないから」や「いつか住むかもしれないから」といった理由で、空き家のまま放置している人もいると思います。しかし、空き家のまま放置するのはおすすめできません。
この章では、詳しい民泊の説明の前に、空き家をそのまま放置することをおすすめしない理由を解説します。理由としては、以下4つのデメリットが挙げられます。
- 建物の老朽化が進行する
- 建物の資産価値が低下する
- 特定空き家に指定される可能性がある
- 近隣トラブルが生じる可能性がある
以下で、それぞれのデメリットを詳しく見ていきます。
1-1.建物の老朽化が進行する
建物は築年数の経過とともに老朽化が進行するものですが、空き家のまま家を放置してしまうと、主に換気不足が原因で湿気が溜まり、カビやコケ、シロアリが発生して老朽化が早く進行するので要注意です。
また、適切な建物の管理が行われていない家は、外壁塗装が少しずつ剝がれてしまったり、サッシと壁の間に見えない隙間ができてきたりと、たいがい建物の防水性がすぐに低下していきます。その結果、雨漏り個所が増えたりして建物の腐食が急速に進行します。そうした老朽化が進行してしまうと、いざ自分が住み直したいと思ったり、売却または賃貸物件に変えて人に貸したくなっても余計な修繕が必要になってしまい無駄な修理費が発生してしまいます。
さらに、修繕対応ができないくらい老朽化が進行していると、結局、建物を解体するための解体費が必要になるので注意が必要です。
1-2.資産価値が低下する
建物の資産価値は「法定耐用年数」の影響を受けます。 「木造は22年」「鉄筋コンクリート造は47年」と建物の構造ごとに法定耐用年数が決まっています。
建物の資産価値は、この法定耐用年数に基づいて算出するため、空き家のまま放置するほど資産価値が低下するので注意が必要です。また、建物の資産価値は築年数だけでなく「建物の老朽化」の影響も受けてしまうので、老朽化が進むと、さらに資産価値が低いと判断されてしまいます。
そのため、例えば「高く売却したい」と思った場合は、そうならないうちに少しでも早く売却する必要が出てしまいます。
1-3.特定空き家に指定される可能性がある
皆さまは「特定空き家」の制度をご存知でしょうか?
最近ニュースで話題になったのを見た方もいると思いますが、特定空き家とは、以下の条件に該当する物件を言います。
- 倒壊する可能性が高い
- 衛生上の問題が大きい
- 景観を著しく損ねている
- 近隣住民に悪影響を及ぼしている
この特定空き家の制度について詳しくお伝えします。これは自治体がその地域の空き家の実態調査を行い、上記に該当する物件の所有者に対して「助言」や「指導」を行なうものです。
しかし、指定を受けてしまった物件所有者がその助言や指導を無視して空き家をそのままにした場合は、今度は自治体から「勧告」を受けることになります。この勧告を受けてしまうと住宅用地の特例を受けられなくなってしまい固定資産税が最大6倍になる可能性があるのでとても注意が必要という内容です。
さらに勧告を受けた後も、それを無視して空き家を放置し続けた場合は最終的に自治体によって空き家の強制解体が実施されることもあり、その場合は解体費用も請求されてしまいます。それを支払えない場合は土地ごと差し押さえられてしまう恐れもありますので、特定空き家に指定されることは避けなければなりません。
日本の空き家戸数は年々増加しているため、国や自治体は空き家の活用を推奨しています。 特定空き家の制度もそのような背景から生まれたものです。ですから、今後、空き家の放置に対する規制は益々厳しくなることが考えられます。
1-4.近隣トラブルが生じる可能性がある
空き家のまま放置して悪影響を受けるのは自分だけではありません。
「草木が伸びて隣地に入り込む」「景観を著しく損ねる」「害獣・害虫が住み着く」
こうしたことはたまに見られる光景ですが、それが起きてしまうと隣地にも当然悪影響が及びます。その他にも「外壁や屋根の一部が剥がれ落ちてしまい通行人にケガをさせてしまう」「不審火が発生して隣家に燃え移る」といった可能性だって考えられます。
まず「通行中の人が整備不良の家のせいでケガをした場合」は、その空き家の所有者は適切な家の管理を怠っていたことを理由に賠償責任を負わされることになります。
その次にあげた「不審火が隣家に燃え移った場合」はどうでしょう?「失火責任法が適用されるので隣家に燃え移っても賠償義務は発生しないでしょ!」と思った方もいらっしゃるかもしれません。しかし残念ながらそのようなことはありません。「適切な管理をせずに空き家を放置していたことが重過失だ」と判断されればその空き家の所有者は賠償責任を負うことになります。
このように空き家を放置したことが原因で近隣住民とトラブルに発展する、ケガをさせる可能性があるので注意が必要になります。
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空き家を「放置しつづける」と本当にマイナスしかないですね。次は民泊について詳しく!
