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【イエカレ】不動産に関わる税金!計算例や節税方法を紹介|軽減措置を利用して節税しよう
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目次
1.不動産を取得したときにかかる税金
土地、建物の不動産を購入した際には、さまざまな税金が必要です。
大きく分けると「印紙税」「登録免許税」「不動産取得税」「消費税」の4種類です。
なかでも消費税以外は、条件を満たす必要があり、軽減措置も存在します。
1-1.印紙税
印紙税は不動産を購入した際の売買契約書に課税されます。
納付の方法は、売買契約書に収入印紙を貼付し、消印を行います。
売買契約書に記載された金額によって、納付額が変わります。納付する額は以下の表をご参照ください。
・印紙税額一覧表
売買契約書に記載された売買代金 | 税額 |
---|---|
1万円未満 | 非課税 |
10万円以下 | 200円 |
10万円を超え、50万円以下 | 400円 |
50万円を超え、100万円以下 | 1,000円 |
100万円を超え、500万円以下 | 2,000円 |
500万円を超え、1,000万円以下 | 1万円 |
1,000万円を超え、5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万円を超え、1億円以下 | 6万円 |
1億円を超え、5億円以下 | 10万円 |
5億円を超え、10億円以下 | 20万円 |
10億円を超え、50億円以下 | 40万円 |
50億円を超えるもの | 0万円 |
1-1-1.印紙税の軽減措置
ただし、平成9年4月1日~令和4年3月31日までに作成された不動産の売買契約書には、以下の金額への軽減措置があります。
売買契約書に記載された売買代金 | 税額 |
---|---|
10万円を超え、50万円以下 | 200円 |
50万円を超え、100万円以下 | 500円 |
100万円を超え、500万円以下 | 1,000円 |
500万円を超え、1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000万円を超え、5,000万円以下 | 1万円 |
5,000万円を超え、1億円以下 | 3万円 |
1億円を超え、5億円以下 | 6万円 |
5億円を超え、10億円以下 | 16万円 |
10億円を超え、50億円以下 | 32万円 |
50億円を超えるもの | 48万円 |
なお、印紙税額が10万円以下については、この軽減措置の対象とはならず、200円が必要です。
また、契約書に記載された金額が1万円未満については、非課税です。
軽減措置の期間は、随時更新もされていますが、今後適用の対象外になる恐れもあります。詳しくは国税庁のHPをご参照ください。
1-2.登録免許税
法務局に不動産の所有権移転登記をする際に、課税される税金です。
税額は、土地・建物の固定資産税評価額に、一定の税率をかけて算出されます。
主な種類と税率は以下の通りです。
項目(簡易な説明) | 税率 |
---|---|
土地の所有権移転登記(土地の名義変更) | 固定資産税評価額×2.0% |
建物の所有権移転登記(建物の名義変更) | 固定資産税評価額×2.0% |
住宅用家屋保存登記(新築住宅の購入) | 固定資産税評価額×0.4% |
抵当権設定登記(住宅ローンの借り入れ) | 借入額×0.4% |
ただし新築住宅に限っては、固定資産税評価額は設定されていないケースが主です。そのときは、法務局で算出及び認定された価格を固定資産税評価額とみなします。
1-2-1.登録免許税の軽減措置
こちらも適用要件を満たせば各種軽減の特例があります。
項目 | 軽減後の税率 | 特例の適用要件 |
---|---|---|
土地の所有権移転登記 | 固定資産税評価額×1.5% | 令和5年3月31日までの間に登記を受けること。 |
建物の所有権移転登記 | 固定資産税評価額×0.3% | 個人が、令和4年3月31日までに住宅用家屋の取得(売買及び競落に限る)をし、自己の居住用として登記すること。 |
