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アパートを建てるときのコスト削減方法と儲かる物件にする注意点とは
この記事を読むのにかかる時間:10分
これからアパートを建てる方は、特に建築費がいくらかかるのか知りたい人も多いと思います。
アパートを建てるなら、建築費の削減方法と儲かる物件にするための注意点についても知っておくことをおすすめします。
この記事では「アパートを建てる」ことについて解説しています。
アパートを建てる流れや建築費の相場、土地の広さから推測する予算の把握方法、建築コストを削減する5つの方法、儲かるアパートにするための5つの注意点を紹介していきます。
目次
1.アパートを建てる流れ
アパートを建てる流れについて解説します。

【土地活用相談】
アパートはハウスメーカーに相談することが適切です。
ハウスメーカーはプレハブ工法(工業化工法)が可能であることから、各社は独自のアパートの規格品を有しています。
プレハブ工法よるアパートは、コストが安く、工期も短く、施工の質も高いです。
また、社内に設計者が在籍しているため、設計料も安くなります。
アパート建築は、小さな工務店よりも大手のハウスメーカーの方が「価格・工期・質」の3つの面で確実にメリットがあります。
【プラン提案】
アパートのプランは、様々なハウスメーカーのプランを比較することが建築で失敗しないためのコツです。
ハウスメーカーを変えると、建築費だけでなく、収益性や修繕費用まで変わります。
ハウスメーカーのプラン提案では、初期費用や収益計画といったアパート経営で知りたい全ての情報を知ることができます。
【プラン決定・請負工事契約・着工】
プランを比較したら、最終的に最も良いプランを決定します。
ハウスメーカーと請負工事契約を締結したら、着工です。
【管理契約】
アパート経営では、通常、管理委託もしくはサブリース等の管理を管理会社に依頼するため、竣工前に管理契約を締結します。
管理会社は、ハウスメーカーからセットで提案されることも多いです。
【竣工・賃貸経営開始】
建物が竣工したら、いよいよ賃貸経営の開始です。
アパートの工期は、「階数プラス1ヶ月」程度となっています。
2階建てアパートであれば、着工してから3ヵ月後には賃貸経営がスタートするイメージです。
2.アパートの建築費
この章ではアパートの建築費について解説します。
2-1.建築費の相場
建物の建築費は主に構造によって決まります。
構造別の建築費の相場は以下の通りです。
構造 | 建築費の相場 |
---|---|
木造 | 坪60万円~80万円 |
軽量鉄骨造 | 坪70万円~90万円 |
重量鉄骨造 | 坪80万円~100万円 |
鉄筋コンクリート造 | 坪90万円~110万円 |
一般的に、
2階建てアパートは、主に「木造」や「軽量鉄骨造」が採用されます。
3階建てアパートになると、「重量鉄骨造」が採用されることが多いです。
また、沖縄等の台風の多い地域では「鉄筋コンクリート造」が用いられます。
2-2.土地の広さから推測する予算の把握方法
アパート建築には、建設費の他に以下の諸費用が生じます。
・設計費 ・現況測量費 ・ボーリング調査費用(杭工事が必要な場合) ・水道分担金 ・不動産取得税 ・登録免許税および司法書士手数料 ・印紙税 ・損害保険料 ・融資手数料 |
これらの諸経費は、合計すると概ね建築費の5%程度です。
アパートの建築費の予算は、土地の広さからおよその数値を把握することができます。
土地には容積率が指定されています。
容積率とは、延床面積の敷地面積に対する割合のことです。
アパートがよく建てられる第一種低層住居専用地域と呼ばれる用途地域では、容積率が100%または150%といった数値で指定されています。
第一種低層住居専用地域とは、低層住宅にかかる良好な住居の環境を保護するための地域です。
2階建てのアパートなら100%の容積率をフルに消化することで、土地の面積の1.0倍の延床面積を建てることができます。
また、3階建て位のアパートなら150%容積率をフルに消化することで、土地の面積の1.5倍の延床面積を建てることができるというイメージです。
ここで、以下のケースでアパート建築費予算の概算額を算出します。