2.民泊とは
ここからは民泊について説明をします。民泊とは、簡単に言えば、個人の住宅を宿泊施設として提供することです。
従来、宿泊施設を提供する際は旅館業法の許可が必要でしたが、外国人観光客が増え続ける日本でも宿泊施設が不足している現状があり、その問題に対して個人の住宅を宿泊施設として提供できれば、そうした施設不足の早期解消が図れるという考えが出てきました。
そして、2018年6月に住宅宿泊事業法(民泊新法)が制定され、都道府県知事に届出さえ行えば旅館業法の許可がなくても、個人の住宅を宿泊施設として提供できるようになりました。空き家所有者とっては空き家の有効活用につながり、外国人観光客にとっては宿泊施設を安く確保できる上、日本の生活文化にも直接触れられるといったメリットにもつながり、民泊を提供する人、利用する人の双方が増え始めた状況です。
では、空き家で民泊を始めるメリットにはどんなことがあるのでしょうか!?
3.空き家で民泊を始めるメリット
空き家を使って民泊を始めることに、どんなメリットがあるのか?を具体的に考えてみます。
空き家で民泊を始めるメリットとしては、以下の4つが挙げられます。
- 空き家を有効活用できる
- 空き家から収入を得られる
- 高く売却できる可能性がある
- 初期費用を少なく抑えられる
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
3-1.空き家を有効活用できる
空き家を放置し続けると、築年数が経過して資産価値が減少するだけでなく、家の老朽化がかえって酷くなるだけです。しかし、民泊に転用できた場合は、人の出入りが必然的に生まれるので老朽化の進行が抑えられます。
ここで「それなら賃貸として貸し出すという選択肢もあるのでは?」と気になった方もいらっしゃるでしょう。結論を先に述べますと、例えば、ご所有の空き家について「今売れるのを待っているところ」であったり「将来、自分がに住むことも視野に入れています」という人は、民泊を始めることを検討されても良いと思います。
もちろん、賃貸物件にもできるかもしれません。しかし、賃貸は民泊と比べて賃貸借契約に関する縛りが当然出るので、いざ、すぐに自分が住みたくなっても、まだ入居者がいた場合、余程正当な事由がない限り入居者の借りる権利が優先されます。しかし、民泊はいつでもやめられるのでそのような制約は受けません。そういう意味での手軽さはあるでしょう。「成約に縛られず一時的に空き家を有効活用したい」方にとってはメリットがあるでしょう。
3-2.空き家から収入を得られる
空き家であっても、毎年の固定資産税または都市計画税などは当然掛かります。上述した通り、さらに老朽化を防止するための修繕費用など余計な出費が掛かることも想定されます。ですから、空き家のまま放置する期間が長くなれば長くなるほど、支出が増えてしまうだけで損をしてしまう状況が続きます。
しかし、民泊を始めることができれば、利用者から宿泊料を得られるため、修繕費用や固定資産税といった支出を宿泊料で全額または一部補填することができる可能性があります。
例えば「購入してくれる希望者が見つかるまで」とか「将来、自分が住み始める」までの間、損でしかなかった支出を宿泊料で補えれば、それは大きなメリットになるのではないでしょうか。
3-3.高く売却できる可能性がある
通常の居住用不動産の場合、築年数や建物の劣化状況などで資産価値が判断されることは上述しました。老朽化の進行してしまった空き家は売却したくても不利になってしまいます。しかし、民泊運営が好調に推移した空き家は、高く売却できる可能性が出てきます。
その理由としてはその空き家を「居住用不動産ではなく事業用不動産として売却できる」からです。もちろん、事業用不動産の場合も、築年数や劣化状況などが資産価値を計る判断材料にはされるのですが、この場合は「どのくらいの利益が得られるか」も重要視されます。仮に民泊で安定した宿泊料を得られていた場合は居住用として売却するよりも好条件で売却できる可能性が高くなります。これもメリットになり得ます。
3-4.初期費用を少なく抑えられる
民泊を一から始める方の場合は、民泊用として貸し出したい住居を購入しなくてはならないので、当然、物件の購入費用を用立てる必要があります。しかし、既に空き家を所有している方が民泊を開始する場合は、そうした物件購入費用を準備する必要はありません。これはアドバンテージです。
また、民泊運営は賃貸用として貸し出すわけではありません。賃貸住宅にする場合は、空き家の建物の状態によっては入居者を確保するために大がかりなリフォームが必要なる場合があります。しかし、民泊の場合は、最低限のリフォームと設備修繕程度で初期費用を抑えることが可能です。
そのため、既に空き家を所有している方が民泊を開始する場合は、初期費用に対するハードルが低いわけです。これは、万が一、民泊運営に失敗したとしても、損失を最小限に抑えられる、つまり、リスクヘッジの上での大きなメリットと言えます。一から物件を購入して始める方はこうはいきません。
しかし、注意点もあります。どんなことでしょうか?早速、見ていきましょう!