住宅用家屋保存登記 | 固定資産税評価額×0.15% | 個人が、令和4年3月31日までに住宅用家屋を新築すること。もしくは建築後に使用されたことのない住宅用家屋の取得をし、自己の居住用として登記すること。なお、登記後の申請は不可です。 |
抵当権設定登記 | 借入額×0.4% | 特例なし |
参考:国税庁「登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ」
印紙税の軽減措置でも触れましたが、この軽減措置も適用期間が随時更新されています。
そのため、申請時に利用可能であるかの確認が必要です。
1-3.不動産取得税
不動産の購入や建築をした際に、課税される税金です。
不動産を取得してから60日以内に、取得した不動産の所在する県税事務所に申告する必要があります。
不動産取得税の税額は、固定資産税評価額に対して、通常4%の税率です。
ただし、土地と建物(住宅)について、令和6年3月31日までの間は軽減税率を適用し、税率が3%に減額されます。
住宅以外の建物についての税率は、通常通り4%です。
分類 | 税率 |
---|---|
住宅 土地 | 固定資産税評価額の3% |
住宅 建物 | 固定資産税評価額の3% |
住宅以外の建物 土地 | 固定資産税評価額の3% |
住宅以外の建物 建物 | 固定資産税評価額の4% |
さらに後述しますが、令和6年3月31日までの間は、土地が宅地の場合、土地の課税標準額は固定資産税評価額の2分の1になります。
別途それぞれ特例があるため、下記で解説します。
1-3-1.軽減措置①新築住宅
取得する不動産が新築住宅のとき、固定資産税評価額から1,200万円を控除する軽減措置の特例があります。適用要件は以下の通りです。
■適用要件
・住宅の延べ床面積が50㎡(一戸建て以外の住宅で賃貸に供するときは40㎡)以上、240㎡以下であること。
延べ床面積とは以下をもとに算出します。
・戸建:登記簿面積
・マンション:「専有部分の登記簿面積」+「共有部分の持分面積」
購入時のパンフレットの面積と異なるときがあるため、よく確認してから適用条件にあてはまるかどうかを判断しましょう。
1-3-2.軽減措置②中古住宅
中古住宅の軽減額は、中古住宅が新築された年月日によって異なります。
軽減措置の適用要件は以下の通りです。
■適用要件
・新築住宅と同じく、住宅の延べ床面積が50㎡以上、240㎡以下であること。
・①昭和57年1月1日以降に建築された建物であること。
②築年数にかかわらず、新耐震基準に適合している証明があるもの(もしくは加入後2年 以内の既存住宅瑕疵担保保険に加入しているもの)
以上の①ないし②のいずれかであること。
軽減額の一覧は以下です。
建築年月日 | |
---|---|
昭和47年12月31日以前 | 150万円 |
昭和48年1月1日~昭和50年12月31日 | 230万円 |
昭和51年1月1日~昭和56年6月30日 | 350万円 |
昭和56年7月1日~昭和60年6月30日 | 420万円 |
昭和60年7月1日~平成元年3月31日 | 450万円 |
平成元年4月1日~平成9年3月31日 | 1,000万円 |
平成9年4月1日以後 | 1,200万円 |
参考:東京法務局
「Q13 居住用の中古住宅を取得したときに不動産取得税の軽減制度はありますか。」
なお、上記は東京都の控除額を基準にしています。控除の基準や金額は都道府県により、若干の誤差があります。
1-3-3.軽減措置③住宅用の土地
住宅用の土地についてもまた、軽減措置の特例があります。
適用要件は以下の通りです。
■適用要件
【新築住宅の土地】
・前述した延べ床面積の条件を満たしていること。
・土地を先に取得し、その後3年以内に住宅を新築すること。
・土地の賃貸により、先に住宅を新築した際に、その後1年以内にその土地を取得する こと。
【中古住宅】
・土地と建物を同時に取得すること。
・土地を先に取得し、その後1年以内にその土地上の建物を取得すること。
・土地の賃貸により、先に建物を取得し、その後1年以内にその土地を取得すること。
軽減額の計算については以下の通りです。
(固定資産税評価額 × 1/2 × 3%) − 控除額(下記アかイの多い金額)=不動産取得税 |
イ:(土地1m²当たりの固定資産税評価額×1/2)×住宅の床面積×2(200m²が限度)×3%
1-4.消費税
