【不動産鑑定】不動産鑑定と不動産査定の違いについて【イエカレ】


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このコラムのポイント不動産の価格を知る方法として「不動産査定」の他に「不動産鑑定」があります。

両者は似ているようですが、価格を調べる方法や算出された金額がもたらす効果などに違いがあります。

では、両者を比較しながら不動産鑑定が必要になる場面を考えてみましょう。

不動産査定は簡易なもの、不動産鑑定は厳格なもの

1.不動産査定

不動産を売りに出そうかと考える時に不動産業者に依頼をする「不動産査定」は、業者がサービスの一環として行っていることが大半です。

不動産査定は、その不動産の立地、利便性、築年数や間取りなどの条件を考慮し、それに類似の物件の取引事例を加味しておおよその価格を算出します。

作成される査定報告書は、A4サイズの用紙2~3枚以内に収まるくらいのコンパクトなものです。 物件の現時点での妥当な査定額、そして、なぜその価格を出したのかという根拠が簡単に説明されていることが普通です。

2.不動産鑑定

これに対して、不動産鑑定は、さまざまな要因を緻密に分析して行われるため、その信頼性が不動産査定に比べて格段に高くなります。

分析に使われる要因としては、まず「一般的要因」といって、地盤やその地域の人口、物価の動向、土地の利用規制などがあります。

次に「地域要因」といって、その地域の環境から受ける影響、具体的には土壌汚染の有無などがあります。

さらに「個別的要因」といって、その土地自体の形状や、建物であれば土地上での配置や管理状況などがあります。

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違いはわかりました。では不動産鑑定が必要な場合はいつでしょう。

不動産鑑定は誰が、どんな時に行う必要があるのか?

上記のように不動産鑑定は多様な条件を考慮して緻密に行われるため、「不動産鑑定士」の国家資格を持つ者が独占業務として行います。

独占業務とは、士業などにおいてその資格を保有している者のみが行える仕事ですが、不動産鑑定士の場合は有償独占業務とされています。

つまり、「誰かから報酬をもらって」不動産鑑定を行う場合は、有資格者でなければならないのです。

不動産査定では足りず、不動産鑑定を依頼しなければならない場面には、以下のような例があります。

たとえば、訴訟を行う場合の証拠として不動産価格が必要になる時です。土地境界や借地、破産手続きなどの際に不動産鑑定士の正確な価格査定を使わなければならないのです。

また、相続問題においても不動産を含めた遺産価格が重要な争点になることが多く、鑑定で決着をつけなければならないことがあります。

さらに、税務署に対して相続税などの課税をめぐって不服がある場合にも、鑑定という公正な方法を使って説得する必要が出てきます。

このように、不動産鑑定とは、より証拠能力の高い価格の判断を求められる場面で多く使われています。

次は不動産鑑定の流れについてご説明します。

不動産鑑定を頼むとどのような流れになるか?

不動産鑑定を依頼した場合、大まかに次のような流れになります。

不動産鑑定士は、依頼者から鑑定の依頼を受けると物件の事情を聞き取り、場合によっては現地を確認した上で見積りを算出します。そして、費用について合意が成立すると作業開始となります。

調査の内容はいくつもありますが、まず現地への立ち入りや確認作業です。 特に、建物の場合は増築登記などが正確に反映されていないことも多いので、登記簿の状態と面積が相違することも珍しくありません。 また、内部の傷み具合など、実際に見てみなければわからない点を立ち入り調査で確認します。

さらに、不動産の存在するエリアのさまざまな情報を収集するため、公的機関などに各種資料を請求します。

このように不動産業者の査定と比べて非常に多くの情報を要するため、取り寄せる資料も膨大な数にのぼります。 こうして集めた資料をもとに要因の分析を行い、価格を算出しますが、依頼者への報告書も不動産査定とは比較にならないほど分厚いものになります。

不動産鑑定の費用は事務所によっても異なりますが、物件の条件により20万円~100万円くらいの間になることが多いでしょう。

この記事のまとめ

【より正確な価格を知る必要がある場合は不動産鑑定を!】

・不動産査定は簡易なものだが、不動産鑑定は多くの要因を分析した厳格なものである。

・不動産鑑定は国家資格者である「不動産鑑定士」しか有償で行うことはできない。

・不動産鑑定は訴訟など高い証拠力を必要とする場面で使われる。

・鑑定費用は物件の条件にもよるが20万円~100万円程度となることが多い。

売却のために目安の金額を知りたい場合には不動産業者の「不動産査定」で足ります。訴訟などより精度の高い証拠として提示したい場合には、不動産鑑定士による「不動産鑑定」を依頼しましょう。

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