【土地活用の差別化戦略】ペット共生型賃貸でペットと気兼ねなく暮らしたい！入居者ニーズを捉えた賃貸経営のススメ！【イエカレ】

ペット共生型賃貸とは、人とペットがどちらも暮らしやすく快適に過ごせる環境をコンセプトにして作られた賃貸住宅です。

最近はペットの位置づけが、可愛がる相手（愛玩動物）から家族の一員やパートナー（伴侶動物）に変化しつつあります。一方で一般のマンションのような賃貸住宅ではペットの入居を嫌がるオーナーや入居者もいるため、建物全体でペット飼育を可能にすることが難しいのが現状です。

このような背景から、ペット専用の設備を備えて、人とペットが共に快適な生活を送るためのペット共生型賃貸が生まれました。

一般に「ペット可」の表示がある物件は、単にペットを飼ってもよいという許可をしているだけであり、他の入居者が必ずしもペットを歓迎しているわけではありません。

また住居の設備はペットを飼うことに対応しておらず、飼育に関する適切な規約がなければトラブルにつながるおそれがあります。

しかし、ペット共生型賃貸は、はじめから人とペットが暮らすことを前提で設計された住居であるため、ペットに必要な設備や安全に配慮して設計されています。

ペット飼育を前提とした住居空間であるため、人もペットもストレスなく快適な生活が可能で、オーナーにとっては安定収益に繋がる差別化物件として注目されています。

上述したとおり、ペット共生型賃貸は、人とペットが最適な環境で共同生活をするための住宅です。

ここでは、ペット共生型賃貸ならではの魅力やメリットを解説します。

ペット共生型賃貸の魅力は、当然ですが気兼ねなくペットと暮らせることです。

ペット可と言われる一般の賃貸物件では、とはいえ、ペットの鳴き声や臭いを嫌がる入居者もいるため、多くの飼い主は周囲に気を使う生活を強いられます。

しかし、共生型賃貸であれば、ペットを飼うことが前提の物件なので、入居者全員にペットが原因で発生する問題にも理解があるため、気を使うことが少なく住民同士のトラブルが起きにくいといえます。

多くの賃貸住宅では匿名性を優先するのとは逆に、ペット共生型賃貸はコミュニティ形成を重視するコミュニティ型賃貸です。

ペット共生型賃貸の入居者はペットを飼っているか好きな人たちであり、ライフスタイルや感性が近いため、住宅内のイベントやペットを通じてゆるやかなコミュニティが形成されやすい傾向があります。

入居者同士がペット飼育という共通のライフスタイルを持つ安心感から自然な交流が生まれ、よいコミュニティが形成されることで入居者に長く住みたいと思ってもらえる可能性が高まります。

ペット共生型賃貸の大きな特徴として、設備面があげられます。

通常の賃貸物件に備わっている設備は、人が住むためのものだけです。ペット共生型賃貸はペットと共に暮らすことが前提であるため、最初からペット向けの設備が揃っています。

共用部分にはドッグランやグルーミングルームの設置、各部屋には安全で快適なキャットウォークやしっかり換気できるトイレスペースの設置など、さまざまな設備が用意されています。

ペット専用の設備が最初から備わっていることで、すでにペットを飼っている人だけでなく、これからペットを飼いたいと思っている人から高い需要が期待できるでしょう。

ペット共生型賃貸として物件を売り出すには、どのような設備が必要なのでしょうか。

ここからは、ペット共生型賃貸によくある設備を紹介します。

リードフックは、玄関や室内などにある、ペットのリードをつないでおくためのフックです。荷物を運んだりペットを車に乗せるときなど、ちょっとしたタイミングでリードフックは役立ちます。

リードが掛けやすく外れにくいリードフックを使いやすさを考慮した場所に設置すれば、入居者から非常に重宝されます。

散歩帰りのペットによって部屋が汚されないよう、共有スペースには足洗い場を設置します。足洗い場を屋外に設置することで泥や雑菌が住居内に持ち込まれず、部屋や廊下が汚れません。

また足洗い場と一緒に水飲み場を設置すれば、散歩後のペットが水分を補給できます。

共有スペースは他の入居者も使うため、入居者が足洗い場を使った後に軽く掃除できる道具を用意しましょう。

ドッグランは、主にマンションの屋上や敷地内に用意された犬が自由に走り回れるスペースです。

一般の住宅では、散歩は毎日できても自由に走り回る機会が少ないため、ドッグランがあると犬の運動不足とストレス解消に大きく役立ちます。

またドッグランは共有スペースに設置するため、入居者同士がペットについての情報交換や世間話などから親しくなる効果が期待できます。

キャットウォークは、部屋の壁面に猫が自由に運動できるよう取り付けられた足場です。上下の移動が好きな猫は、キャットウォークがあることでストレスを解消できます。

また猫を飼っていない人はおしゃれな飾り棚やちょっとした物置としても活用できます。

今は猫を飼っていない人もキャットウォークがあることで猫の飼育を検討し、入居したいと考える材料の一つになります。

意外と重要な部分が、ペット対応の床です。 滑りやすい床や硬い床は、ペットの足や膝に負担がかかり怪我の原因になります。ペット共生型賃貸には、ペット対応のクッション性や滑りにくさを備えた床材を使用しましょう。

また爪によって傷が付きにくい床や抗菌・カビ対策の施されたクロスなどを設置すれば、ペットの病気対策として有効です。

各部屋のドアの下部に、ペットが出入りできるペットドアを付けて、教えておけば、ドアを閉めていてもペットが自由に出入りするようになります。

ここまで説明したペット共生型賃貸の魅力や設備は、入居者にはメリットになる一方でオーナーとっては「設備の導入や敷地が必要で大変そう」と感じられるかもしれません。

ここでは、ペット共生型賃貸を導入するオーナー側のメリットについて解説します。

賃貸物件ではトラブルを避けるためにペットの飼育を禁止しているところが少なくありません。

そのためペット共生型賃貸は、ペットを飼っている人やこれから飼いたい人からの高い需要が見込めます。

ペット共生型賃貸は数が多くないことに加え、入居希望者が一定数おり、高い水準で入居率が維持可能です。したがって、通常の物件よりも家賃収入が安定します。

ペット共生型賃貸は、立地の悪さが大きな問題になりません。

通常の住居物件では、駅の近くや商業施設が多い場所が人気になるでしょう。

しかし、ペットを飼っている場合は、逆に周囲に人が少ない立地が好まれる可能性があります。

またペット共生型賃貸には、ドックランの敷地が必要です。多少立地が悪くても、安く広い敷地を持て余しているオーナーのほうがペット共生型賃貸の経営に向いているといえます。

今回の記事では、ペット共生型賃貸について解説しました。

通常、立地が悪いと、アパート・マンションで賃貸経営は困難、と諦めてしまう人も少なくありません。

しかし、ペット共生型の賃貸マンションやアパートなら、入居希望者からすれば、ペットとの暮らしが気兼ねなくでき、住人すべてがペットに理解がある人たちで安心、と思うので、多少、立地による利便性が悪くても、ペットと一緒に賃貸で暮らせることを優先する傾向があります。

そのため、土地オーナーや地主さんが、通常よりも不利な立地だと思っていても、こうした差別化物件にすることで、立地の悪さなど気にしない入居者を集められます。ここが最大のポイントです。

ペット共生型賃貸は、立地の悪いアパートやマンションでも、高い入居者満足度で長期安定経営を可能にしている土地活用法になっています。

ペットに理解がある土地オーナーや地主さんなら尚のこと、ご所有の土地の立地の悪さで、土地活用法で悩んでいるなら、ぜひ参考にしてみてください。