不動産の取得時にかかる消費税は、大きく分けて2種類あります。
一つは、購入住宅に消費税がかかる場合です。
原則土地は非課税で、建物は消費税の対象です。
しかし、必ず課税の対象となるわけではありません。
売主が課税事業者と出会った場合、消費税が課されます。
一方、個人が売主のときは課税対象になりません。
もう一つは、不動産の売買に不動産業者を利用したときの仲介手数料です。
仲介する不動産業者が課税事業者のときも、消費税がかかります。
1-5.不動産の取得における税金の計算方法
ここで、今までの解説を基に、新築住宅を例に挙げて計算します。
【条件】 ・延べ床面積:130㎡ ・敷地面積:200㎡ ・居住用の住宅 ・土地の固定資産税評価額:1,300万円 ※固定資産税評価額の2分の1を適用後の金額 ・建物の固定資産税評価額:1,100万円 |
【建物】
・軽減措置利用の場合
【建物の不動産取得税】 (1,100万円-1,200万円)×3%=0円 |
・軽減措置の利用がない場合
【建物の不動産取得税】 1,100万円×3%=33万円 |
軽減措置によって、33万円軽減できました。
続いて土地です。
【土地】
固定資産税評価額1,300万円×3%=39万円 敷地1平米あたりの価格(1,300万円÷200平米=6.5万円)×(130平米×2>200平米が限度のため200平米)×3%=39万円 39万円-39万円=0円 |
軽減措置のおかげで不動産取得税がぴったり0円に収まりました。 建物と合計すると72万円もの税金を抑えられています。
2.不動産を保有しているときにかかる税金
不動産には保有しているだけで、必要な税金として固定資産税と都市計画税の2種類があります。
固定資産税と都市計画税は、毎年1月1日時点の不動産所有者に納付義務があります。
また、申請は不要で軽減措置を受けられますが、役所(役場)による課税ミスが発生している事例が過去にあります。
正しい知識を身に付けておくと、ミスにも気づけて、問題なく節税ができるでしょう。
以下で詳しく解説します。
2-1.固定資産税
固定資産税とは、不動産の所有に課税される税金です。
固定資産税は国に納める税金ではなく、対象の住宅や土地の存在する市区町村に納める「地方税」の一種です。
固定資産税の税額は、固定資産税評価額×1.4%(税率)によって算出されます。
具体的には、各市区町村から届く納税通知書を用いて納付します。
2-1-1.固定資産税の軽減措置
住宅用地の敷地面積が200㎡以下の部分は、固定資産税評価額が6分の1に減額されます。
200㎡を超える部分については3分の1へ減額されます。
ただし、居住された住宅があるときの適用であり、空き家や、更地であるときは適用外です。
2-2.都市計画税
都市計画税とは、市街化区域内の土地や建物を所有している人のみに課税される税金です。
都市計画税の税額は、固定資産税評価額×0.3%(税率)で算出されています。
市街化区域とは、都市計画法における「都市計画区域」に指定されている地域です。
簡単にいうと発展している地域、あるいはこれから発展すると見込まれている地域が該当します。
一方、市街化調整区域と呼ばれる、市街化を抑制されている区域では課税されません。
2-2-1.都市計画税の軽減措置
都市計画税の課税についても軽減措置が取られています。
それぞれの適用要件としては以下です。
・敷地面積が200㎡以下までの住宅用地:固定資産税評価額×3分の1
・その他住宅用地:固定資産税評価額×3分の2
「住宅用地」には賃貸住宅も含まれますが、あくまで住宅用地が対象のため、事業用の土地は対象ではありません。
2-3.不動産の保有における税金の計算方法
それでは、新築のマンションを基準に設定し、実際に計算しましょう。
【条件】 新築マンション 敷地面積が200㎡以下 建物の面積は120㎡以下 土地の固定資産税評価額:1,800万円 建物の固定資産税評価額:1,300万円 |
まずは固定資産税から求めます。
上記の条件で、土地の固定資産税評価額は軽減措置の適用により、6分の1になります。
また、新築住宅の軽減措置を適用し、建物の評価額は2分の1で計算できます。
・土地の固定資産税評価額:300万円
・建物の固定資産税評価額:650万円
標準税率の1.4%で計算すると、固定資産税は土地で4万2,000円、建物で9万1,000円となります。