(条件) ・土地の面積:60坪 ・容積率:100% ・建物の延床面積:60坪 ・建物の構造:軽量鉄骨造2階建て、ワンルーム8戸 ・建築費坪単価:90万円/坪 ・諸経費:建築費の5% (建築費) 建築費 = 建物の延床面積 × 建築費坪単価 = 60坪 × 90万円/坪 = 5,400万円 諸経費込みの予算 = 建築費 × 1.05 = 5,400万円 × 1.05 = 5,670万円 |
用途地域や容積率は、「用途地域マップ(https://cityzone.mapexpert.net/)」または各自治体のホームページで調べることが可能です。
興味のある方は、自分の土地の容積率を調べてみましょう。
3.アパート建築費のコスト削減方法
この章ではアパート建築費のコスト削減方法について解説します。
3-1.設計施工一括方式で建てる
アパートを安く建てるには、設計施工一括方式で建てることが基本です。
設計施工一括方式とは、同じ会社に設計と施行を発注する方式のことを指します。
それに対して、設計施工分離方式とは別々の会社に設計と施行を発注する方式のことです。
ハウスメーカーのように社内に一級建築士が在籍している施工会社は、設計施工一括方式となることが一般的です。
一方で、小さな工務店等、一級建築士が在籍していない施工会社は、設計施工分離方式となります。
まず、設計施工一括方式では設計料が安くなります。
設計施工一括方式だと、設計料は工事費の1~3%程度です。
それに対して、設計施工分離方式だと設計料は工事費の5~8%程度となります。
また、施工会社には、各社が得意とする工法があります。
設計施工一括方式で設計を依頼すると、設計者が自社で一番安くアパートを建てられる工法を前提に設計をしてくれます。
ですから、覚えておいて頂きたいのは、相当なこだわりがない限り、他の設計会社が設計を行うと、設計会社が自分たちの建てたいアパートを前提に設計するため、建築コストが下がらないことが多いです。
アパートは大手ハウスメーカーに依頼すれば設計施工一括方式になります。
設計施工一括方式で依頼すれば、設計の内容が必然的に経済設計となっているため、アパートを安く建てることができるようになります。
大手ハウスメーカーは、各社がしのぎを削って独自の経済的な工法を生み出しています。
大手ハウスメーカーの工法は、コストが安いうえに、施工品質や耐久性も高いため、おすすめです。
3-2.相見積もりを取る
アパートのコストを安くするためには、相見積もりを取ることが必須です。
工事費の見積書は相当な専門知識がないと、価格が高い原因がわかりません。
専門知識のない方が価格を安くするには、1社の見積書の内訳を分析するのではなく、複数の会社の見積書の総額を比較することが王道の方法となります。
アパートの建築費はハウスメーカーに依頼すると安くなるので、アパートを安く建てるにはハウスメーカー同士の見積もりを比較するのが最も効率的にコストを抑える近道です。
例えば、私たちイエカレが提供する一括見積サービスから見積を取った場合では、ハウスメーカー各社は最初から競合のハウスメーカーよりも安い価格を提示しないと受注ができないことが分かっていますので、複数の実力のある企業から、最初からベストプライスの提示を受けることができます。
3-3.設備スペックや仕上げの仕様を落とす
アパートを安く建てるには、上手に設備スペックや仕上げの仕様を落とすことがポイントとなります。
一般的に、アパートのような共同住宅の建築費は、躯体が4割、仕上げが4割、設備が2割程度で構成されています。

躯体は木造や鉄骨造等の柱や梁の他、屋根や壁の部分の建築費になります。
躯体の部分は、ハウスメーカーを変更して構造や工法を変えることで落とすことができます。
仕上げは、外装や内装の仕上げ材のことです。
例えば、外壁材には日中の太陽光で汚れを落とせる光触媒の外壁材があります。
光触媒のような高価な外壁材を使えば建築費が高くなってしまいますので、こだわりがなければ、他の素材に変更するといった検討が必要です。
設備は、電気や給排水衛生、空調等の設備のことです。
電気もLED照明にすると、入居者のランニングコストは抑えられますが、オーナーの初期費用は上がります。
また、バスについても追い焚き機能や浴室乾燥機等の設備を加えると建築費が高くなります。
仕上げや設備に関しても、過剰だと思えるものを一つずつピックアップし、他で代替できるものに変更していくことが必要です。
仕上げや設備の知識がない場合、設計者から減額提案させることもできます。
設計者による代替品の減額提案のことを「VE(ヴイ・イー)提案」と呼びます。
VEとは、バリューエンジニアリングの略です。
