不動産活用の手引きを解説!空き家や古いアパートはどうすべき?


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このコラムのポイント例えば相続で「空き家の戸建て」や「空室が多い古いアパート」をお持ちの人の中には、
『もう、なんとかして活用ができないものだろうか?』
と悩んでいる方もいらっしゃると思います。

結論から申し上げますと、築古物件における不動産活用の選択肢は、
「売却」・「貸す」・「建て替える」の3つ。
これが基本になります。

この記事では「築古物件の不動産活用の手引き」について解説します。
ぜひ最後までご覧ください。

1.空き家の戸建てがある場合

最初に「空き家の戸建て」がある場合の活用方法について解説します。

1-1.そのまま売却する

「空き家の戸建て」は、そのまま売却するという選択肢もあります。
売却というとネガティブな印象を持つ人もいるかもしれませんが、気付いて頂きたいのは、売却も広い意味で「不動産活用の一つ」なのだということです。

例えば、売却で得た資金を元手に都市部のワンルームマンションに買い替えれば、その後も収益を生むことができます。
立地が悪い物件を無理矢理活用するよりも、買い替えて活用した方がリスクは低いのです。
いわゆる「資産の入れ替え」という手法です。

また、まとまった現金は自宅のリフォームや建て替え費用にも充てることができます。
売却で一旦現金に換えて、その現金を再び不動産に変えれば、それは立派な不動産活用です。こうした発想の転換が必要です。

古い空き家を売る場合、取り壊さなければ売れないのではないかと考える人も多いと思います。

取り壊し費用は、一般的な広さの戸建て住宅だと150万円程度です。
取り壊し費用は決して安くはないため、売主が安易に判断して取り壊す必要はありません。
ポイントとしては、古い空き家は、一旦今の状態のまま査定を依頼し、取り壊すべきかどうかは不動産会社の判断を仰いでから決めることが適切です。

もし、現状のままでは売れない場合、査定価格はゼロ円となります。
不動産会社の査定価格は売却予想価格です。ですから査定価格がゼロ円でない限り、売れるということです。
査定は1社だけに依頼してしまうと、取り壊すべきかどうかの判断が偏ってしまうことがあります。

正直なところ、古い家の売却が苦手な不動産会社にたまたま聞いてしまった場合は「取り壊した方が良いです!」とアドバイスされることが多いです。
従って、ご自身の判断を安易に偏らせないためにも、査定は複数の不動産会社に依頼することが適切となります。

尚、売却が困難な空き家は、「買取」で売るという方法もあります。
買取とは、転売を目的とした不動産会社への売却のことです。

不動産会社は仕入れ価格として購入するため、仲介で売却するよりも価格が2割程度安くなります。 しかし、買取であればすぐに売れるというメリットがあるため、すぐに現金化したい人には買取による売却をおすすめします。

1-2.綺麗にしてから賃貸に出す

空き家は、綺麗にしてから賃貸に出すという選択肢もあります。
戸建て賃貸は、アパートよりも投資効率が低いため、新築で行う人は少ないです。
そのため、市場における供給量が少なく、競合物件が発生しにくいというメリットがあります。

ただし、賃貸は条件が揃わないと売却に比べて難易度が高くなる傾向にあります。
つまり、賃貸市場は「立地に敏感」であるため、売ることはできても貸すことができない物件は多くあると言われます。

売却なら、買主が自分の趣向にあったリフォームを希望することが多いため、売主はリフォームせずとも売却することができる場合があります。

一方で、賃貸の場合、借主は貸主の資産を自由にリフォームできないため、貸す前に貸主がリフォームすることが多いです。

一般的な目安として築25年以内程度であればリフォームせずとも貸すことはできますが、築25年超の物件になると貸すためにリフォームの必要性が出てきます。

戸建て賃貸として貸すためには、特にバスやキッチンなどの水回りのリフォームが必要となります。
ユニットバスは、丸ごと交換すると100~150万円程度かかります。
キッチンも、50~150万円程度かかってしまうことが多いです。

従って、リフォーム費用も高額であるため、賃貸を検討する場合は、賃貸する上で必要なリフォームを見定めるうえでも、一度現状のままで「複数の管理会社」に物件を見てもらい、意見を聞いてから判断することが重要です。

もちろん、そのまま貸せれば一番安上がりですので、ぜひ一度管理会社に相談するようにしましょう。

1-3.取壊してアパート経営を始める

戸建ては取り壊してアパート経営を始めるという選択肢もあります。
アパートは、例えば敷地面積が60坪程度あれば、建物の延床面積も60坪程度の物件を建てることが可能です。
60坪は200平米弱ですので、25平米弱のワンルームを8戸設けることができます。

一般的に、賃貸需要はファミリー世帯よりも単身世帯の方が強いと言われます。
もちろん、すべてに当て嵌まるわけではありませんが、ファミリー世帯は借りるよりも買うことを選択する傾向が強く、単身世帯は買うことよりも借りることを選択する傾向があります。