つまり、合計13万3,000円の税金がかかります。
つぎに都市計画税です。
固定資産税評価額は敷地面積が200㎡以下のため、軽減措置の適用により、3分の1になります。
・土地の固定資産税評価額:600万円
・建物の固定資産税評価額:1,300万円
この課税標準額に税率の0.3%をかけて計算すると、土地で1万8,000円、建物で3万9,000円になります。つまり、合計で5万7,000円の税金がかかります。
3.不動産で収入を得たときにかかる税金
不動産の賃貸で得た不動産所得には、所得税や住民税、事業税と呼ばれる税金が課税されます。
不動産所得は確定申告が必要です。
申告漏れがあると、通常の税額に加え、重加算税の発生や脱税とみなされる危険性もあります。
3-1.所得税・住民税
不動産で得た家賃や共益費などの不動産所得を対象に、所得税及び住民税が課税されます。 課税の対象額は、総収入から経費を差し引いた分です。 収入に該当する例は、主に以下の通りです。
・家賃 ・駐車場代や駐輪場代 ・管理費や共益費 ・礼金 ・更新料 など |
経費として認められる例は、主に以下の通りです。
・不動産の管理を依頼している場合の管理業務委託費用 ・不動産の維持管理における修繕費用 ・減価償却費用 ・固定資産税 ・入居者募集に係る仲介手数料 など |
後ほど、上記の例を参考に、計算例を解説します。
3-2.事業税
法人ではなく個人事業主として得た不動産所得でも、年間290万円を超える際は、個人事業税と呼ばれる税金の課税対象です。
なお、税額として、290万円を超えた金額に対して5%がかかります。
また、その不動産所得が年間1,000万円を超える際には、消費税納税業者と認定されます。そのため、消費税を納める必要がでてきます。
3-3.不動産収入における税金の計算方法
まずは、所得税の計算方法です。
累進課税方式が取られており、それぞれの税率と控除額は以下の通りです。
課税対象所得額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え、330万円以下 | 10% | 9万7,500円 |
330万円を超え、695万円以下 | 20% | 42万7,500円 |
695万円を超え、900万円以下 | 23% | 63万6,000円 |
900万円を超え、1,800万円以下 | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円を超え、4,000万円以下 | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円を超えるもの | 45% | 479万6,000円 |
次に、住民税として、総収入から経費を差し引いた課税対象額に一律で10%かかります。
これらを基に、仮に課税対象額を350万円とします。
すると計算式は以下のように考えられます。
・所得税 350万円×0.2-42万7,500円=27万2,500円 ・住民税 350万円×0.1=35万円 |
よって、このケースでは所得税と住民税の合計で62万2,500円を支払う必要があります。
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4.不動産を売却したときにかかる税金
不動産を売却した際、その取引によって、売却益(譲渡所得)が発生したときは、その他の所得(給与やその他所得)と分離して、所得税・住民税が課されます。
このことをまとめて、譲渡所得税といいます。
ここでいう「譲渡」とは、売却と同じ意味です。
譲渡所得税は損益によって、それぞれ対応方法が異なります。
また、それぞれの特例措置についても解説します。
4-1.売却で利益が出た場合
売却によって利益が発生した際、先程述べたように、譲渡所得税がかかります。
計算方法は後述しますが、不動産を所有していた期間により、その税率は大きく異なります。
期間の分け方として以下の2種類があります。
・「長期譲渡所得」(所有期間が5年超え):20.315%
・「短期譲渡所得」(所有期間が5年以下):39.63%
4-2.不動産の売却における特例措置
「事業用資産の買換えの特例」という措置があります。
具体的には、事業用の不動産を譲渡し、新たに事業用の不動産を取得します。
