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空き家バンクの仕組みと賃貸管理会社を利用する場合の違いとは?
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空き家バンクの仕組みと賃貸管理会社を利用する場合の違いとは?
1.空き家バンクとは
空き家バンクとは、地方自治体等が空き家や空き地の情報を主にインターネットを通じて利用希望者に紹介している行政の取組を指します。
空き家を貸したい・売りたい人が空き家バンクに情報を登録し、借りたい・買いたい人とのマッチングを行うサービスです。
平たくいえば、民間の会社が行っている不動産ポータルサイトの自治体版とお考えください。
空き家バンクは、2022年6月7日に国土交通省が公表した報道発表資料によると、全国に約7割の自治体で設置済みです。
残りの約3割の自治体にはまだ存在しないため、必ずしも全ての自治体にあるサービスではありません。空き家の活用が難しい過疎化が進んでいる小さな自治体に限っては空き家バンクがないことも多いようです。
空き家バンクの仕組みは【自治体*】【地元の不動産会社**】【空き家所有者】【空き家の利用者】の4者で成り立っています。
*自治体とは、空き家バンクを運営している自治体です。
**地元の不動産会社とは自治体と協定を結んでいる協力会社になります。
空き家所有者は自治体に対して空き家バンクに物件の登録を申請し、空き家利用者は自治体に対して気に入った物件の利用申し込みを行うという仕組みです。
空き家の所有者と利用者のマッチングが行われると、協力会社である地元の不動産会社に連絡が行き、条件調整や契約書の締結等の仲介業務が行われます。
一般的に、空き家バンクでも仲介手数料は必要です。
物件登録の可否の要件は、自治体ごとに定められています。
近年は、厳しい登録要件を設けている自治体も多いです。
例えば、残置物がある物件や、未登記物件は空き家バンクに登録させない自治体も増えており、民間の不動産ポータルサイトとの差異が薄れつつあります。
2.どんな効果ある?空き家バンクのメリットとは

では、空き家所有者にとって、空き家バンクを利用すると、どのような効果があるのでしょうか。この章では、空き家バンクのメリットについて解説します。
2-1.借主が見つかれば空室対策になる
空き家バンクの大きなメリットは、借主が見つかれば空室対策になるという点でしょう。
空き家は、放置すると空き家特別措置法(空家等対策の推進に関する特別措置法)により、特定空き家に指定されるリスクがあります。
特定空き家とは、倒壊の恐れや衛生上有害となる恐れのあるもの、または著しく景観を損なっている状態のあるもの等の危険な空き家のことです。特定空き家に指定されると、場合によっては土地の固定資産税が上がってしまうこともあります。そして、最終的に行政代執行にまで事態が進んでしまうと空き家が強制的に取り壊され、解体費用を支払うこともできなければ、土地も売却されてしまいます。要するに特定空き家に指定されてしまい、それを放置し続けると、土地まで失うリスクがあるということです。空き家バンクによって借主が見つかれば、特定空き家に指定される心配もなくなります。
2-2.意外な利用方法が見つかる場合がある。
空き家バンクは自治体によってサービス内容が異なりますが、なかには空き家利用者の希望が公開されている自治体もあります。
空き家所有者側の情報だけでなく【利用者側の希望】も掲載されている空き家バンクでは、空き家所有者から利用者に対してオファーをするといった利用も可能です。
利用者の希望が公開されている空き家バンクの情報を見ると、使い方として「子ども食堂」や「グループホーム」、「デイサービス」、「倉庫」といったニーズがあります。
子ども食堂とは、経済的に厳しい状況ある世帯の子どもに対して食事を提供する食堂のことです。グループホームとは主に認知症の高齢者等を対象とした小規模な介護施設になります。デイサービスとは通所介護施設になります。
いずれも単なる居住用として利用するのではなく、NPO法人や介護事業者の施設として利用を希望しているケースが多くなっています。不動産会社を通じて一般的な方法で貸し出すと、NPO法人や介護事業者の施設ニーズは捉えられないことが多いのですが、空き家バンクでは、意外な方法で空き家の利用を希望する借主が見つかるケースもあり、幅広く借主を探すことができる点が意外なメリットと言えます。
3.どんなリスクがある?空き家バンクのデメリットとは

では、反対に空き家バンクの利用には、どのようなリスクがあるでしょうか。
この章では、空き家バンクのデメリットについて解説します。
3-1.借主は見つかりにくく賃料も安くなることが多い
空き家バンクは、借主は見つかりにくく、仮に見つかったとしても賃料も安くなることが多いといえます。空き家バンクで借主が見つからない理由は、空き家バンクの認知度が低いことが大きな理由です。 公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会の「土地・住宅に関する消費者アンケート調査(2017年3月)」によると、「空き家バンクを知らない」と答えた人が75.9%もいました。存在を知らない人が過半であるため、物件を登録しても借主はなかなか決まりませんし、希少な借り手に優位に働きやすいことから賃料も安くなりやすいと言えます。
3-2.利用方法が一般的でない場合も多い
空き家バンクは、借主が決まっても利用方法が一般的でない場合も多いです。
NPO法人や介護事業者の施設として貸すと、不特定多数の人が利用することによって建物が早く傷んでしまうといったことも考えられます。そうしたことに抵抗がある方は、住居以外の目的の借主が見つかった場合には、禁止事項や原状回復の負担等をしっかりと取り決めることが望ましいです。
4.賃貸管理会社を利用する場合の違い
通常の賃貸管理会社を利用する場合の違いをまとめると、下表のようになります。
一般的な賃貸管理会社と4つの項目で違いをまとめております。
比較項目 | 空き家バンク | 賃貸管理会社 |
---|---|---|
借主の認知度 | 低い | 高い |
借主が見つかるまでの期間 | 長い | 短い |
利用用途 | 住宅以外も多い | 主に住宅となる |
家賃相場 | 低い | 高い |
もちろん、空き家所有者が物件を貸したり、売ったりする際に考える目的や希望は様々ですからどちらを使う方のが正しいという正解はありません。ですから、まず目的を明確にした上で空き家バンクへ登録を行うか、通常の賃貸管理会社へ管理や売却仲介の査定依頼をした方がよいか?を考えるのが良いかと思います。
まとめ
以上、空き家バンクについて解説してきました。
空き家バンクも、借主を見つける方法の一つです。
一般の管理会社へ直接問い合わせるより自治体が間に挟まっている方が安心感があって相談がしやすいという方もいらっしゃるでしょう。
空き家を持て余したり、有効活用方法を探されている方は、今回ご紹介したメリットやデメリットも踏まえた上で空き家バンクの利用も検討してみては如何でしょうか。
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