4.空き家で民泊を始めるデメリット
ここまで、空き家で民泊を始めるメリットについて触れてきましたが、当然メリットがあれば注意して頂きたいデメリットも伴います。
空き家で民泊を始めたあとに後悔をしないために、この章で、事前にどのようなデメリットがあるのかも把握しておきましょう!
空き家で民泊を始めるデメリットとして、以下の4つが挙げられます。
- 安定した収入が得られるとは限らない
- 年間の稼働日数に上限がある
- 外国人客の場合は、文化や言葉の違いによるトラブルが発生する可能性がある
- 建物が傷む可能性がある
それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
4-1.安定した収入が得られるとは限らない
空き家で民泊を始めて軌道に乗れば、当然宿泊料が得られるようになります。
しかし、当然、宿泊料は利用者がいて初めて得られるものなので、もし利用者がいなければ宿泊料を得ることはできません。
ここで空き家で民泊をはじめる場合に、まず考える必要があるのは「空き家の立地」です。民泊にしたい空き家が、例えば「観光地に近い」もしくは「観光地まで交通の便が良い」「国際線が離着陸する空港、主要ターミナル駅に近い」こうした場所なら利用者確保に期待が持てます。
しかし残念ながら、上記のような場所から、遠く離れた住宅地にあった場合は、よほどの工夫がない限り利用者確保の期待はほとんどできない可能性があります。
一方で「周囲が田園風景だらけ」「空き家といっても、もう古民家なんですが」といった場合、一見利用者が期待できないと思われがちですが「日本文化が満喫できる!」という理由で外国人利用者が期待できます。民泊運営を検討するにあたって、対象物件の立地で利用者が期待できるかどうか?は、皆さまでもおおよそ察しが付くとは思いますが、ここでは「必ず利用者が期待できるとは限らない」点に注意をしてください。
その他では、私たち日本人も新型コロナウイルス拡大によって「外国人の入国禁止」や国内においても「県をまたいでの移動が制限された」といった辛い経験をしました。これは民泊運営だけに限りませんがパンデミックや大地震など想定外の事態によって、利用者が大幅に減少してしまうリスクがあり得ることも常に頭の片隅に入れておく必要があるでしょう。
4-2.年間の稼働日数に上限がある
本来、ホテルや旅館、簡易宿所などを経営する場合は旅館業法の許可が必要です。
しかし、上述したように、民泊は旅館業法の許可は不要で、都道府県知事に届出を行えば営業を始めることが可能です。ですから、これをお読みの皆さまの中には「だから尚更のこと、規制や手続きにかかる時間を考慮すれば、宿泊施設を経営するより民泊を始めた方が良いのでは?」と考えた方も多いかもしれません。
確かに、民泊運営に関して何も規制がないなら、ホテルや旅館を経営するよりも民泊を経営した方が手続きの手間は省けますし規制を気にせずに済みます。しかし、ご注意頂きたい点は、民泊運営の場合は「営業日数に制限」が設けられていることです。
その営業日数の制限は「年間180日」と定められています。例えるなら「一年の約半分は民泊として空き家を活用できない」ことになってしまいます。それを考えると、立地によっては「効率的な利用者確保と宿泊費収入を得られる方法とは言い難い」状況が出てくると思います。特に「年間180日の営業日数の制限」の規制は「その日数をどのように民泊運営で活かしていくか!」それが間違いなく民泊運営の成否を大きく左右するでしょう。
民泊運営では、外国人観光客のみならず、当然日本人の利用者も確保する必要があるため、営業日数を設定する時は国内だけでなく「国外の祝日や大型連休」も考慮しなくてはなりません。そして営業日以外については、例えば「ウィークリーマンションやイベントスペースとして貸し出す」などといった運営戦略を考える必要があるのはデメリットでしょう。
4-3.文化や言葉の違いによるトラブルが発生する可能性がある
民泊運営で利用者を確保する場合、外国人観光客を主な利用者にする必要があります。
しかし、外国人観光客が利用する場合、私たち日本人とは違う文化や生活風習によるトラブルが発生することを覚悟しておく必要があります。例えば、深夜に大声で騒いで近隣住民に迷惑をかけたり、利用者数の上限を守らないなどです。
これらの文化や風習の違いによるトラブルにはきちんと利用規約にルールを盛り込むことで未然に防ぐことが期待できます。しかし、言葉の違いによるトラブルの可能性は残ります。日本語と英語2つの表記の規約を用意しても、全ての外国人観光客が日本語や英語を理解できるとは限りません。