そして、その取得日から1年以内に不動産事業として開始した際、譲渡所得にかかる税金を軽減できます。
対象は、売却した金額(譲渡価格)より、買い換えた金額(取得価格)が多いときです。
売却した金額に20%〜30%(課税割合)をかけた額を収入金額として、譲渡所得の計算ができます。
この特例の適用にはいくつかの要件があるため、事前の確認が必須です。
4-3.譲渡取得税の計算方法と特別控除について
譲渡所得税の計算には、譲渡所得を計算して出しておかなければなりません。
譲渡所得は、実際の売買代金から、取得費・譲渡費用・特別控除額を差し引くことにより算出できます。
・取得費:譲渡する不動産を取得した際の費用
・譲渡費用:その譲渡にかかった仲介手数料などの経費
・特別控除額:税制上の優遇措置
特別控除額については、さまざまな種類が存在します。
たとえば、個人を対象とするなら「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」に絞られます。
この特例を適用できれば、所有期間の長短によらず、売却により生じた譲渡所得から最高3,000万円までを控除できます。
4-4.確定申告が必要なケースと不要なケース
不動産の売却による確定申告の有無は、その譲渡所得の損益によって決定します。
基本は利益があった際に、特別控除がない限り、譲渡所得税が発生します。
この譲渡所得税を納付するためには確定申告が必須です。
一方、損失が出た際は原則として、申告は不要です。
申告が必要であるのに、行わなかったときは、重加算税の発生や脱税とみなされるケースもあります。
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5.不動産を相続・贈与したときにかかる税金
不動産を購入・売却したときとは別に、相続や贈与を行ったときにも税金がかかります。
具体的には、主に以下の4つが発生します。
・生前に不動産を贈与されたとき:贈与税
・遺産で引き継いだとき:相続税
・登記をするとき:登録免許税・不動産取得税
5-1.贈与税
土地や建物などの資産を、無償で譲り受けたときに発生する税金です。
申告・納税の義務者は、不動産を譲り受けた側(贈与された側)にあります。
贈与税は毎年1月1日から同年の12月31日までの1年間を基準に、その年に贈与された資産の合計額に応じて計算されます。
申告・納税の期限は、翌年の2月1日から3月15日までです。
5-1-1.贈与税の軽減措置について
贈与税は「暦年課税制度」と「相続時精算課税制度」の2種類が主です。
暦年課税制度を利用するときは、毎年110万円以下までは非課税とみなされます。
相続時精算課税制度を利用するときは、60歳以上の父母、祖父母(いわゆる直系尊属)から贈与を受ける際に、2,500万円まで贈与税が非課税とみなされます。
2つの課税制度で、どちらを適用するのかを一度決定すると、途中で変更はできないため、慎重に検討する必要があります。
また上記2点とは別に、夫婦間で居住用不動産の贈与をする際は、最高2,000万円まで非課税にできる「配偶者控除」が利用できます。
ただし、婚姻期間が20年以上必要です。
また、配偶者控除は暦年課税制度と併用できる点も覚えておきましょう。
5-1-2.贈与税における税金の計算方法
「誰から贈与を受けるか」により税率が異なります。
ここでは暦年課税制度を利用し、配偶者間(婚姻期間20年未満)の贈与を例に計算例を挙げます。
贈与税の算出方法は、以下の計算式です。
{(贈与額) -(基礎控除額)} ×(税率) - (控除額) = (贈与税額) |
税率及び控除額は以下の通りです。
贈与額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円以下 | 10% | 0 |
200万円を超え、300万円以下 | 15% | 10万円 |
300万円を超え、400万円以下 | 20% | 25万円 |
400万円を超え、600万円以下 | 30% | 65万円 |
600万円を超え、1000万円以下 | 40% | 125万円 |
1000万円を超え、1500万円以下 | 45% | 175万円 |
1500万円を超え、3000万円以下 | 50% | 250万円 |
3000万円を超えるもの | 55% | 400万円 |