VE提案は建築業界用語なので、設計者にVE提案といえば伝わります。
「予算オーバーしているのでVE提案を持ってきてほしい」と伝えれば、先方から減額案を出してもらえるので、VE提案を見ながら建築費を下げていくのが良いでしょう。
3-4.間取りを40㎡以上にする
初期費用を下げる方法として、間取りを40㎡以上にするという方法もあります。
40㎡となると、ちょうど2DKもしくは1LDKといった間取りになります。
賃貸住宅では、1戸あたりの面積が40㎡以上240㎡以下となる場合、不動産取得税が軽減されます。
1戸あたりの固定資産税評価額から1,200万円の控除が行われるため、場合によっては不動産取得税がゼロ円になるケースもあります。
また、1戸あたりの面積が広くなると、建物内の全体の戸数が減ります。
各戸には、バスやキッチン、トイレ、空調等の住宅設備がそれぞれ設置されているため、戸数が減るとその分、住宅設備の数も減り建築費が下がることになります。
よって、一般的にはワンルームのアパートよりもファミリータイプのアパートの方が建築費は安いです。
ただし、広めのファミリータイプを作ってしまうと、今度は逆に1戸あたりの家賃総額が上がってしまうため、賃貸需要が減ってしまいます。
ファミリータイプで建築費は落とせたとしても、その後の賃貸経営が難しくなるため、部屋の広さは極力小さくすることが必要です。
40㎡であれば、部屋の広さは広過ぎず、かつ、不動産取得税の減免措置も受けられるため、ギリギリの大きさといえます。
家賃の安い郊外では、狭いワンルームよりも広めの2DKや1LDKの方が需要は高いことがありますので、40㎡を狙って建てることも一つの選択です。
3-5.プロパンガスを採用する
アパートの建築費を安くする方法として、プロパンガスを採用するという方法があります。
プロパンガス会社は、都市ガスに対抗するために、様々なサービスを提供しています。
アパートの場合、プロパンガスを採用すると、プロパンガス会社がエアコンを無料で設置してくれることが多いです。
エアコンは部屋の数だけ戸数がありますので、それなりにコストを抑える効果があります。
興味のある方は、イニシャルコストの軽減サービスを行っているプロパンガス会社を探してみてください。
ただし、プロパンガスの物件は、ガス代が高くなるため、入居が決まりにくい傾向にあります。
「プロパンガス物件はガス代が高い」と知っている入居者は、最初からプロパンガス物件を外して検討しますので、空室のことを考慮するなら都市ガスを選択した方が良いです。
駅から徒歩5分以内の物件等、貸せる自信のある物件であれば、プロパンガスを検討しても良いかもしれません。
4.儲かるアパートを建てるための5つの注意点
この章では、儲かるアパートを建てるため注意点について解説します。
4-1.ワンルームを中心に建てる
儲かるアパートにするのであれば、ワンルームを中心に建てることをおすすめします。
前章では、初期費用を安くするためには40㎡以上の部屋とすることを解説しましたが、長期的な収益性のことを考えれば、ワンルームとした方が良いです。
理由としては、ワンルームの方が賃料単価も高く、かつ、賃貸需要も高いからです。
ワンルームは面積が小さいため、ある程度、賃料単価を上げても賃料総額を抑えることができます。
賃料単価が高いということは、効率よく稼げるという意味になりますので、ワンルームは投資に対する利回りが高くなります。
また、ワンルームを35年ローンのような長期のローンを組んで購入する人は少数派です。
単身世帯の多くは、買うよりも借りる方を選びますので、ワンルームはファミリータイプに比べると賃貸需要も高くなります。
よって、儲かるアパート経営を行うのであれば、初期費用は多少高くなってもワンルームを中心に検討した方が良いことになります。
4-2.戸数は10戸以上を確保する
アパートを建てるのであれば戸数は10戸以上を確保することをおすすめします。
理由としては、10戸以上となるアパートは事業的規模のアパートに分類され、確定申告で様々な税制メリットを受けることができるためです。
事業的規模のアパートになると、確定申告時に青色申告特別控除と呼ばれる最大65万円の控除を受けることができます。
事業的規模に満たないアパートの場合、青色申告特別控除の額は10万円ですので節税効果が低くなります。
また、事業的規模のアパートでは、青色事業専従者給与として家族に渡す給与を費用にすることができます。