戸建てを「戸建て賃貸」としてそのまま貸し出すと、入居者ターゲットがファミリー世帯に絞られてしまうこともあるため、その意味でアパートやマンションよりは賃貸経営の難易度が高いと心得た方がよいでしょう。

もし、ご自身の物件の周辺調査を行って、ワンルームを主体としたアパートに建て替えることで勝算が見込めそうなら、それは賃貸需要の強い単身世帯をターゲットとすることができるため、賃貸経営を安定化させる可能性が拡がります。

一般的にワンルームは広い3LDKよりも賃料単価が高いため、戸建て賃貸よりもアパートの方が利回りも高くなります。
そのため、建て替えるのであれば、ワンルームタイプのアパートを選択した方が良い場合が多いです。
※注意:ただし、長引くコロナ問題で、特に大都市圏では場所によってはワンルーム物件の供給過多の問題もクローズアップされ始めましたので、あくまでも一般論とご理解ください。

アパートの建築費相場は坪90万円前後ですので、延床面積が60坪のアパートを建てると5,400万円前後となります。
25平米の家賃を6万円とした場合、8部屋で年間賃料は576万円です。
576万円に対し、5,400万円の投資となるため、利回りは10%強程度となります。

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2.空室の目立つ古いアパートがある場合

この章では、空室の目立つ古いアパートがある場合の活用方法について解説します。

2-1.そのまま売却する

空室の目立つ古いアパートは、そのまま売却するということも一つの選択肢です。
ただし、空室が8割程度あるようなアパートは、売却ができないわけではありませんが、売却価格はかなり安くなります。
安くなる理由としては、買主が購入後に発生する立ち退き料や取り壊し費用も見込むからです。

空室の多い物件は、買主は収益物件として捉えられていないことが一般的です。
ですから、買主は、取り壊して新たに新築物件を建てるために購入することが多いのです。

購入後、すぐに取り壊せるようにするには、入居者が残っていない方が良いことになります。
そのため、ほとんど空室の物件は、残りの入居者を全て退去させてから売却した方が高く売れます。

立ち退き料は、一般的に「引っ越し相当額+アルファ」の金額を負担することが多いため、相場としては40~80万円程度になります。

2-2.管理会社を切り替える

空室が3~4割程度の物件であれば、満室にできる可能性はまだ残っています。
空室対策として最も良い方法は、管理会社の切り替えです。

同じ物件でも、賃貸管理・客付け仲介の強い管理会社に切り替えると、今まで埋まらなかった空室が、噓の様にたちまち埋まるようになるといったことがよく起こります。

管理会社の切り替えは無料でできるため、空室対策リフォームのような投資リスクもありません。 効果も長続きするため、おすすめです。

2-3.取壊して新築アパートに建て替える

ただ、もう空室だらけのアパートだった場合は、取壊して新築アパートに建て替えることも効果的な選択肢です。

冷静に調査を行い、時代の移り変わりで集客トレンドに見合わない物件だと判断した場合、そのトレンドにあった新築へ建て替えることで費用対効果が見込めそうなら、入居率の回復、賃料アップも期待できる場合があります。

注意点としては、建て替えを行う場合は、今残っている入居者を全て退去させることが必要になります。
全て空室にするには、まずは現在空室となっている部屋の入居者募集をストップします。
残っている入居者に関しては、自然退去を待つのが基本です。

しかし、入居者がなかなか退去しそうにない場合、貸主から更新拒絶を行う必要があります。
賃貸借契約が普通借家契約の場合、貸主からの更新拒絶には立ち退き料が必要です。

普通借家契約とは、更新ができる契約のことであり、賃貸借契約書に更新に関する規定があれば普通借家契約になります。

入居者を立ち退かせるには、正当事由(立ち退かせるのに正当な理由のこと)が必要ですが、古いアパートを建て替えたいという理由は正当事由には該当しません。

正当事由がないわけなので、その弱い理由を補完するために立ち退き料が必要となるということです。

3.築古物件の活用を考えるなら...

戸建てもアパートも、もしも築古物件の活用を考えるなら「売却する」&「賃貸に出す」&「アパートなど新築で収益化を考える」。これら3つのテーマで計画を練ってみてはいかがでしょうか?

考えられる全ての選択肢を比較検討することは労力が必要ですが、
「古い物件を生かすための解決手段」
を探し当てるためには、信頼ができ、実力のありそうな企業をいくつかピックアップしたうえで、自分の物件にあった提案をしっかりと行ってくれる企業を選択することが本当に重要です。

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まとめ


以上、築古物件の不動産活用の手引きについて解説してきました。

築古物件における不動産活用には、「売却」・「貸す」・「建て替える」の3つの選択肢があります。

売却も、賃貸も、建て替えも、どの選択肢が最も良いか?ベストな提案を受けられるための情報収集が欠かせません。

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