仮に夫から妻に450万円を贈与したとき、先ほどの計算式にあてはめます。
(450万円-110万円)×20%-25万円=43万円 |
このケースでは43万円が贈与税と結果がでました。
5-2.相続税
相続税とは、被相続人から資産を相続した際に、その相続人が支払う必要がある税金です。
相続税は、相続する資産の額によって税率が異なります。
申告・納付の期限は、相続をした日の翌日から10か月以内と定められています。
相続手続きには共有者がいるときの話し合いや、葬儀、必要書類の収集など、多くの労力を必要とします。
できれば専門家に相談しましょう。
5-2-1.相続税の軽減措置について
相続税の軽減措置には、主に「基礎控除」「贈与税額控除」「未成年者控除」があります。
まず基礎控除は、一定の基準(計算式)に基づき算出された値が、相続資産の値を超えない際の申告が要りません。
つぎに、贈与税額控除とは、贈与税と相続税を二重で支払うことのないように控除できる仕組みです。
具体的には、相続しはじめる3年以内に、被相続人から財産の贈与を受けていたときの贈与税が相続税に合算されます。
未成年者控除とは、その名の通り、相続人に未成年者がいる際に、本来納める相続税額を控除できる仕組みです。
5-2-2.相続税における税金の計算方法
実際の計算例をご紹介しましょう。
課税対象が5,000万円で、夫婦2人と子ども2人の場合を想定し進めます。
まず、5,000万円を法定相続分で分けます。
妻:5,000万円×2分の1=2,500万円 子1人につき:5,000万円×4分の1=1,250万円 |
つぎに、相続税率をかけて、対応した控除額を引きます。
妻:2,500万円×15%-50万円=325万円 子1につき:1,250万円×15%-50万円=137.5万円 合計額=600万円 |
この600万円が相続税の合計額です。
計算結果を遺産の取得割合に応じて按分することで、それぞれに課税される税額を算出できます。
5-3土地の評価方法
土地の相続で、相続税額を求めたいとき、相続税評価額をもとに算出します。
国税庁が発表している相続税路線価を用いて、簡易に計算が可能です。
路線価が公表されている地域では路線価方式による算出で、路線価がない地域では倍率方式による計算をします。
路線価とは、道路に面している土地が1㎡あたりどの程度価値があるのかを評価する指標です。
5-3-1.路線価方式による評価
遺路線価は国税庁のHPから参照できます。
この路線価に土地面積、奥行価格補正率の2つをかけて算出が可能です。
奥行価格補正率とは、道路に面していても、土地の奥行きによって価値が変わる点を補正するために作られた指標です。
奥行価格補正率についても、国税庁のHPより確認できます。
5-3-2.倍率方式による評価
路線価がない地域では、基準となる価格がないため、固定資産税評価額を参考にします。
この固定資産税評価額に一定の倍率をかけることによって算出します。
倍率の確認方法は、国税庁が運営するHPから確認可能です。
まとめ
税金にはさまざまな種類があり、それぞれの税制上における控除の特例が、多岐にわたります。そのため、すべてを把握しきることは困難を極めます。
不動産の税金については、できるだけ専門家と相談し、トラブルを事前に防ぎましょう。
▼イエカレでは土地活用や不動産管理に関する記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
土地活用に関する記事:https://plus-search.com/chintai/archives.php
賃貸管理に関する記事:https://plus-search.com/property_management/archives.php
家の貸し出しに関する記事:https://plus-search.com/relocation/archives.php
不動産売却に関する記事:https://plus-search.com/fudousanbaikyaku/archives.php
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この記事について
(記事企画/監修)イエカレ編集部
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