事業的規模に満たないアパートの場合、家族に給与を支払っても費用とすることはできないため、やはり節税効果が低くなります。
尚、事業的規模のアパートになると、別途、事業税というものが課されます。
ただし、事業税を計算するにあたっては、290万円の事業税控除額というものがあり、10戸程度のアパートであればそれほど大きな負担にはなりません。
また、事業税そのものも不動産所得を計算する上での費用とすることができます。
確定申告は竣工後、毎年続くことなので、例えば各戸を40㎡以上にして8戸となってしまうよりは、ワンルームにして10戸とすることをおすすめします。
4-3.1階の空室対策を徹底する
儲かるアパートにするには、1階の空室対策を徹底することがコツです。
一般的に、アパートは1階の方が空室率は高くなります。
1階は道路との視線の高さが同じで通行人から覗かれやすく、また、泥棒も忍び込みやすいため、セキュリティが低いことが決まりにくい理由です。
マンションの場合、1階は共用部だけで住戸を設けないこともありますが、アパートは、ほぼどの物件が1階に住戸を設けるため、アパートを建てるには特に1階の空室対策を意識する必要があります。
1階を入居者が決まりやすい、または退去されにくい建物にしておくと、空室が減るため、アパートの収益性が良くなります。
1階の空室対策としては、例えば以下のようなものが挙げられます。
・専用庭をつくる ・収納量を増やす ・道路や隣地から少し高く建てる |
1つ目として、専用庭をつくるという方法があります。
専用庭とは、1階住戸の住民が自分のためだけに使える庭のことです。
ガーデニングやバーベキュー、物置の設置等、利用方法に自由度を与えることで空室対策となります。
2つ目としては、収納量を増やすという点です。
アパートはどの物件も慢性的な収納不足ですので、収納量を増やすことで空室対策となります。
例えば、1階住戸だけ大きい床下収納を作ることも効果的な対策です。
3つ目としては、1階の床レベルを道路や隣地から少し高くして建てることも効果的です。
道路から高くなると、直接視線が合わなくなることから、覗かれるといった心配も少なくなります。
4-4.外壁や屋根を修繕費が発生しにくい仕上げにする
外壁や屋根を修繕費が発生しにくい仕上げにすることも儲かるアパートにする方法の一つです。 大規模修繕費の発生を抑えることで、キャッシュフローが向上します。
例えば、外壁は光触媒の外壁を使うと、外壁メンテナンスのコストを抑えることができます。
初期費用は高くなりますが、将来の収益性は上げることができます。
また、屋上防水が必要な屋根の場合、10年に1度程度のペースで屋上防水の大規模修繕が必要となってきます。
屋上防水の屋根を選択するのであれば、スレート葺を選択した方がメンテナンスコストを抑えることができます。
外壁や屋根は、仕様によって将来の大規模修繕費の発生の仕方が変わって来ますので、総合的に考えて仕様を選択するようにしましょう。
4-5.自己資金を十分に用意する
儲かるアパート経営を行うのであれば、自己資金を十分に用意することがポイントです。
自己資金が大きくなれば、借入金の返済額が減りますので、自然とキャッシュフローが良くなります。
同じ空室が発生しても、借入金の返済額が大きい人と少ない人では余裕が異なります。
つまり、同じアパートに投資をしても、投資家の資金力によって儲かり方は異なってくるわけです。
自己資金は、一般的には建物建築費の3割程度を用意することが適切とされています。
借入金も、銀行を比較して金利の安いところを選ぶのがコツです。
儲かるアパートを建てるのであれば、自己資金を準備し、借入金を抑える形で建てることをおすすめします。
まとめ
以上、アパートを建てるについて解説してきました。
アパートの建築費は木造なら「坪70万円~90万円」、鉄骨造なら「坪80万円~100万円」程度となります。
アパート建築費のコスト削減方法には、「設計施工一括方式で建てる」、「相見積もりを取る」等の5つの方法がありました。
特に相見積もりを取ることは削減効果が高いです。
また、儲かるアパートにするには、「戸数は10戸以上を確保する」、「1階の空室対策を徹底する」等が注意点です。
儲かるアパートにするには最初のプラン検討がとても重要になりますので、建物プランは情報を多く集めた上で、じっくりと計画するようにしましょう。
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