【イエカレ】どれを参考にすべき?土地評価額3種類の違いを徹底解説|公示価格・路線価・固定資産税評価額


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このコラムのポイント

  • 土地価格の指標である「公示価格」「路線価」「固定資産税評価額」の違いと、それぞれの算出機関や役割をわかりやすく解説します。
  • 各評価額の調べ方や、どのタイミングで使われるのか(税務・取引・相続など)を具体的にご紹介。
  • 実勢価格との関係や、売却価格の目安として評価額をどのように活用すべきかも解説しています。
  • 不動産売却や土地活用を検討している方にとって、価格の見極めに役立つ基本知識を網羅した保存版です。


土地の価格代表的な3種類の評価額について!

「公示価格」「路線価」「固定資産税評価額」について

※ご注意)※本コラムは2016年10月時点の情報に基づいています。制度や基準は変更されることもありますので、最新の内容もご確認いただき、より正確な判断材料としてご活用ください。

土地価格は近年下落を続けてきましたが、2015年(平成27年)になって下げ止まりの傾向が見え始めています。

大都市圏では逆に値上がりが始まっています(表1)。

こういった傾向を知るために土地の価格が調査・公表されているのですが、実は土地の価格には色々な種類があります。

ご存知の方も多いと思いますが、なかでも重要なものに「公示価格」「路線価」「固定資産税評価額」の3種類があります。

それぞれの価格はすべて異なっており、別の使い道があるため、内容を知っておく必要があります。

土地の評価額には複数の基準があり、活用方法によって重視すべき価格も異なります。

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他人との取引の基準となる「公示価格」

公示価格は、地価公示法に基づいて国土交通省土地鑑定委員会が、毎年1月1日時点における価格を公示するものです。

公示価格は社会・経済活動についての制度インフラとするべく決定されており、取引の実情を反映して売り手、買い手のいずれにも公正な価格を意識しています。

一般的に土地の価格として語られるのは、この公示価格で、「日本で一番高い土地」や「○○地区は土地が値上がりしている」といった情報はこれが基準になっています。

もっとも、建物や用途の違いといった特徴まで含めると評価が複雑で分かりにくくなるため、土地の本来の価値として「更地の場合の価格」となっている点に注意が必要です。
公示価格は、国土交通省のホームページ「土地総合情報ライブラリー(http://tochi.mlit.go.jp/kakaku/chikakouji-kakaku)」で閲覧することができます。

相続や贈与の基準価格となる「路線価」

路線価は、国税庁が、相続、遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合の基準額として決定します。

路線価は、数字の入った地図の形式で公表されており、路線(道路)に面する標準的な土地の1平方メートル当たりの価額を千円単位で表示しています。
【参考】http://www.rosenka.nta.go.jp/docs/ref_prc.pdf

路線価は、国税庁ホームページ「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表(http://www.rosenka.nta.go.jp/)」で閲覧することがきますが、少し見方にコツが必要で、 どうしても分からない場合は税務署に行けば無料で教えてもらえます。

路線価は、相続等親族などでの権利変動の場合に課税基準として取引価格に近い公示価格を基準額にしてしまうのはかわいそう、ということで公示価格の8割程度の額になるよう設定されています。
だいたい公示価格の8割という考え方で良いかも知れません。

所有を継続する場合の価格「固定資産税評価額」

固定資産税評価額は、総務省ならび市町村長が、固定資産税課税のための評価額として1月1日時点での土地価格として決定します

固定資産税評価額は、市町村から毎年5月ごろに送られてくる固定資産税納税通知書の「価格」として記載されています。
固定資産税納税通知書や課税明細書の見方は、各市町村のホームページで閲覧できることが多いでしょう。

固定資産税はただ土地を持っているだけでかかる税金なので、課税基準として取引価格に近い公示価格を基準額にしてしまうのはかわいそう、ということで公示価格の7割程度の額になるよう設定されています。

路線価の場合のような権利の変動もないので、路線価より低い価格になるように設定されています。
こちらもだいたい公示価格の8割という考え方で良いかも知れません。


実際の取引価格は公示価格とほとんど同じ?

実際の取引価格は公示価格とほとんど同じ?

公示価格は取引の実情を反映して決定されるといっても、実際の取引価格は公示価格と異なる場合があります。 公示価格は更地価格であるため、土地上に建物が存在する場合には評価が大きく変わりますし、その建物がどのようなものかによっても全く違ってきます。

もちろん近所にコンビニが新しくできた場合にも評価は変わりますし、株価などの経済事情や自然災害等によっても変わります。

他方で、取引価格は公示価格からの「差し引き計算」で決定されることも多く、公示価格より高い場合は、それなりの理由が示されなければならないということでもあります。

不動産売却においては、売り手、買い手にとって価格の適正性を理論的に説明し、また納得する基準にする意味でも、公示価格は大きな意味を持つわけです。

評価額の違いを理解することは、土地の売却や賃貸、建築などの判断をするうえでの大きな第一歩です。

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この記事のまとめ

土地の代表的な3つの価格「公示価格」「路線価」「固定資産税評価額」は、それぞれ土地が外部取引される場合や相続などの権利移転の場合、所有継続の場合などの場面を踏まえて決定されている価格です。

特に公示価格の内容を正しく知っておけば、実際の土地取引における適正価格がどの程度となるか判断する材料にできるでしょう。 ぜひ、知識として知っておいて頂ければと思います。

評価額ごとに使い道が違うように、土地活用の選択肢も人それぞれです。
だからこそ、専門家の視点で「どの活用法が向いているのか」を知っておくことが重要です。
いま知った情報を活かすために、まずは一歩踏み出してみましょう。

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