文化や言葉の違いによるトラブルを確実に防ぐためには、日本語と英語だけにせず、多くの利用者が見込めそうな国籍の言語、例えば、韓国語や中国語など、複数の言語で表記した規約を準備しておくことが重要です。
4-4.建物が傷む可能性がある
外国人観光客とのトラブルは私たち日本人との文化や言葉の違いだけでなく「マナーの違い」によるトラブルも想定しておく必要があります。建物の汚れや痛みなども想定しておかなくてはなりません。
民泊運営で外国人観光客を受け入れると一番多いトラブルが「ゴミの散乱による汚れや臭いの付着」「設備の破壊や盗難」です。もし、そうしたトラブルを起こした宿泊客が日本人であれば宿泊名簿の電話番号や住所などから追及をして責任を負ってもらうことができるかもしれません。しかし、それが外国人だった場合は責任追及ができずに泣き寝入りになることがほとんどです。
もうひとつ、私たち日本人が大事にしている「おもてなしの精神」から、外国人利用者に喜んでもらえたり、快適に過ごしてもらおうと、日本を満喫できるグッズや設備を追加する運営者が多いのですが、実はこれはあまりおすすめできません。民泊運営をする上でおもてなしの心を大切にするのは十分理解ができるのですが、壊されてしまったり、持ち帰られてしまう(盗難に遭う)リスクが高いのが理由です。
もちろんすべての外国人利用者がそうだと言うつもりは毛頭ありません。しかし、民泊運営では利用者が宿泊する上で困らない必要最低限の設備があれば十分です。せっかく準備をした大切な設備などを壊されたりすると、運営をする身としては不要な精神的な負担を感じてしまうでしょう。逆に言えば、そうした精神的な負担を感じないようにするためには「壊されてしまうかも」「汚されてしまうかも」ということを前提に民泊運営にあたることをおすすめします。
どれも大切な注意点でしたね。最後はいよいよ民泊を始める手順についてです!
5.民泊を始める手順
ここまでお読み頂いた読者のなかには、空き家対策につながることを期待して、民泊をすぐに始めたいと考え始めた方もいらっしゃるかもしれません。ただ民泊運営にも始める手順がありますので、以下の内容をご確認ください。
民泊を開始するには都道府県知事に届出が必要になることはお伝えしてきました。速やかに民泊を始めたい方はどのような手順になるのかを事前に把握しておくことが重要です。
まず、民泊を始める手順としては、大きく以下の2つに分かれます。
- 民泊の形態を決める
- 許可申請・届出を行う
それぞれの手順について、さらに詳しく見ていきます。
5-1.民泊の形態を決める
民泊を始める際は、まず民泊の形態を決める必要があります。民泊の形態は、大きく以下の3つに分かれます。
- 住宅宿泊事業法による民泊
- 旅館業法による民泊
- 特区民泊
1.住宅宿泊事業法による民泊
これまで説明をしてきた「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が制定された結果、認められた形態です。おさらいになりますが都道府県知事に届出を行うだけの簡単な手続きで民泊が開始できます。基本的には一般的な住宅が備えている浴室やトイレ、洗面設備があれば十分で年間180日以内での営業が可能です。
この住宅宿泊事業法による民泊には「家主居住型」と「家主不在型」という2種類の形態がありますが、注意点としては「家主不在型の場合」は住宅宿泊管理業者に管理委託をしなければならない点です。
2.旅館業法による民泊
これは都道府県知事の営業許可を得る必要がある民泊(簡易宿所)です。
そのため、住宅宿泊事業法による民泊よりも始めるまでに時間と手間が発生します。
実はこの形態では、上記1.の住宅宿泊事業法による民泊運営とは違い営業日数の上限がありません。上限がない点はメリットなのですが、注意点としては「営業可能地域が限られる」「設備や客室面積は、建築基準法や消防法などの制限を大きく受ける」点になります。
3.特区民泊
これは上記2.旅館業法が適用されない民泊のことで、国家戦略特別区域という区域に該当する自治体において、その自治体が条例を定めた場合のみ、この特区民泊の運営が可能になるというものです。具体的には、例えば「2泊3日以上」と滞在に下限が設けられているほか、自治体ごとに取り決めた条件が盛り込まれます。
また、この形態も、上記1.の住宅宿泊事業法による民泊運営とは違い営業日数の上限が撤廃されるため、営業日数を気にせずに民泊運営を行うことが可能です。ただ「2泊3日以上」と滞在に下限が設けられているため、会社の出張や小旅行などで1泊2日の短期利用をしたいという利用者は残念ながら確保できない点は注意が必要です。
「成約に縛られず手軽に民泊を始めたい方」は、1.の住宅宿泊事業法による民泊、逆に、本格的に民泊に取り組みたい方は2.の旅館業法による民泊を選ぶといったように目的に応じて選び分けることをおすすめします。3.の特区民泊の運営エリアが限定されるため、この特区民泊に該当した方は、他の形態と比較して、ご自身にとってのメリットが大きいのがどれなのかをよく考えてから選んでみて下さい。
5-2.許可申請・届出を行う
さて、いよいよ民泊の形態の決めた後は、各形態に応じた許可申請・届出を行いますが、不備がなく速やかに民泊運営をするためにも申請窓口を事前に確認しておきましょう。
住宅宿泊事業法による民泊運営を始める場合は、都道府県に届出を行いますが、担当部署は観光、衛生など自治体で管轄部署が異なっています。ですから、ご自身の物件がある自治体の担当部署がどこか、事前にどこに届出をすればよいかをよく確認しておく必要があります。自治体へ電話で問い合わせるか、自治体のホームページで確認ができます。
旅館業法による民泊を始める場合は、各都道府県の保健所に許可申請を行うのが一般的です。 相談後に手続きを開始する自治体もあるため、まずは問い合わせることをおすすめします。
特区民泊を始める場合は、住宅宿泊事業法による民泊と同様、自治体ごとに窓口が異なるため、事前にどこに届出を行うのか確認しておく必要があります。
必要な申請書類や手続きなどは、各形態とも申請をする自治体によって異なるため、速やかに手続きを完了させるには、何が必要なのかを事前に確認しておくことが、早期に民泊運営を開始できるために不可欠です。
また、各形態の条件を満たすためにリフォームを行わなくてはならないケースもありますので注意が必要です。リフォームに時間がかかってしまうと営業開始が遅れるため、ご自身の空き家の建物に問題がないか、設備がしっかりと機能するかを事前によく確認しておきましょう。
まとめ
この記事では空き家の放置をした場合の問題点と、民泊新法に基づいた内容で空き家を使った民泊運営について解説してきました。
「相続で空き家を取得した」「持ち家を持っているのに転勤によって空き家になった」という人の中には、空き家の扱いに困っている人も多いと思います。「いつか住むかもしれないからそのままにしておこう」「なかなか買い手が見つからないな」といった場合、結果的に空き家の状態が長く続くことになります。
しかし、空き家を放置したままだと、固定資産税などの諸費用がかかる、建物の資産価値が下がるといったデメリットが伴ってしまうため、何かしらの空き家活用対策を練ることが重要なわけです。
そこで登場したのが、今回の民泊新法で可能となった「住宅宿泊事業法による民泊」です。
ポイントとしては「成約に縛られず空き家活用ができないか?」という空き家所有者が対象になるわけですが、この形態の民泊は手軽に始められる空き家の有効活用になる一方、やはりメリットとデメリットを伴います。
また、民泊の運営形態も住宅宿泊事業法以外に2つあるため、それらの違いもよく確認してからご自身に一番あった形態を使って空き家活用ならびに民泊運営を開始しましょう。成功をお祈りします。
▼イエカレでは土地活用や不動産管理に関する記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
土地活用に関する記事:https://plus-search.com/chintai/archives.php
賃貸管理に関する記事:https://plus-search.com/property_management/archives.php
家の貸し出しに関する記事:https://plus-search.com/relocation/archives.php
不動産売却に関する記事:https://plus-search.com/fudousanbaikyaku/archives.php
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この記事について
(記事企画/監修)イエカレ編集部
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